ミラーサリティードシンフォギア(鏡の孤独者)   作:龍狐

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鏡像と実像

~三人称side~ ~リディアン音楽院~

 

 

私立リディアン音楽院は今、混乱に陥っていた。

理由はリディアンにノイズの大群が進行してきたからだ。

 

 

――ドドドドドドドドドドドドドドドド!!!――

 

 

自衛隊の人間たちが銃を使ってノイズに攻撃するも、ノイズには全く効いていない。

むしろどんどん進行してくる。すでに何人の自衛隊が灰にされているなかでも、自衛隊の者たちはまだ避難していない生徒たちを逃がすためにノイズに攻撃を続けている。

そして…

 

 

――ゴオオオオオオォォォォォォォォ!!!

 

――キイイイイイイィィィィィィィィ!!!

 

――シャアアアアアァァァァァァァァ!!!

 

――ブモオオオオオォォォォォォォォ!!!

 

 

そこに、ミラーモンスターたちが表れた。

ミラーモンスターたちはノイズを駆逐していく。

 

 

「な、なんだこいつらは!?」

 

「ノイズではない!?」

 

 

自衛隊たちが困惑する中、一人の戦士が降り立った。

 

 

『………』

 

「こ、黒龍の騎士!?」

 

「来てくれたのか!!」

 

 

表れたのは黒龍の騎士ことリュウガであった。

 

 

『お前達は避難していないやつらを避難させろ…ここは俺がやる』

 

「っ!!任せた!お前達、避難誘導をするぞ!!」

 

 

そうして自衛隊の者たちは避難誘導をするためにこの場所から離れた。

 

 

『さて…行くぞ』

 

 

そうして始まった大蹂躙。

炎、毒液、大砲、電撃で次々にノイズが駆逐されていく。

対してリュウガもドラグセイバーで地上に居るノイズを倒していっていた。

 

 

『まさかこんなことになっていたとはな…あの金髪と精神異常者はどこだ…?』

 

 

リュウガがそう言うと……

 

 

「よう……」

 

 

そこには、転生者の男がいた。

 

 

『お前……あの金髪はどこだ?』

 

「フィーネの居場所?いう訳ないだろ。俺はな、お前をさっさと殺して俺だけの楽園を作りたいんだよ!!それにお前が邪魔なんだよ!!!」

 

『…とことん腐ってるな…最後だ…お前を殺す』

 

「やれるもんならやってみな!!オリ主の俺には勝てないがな!!」

 

 

そうして転生者の男は【アナザー龍騎】になりリュウガに攻撃する。

リュウガはそれを受け止めるも、何故か『一撃が重い』と感じた

 

 

『なっ…!?重いだと…なんで…』

 

『当たり前だぁ!!だってお前は長期戦って、体力がほとんどない状態だもんな!!』

 

『っ!!』

 

 

実際、今までリュウガはほとんど休まずに戦ってきた。

さらには一回気絶しており、ここに来る前にも一戦してきた。人外と言えど、さすがに限界が近づいてきていたのだ。

 

 

『俺がなんのために今まで雑魚でお前を弱らせてきたと思う?お前を確実に倒すためだよぉ――――――――っ!!』

 

『グハアアアァァァァ!!』

 

 

アナザー龍騎はドラグクローを模した籠手に炎を纏ってリュウガを攻撃する。

リュウガは遠くにまで吹っ飛ばされてしまった。

 

 

『どうだ?俺の完璧な作戦は。お前はなぁ、俺の作戦で戦ってきていたんだよ!!ハッハハハハハハ!!』

 

『黙れ!!』

 

 

リュウガはなんとか立ち上がり、ドラグクローを召喚して炎をアナザー龍騎に発射するも、アナザー龍騎はその炎をドラグセイバーを模した剣で弾く。

 

 

『お前さぁ、まだ分かんねぇのか?お前自身が弱っている以上、お前の攻撃も弱くなってんだよ。だからな、今の俺は無敵なんだよぉ――――――――――っ!』

 

『……まだだ…』

 

『おやおや、まだ立つのか。ご苦労なこった』

 

 

《FINAL VENT!!》

 

 

リュウガはファイナルベントのカードをスキャンする。すると周りにドラグブラッカーが旋回し、リュウガがジャンプすると同時にドラグブラッカーが炎をはく。リュウガは炎を体に包んでアナザー龍騎に攻撃する。

 

 

『無駄無駄無駄無駄!!』

 

 

だが、アナザー龍騎は体を炎で包み込み、そしてその炎を籠手に集中させて炎の弾として発射した。

リュウガのドラゴンライダーキックとアナザー龍騎の炎がぶつかり合い、やがて炎が押し出して、リュウガは再び吹き飛ばされてしまった。

 

 

『グハァ!!』

 

 

そうしてリュウガの変身が解けてしまった。

 

 

『お、ようやく変身が解けたか。まぁそうだよな。所詮鏡像。実像であり、オリ主である俺には勝てない!!!お前を殺したら主人公達をたっぷり可愛がってやるよ。ヒャハハハハハハハハハ!!』

 

「………」

 

 

そのとき、龍牙は過去のことを思いだした。

【響=主人公】と言うあの男の訳のわからない言葉を…

 

 

「(響を…?俺が死んだら…響が…いや、響だけじゃない…響の友達が…仲間が…すべてあいつに…!!響を悲しませたくない。それをあいつが邪魔をする……響だけじゃない…響が守りたい人たちだって…!!…あれ?……そうか…なんとなく分かった気がする…)俺は…逃げていたのか…」

 

『はぁ?何言ってんだお前?』

 

「俺は……いつまでも実像でありたいと言うことを避けていた……それは何故か。ようやくわかった気がするよ…」

 

『お前はさっきっから何をペラペラと!!うるせぇんだよ!!』

 

「俺は…過去の過ちから逃げていたんだ。人を殺したこともそうだが、響を守りたい一心で他のことに目が行ってなかった…でもそれが間違いだった。響は優しすぎる。バカみたいにな。響は他の人を、人間たちを守りたいんだ。俺もバカだ…守りたい人の守りたいものを守ろうとも思えないなんてな…」

 

『うるせぇんだよ!!』

 

 

そうしてアナザー龍騎は炎を龍牙に向けて発射するが、それはドラグレッダーに阻まれる。

 

 

『ドラグレッダー!?てめぇ、なんでそいつを守るんだ!!そうだ、お前、そいつから龍騎のデッキを奪え!!龍騎の持ち主である俺の命令だ!!やれ!!』

 

 

アナザー龍騎はそう言うが、ドラグレッダーはアナザー龍騎の言うことを聞くどころか睨みつけている。

 

 

「お前……言ったよな……鏡像のお前には勝てないって…」

 

『ああ言ったぜ。だがそんなことはどうでもいい!!さっさとやれよドラグレッダー!!』

 

『グルルルルル…』

 

「違う…お前のじゃない。ドラグレッダーはお前の物じゃない。俺の仲間だ!!」

 

『仲間?契約モンスターは物だろ!!』

 

「もういい…お前とは…話すだけでも気持ち悪い…さて、話を戻すが、俺が実像だったらどうだ…?」

 

『はぁ?何言って!?』

 

 

龍牙は【龍騎のデッキ】を高く上げ、Vバックルを出現させた。

 

 

「俺は…一回でも、実像になってやる!!変身!!」

 

 

龍牙は龍騎のデッキを装填して、【仮面ライダー龍騎】へと姿を変えた

 

 

『っ!返せ!!それは俺のだぁ――――――――――っ!!』

 

 

アナザー龍騎は剣で龍騎を攻撃するが、龍騎はドラグセイバ-でそれを受け止め、アナザー龍騎に蹴りを喰らわせる。

 

 

『グハァ!』

 

 

アナザー龍騎はその攻撃に堪えた。

 

 

『なんでだ!!お前は弱りきっているはずだ!!どうしてそんな力が…!?』

 

『俺はここにいる!!その時点で今の俺は鏡像なんかじゃない!!今の俺は、今はっきり、実像だって言える!!』

 

 

《STRIKE VENT!!》

 

 

龍騎はドラグクローを召喚して、アナザー龍騎を攻撃する。

 

 

『ふざけんなぁ―――――――っ!!俺がお前を鏡像って言えばお前は鏡像だ!!』

 

『違う!!それはお前が決めることじゃない!!俺が決めることだ!!』

 

 

龍騎はドラグクローに炎を纏わせ、対してアナザー龍騎も籠手に炎を纏わせて、攻撃する。

二つの炎がぶつかり合い爆発を起こす。その衝撃でアナザー龍騎は吹っ飛ぶ。

 

 

『嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁ!!!こんなことあっていいはずがないんだよ!!』

 

『俺はずっと逃げていた。鏡像から実像になることを!!だが認めてくれる人たちがいることを俺は知らなかった!!認め合うこと……それが、仲間(・・)だ!!』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

「そんなことは関係ありません!!同じ、生きている生き物なら、分かり合えるはずです!!」

 

「それでも!!今なら出来るはずです!!だからお願いです!!私たちと一緒に来てください!!私、あなたといろいろとお話しがしたいんです!!」

 

「……少なくとも、俺はそうは思わないがな」

 

「とにかく今は連携してノイズを!」 

 

「そこらへんは大丈夫だろ。あいつもいるからな」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

『俺はずっと、ずっと分かっていなかった。こんな俺を、認めてくれる人たちがいることを!!』

 

『黙れぇ――――――――っ!!お前はさっさと死んどけばいいんだよぉ―――――――――――――――――っ!!』

 

『俺は…仲間のために、お前を倒す!!』

 

 

《FINAL VENT!!》

 

 

――ゴオオオオオオォォォォォォォォ!!――

 

 

この音声と共に龍騎の周りでドラグレッダーが旋回する。

そして龍騎は空高く舞い上がり、回転してキックポーズになったと同時にドラグレッダーの炎に身を包んでアナザー龍騎に攻撃した。

 

 

『う…そ…だ…グアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!』

 

 

それと同時にアナザー龍騎は人間に戻り、アナザー龍騎のウォッチは砕け散った。

 

 

「ま、まだだ…他の…他のウォッチが…!?な、ない!?何故だ、何故他のウォッチが!?」

 

 

男は懐の隅々まで他のアナザーウォッチを探すが、見つからなかった。

そして男はある一つの答えが浮かんだ。

 

 

「フィーネかあああぁぁぁぁぁぁあ!!!あのババアァァァァァァァ!!………っ!?なんで!?」

 

 

突如、男の体が徐々に消滅していく。

 

 

「なんでだよ!?なんでミラーワールドと同じように消滅してるんだよ!?」

 

『龍騎の力を使ったんだ。龍騎同様に死ぬのは当たり前だ』

 

「た、助けてくれ、頼む!!」

 

『死ね……』

 

「嫌だぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

その声が断末魔になり、男は消滅していった

 

 

『やった…ぞ…響…後は頼んだ…俺は少し…休む…』

 

 

その声と同時に龍騎も倒れる。

 

 

『グルルルル…』

 

 

それを心配したドラグレッダーが、龍騎を休ませるためにミラーワールドへと龍騎をつれて、その場を跡にした…

 

 

 

 


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