ミラーサリティードシンフォギア(鏡の孤独者)   作:龍狐

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鏡と歌とシノビと

~三人称side~

 

 

ここはとある廃ビル…この部屋の一室に、一人の少女がいた。

【雪音クリス】である。

 

クリスは毛布にくるまってもう何日もここにいた。

彼女の周りには飲み物や食べ物の空き箱が転がっていた。

 

クリスは窓の外を見た。雨が降っていた。

それと同時にお腹の音が鳴った。

 

すると…

 

 

―カタン―

 

 

突如音が鳴り、クリスは警戒態勢に入る。

毛布から出て扉を見る。

 

徐々に音が近づいてくるのを確信し、拳を構える。

すると…

 

 

「ほらよ」

 

 

その声と同時にビミール袋の音が聞こえた。

声の主は【風鳴弦十朗】だった。

クリスは困惑するも、弦十朗はクリスの前に立つ。

 

 

「応援は連れてきていない。俺一人だ」

 

 

弦十朗がそう言うも、クリスは警戒を解かない。

 

 

「君の保護を命じられたのは、もう俺一人になってしまったがな…」

 

「どうしてここが?」

 

「元公安ご陽気をね。慣れた仕事さ。差し入れだ」

 

 

そうして弦十朗はビミール袋からアンパンと牛乳を取り出した。

クリスは警戒するも、弦十朗はパンと牛乳を一口飲んで『何も盛っていないさ』と言ってクリスに渡す。

クリスはそれを奪い取って食べる。

 

 

「バイオリン奏者、雪音雅律と、その妻、声楽家のソリット・M・ユキネが難民救済のNGO活動中に戦火に巻き込まれて死亡したので8年目…残った一人娘も行方不明になった。……その後、国連のバルベルデ介入によって、自体は急変する。現地の組織にとらわれていた娘は、発見されて保護された…のだが、ここで一つ君に質問がある」

 

「なんだよ?」

 

「現地に居たもの達が見た組織の者と思われる大量の死体…あれは誰がやったんだ?…あそこにいた君なら、分かるんじゃないのか?」

 

「へ、そう言う詮索、反吐がでる!!まぁ、教えてやるよ。あれはリュウガがやったことだ。あたしは関係ねぇ」

 

「そうか…」

 

「それで、結局てめぇはどうしたいんだ?」

 

「…俺がやりたいのは、君を救い出すことだ」

 

「っ!」

 

「引き受けた仕事をやるのは、大人の務めだからな」

 

「フ、大人の務めときたか。余計なこと以外は、いつもなにもしてくれない大人が偉そうに!!」

 

 

するとクリスは駆け出し、窓ガラスを割って、聖詠を歌い、シンフォギアを纏ってその場を跡にした。

 

 

「……」

 

 

弦十朗は、ただそれを見ているだけだった。

 

 

『……逃げられたな』

 

 

急に聞こえたこの声、弦十朗は驚くも、すぐに冷静になり、声の主を当てる。

 

 

「……リュウガか」

 

『ああ、話は全部聞かせてもらった』

 

 

弦十朗が割れた窓ガラスを見ると、いくつもの割れたガラスに龍牙が映し出されていた。

 

 

『あいつの話を聞いてようやく思いだしたよ。まさかあの時の娘だったなんてな…』

 

「リュウガ……もしかして君は、昔のことを気にかけて…」

 

『まぁ、それもあるかもな。人を殺したやつとなんて、関わりたくもないだろ』

 

「……少なくとも、俺はそうは思わないがな」

 

『……そうかよ』

 

 

そうして龍牙は鏡から完全に映らなくなろうとした時…歩みと止めた。

 

 

『…そうだ、天羽奏に言っておけ。望みは…いずれ叶うってな』

 

「………」

 

 

そうして、龍牙は完全に見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~二課~

 

 

「………」

 

 

天羽奏は考えていた。

自分はなにもできないのか?と。

 

もう自分はシンフォギアを纏えない。戦えない。なのに二人は自分の変わりに戦っている。前に未来がそう思ったように、戦えない自分が許せていなかった。

 

 

「…あたしは…どうすればいいんだ…?どうすれば…二人の役に立てるんだ…?」

 

 

天羽奏は考えることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所と時間は変わり、現在は夜。今夜、【風鳴翼】のコンサートがある。

響はその場所に向かっている最中に二課からノイズの出現を伝えられ、響はそこに向かっていた。

 

 

「クソぉ!」

 

 

そしてその場所には【雪音クリス】もいた。

クリスはアームドギアでノイズを倒すが、黄色い大きいノイズ、【要塞型ノイズ】に苦戦していた。

 

 

「キリがねぇ!!」

 

 

すると要塞型がノイズを弾丸として撃ち出した。

クリスは他のノイズに夢中になり、当たりそうになった―――

 

 

「はあああああぁぁぁぁぁあああ!!」

 

 

だが、そこに立花響が現れ、クリスを攻撃した弾は灰となった。

 

 

「大丈夫、クリスちゃん!!」

 

「おま、なんで!?」

 

「いいから、行くよ!!」

 

 

そうして響はどんどんノイズを倒していく。

そんな中―――

 

 

《シィノォビィィ!!》

 

 

アナザーシノビが現れ、ノイズを駆逐するのを邪魔する。

 

 

「なぁ!!こいつは…て、ことは…!」

 

 

クリスはアナザーシノビの出現に驚いたが、すぐに別の方向―――つまり転生者がいるであろう方向を向いた。

そしてそこには案の定で転生者がいた。

 

 

「フフフフフ、さぁ、やれ!!今度は逃がすんじゃねぇぞ!!」

 

「あのクソ野郎!!」

 

 

そしてクリスはアームドギアを構えるが…

 

 

《ジカンデスピア カマシスギ!!》

 

 

そこに【ミラーウォズ ミラーヒューチャーリングシノビ】が現れ、アナザーシノビの進行を妨げる。

 

 

『ここは任せろ』

 

「うるせぇが…頼んだぜ」

 

 

そうしてクリスはノイズを倒すことに戻る。

 

 

「またてめぇか!!いい加減しつけぇんだよ!!」

 

『お前もな!!』

 

 

そう言いながらミラーウォズはアナザーシノビを攻撃する。

不利に思ったアナザーシノビは影の中に隠れる。

 

 

『それは想定内だ』

 

 

そうしてミラーウォズも影の中に入り―――

 

 

「ぐがああぁあぁぁぁぁあああああああぁぁぁ!!」

 

 

アナザーシノビを影の中から引きずり出した。

アナザーシノビは空中で回転する。

 

 

《カマシスギ フィニッシュタイム!!》

 

 

すると、ミラーウォズの分身が二人表れ、それがアナザーシノビを左右から斬りつけた後、本体のミラーウォズが斬りつけてトドメを刺した。

それと同時にアナザーシノビは人間に戻った。ウォズが見ると、もうノイズはいなくなっていた。

 

 

「チィ、使えねぇな!!」

 

 

そして転生者もいなくなった。

 

 

『あいつ……俺も行くか』

 

 

そしてミラーウォズもいなくなった。

 

この後、余談だが【風鳴翼】のコンサートは無事成功したそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

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