【完結】Azur Lane for Answer 作:塊ロック
……またしても、セイレーン出現による救援要請が届く。
場所は、サンディエゴ近海。
「指揮官、流石におかしいわ……この辺りの航路に集中してセイレーンの出現よ」
傍らに居るネルソンが、険しい顔をしながらモニターを睨みつけている。
「今月に入って5件目……ペースが速いってもんじゃないな」
「そして、対して被害を出さずに消えていく……誘われてるわね」
「ああ……恐らくこれも……」
救援要請が、取り下げられた。
ネルソンと顔を合わせながら、肩をすくめてみせた。
「神出鬼没で、オマケに何がしたいか分からない。堪ったもんじゃないな」
「そんな奴等に散々引っ掻き回されてるのよ……笑えないわ」
明らかにネクストを誘っている。
奴等が出現すれば、必ず俺は出張らなくてはいけないから。
ただ、実際に行ってみれば量産型しかおらず肩透かしを食らうときもあった。
故に、動き辛い。
ネクストの運用コストは、例え戦闘しなくとも無視できない。
一回の戦闘で消費する燃料は、この基地に居るKAN-SEN全員の補給を購える。
「せめて奴等が釣れればな……」
「無理よ無理。目的が分からないんだから」
「そうだな……」
二人揃って溜め息を吐く。
今月はネルソンに秘書艦を勤めてもらっている。
だが、セイレーン反応に否応なく従わなくてはならないので……付き合わせて、夜通し仕事なんて言うのもザラだった。
「ネルソン、少し休んで来い」
「私は大丈夫よ。指揮官こそ仮眠したら?酷い隈よ」
「そうか…?」
「ほら」
ネルソンの持っていた手鏡で顔を見せられた。
……確かに酷い顔をしている。
というより、自分の顔を最後に見たのはいつだったろうか。
「………………」
「3時間くらい寝てきなさい。起こしてあげるから」
「……今日は、随分優しいな」
「なっ……!何よその言い方は!」
「いや、ありがとう……思えば、お前にはいつも迷惑掛けっぱなしだったな」
ネルソンは、何だかんだアズールレーンサンディエゴ軍港の発足後に配属された初期のKAN-SENだ。
出会ってから随分経ったような気がする。
そもそも、最初は綾波とロングアイランドしか居なかった。
そこからレッドアクシズの離反、最初のネクスト出撃、プリンツの加入。
最初から波乱の連続である。
特にミッドウェーでの再現戦。
赤城・加賀との戦闘。
戦闘は苛烈を極め……なんとかこれを撃退。
この時にネルソンとロドニーが戦線に加わった。
その後、赤城と加賀が釣れた。
「……すまないな、少し休む」
「ええ、おやすみなさい」
セイレーンは、まだ動く。
リンクスは未だ休息中。