時間は変わりシンフォギア奏者の三人はリディアンに到着していた。
「未来…。未来ー!!みんなー!!」
「なんだ…これ…?」
「ボロボロになった校舎だけじゃない…なにかが…争ったような…」
響はボロボロになった校舎を見て崩れ落ち、二人は周りにクレーターがいくつも出来ていたことに疑問も感じていた。
「リディアンが…それに、一体ここでノイズ以外に一体なにが…」
「教えてあげましょうか?」
「「「!!」」」
三人が上を見ると、そこにはボロボロの建物の上に【桜井了子】がいた。
「桜井女史!?」
「さっき、ここでリュウガと私の”元”仲間が戦ってたわよ」
「フィーネ!!お前の仕業か!!」
「フフフフ…ハハハハハハ!!」
「そうなのか…? その笑いが答えなのか!? 櫻井女史!」
「あいつこそ、あたし達が決着を着けなきゃいけないクソッタレ!フィーネだ!」
すると桜井了子は眼鏡を外し、髪を解き、光が包む。
光が無くなったそこには…ネフシュタンの鎧を纏ったフィーネがいた。
「嘘…嘘ですよね…だって、了子さん、私のこと守ってくれました」
「あれはデュランダルを守っただけのこと。希少な完全状態の聖遺物だからね」
「嘘ですよ。了子さんがフィーネと言うのなら、じゃあ、本当の了子さんは?」
「櫻井了子の肉体は、先だって食い尽くされた。いえ、意識は12年前に死んだと言っていい。超先史文明期の巫女フィーネは、遺伝子に己が意識を刻印し…。自身の血を引く者がアウフバッヘン波形に接触した際、その身にフィーネとしての記憶、能力が再起動する機能を施していたのだ。12年前、風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒は。同時に、実験に立ち会った櫻井了子の、内に眠る意識を目覚めさせた。その目覚めし意識こそが、私」
「あなたが了子さんを塗りつぶして……」
「まるで過去から蘇る亡霊!」
「フフフ。フィーネとして覚醒したのは私一人ではない。歴史に記される偉人。英雄。世界中に散った私たちはパラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期にいつも立ち会ってきた」
「ッ!シンフォギアシステム…!」
「そのような玩具、為政者からコストを捻出するための福受品に過ぎぬ」
「お前の戯れに、多くの人々の命を無駄にしたのか!?」
「あたし達を拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのもそいつが理由かよ!?」
「そう…全てはカ・ディンギルのため!」
──ゴゴゴゴゴゴ……!
すると突然、地面が揺れた。
そしてフィーネの後ろからデカイ大きな塔が現れた。
「これこそが、地より屹立し天にも届く一撃を放つ…。荷電粒子砲カ・ディンギル!」
「カ・ディンギル!こいつでバラバラになった世界が1つになると?」
「ああ!今宵の月を穿つことによってな!」
「月を?」
「穿つと言ったのか?」
「なんでさ!?」
「私はただ、あの御方と並びたかった…。その為にあの御方へと届く塔を心あるものに建てようとした…。だが、あの御方は人の身が同じ高みに至ることを許しはしなかった…。あの御方の怒りを買い雷帝に塔が砕かれたばかりか…。人類が交わす言葉まで砕かれる。果てしなき罰…。バラルの呪詛をかけられてしまったのだ。月が何故古来より不和の象徴と伝えられてきたか…。それは!月こそがバラルの呪詛の源だからだ!!
人類の相互理解を妨げるこの呪いを!月を破壊することで解いてくれる!そして再び世界を1つに束ねる!」
「呪いを解く!?それはお前が世界を支配するってことなのか?安い!安さが爆発しすぎてる!」
「永遠を生きる私が余人に歩みを止められることなどあり得ない」
「Balwisyall nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killter ichiival tron」
三人はシンフォギアを纏って、フィーネを見る。
「フ、たかが三人で何が出来る。そうだ…お前たちはカ・ディンギルが起動するのをそこで見ていろ。その間、こいつらがお前達の相手をしていろ」
そうしてフィーネはいくつもの【アナザーライドウォッチ】を起動し、振ることで大量の怪人を出現させた。
それだけではなく、フィーネはソロモンの杖を使ってノイズを召喚した。
「なっ!?こいつらは…!!それに、その時計、あのキモい奴が持ってたやつ!なんでお前が持ってんだよ!!」
「奪っただけさ。あいつは死ぬ間際に私に怒鳴ってたが…どうでもよかった。さて、行け!!」
そうして大量の怪人とノイズは三人に一気に襲いかかる。三人は怪人とノイズを殴る、斬る、撃つで対抗するも、数が多すぎてフィーネの元に全く近づけなかった。
「クソっ!!数が多すぎる!!」
「このままでは…!」
「どうすれば……龍牙さん…」
~一方そのころ~ ~避難所~
ここ、リディアンの避難所には二課の者たちと数人のリディアンの生徒がいた。
そしてその内の一人弦十朗は重症を負っていた。フィーネによって腹を貫かれたのだ。
そしてその内の一人朔也が今の状況をモニターで繋げて見ていた。
「これは…!!」
朔也は三人が大量の怪人とノイズを見て絶句した。他の者たちも見たことで驚きを隠せなかった。
「なに…これ…」
「これは…!」
「了子さん!?」
「どうなってるの…?こんなのまるでアニメじゃない」
リディアンの生徒―――弓美がそう言う。
「ヒナは…ビッキーのこと知ってたの?」
「うん…」
「未来はあたしたちの協力者だからな」
「奏さん!?」
「驚くな。……(あたしは…なにもできないのか…?)」
周りがその状況をモニターで見ている中…
「ガハァ!!」
突如、こぼれていた水から龍牙が飛び出て来た。
「!?人が…って、ビッキーの友達…?なんで水の中から…」
「リュウガ!?どうして…」
「別に…ちょっと一戦やってきただけだよ……あと、天羽奏」
「なんだ?」
「お前に、これを…」
そうして龍牙は奏に龍騎のデッキとガングニールのカードを渡した。
「これって…!!」
「ああ、お前に使えるかわからないが一応だ。これで、響たちの助けになれるだろ?」
「でも、どうして…」
「仲間だろ?違うか?」
「っ!!ああ!!」
すると…
「うわっ!!なんだこれ!?」
「これは…?」
突如、ガングニールのカードと龍騎のデッキが光だしたのだ。
「これは…!!まさか、ガングニールのカードと龍騎のデッキが共鳴しているのか……?」
そして龍牙が龍騎のデッキをガングニールのカードに近づけると、突如二つが光出した。その急なことに驚いた一同だったが、光が消えるとそこには――――
「これって…シンフォギア!?」
奏の手には、いつも翼たちがつけているシンフォギアのペンダントがあったのだ。
「嘘…!!」
「まさか、龍騎の力とガングニールの力が融合したのか…?」
「そんなことが…!」
「とにかく、これで戦える!!ありがとな、リュウガ!!」
そうして奏は歌を歌う。
「(分かる……!!聖詠が…頭の中で流れてくる…!!)Croitzal dragon Gungnir zizzl」
そして…奏は光に包まれた。
「はぁ!!」
「はぁああああああ!!」
「クソォ!!数が多すぎる!!」
そして今現在、響、翼、クリスの三人は大量の怪人とノイズを相手に苦戦していた。
理由はただ単純、数が多すぎただけだ。
「フフフ、もうすぐだ、もうすぐでカ・ディンギルが…!!」
フィーネが笑う。
「クソォ…!!このままじゃ…!!」
「だが、この数ではフィーネに近づくことすらできない!」
「いったい、どうしたら…!!」
その時だった―――
―ドゴオオオオォォォォォォォオオオオオォォォォン!!
この爆発音が鳴った瞬間、三人の目の前にいたノイズと怪人たちが焼き尽くされたのだ。
「っ!?何が起きた!?」
フィーネが驚愕した言葉をあげた。
実際、三人も何が起きたのがが理解できなかった。
「待たせたな」
だが、この言葉を聞いて三人(クリス除く)はこの言葉の主、そして攻撃の主が誰なのかがすぐにわかった。
そしてそこにいたのは…
「かな……で…!?」
「奏……さん……?」
「なんだ…なんだそのシンフォギアは!?」
そこに居たのは、いつものガングニールを身に纏った奏だった。
だが、そのガングニールは見た目が違った。体の鎧には所々に龍の鱗の装飾が施されており、それだけではなく、奏の持っている槍も龍を思わせる装飾が施されており、体に炎を纏っていた。
「これか?これはな、アタシたちの仲間がくれたものだ」
「仲間……っ!!」
「リュウガさん…!!」
「さて、遅れて済まなかった!!カ・ディンギルはアタシに任せろ!!」
「っ!!させるかぁ―――――――っ!!」
フィーネは奏に鞭で攻撃するが、それを響が止めた。
「奏さんに手だしはさせません!!」
「奏の邪魔はさせない」
「お前はさっさとカ・ディンギルを止めろ!!」
フィーネの前に三人が立ちはだかり、フィーネにそれぞれが攻撃する。
「ええい!!邪魔だぁ!!」
フィーネは三人に攻撃するが、三人はもろともしなかった。いや、耐えていたというのが正しいだろう。
「よし、この隙に…!!(使い方が頭の中に入ってくる…!!まずは…)」
奏は手にエネルギーを集中させると、そこにカードが生成された。
「よし、次は…」
奏はアームドギアの一部分を動かすと、そこがスライドし、カードが入れられるほどの穴があった。
「(これにベントイン……するんだよな)」
奏はカードを入れ、スキャンした。
《SWORD VENT!!》
すると、奏の右手に赤い剣、【ドラグセイバー】が装備される。
「よし!!」
そして奏はそのまま空高く飛びあがり、カ・ディンギルの頂上まで登りつめた。
それと同時にカ・ディンギルは発射された。
奏はドラグセイバーとアームドギアでそれを食い止める。
「フヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ………!!」
「カ・ディンギルを押し留めているというのか!?あいつごときの力で!?ありえない!!」
「奏さん!!いっけぇ――――――――っ!!」
「奏ぇぇぇぇぇぇ!!」
「いっちまえぇ―――――――っ!!」
だが、カ・ディンギルのエネルギー量が多すぎるのか、徐々に奏は押されていく。
「クソォ…!!(まだだ…!!まだ終われない…!!なにか、この状況を打開できるものは……………あった!!)」
奏は自身が纏っている龍騎の力が宿ったガングニール―――【ドラゴンガングニール】の情報から、この状況を打開できるものを見つけた。
奏はすぐさまカードを自分の手に生成し、アームドギアにベントインする。
《FLAME VENT!!》
その機械音が鳴った瞬間、奏の持つ武器二つの業火が纏われる。
【フレイムベント】―――武器に業火を纏わせ、攻撃力を上げることもでき、また敵の攻撃を焼きつくすことの出来るカードだ。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
そして、カ・ディンギルのエネルギーは奏の周りに向かっていき、結果的に月の一部が破壊されてしまったが、奏は結果的にカ・ディンギルのエネルギーをカ・ディンギル内で押しとどめ、内部爆裂を起こしてカ・ディンギルは崩れ落ちた
「あああああぁぁぁぁああああああああ!!」
それと同時にフィーネの悲鳴が辺りを木霊する。
「ヘヘ、やってやってやったぜ!!」
「奏さん!!」
「奏!!」
「よくやった!!」
「さて…後はお前だけだ、フィーネ!!」
そうして奏は、アームドギアをフィーネに向けて叫んだ。
【ドラゴンガングニール】
龍騎の力とガングニールの完全聖遺物が融合したもの。
融合によりいくつかの変化が起きた。
・10分間だけというデメリットがなくなっている
・出せる力が聖遺物の欠片から作られたもの、つまり【シンフォギア】と同じ力しか出せない
・完全聖遺物の設定である、適合者でもなくてもその力を振るえることができる(そして、奏は今までリンカーを使っていたため(努力をしているので)起動には問題はない)
・アームドギアがバイザーになっている。
・フォックゲインを高めるには歌を歌う必要がある。(これはシンフォギアと同じである)
・エクスドライブモードは【サバイブ】を使えばいつでもなれる
(ただしサバイブのカードはもちろんのことすべて龍牙が持っている)