【完結】Azur Lane for Answer   作:塊ロック

23 / 41
各陣営はリンクス……ネクスト欲しさに妙に回りくどい真似をする。

指揮官の決断は。


4つの指輪

 

「……なんだこれ」

 

机の上に並べられた4つの親書。

陣営はそれぞれ、ユニオン、ロイヤル、鉄血、重桜。

 

それぞれの国の言葉で好き勝手に書かれている。

 

「各国から寄せられた要請の様だが」

「エンタープライズ」

 

本日の秘書艦を務めるエンタープライズが戻ってくる。

手には4つの小包が抱えられていた。

 

「まさか、それも……?」

「各国からだ」

「何それ……ふざけてるの?」

「?真面目な書類なんだろう?」

「えっ、ああ、そうだな……」

 

エンタープライズから包みを受け取る。

……軽い。

 

「開けてみたらどうだ?」

「何だ?中身見たいのか?存外可愛い所有るじゃないか、お前」

「なっ……揶揄わないでくれ」

「ハハハっ……ん?」

 

……黒い小さな箱だ。

こう、何か大事そうな物が入っていそうな。

 

「指輪……」

 

上下で別れるタイプのケースに煌めく、銀の指輪。

 

「し、指揮官……それは」

「他の陣営の分も見ておこう」

 

重桜、ロイヤル、鉄血の小包は全て指輪だった。

 

「何だこれ」

「し、指揮官……各国からの文書を読んでみると良いんじゃないか?」

 

エンタープライズの挙動がおかしい。

顔も赤いようだ。

 

「エンタープライズ、何か知ってるな?」

「な、何の事かな?」

「いや、反応から察した」

「さ、さささささ察した!?何をだ!」

「え?何か知ってるんじゃないかって」

「あ、ああ…そう言うことか」

 

さて、何と書いてあるのやら……。

 

「……ケッコン?」

 

何だこれは、国は俺に何をさせたいんだ?

 

「指揮官……ユニオンはKAN-SENの誰かと、その……ケッコン、させたいんじゃないか?」

「何でそんな事を」

「それは……」

「大方、国が指揮官様の首輪を繋ぎたいから……ではなくて?」

「赤城……」

 

執務室に颯爽と現れた赤城。

表情は……険しい。

 

「見え見えですわ、こんなもの。大方、女の姿をしている私たちで指揮官様を繋ぎとめようとしているだけですわ」

「何でそんな回りくどい事を……」

「ネクストの圧倒的な力を、やっぱり各国は欲しがっているんだろう」

「それはそうだが……対セイレーンにしか使用はしないと発表しているぞ」

「軍はそんな事納得していると思います?だからこそこんな手段に訴えてきたと思います」

 

搦め手と言うにはお粗末。

それに、俺はあまり女性に興味は無い。

戦場で過ごしてきた時間が長すぎたからだ。

 

「ケッコン、か……するつもりは無いからなぁ」

「まぁ、ユニオンもすぐに答えを出せとは言っていないのだし……気長に考えても良いんじゃないか?」

「何だ、俺に誰か娶れって言うのか?」

「いや、そこまで言っていないが……」

 

……先ほどから赤城は黙っている。

少し、気になってしまった。

 

「赤城?」

「は、はい!何でしょうか指揮官様?」

「いや、どうした?この手の話ならすぐに名乗り出すと思ったんだが」

「……指揮官様のご意思ならば、赤城は喜んで名乗り出ましょう。ですが……これは、指揮官様が強制されてしまうのは、赤城の本意ではありませんわ」

 

そう、はっきりと言い切った。

彼女は彼女で信念があるのだろう。

不本意だと、本人は言っていた。

 

「そっか……じゃあ、俺も……俺なりに答えを探すよ」

「ああ」

「はい♪」

 

さて、指輪が4つ、か……。

タイミングばっちり過ぎないかね4陣営……。

 

 

 




まさかの決断を保留。
まぁこんな形でケッコンを迫られても嬉しくはないだろうしな……。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。