【完結】Azur Lane for Answer 作:塊ロック
鎮座するだけで基地の資材を消費するそれに、部下たちはあまり言い顔をしていなかった。
「いい加減にしなさいよッ!!!」
その日、サンディエゴ軍港に怒声が響いた。
「…いきなりなんだ、ネルソン」
不満げな声を上げるのは、我等が首輪付き、リンクス指揮官。
対面に居る金髪ドリルのビッグセブン、ネルソンに対しての台詞だった。
「アナタ、またあのガラクタを動かす算段を付けてるわけ?」
「ガラ…!?お前、俺の相棒に向かってその言い方はなんだ!」
「出すだけでウチの資源食い尽くすわ維持費も相当掛かるわであんなの役に立つとは思えない」
「…言いたい事は、それだけか?」
「何ですって?」
ネルソンが指揮官を見る。
…珍しく、青筋をたてて、キレている。
「お前がストレイドに対して思ってる事はよーーーーくわかった」
「な、何よ…」
この指揮官、平時はそこそこ有能だが如何せんネクストの事になると沸点が相当下がる。
と、いうか指揮官とネルソンの相性があまり良くないのも原因なのかもしれない。
「アレは俺が駆け出しだった頃からずっと乗ってるいわば相棒だ。相棒を侮辱するならそれは俺への侮辱と同義だぞ」
「ふん、だから何だって言うの?あんなの動かす暇があるならさっさと資材まわしてこの基地の戦力を整えるほうが先決よ」
「ネクストが動けば各国に対して切れるカードが増える。既に依頼と報酬のKAN-SENの話も出てる…と言うかロイヤルのジジイ共が送ってきたのがお前らじゃないか」
「私の祖国に対してなんて言い方をするのよ!?第一私は女王陛下に…!!」
「はい、喧嘩はそこまでにして、執務しましょう?指揮官、姉様?」
ふんわりと、その場の空気を諌めるもう一人の声。
ネルソンの妹、ロドニーだった。
…苛烈な性格の姉とは正反対な穏やかな気性をしている。
今日は二人が、リンクス指揮官の補佐をすることになっていた。
「……すまない。少し熱くなりすぎた」
「ふん…」
ロドニーに諌められた手前、まだ口げんかを続ける気にはならなかった。
今日の執務も、時間が掛かりそうだった。
「あら、これは…『アーマードコア・ネクスト運用計画』?」
ロドニーが先程ネルソンの持っていた書類をさり気無く奪っていた。
「ロドニー、読むだけ無駄よ…動かない鉄塊をどう動かすかの計画なんて」
「なんだと…」
「はいはい、指揮官も落ち着いてください」
静かに、ぱらぱらとページを捲っていく。
ロドニーの表情は、真剣そのものだった。
「指揮官」
「何だ?」
表情からロドニーの感情は読めない。
「この…ネクストを、本当に動かすのですか?」
「どの道セイレーンに対して有効打を持たないアズールレーンが要請した事だ」
「何よ、私達じゃ不満ってこと?」
「そうじゃないネルソン。連中のシナリオに無いイレギュラーを上が欲しているって事だ」
元々、ネルソン達艦船は表沙汰になっていないがセイレーンの齎した技術だと聞いている。
…奴等が俺をここに呼んだ理由はわからない。
「ま、確かに前線に出る指揮官なんて聞いたこと無いわ」
「少なくともロイヤルには居ませんね」
「そりゃな…」
寂れているとは言え、いち軍港を預かる人間が前線に出るなど以ての外である。
「明石と何とか運用する方法は確立した。アレは、動かせるぞ」
「本当かしらね…」
あいもかわらず、ネルソンのジト目に睨めつけられる。
最早これも慣れたものである。
美人に見られるのは悪い気はしないが、生憎相手は艦船だ。
「その為に色々手は尽くしている。君達は君達の義務を果たせるようにしていてくれ」
「何よその言い方」
「姉様…」
さて、どうしたものかな…。
ロドニーとネルソン登場回。
初期から実装されているものの、未だ現役を退く気配のない強力な攻撃スキルでうちの主力を担ってくれています。
特に、ネルソンに関しては見た目が好みで…え、聞いてない?はい…。
…しかし、ネクストをどうやって動かすんでしょうねこれ。