【完結】Azur Lane for Answer   作:塊ロック

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決意と、答え。
リンクスはそれでも進む。


Pray for Answer

「指揮官、ユニオンから書類来てるよ」

「重桜からもだ」

「卿よ、鉄血から便りだ」

「失礼します、ご主人様。ロイヤルより書類が届いております」

 

朝イチ、始業してからすぐのこと。

なんで四大勢力一同に介すのかな。

 

「あー、ありがとうクリーブランド、グラーフ、加賀、ベルファスト」

 

それぞれ受け取り、封を切って中身を確認する。

 

「あのさ指揮官、それ……またケッコンの催促だろ?」

 

目聡いクリーブランドが、そう口にした。

グラーフと加賀は生暖かい微笑みを向けてきて、ベルファストは少し居心地が悪そうだ……ちょっとそわそわしている。

 

「ベルファスト?調子が悪いのか?」

「い、いえ……」

 

クリーブランドにため息を吐かれた。

解せない……。

 

「指揮官はもうちょっと気の使い方、考えたほうがいいと思う」

「え?ああ……」

 

面と向かって言われてしまった。

もっと解せないです。

 

「そ、それでご主人様。今回も催促ですか?」

「戻ったわ指揮官。あら、今日は凄い人数ね」

「ああ、おかえりティルピッツ」

 

更に追加。

ティルピッツはずっとこちらと鉄血とのパイプを繋げてくれていた。

結構久しぶりに顔を合わせるが、やりとりはしていた。

 

「とりあえず支援はこれで終わりよ」

「ありがとう、本当に助かった」

「別に。ただ、貴方も評価されたと言う事よ」

「そうか。お疲れ様」

「そうそう、久しぶりに私も姉に会ったのだけれど」

 

姉、へー。

ティルピッツにも姉が居るのか。

グラーフが凄い気まずそうな顔してる。

 

「指揮官、ケッコン決めたようね。おめでとう」

「「「「えぇ!?」」」」

 

もしもし?ティルピッツのお姉さん?何で知ってるの?

 

「一言くらい相談してくれても良かったのに」

「そうは言ってられなかった」

「まぁ良いわ。プリンツの事、よろしくね」

「ストーップ!!ストップ指揮官!!えっ、何、どういうことさ!?」

 

クリーブランドが割り込んできた。

 

「ご主人様、詳しく説明してください。私今、冷静さを欠こうとしています」

「ベルファスト?顔が怖いぞ?」

「指揮官……姉様というものがありながら……」

「あー、加賀?誤解だ」

 

うーんカオス。

どうやって説明しようかなこれ。

 

「おはようございまー……あー、これは修羅場ってやつですねぇ。失礼しました」

「待てシュロップシャー。違う」

「大丈夫ですよ指揮官。これからも私は貴方の部下ですので」

「この前友達って言ってくれなかったかお前!?」

「おはようございます、貴方様。眠気覚ましに紅茶の方を……あらあら、お邪魔だったでしょうか」

「同じ反応しないでくれ。何だ今日は、やけに人が多いな」

 

一時間と経たずにKAN-SENが部屋にあふれている。

何だ何だ本当に。

 

「おはようございます指揮官様」

「おはよう」

「おはよう指揮官……うわ、凄い人だな」

「ふぁ〜……おはよう」

 

新たに赤城、ネルソン、エンタープライズ、プリンツが追加された。

 

「あら、プリンツ」

「ティルピッツじゃない。やっと帰ってきたのね」

「おめでとう、良かったわね」

「???」

「あ……」

「……あら、言ってなかったのかしら指揮官」

「ティルピッツ、何の話?」

「貴女と指揮官がケッコンするって話よ」

「………………えっ」

 

いいやがった!!!

部屋の空気が凍る。

……原因は、赤城。

 

「し、指揮官……?」

 

プリンツが、困惑した表情でこちらを見る。

どうする、どうするこれ……。

 

「……これより二時間後、KAN-SENは講堂に全員集合せよ」

 

逃げの手。

いやだってこえーよこれ。

 

 

 

―――――――――二時間後。

 

 

 

 

サンディエゴに在籍するKAN-SEN、その全てが講堂に集まっていた。

 

「あー、あー、聞こえてるかな?」

「指揮官、この際隠し事は抜きだ」

 

プランB、所謂ピンチですね。

 

「一部の者は知ってるかもしれないが……今、サンディエゴは四大勢力からちょっとした圧力が掛かっている」

 

誰か娶らないと支援打ち切るよ?

あ、勿論うちの子だよね?

 

要するにこういう事である。

 

「うわ……」

 

ヒッパーが呆れて絶句している。

正直俺も呆れたよ。

 

「それで……鉄血を、わ、私を選んだって事?」

 

凄いなこいつ……良く発言できるなプリンツ。

 

「そうなんだが少し違う」

「え?」

「今から名前を挙げる。プリンツ·オイゲン!」

「は、はい?」

「エンタープライズ!」

「ああ……?」

「赤城!」

「は、はい!」

「そして、ネルソン!」

「……まさか、アンタ!」

 

ネルソンが察したように怒鳴る。

まぁそりゃそうだよな。

 

「俺はこの四名とケッコンする事を提出した!」

「「「「馬鹿じゃないの!!!?!!!!???!!!」」」」

「そして各陣営にそれぞれ1名の名前のみを記載して返信した!」

「「えっ」」

「各国のどこも一人だけとは言ってなかったからな」

 

我ながらふざけてると思う。

けどこちとら実際結婚したことも誰かと恋愛したこともない。

一般的な指揮官がどう信頼を結んでいるのかも知らない。

 

なので、俺は好きにやらせてもらう。

 

「……確かに、各陣営のバランスを取るならまぁ……本人たちの意思を一切考慮してないのを除いてマシな選択かもしれないわね」

 

ティルピッツが皮肉タラタラな一言をくれました。

当人たちの気持ち、か……。

 

「私は構わないぞ。むしろ嬉しいくらいだ」

「私だけじゃないってのはちょっとムカつくけど、私はOK」

「指揮官様が選ばれたなら、赤城は感激ですわ!……余分な物もいっぱい付いてますけど、それは追々」

「………………」

 

ネルソンが、ずっと黙っている。

 

「指揮官」

「……何だ」

「アンタは、それで良いの」

「ああ」

 

決めた事だ。

 

「……はぁぁぁぁぁぁ」

 

凄まじい大きなため息を吐かれた。

 

「指揮官……いいえ、リンクス!」

 

声を荒げる。

ズカズカと、こちらに向かってくる。

 

壇上に登ってきた。

 

「言いたいコトはいくつかあるけど」

 

目の前に立たれる。

 

「一発、殴らせなさい」

「は……おごぁっ!?!!」

 

衝撃。

顔面にグー。

KAN-SENのパワーでぶん殴られた。

 

仰け反って吹っ飛ぶ。

 

「ふぅ」

 

講堂がざわつく。

 

「スッキリしたわ」

「ああそうかい……俺はめちゃくちゃ痛い」

「はい、これで終わりよ」

「何なんだ全く」

「それで?私達、誰もアンタから愛してるって言われてないわよ?」

「………………は?」

「私は前々から気持ちは伝えていた。指揮官からは聞いていないな」

 

エンタープライズまでやって来た。

 

「まさか、本当にお願い通りにしてくれるなんてね。それで?キスは?」

「え?」

「指揮官様、式はいつにしましょうか」

「あのだな」

「はい?」

「これ、仮だろ?」

 

ぴしり。

空気が凍った。

講堂に居る他のKAN-SEN達が唖然としている。

 

「……指揮官」

「お、おう」

「私も殴っても良いかしら」

「プリンツ!?」

「もしかして、私達の気持ち知ってて遊んでいますか」

「赤城……いや、真面目に考えたさ。各陣営納得させるために……」

「指揮官!アンタは!本当に私達の事愛せるわけ!?」

 

ああ、そういう事か。

やっと理解した。

 

「……俺、さ。わからないんだ」

「………………」

「お前たちの事は好きだ。でもこの好きっていう事の意味がわからない」

「……え?」

「愛してるって言葉にどうしても実感が湧かないんだ」

「何よ、それ」

「でも……お前たちと一緒に居ると、安心する。悔しいけど、エンタープライズ……お前とも」

「……ハハハ、最後まで憎まれ口だな指揮官」

 

俺の中のずれ。

人の事が好きになれるかどうか、愛せるかどうか。

ずっと答えを保留にしていたのも、自信が無かったから。

 

「そんな俺だけど……」

「――――――ご主人様」

 

外野は完全に黙っていたが……一人だけ、会話に割って入ってきた。

 

「……ベル?」

「ネルソン様、メイドの身分で申し訳ございません。ですが、これだけはやはり秘めておくことは出来ませんでした」

「ベルファスト……?」

 

ベルファストが、壇の下から俺を見上げる。

 

「ご主人様、まだネルソン様達を愛しているとは決まった訳では無いのですね?」

「ああ……」

「便宜上、ケッコンすると」

「まぁ、そうなる」

「では……本当に愛する方が現れた場合、その方もケッコンなさるつもりで?」

「そうなる、か?」

 

あれ、なんか丸め込まれてる気がする。

 

「ベル、貴女まさか」

「ご主人様、私……ベルファストは、貴方をお慕いしております」

 

空気が凍った。

いやいやいや何度目だこれ。

 

「いつか、私に釘付けにしてみせますとも」

「……下がりなさい。女中の分際で」

「赤城様、戦いは手を抜きませんよ」

「へぇ……」

 

完全に俺を置いてきぼりで事態が進み始めた。

 

「何だこれ」

「正直、私指揮官が一番理解不能よ。……だから面白いのだけれど」

「そうなのか……?」

「それで、どうするんだ?」

 

どうするって言われてもな……。

なんか皆怒ってるってより妙にノリノリだし。

 

「あー……ベルファスト?」

「はい」

「今回は、指輪を渡せないけど……待てるか?」

「何年でも、ベルファストはご主人様をお待ちします……あの、氷河の海に漂っていた時から、心に決めていたのですから」

 

意思は固いらしい。

 

「……5人かぁ。流石に少佐殿になんて説明しよう」

「指揮官!大変にゃ!少佐からの連絡にゃ!」

「うわータイムリー。なんて?」

「セイレーン出現!傭兵リンクスとしての出撃にゃ!」

「……だ、そうだ。行けるか?お前たち」

「「「「「「当然!!」」」」」」

 

気合は充分。

でもこれ問題の先送りしてるだけな気がする。

 

「アンタは一応答え出してくれたんだし……応えなきゃ、女が廃るわ」

「そ、そうか……」

「さぁ、指揮官。命令を」

 

……覚悟、足りてなかったかなぁ。

 

「……大丈夫よ、絶対振り向かせてやるから」

「ネルソン……!?」

「……何でもないわ。さ、行くわよ」

「……おう」

 

もう一度、指揮下のKAN-SEN達を見渡す。

最初期に比べて、本当に数が増えた。

 

「さぁ、行くぞ。クローズ・プランは始まったばかりだ。セイレーンを打倒し、閉ざされた航路を解放する!」

 

 

 

 

 

 

 

諸君、派手に行こう。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――Azur Lane for Answer fin




これにて、アズールレーン×アーマードコアforAnswerのクロスオーバー作品である本作は完結します。
半年以上の長い間、ご愛読された方々、評価をくださった方、感想を送ってくれた方、本当にありがとうございました。

リンクスの物語はここで終わります。

少し終わり方が雑だったかなと思っていますが、目玉のネクストでの戦闘が終わってしまい、着地がずるずる伸びるならと思い〆させて頂きました。

もし、リンクスとKAN-SEN達の絡みが見たいと思う方はコメント下さい。

今までありがとうございました。
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