【完結】Azur Lane for Answer 作:塊ロック
現在ここサンディエゴは多数の量産型セイレーンに包囲されている。
諸君らKAN-SENには近付くセイレーンを撃破し惹きつけてくれ。
桜色のネクストが出現した場合、手を出すな。
戦闘が始まった。
サンディエゴにある戦力全ての投入。
出し惜しみはナシだ。
ここで負けたら、何もかも終わりなのだから。
「行くぞ、ストレイド……」
ネクストに火が灯る。
緑の粒子が舞う。
『ご主人様!周辺には量産型のみです!露払いはお任せください!』
「任せるぞ。赤城」
『こちらに。現在赤城、加賀、エンタープライズの三名で制空権は確保しております。存分に飛んでください』
「おう。ネルソン」
『まだ量産型しか見えないわ。大丈夫よ……指揮官は、自分の義務を果たしなさい』
「……ありがとな、皆」
KAN-SEN達からの通信に次々と答えていく。
状況は襲撃を受けた割には悪くない。
皆、練度を高め強くなっている。
ハンガーの天井が開く。
「……出るぞ!」
『ご武運を』
ストレイドのバーニアが火を吹かす。
「アンタだけは、俺の手で落とす」
俺は、俺の戦いをしよう。
例え俺が落ちるような事があっても、彼女達はそのまま戦い続けられるだろう。
――――――――――
開戦から30分が経過した。
相変わらずセイレーンの攻勢は続いている。
今の所量産型しかおらず、KAN-SEN達だけで対処が出来てはいるが……。
(削られている。少しずつ……着実に)
KAN-SENは人間離れしたパワーとフィジカルを持っていたとしても、連戦がここまで長引けば疲弊する。
連中がそれを狙っているとしたら意外とセコい作戦をとるものだ。
圧倒的に自分達が有利だと思っていないのだろうか。
(しかし、どうして出てこない……)
シリエジオの姿が、無い。
どこにも見当たらない。
(何故だ。投入すればKAN-SENをほぼ無力化出来る筈なのに)
それをしないのは、何故。
考えるだけ無駄である。
奴は神出鬼没。
そして何を思い何を考えるか。
常に人類側の想像を超えてきた。
そんな奴等とどう渡り合うか。
簡単だ。
「前に立つのなら、叩き潰すまでだ!何度でも!」
ストレイドのライフルを量産型に叩き込み、海の藻屑へと変える。
未だ量産型が闊歩するだけの戦場。
このままではKAN-SEN達によって全て駆逐されるだけ。
『指揮官……!来ました、です!』
綾波からの通信。
来た。
どちらが?
「各員持ち場を維持!以後の指示は各個判断!臨機応変に対応せよ!!」
『『了解!!』』
元々示し合わせていた指示。
対ネクストに全力を尽くす為、俺から指示は出せない。
綾波の送ってきた座標へ機体を向ける。
……背部のブースターを展開する。
オーバードブースト。
ストレイドが、音速を超えた。
来た。
ならば、落とすまで。