ドラゴンクエストⅤ 迷い込まれし転生者   作:ひな太郎

7 / 21
第6話 特訓

アベルたちがこの村に来てから約1年。

俺は7歳、アベルは4歳になっていた。

 

そして今、サンタローズ村入口にいるのだが…。

 

「やだぁ!レオンにいちゃんと いっしょがいい!」

「ワッハッハ!アベルも随分レオンに懐いたもんだ。こうしてみるとまるで兄弟のようだ。」

「坊ちゃん、レオン君も困ってしまいますよ。」

 

 

今日からパパスとアベルはしばらく村を離れるらしい。

具体的には言われなかったが何かを探す旅を再開するらしい。

まあ母親のマーサってことを俺は知ってるが。

 

俺とサンチョは見送りに来ているのだがアベルの奴が俺にくっついて駄々をこねてる。

ハハハ、兄冥利に尽きるってもんだ。でもそろそろ離そうねー。

 

「困ったなぁ。」

 

グズグズ泣いてるアベルの肩に手を置きしゃがみ込む。

 

「グスッ……?」

「いいかアベル。これでもう会えないって訳じゃないんだ。でも泣いてワガママ言ってるとこれで最後になっちゃうかもしれないぞ。それでもいいのか?」

 

アベルは涙を拭った。

 

「…いやだ。」

「だろ?だらか兄ちゃんと約束しよう。強い男になるって。男はいつか闘わないといけないときがくるんだ。アベルが泣きべそかくだけの弱い男になったら兄ちゃん悲しいぞ~!」

 

あえてアベルを奮い立たせるよう言葉を選ぶ。

 

「だから強くなって帰ってこい。兄ちゃんももっともっと強くなるから。その時は一緒に稽古しようぜ。」

 

アベルの目の色が変わった。

 

「…うん!ぼく つよくなる!」

 

 

 

 

 

 

パパス達の姿が小さくなっていく。

 

「寂しくなりますねぇ。」

「そういうならサンチョさんも行けばよかったのに。」

「いえ、私は旦那様達を支える側になると決めたので。いつでも迎えられるよう我が家をお守りせねば!」

「ハハハ、そうだね。」

 

 

サンチョが家に戻っていく。

さてと。

 

「んじゃ、始めますか。」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

「お、武器屋の坊主じゃないか。」

「こんにちは。」

「パパスさんから言われた時は驚いたが、ここで稽古の実践とはな。あまり奥深くには行くなよ。」

「了解でーす。」

 

俺はパパスが村を離れる数日前にある頼みごとをしていた。

それはサンタローズ洞窟でのモンスターとの戦闘だ。

 

パパスがいなくなると稽古する相手がいなくなることを俺は懸念していた。

加えて稽古だけではレベルが途中から上がらなくなった。

そこでモンスターだ。

稽古の実践を行いたいと懇願したのだ。

初めは悩んでいる様子だったが「今のレオンなら大丈夫であろう」と以外にもあっさり返答を貰えた。

この旨を親父にも伝えると「家にいても体がなまるだろ」という理由で了承。ちょくちょく俺とパパスの稽古を見ていた上での判断なのか。

 

何はともあれ正当な権利のもとモンスターと対峙できるんだ。

最大限利用させてもらう。

 

「っしゃ、行くか。」

 

 

 

 

 

洞窟に入って少し進む。

おっと、さっそくお出ましだ。

 

「スライムか」

 

間近で見るのは初めてだがゲームのまんまのスライムだな。

恐怖感はあまり感じない。むしろ愛らしい。

 

スライムがこっちに気づいた。

 

「先手必勝!」

 

間合いを詰め斬りつける。

結果、あっさりとスライムは真っ二つになり消滅した。

 

「…ふ~う。」

 

無事初戦闘を終えた。

正直緊張していたがこれならなんとかなりそうだ。

 

「もう少し奥に進むか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッ…ちょこまかと!」

 

現在ドラキーと交戦中。

以外とすばしっこく、剣を振るも空振りしてしまう。

 

「グハッ!」

 

いってぇ~~。

さっきからこれだ。俺が空振ればその隙にドラキーが体当たりをかましてくる。

なんとか壁際に追い詰めたもののどうするか………なら。

 

「へッ。ならこれはどうだ!」

 

俺は足元に転がっている石をドラキーの右側に投げる。

それをドラキーは左へよける…が。

 

「そうくると思ったよ!」

 

ドラキーのよけた先に剣を振り下ろし、見事クリーンヒット。

 

「あ゛ぁ~~、つっかれた…。」

 

集中力が解け、どっと疲れが襲い掛かる。

ドラキー相手にこんなに苦戦するとは。ゲームみたいにサクッとはいかないなぁ。

 

かれこれ洞窟に潜って30分ほどだろうか。

あまり時間は経っていないし、数もそこまで倒していない。

だが、子どもの体のせいか凄く疲れた。

 

「初日はこんなもんでいいか。そろそろ引き上げ…ッ」

 

何か…いる。

気配に気づき後ろを振り返ると、武器を振りかぶったおおきづちがそこにいた。

 

(ヤバッ)

 

とっさに武器を取ったときにはもう口にしていた。

「カウンター!」

 

カンッ!!!

 

おおきづちのもつ武器が吹っ飛び、俺はすかさず斬り込む。

急所に入ったようで、なんとかおおきづちを倒すことができた。

 

「ハァ…ハァ…。」

 

 

あ……焦った。

つい気を許したせいで全く気配に気づかなかった。

今回は何とかなったが次からは気を付けよう…。

 

「いよいよもう帰らないとな。」

 

切り札を使ってしまった。

そう、俺はまだ1回しかカウンターを使うことが出来ない。

 

 

――――――――――――――――――――

名前:レオン 性別:男 レベル:5

 

職業:村人

HP:15/34

MP:24/54

攻撃力:23

守備力:13

 

呪文:なし

スキル:カウンター

――――――――――――――――――――

 

 

パパスとの稽古の成果もあってレベルは5まで上がっていた。

MPの伸びしろはかなり良い。が、それでもスキル2回分にも満たない。

まあMP枯渇状態に陥ることがないのは大きいがな。

 

 

 

 

 

 

 

村に戻りながら考える。

 

ゲーム通りにいけば次アベルたちが帰ってくるのは2年後。つまりアベルが6歳の年に物語が始まる。

それまでに俺はこのサンタローズ洞窟で出来る限り力をつける必要がある。

やっとまともな経験値が入るとはいえ所詮微々たるものだ。

どこまでレベルをあげられるか…そして職業:村人の成長率はいかほどなのか。

 

 

期限は2年。

 

分からないことだらけだが、とことんやってやろうじゃないか。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。