~三人称side~
「……ここは…?」
「あ、目覚めたのね」
龍牙は目覚めた。
龍牙が目を覚ますと、そこは知らない天井だった。
「知らない天井だ…」
「変なこと言ってないで、体調は?」
「別に…大丈夫だが…あんたは?」
「私はリディアンの保健の先生よ。全く…ビックリしたわ。生徒が血まみれあなたを担いできたときはホント絶叫ものだったわよ?」
「そうか…運ばれたのか…その連れて来た人ってのは?」
「今は授業でいないけど、しばらくは安静にしていなさい。授業が終わったら来るって言ってたから」
「そうか…」
「にしても、聞いたけど、ここに来るまで意識が飛んでなかったらしいじゃない。普通あんな出血量で気絶しないなんて…あなたの精神力はどうなってるの?」
「俺に聞かれても困る…」
「そう、じゃ安静にしてなさい」
~リディアン教室内~
「それでさ、血まみれの人が倒れてて、ホントビックリしたんだよ!?救急車呼ぶって言っても呼ぶなって言われてさ。本当に困惑もんだったよぉ~」
「そんなことが……」
「ええ、本当にびっくりしました」
「ていうか私がアニメ展開が起きないかなって言ったら本当に来たし…」
リディアンの教室で、未来を除いたいつもの四人が話していた。
「それで、もう授業が終わったし、見に行って見ない?」
「そうだね。あの人今どうしてるかな?」
「治っていればいいんですが…」
「そうだ、ビッキーも来ない?」
「え、私も?」
「まぁまぁ、いいじゃん。行って見よ」
「うん…」
~保健室~
「………」
「さてと、これで大丈夫ね。運んできた生徒にお礼を言って行きなさい」
「ああ……だったらここで待ってる」
「それなら話が早い(コンコン)と、噂をすればなんとならね。入っていいわよ」
そう言うと、四人の生徒が入ってきた。龍牙はその内の一人の生徒を見て唖然としてしまっていた。対してその生徒もだった。
「あ、起きてた!!大丈夫ですか?」
「………」
「あの~話聞いてますか?」
「………」
「ちょっと!?話聞いてる!?」
「あ、すまん…俺は大丈夫だ。運んできてくれてありがとう。俺はもういく」
「え、まだ安静にしておかないと!!」
「大丈夫だ…すぐ治る」
「いや、すぐに治るってレベルじゃ「大丈夫だ」」
そうして、龍牙は部屋から出て行った。
それと同時に少女…響も出て行った。
「ちょ、ビッキー!?」
「響さん!?」
「ちょっとどうしたの!?」
三人も、響の後を追いかけて行った。
「……今日は……ずいぶんと騒がしい日だったわね…」
~リディアン屋上~
「………」
「ハァ…ハァ…ハァ…」
リディアンの屋上、ここに二人いた。
龍牙と響である。
「……久しぶりだな。響」
「ハハハ…龍牙さんもね……あの傷…どうしたんですか?」
「なんでもない」
「嘘ですよね。あんな怪我、ただで出来るわけないですから」
「まぁ、こんな嘘はすぐにばれるか…」
「まさか、リディアンにいたなんて……」
「……全部…思いだしたんだな」
「はい……昔のことも…全部…」
「そうか……まぁそんなわけだ。わかるだろ?」
「はい…」
緊迫な雰囲気の中、一方そのころ…
「え、なにこの状況!?」
「あの人ってビッキーと知り合いだったの!?」
「ていうか…もしかしてあの人ってこの前の響さんの話に出ていた人なんじゃないですか?」
「まじ!?何その偶然!?」
「話からすれば、かなり昔からの知り合いで、思いだしたって言っていたから、つい最近彼との記憶を思い出したって言う感じ…?」
「どっちにせよ、これはすごいアニメ展開!!見ない訳にはいかない!!」
と、三人が隠れて見ていた。
「まぁ、今となっては隠す必要はないな。だが…俺は響たち実像とはあまり関われない。それが鏡像の運命だ……」
「そんなことは!!」
「……お前は優しいんだな。俺も昔…お前のそんな優しさに救われた…」
そう言いお互いの顔を見る二人。
すると…
―ウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ ウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ――
ノイズの発生した音声が聞こえた。
『不運のオンパレードだな…!!』と、この時龍牙は思った。正にその通りである。
「チィ、まさかこんな時に…!!」
「ノイズ!?」
「逃げるぞ!!後、後ろの三人もな!!」
「え?」
響が後ろを見ると、そこには創世、詩織、弓美が居た。
「三人とも!?」
「げ、ばれた!!」
「見つかっちゃいました…」
「ていうか早く逃げないと!!響も!」
「あ、うん!龍牙さんは…」
「俺は後から行く。お前達は先に逃げろ」
そうして四人は屋上から降りて行った。
龍牙は響は後から行くだろうと考えたあと、
龍牙は【ミラージオウライドウォッチ】と【ミラーディケイドライドウォッチ】を装填してベルトを回した。
《アーマータイム!!カメンライド! ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!!》
その音声が聞こえた後、龍牙は【ミラージオウ ミラーディケイドアーマー】へと変身した。
そのあとにミラージオウは【ミラーブレイドライドウォッチ】を取り出してF.F.T.スロットへと装着した。
《ファイナルフォームタイム!! ブ・ブ・ブ・ブレイド!!》
すると左肩に鏡文字のバーコード状の【ドイレブ】となり、体と右肩には【クッャジ】と書かれ、【ブレイド ジャックフォーム】を思わせる姿になり、背中に【オリハルコンウィング】が装備された。
そうしてジオウはオリハルコンウィングで空を飛んでノイズが現れた方向に向かって行った。
『ノイズどもはどこだ…?』
そして今現在ミラージオウは空を飛んでノイズが居る場所を探していた。
そしてしばらく飛んでいると、ミラージオウは【雪音クリス】に群がるノイズたちを見つけた。
『雪音クリス…!?何故あそこに?まぁいい、助けてやるか…』
そうしてミラージオウはクリスの元に向おうとした。
その瞬間にノイズがクリスを攻撃した―――――
「フン!!」
―――ところを弦十朗が現れ、地面のコンクリを地面で蹴って盾にした。
『ハァ!?あいつ…本当人間か?』
その次に弦十朗はクリスを担いでビルの屋上までジャンプした。
ミラージオウもそれと同時にそのビルまで降りた。
『お前達…何やっている』
「リュウガ!?来ていたのか!!」
「お前…!!」
『雪音クリス…お前はさっさとシンフォギアを纏え』
「言われなくてもやる!!あたしに指図するな!!」
そうしてクリスは歌を歌ってイチイバルを装着した。
『行くぞ』
「だからあたしに指図するんじゃねぇ!!」
そうしてミラージオウは【ミラーライドヘイセイバー】と【醒剣ブレイラウザー(+ディアマンテエッジ)】を装備して、クリスはアームドギアのクロスボウを持ってノイズに攻撃する。
『空を飛ぶノイズは俺に任せろ』
「うるせぇな!」
そう言いながらもノイズを駆逐するクリス。
そうしてミラージオウは【ミラーディケイドライドウォッチ】のボタンを押した。
《ブ・ブ・ブ・ブレイド!!ファイナルアタックタイムブレーク!!》
その次にミラーライドヘイセイバーの時計を回した。
《ブレイド!! デュアルタイムブレーク!!》
これにより二つの武器は雷を纏い、その剣でミラージオウはノイズを切り裂く。
ある程度片付いたところで、ミラージオウは弦十朗のところに戻った。
ちなみにクリスはまだ戦っている。
『こっちはある程度片付いた。俺は響のところに行く』
「リュウガ…はやり、俺達二課の仲間になる気はないのか…?」
『俺は鏡像……実像はなるべく関わらないようにしているからな』
「では、何故そんなに悲しそうに答えているんだ…?」
『っ!!……もう話すことはない。俺は響のところに行く』
そうしてミラージオウは【ミラーブレイドライドウォッチ】を取り外し、【ミラーカブトライドウォッチ】を装填した。
《ファイナルフォームタイム!! カ・カ・カ・カブト!!》
すると左肩に鏡文字のバーコード状の【トブカ】となり、体と右肩には【ーパイハ】と書かれ、【カブト ハイパーフォーム】を思わせる姿になった
そしてその次の瞬間、ミラージオウはその場から消えた。
「……どうして君は…そこまで実像になろうとすることを避けるんだ…」
「ハァ…ハァ…ハァ…」
小日向未来は逃げていた。自分を追う、ノイズから…
小日向未来は自分が許せなかった。
立花響が戦っているのに、戦えない自分が。秘密を一人で抱え込んでいた響と、彼女に対して無力な自分に憤りを覚えていたのだ。
だが、今日、彼女の考えは変わった。
彼女はこの日、【雪音クリス】に会ったのだ。彼女との出会いで、未来は考えが変わった。
『自分も響のために戦いたい』と…
――?*{‘>{+<‘~=!!――
ノイズが未来に攻撃する。未来はそれを辛うじて避ける。
そして…地面が崩れ、未来とノイズは落下する。場所が悪かった。ここはかなり高い場所だったのだ。
「きゃああぁぁぁああああ!!」
未来とノイズが落ちる中、そこに…【響】が現れた。
「はああああぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
響はノイズを倒した後、未来を担いで地面に落下した。
幸い、シンフォギアのおかげで響と未来にダメージはあまりなかった。
二人はお互い顔を見合わせ、笑った。
「ハハハハハ、響、服が汚れてるよ」
「未来だって…」
この場で、二人は仲直りを果たした。
そして、それを上で見ている者がいた。
『よかったな…響』
ミラージオウは、その場を去った。
時間は変わり夜。
二人は事情聴取のためにノイズが現れた場所に来ていた。
「さてと…二人は無事、仲直りできたようだな」
「「はい!!」」
「よかったですね」
そうして弦十朗は二人から離れていくと…
「あの」
「?どうしたんだ、未来くん」
「私の友達の行方が分からないんです。雪音クリスって言うんですけど…」
その言葉に弦十朗は驚いた表情になった。
無理もないだろう。
「大丈夫だ。俺達の方でなんとか見つける」
「…っ!よかった。ありがとうございます!!」
そうして、一夜は明けた…