前回、奏の活躍によってカ・ディンギルを破壊した。
「おのれぇおのれぇおのれぇ!!月の破壊はバラルの呪詛を解くと同時に重力崩壊を引き起こす。惑星規模の天変地異に人類は恐怖し…。そして聖遺物の力を振るう私の元に帰順するはずであった!痛みだけが人の心を繋ぐ絆! たった一つの真実なのに!それを…貴様ごときがぁ!!」
カ・ディンギルが破壊されたことにより怒りが頂点に達したフィーネ。
「は、知ったことかよ。お前の計画、台無しにしてやったぜ!!……あれ?」
すると、奏は倒れてしまった。
原因はただの力の出し過ぎであった。
三人は奏に近寄るも、ただ倒れただけだと分かり、安心する。
「奏、ありがとう。後は私達に任せて」
「ああ……悪いな……」
「され、フィーネ!!後はお前だけだ!!」
「おのれぇ!!ただでは死なさんぞ!!」
そうして、翼は奏を寝かせた後にフィーネにアームドギアを向ける。
そして現在、避難所では…
「司令!!周辺区画のシェルターにて、生存者、発見しました!」
緒川がそう言う。
慎次の周りにはリディアンの生徒や一般市民が居た。
「そうか!良かった」
すると…
「あぁ!!お母さん、かっこいいお姉ちゃんだ!!」
「あ、ちょっと!!」
一人の少女がそう言い、響たちが写っている画面に向かって行った。
そして龍牙は…
「っ!!お前…あの時の…!!」
「龍牙さん、この子のこと知ってるんですか?」
「それに、この子…ビッキーのこと知ってるの?」
「……詳しくは言えないんですが…うちの子は、あの子に助けていただいたんです」
「(やっぱり、響がガングニールに目覚めたときに助けた少女…)」
「響の…人助け?」
「ねぇ、かっこいいお姉ちゃん、助けられないの?」
すると、少女が心配そうにそう言う。
「ちぃ……」
それと同時に龍牙が無理やり立ち上がる。
「リュウガ!!その怪我でどこにいくんだ!?」
「それはお前も言えることじゃないだろ弦十朗……とにかく、俺は響たちのところにいく…ここで見ているわけにはいかねぇんだよ…」
「ねぇ、もしかして……黒い龍の騎士さん?」
少女がそう言うと龍牙だけではなく、周りの者たちも驚く。
「っ!?……なんでわかったんだ」
「だって、声が少し似てるもん!!」
「(ハハハ…まさか子供に…しかも声でばれるとはな…)」
「黒い龍の騎士さんも、かっこいいお姉ちゃんのこと応援しよ!」
「応援?」
「うん!!ねぇ、ここから話しかけられないの?」
少女は朔也に問いかける。
「あ、ああ…出来ないんだよ…」
「(応援…!)」
すると、未来が弦十朗に問いかける
「ここから私達の声を、無事を知らせるにはどうすればいいんですか?響を助けたいんです!!」
「助ける?」
「学校の施設がまだ生きていれば、リンクして、ここから声を送れるかもしれません」
「(なるほどな…だったら!!)俺も行く」
「龍牙さん!でも、その怪我じゃ…」
「大丈夫だ。人外舐めんな」
そうして、慎次と龍牙、未来と創世と詩織と弓美の六人でその場所に向かった。
「…この向こうに、切り替えレバーが?」
「こちらから、動力を送ることで、学校施設の再起動が、できるかもしれません」
「でも、緒川さんだとこの隙間には…」
実際、通るための穴が小さかったのだ。
「アタシがいくよ!!」
そこに、弓美が名乗り出た。
「弓美!!」
「大人じゃ、無理でも、アタシならそこから入っていける。アニメだったらさ、こういう時、体のちっこいキャラの役回りだしね。それで響を助けられるなら!!」
「でもそれはアニメの話じゃない!!」
「アニメを真に受けて何が悪い!!ここでやらなきゃ、アタシアニメ以下だよ!!この先、響の友達を胸を張って答えられないじゃない!!」
「ナイス決断です。私もお手伝いしますわ」
「だね、ビッキーが頑張ってるのに、その友達が頑張らない理由はないよね」
「みんな…!!」
「フ…だったら俺も行く」
「龍牙さん!でも、龍牙さんにはこのサイズは…」
「大丈夫だ。これがある」
そうして龍牙は、【ミラーウィザードライドウォッチ】を取り出して、そのボタンを押した
「(何気に、これは始めてやるからな…成功するかどうかは分からないが…やらない理由はない!!)」
《ウィザード!!》
すると、龍牙の目の前に赤い魔法陣が現れる。そしてその魔法陣に刻まれている文字はすべて鏡文字であった。
《プリーズ!!ヒーヒー!!ヒーヒーヒー!!》
そうして、龍牙は【仮面ライダーミラーウィザード】へと姿を変えた。
「…すごい…!!」
「本当に、変身しちゃった…!!」
『さぁ、行くぞ』
《スモール プリーズ!!》
そしてミラーウィザードの体を魔法陣が包み込み、ミラーウィザードの体は小さくなった。
『よし、行くぞ!!』
「っ!!私も!!」
そして五人で穴を通り抜け、その場所に着いた。
レバーはあったのだが、いささか高すぎた。
「あった…けど、高い…」
『俺がお前を高く上げる。だからそれで登れ』
本来、ここで『コネクト』を使えばいいのだが、できない理由があった。龍牙の魔力は魔力=体力なため、今の状態では二回目を使うのはできなかったのだ。
「じゃあ、お願いします」
そうして、三人が踏み台になり、ミラーウィザードが弓美を持ち上げて、弓美はそれで高い場所にあったレバーをなんとか動かすことができた。
~そして元の場所~
「きました!!動力学校施設に接続!!」
「校庭のスピーカー、いけそうです!!」
「やったぁー!」
三人はフィーネに圧されていた、強烈な一撃をくらい。変身が解け、地面突っ伏していた。
「くぅ…皆…」
奏は今現在も、不可で立ち上がれなかった。
「新霊長は私一人がいればいい。私に並ぶものは、すべて絶やしてくれる」
フィーネが鞭を振りかぶった瞬間。歌が聞こえた。
聞こえたのは、リディアンの校歌だった。
「チィ、耳障りな…なにが聞こえている?どこから聞こえてくる? この不快な歌…。歌、だとッ!?」
「聞こえる…皆の声が…。よかった…私を支えてくれる皆は…いつだってそばに…」
そして夜が明けた。
「皆が歌ってるんだ…。だからまだ歌える。頑張れる!戦えるッ!」
光に包まれ、立ち上がる響。
「まだ戦えるだと? 何を支えに立ち上がる? 何を握って力と変える?鳴り渡る不快な歌の仕業か? そうだ、お前達が纏っている物は何だ?心は確かに折り砕いたはず…!なのに、何を纏っている? それは私が作った物か?お前達が纏うそれは一体何だッ!? 何なのだッ!?」
響だけではない、散らばった場所にいる翼、クリスの二人光に包まれていた。
光が立ち上り、空にはギアが白くなり、光の羽を生やす響達がいた。
「シンフォギアアアアアアアアアアア!!」
~避難所~
「お姉ちゃんたち、かっこいい!!」
「やっぱアタシらがついてないと駄目だな!!」
「助け助けられこそ、ナイスです!」
「私たちも一緒に戦ってるんだ!!」
「(よし…俺も行くか…)」
《ビヨンドライバー!!》
「龍牙さん!?」
《ギンガ!!》
龍牙はミラーギンガミライドウォッチを装填した。
《投影!ファイナリータイム!》
《ギンギンギラギラギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!》
《ウォズギンガファイナリー!ファイナリー!》
龍牙は【ミラーウォズギンガファイナリー】へと姿を変える。それを見ていた一般人は驚愕の声を上げるが、今の龍牙にはどうでもよかった。
『…行ってくる』
そうして、ミラーウォズは高速で移動してその場から姿を消した。
~そして地上~
「皆の歌声がくれたギアが私に負けない力を与えてくれる。クリスちゃんや翼さんに、もう一度戦う力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない。命なんだ」
「高レベルのフォニックゲイン…。こいつは2年前の意趣返し?」
『(んなこたどうでもいいんだよ!)』
「念話までも…。限定解除されたギアを纏って、勝ったつもりか!!」
そうしてフィーネはソロモンの杖を使ってノイズを召喚し、アナザーウォッチを使って怪人を召喚した。
『(いいかげん芸が乏しいんだよ!)』
『(世界に尽きぬノイズの災禍も全てお前の仕業なのか!?)』
『(ノイズとはバラルの呪詛にて相互理解を失くした人類が、同じ人類のみを殺戮するために作り上げた自律兵器。まぁさすがに、私でもこの時計の理屈は理解できなかったが…)』
『(人が人を殺すために?)』
『(バビロニアの宝物庫は扉が開け放たれたままだ。そこからまろびいづる10年一度の偶然を私は必然と変える。純粋に力と使役してるだけのこと)』
『(また訳わかんねえことを!)』
フィーネはソロモンの杖を上に掲げた。
「応ぜよ!!」
フィーネの言葉に杖が反応し、街中から数え切れないほどのノイズが現れた。
「あっちこっちから…」
「おっしゃ! どいつもこいつもまとめてぶちのめしてくれる!」
「奏のことも…」
『それは俺に任せろ』
「「「っ!!」」」
急に聞こえた声だったが、三人はすぐにその声の主を理解した。
そこに居たのはミラーウォズであった。
『天羽奏は、俺のほうでなんとかする』
「龍牙さん!!」
「っ!?貴様、あいつにやられ、戦闘不能になったはずだ!!」
『あいにく、人外はしぶといんでね!!』
そうしてミラーウォズは疑似惑星弾【エナジープラネット】を生成してこの場に居るノイズを倒す。
そしてその後にミラーウォズはミラーギンガミライドウォッチを取り外し、アイコンを切り替えて再びフューチャータイムする。
《ワクセイ!!》
《水金地火木土天海! 宇宙にゃこんなにあるんかい!》
《ワクワク!!ワクセイ!!ギンガワクセイ!!》
ミラーウォズは【ウォズギンガワクセイフォーム】に姿を変えた後に、レバーを開いて閉じる。
《水金地火木土天海エクスプロージョン!!》
ミラーウォズはエナジープラネットを大量生成し、雨のごとく降り注がせて広範囲を攻撃し、ノイズをすべて殲滅した。
「すごい…!!」
『お前達はフィーネをやれ。俺は天羽奏を』
「わかった、行くぞ二人とも!!」
「「はい(おう!!)」」
そうして三人はフィーネの元に向かった。
そうしてミラーウォズは天羽奏のところに向おうとしたが…
「フン!!」
フィーネが自分の腹にソロモンを突き刺した。急なことでミラーウォズどころが三人も驚いた。
そしてフィーネに向かってノイズが集まっていく。
「ノイズに取り込まれている?」
「そうじゃねえ。アイツがノイズを取り込んでんだ」
どんどん巨大化していくフィーネ。
「来たれ!デュランダル!!」
そして、巨大な竜のようななにかになった。
竜はレーザーを放ち、街で大爆発が起きる。
「街が!?」
「逆鱗に触れたのだ。相応の覚悟は出来ておろうな?」
三人は攻撃をするが、全く効いておらず、逆に反撃されてしまう。
ミラーウォズもエナジープラネットを生成して攻撃するが、効いていなかった。
「なんて硬さだよ!」
「いくら限定解除されたギアであっても所詮は聖遺物の欠片から作られた玩具!完全聖遺物に対抗出来るなどと思うてくれるな」
『っ!!天羽奏は!!』
ミラーウォズは高速で奏のところに向かい、奏を救出した。
三人はフィーネのドラゴンと戦っていた。
「す、すまないね…」
『……これを使え』
そうしてミラーウォズは奏にカードを渡した。
そのカードは『黄金の鳥の左側の羽』が描かれており、その奥には炎が燃え盛っていた。
「これは…?」
『サバイブのカードだ。これを使え。そうすれば、一時的でも体力は回復するだろ』
「…ありがたく使わせてもらうよ…!!」
そうして奏がサバイブのカードを持った瞬間、奏のアームドギアが変化した。
槍は前より大きくなっており、金色の装飾が施されている。それだけではなく竜を思わせる装飾も目立ってきていた。
奏はサバイブのカードをアームドギアにセットすると、その瞬間、奏は炎に包まれる。
奏は白と金を基本としたシンフォギアを纏ったのだ。
「…すげぇ…!!」
『…行くぞ』
「ああ!!」
そうして二人は戦場へと向かった。
そして、その場所では、フィーネのいる竜の周りには煙が立ちこんでいた。
『いけ、天羽奏!!』
「任せろぉ!!」
そうして奏はカードをベントインする。
《FINAL VENT!!》
そして、この場に【烈火龍ドラグランザー】が現れる。
―ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!―
そうして奏はドラグランザーに乗り、次にドラグランザーがバイクに変形する。
そして奏はバイクでドラゴンの体を登る
「奏さん!?」
「響、後は任せろ!!」
奏がそう言った瞬間、奏はバイクと共に宙を舞い、そしてバイクに変形したドラグランザーがフィーネに向かって火球を放つ。
そしてその衝撃でデュランダルが宙を舞った。
「勝機を逃すな! 掴み取れ!」
「ちょせえ!!」
クリスがデュランダルを撃ち、取りやすいようにする。
それだけはなかった。ミラーウォズが重力を操って取りやすいようにしていたのだ。
そしてそれを響が掴んだ。
「デュランダルを!?」
しかし。再びデュランダルに呑まれ、暴走状態となる。
だがシェルターから希望が現れた。
「正念場だ! 踏ん張りどころだろうが!!」
「強く自分を意識してください!」
「昨日までの自分を!」
「これからなりたい自分を!」
「ミンナ…!」
「屈するな立花。お前が抱えた胸の覚悟、私に見せてくれ」
「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ! お前が自分を信じなくてどうするだよ!」
「響、頑張れ!!」
『響!!自分を見失うな!!』
「あなたのお節介を!」
「あんたの人助けを!」
「今日は私たちが!」
しかしフィーネが待ってる筈もなく。
「かしましい!!黙らせてやる!!」
『こっちのセリフだフィーネ!』
そこをミラーウォズが【ジカンデスピア】で食い止める。
「グッ!貴様どこまでもッ!!」
『邪魔は得意なんでなぁ!』
そして響の暴走は。
「響――――――――っ!!!」
この一言によって終わった。
「はっ!?そうだ…今の私は、私だけの力じゃない…。そうだ! この衝動に塗りつぶされてない!」
デュランダルが金色に光る。
「その力!何を束ねた!?」
「響き合う皆の歌声がくれた、シンフォギアだあああああっ!!!」
デュランダルを振り下ろし、竜を真っ二つに切り裂いていく。
「完全聖遺物同士の対消滅…!?どうしたネフシュタン! 再生だ!!この身、砕けてなるものかああああッ!!」
竜は大爆発し、戦いは終わった。
しばらくした後、響がフィーネを担いできた。
「お前、何をバカなことを……」
「なにやってんだか…」
「このスクリューボールが」
「皆に言われます。親友からも変わった子だーって。もう終わりにしましょう、了子さん」
「私はフィーネだ…」
響は少し笑いした。
「でも、了子さんは了子さんですから。きっと私たち、分かり合えます」
「ノイズを作り出したのは先史文明期の人間…。統一言語を失った手を繋ぐよりも相手を殺すことを求めた。そんな人間が分かり合えるものかぁッ!!」
そしてフィーネは響の後ろに向かって鞭を伸ばした。
「私の勝ちだッ!!」
フィーネはなにかを引っ張る動作をした。その影響でネフシュタンは壊れる。
「月の欠片を落とす!」
『『『『『っ!!?』』』』』
「私の悲願を邪魔する禍根は、ここでまとめて叩いて砕く!この身はここで果てようと、魂までは絶えはしないのだからな!聖遺物の発するアウフバッヘン波形があるかぎり私は何度だって世界に蘇る!どこかの場所、いつかの時代!今度こそ世界を束ねるために!アッハハハハ! 私は永遠の刹那に存在し続ける巫女!フィーネなのだ!!」
―トンッ―
響がフィーネの胸に軽く拳を当てた。
「うん、そうですよね。どこかの場所、いつかの時代、蘇る度に何度でも私の代わりに皆に伝えてください。世界を1つにする為に力なんて必要ないって事を、言葉を越えて、私達は繋がっていけるって事。私達は未来にきっと繋いでいけるという事を私には伝えられないから。了子さんにしか出来ないから」
「お前…まさか…」
「了子さんに未来を託すためにも、私が今を守ってみせますね」
「……フっ…ホントにもう…。放っておけない子なんだから…」
フィーネは響の胸に指をあて。
「胸の歌を信じなさい」
その言葉を最後に塵と化した。
「軌道計算出ました。直撃は避けられません」
響が前に出る。
「なんとかする。ちょーっと行ってくるから。生きるのを諦めないで」
「そうだな」
「さてと、やってくるか」
「ここはアタシ等の出番だ」
『そう言うことだ。ちょっくら行ってくるよ』
そうして四人は空を飛び、ミラーウォズはドラグランザーに乗って宇宙へと向かって行った。
『さて…大きいな…』
『(こんな大舞台で挽歌を歌うことになるとはな)』
『(やりましょう!!)』
『(さてと、やるか!!)』
『(ま、一生分の歌を歌うには…。ちょうどいいんじゃねえのか?)』
響が両手のバンカーを伸ばし
翼が剣を巨大化させ
クリスが大量のミサイルを出し
奏がシュートベントでアームドギアの穂の部分にエネルギーを貯め、ドラグランザーが火球の発射準備をする。
ミラーウォズは【タイヨウフォーム】になり、【バーニングサンエクスプロージョン】を発動した。
『『『『(『砕けろおおおぉぉ!!!』)』』』』
月の欠片は、跡形もなく砕け散った。
~
「なぁ…」
「なに?ソウゴ?」
「女神様よ、これで良かったのか?」
「ええ、わざわざクズをあの世界に転生させた甲斐があったわ」
「でも、アナザーライドウォッチをあの世界に、異物を入れたのはまずいんじゃないのか?」
「大丈夫よ。そもそも、あのクズを転生させたのは彼…龍牙君のためでもあるから。彼、しばらくしたら変化に気づくはずよ」
「そんなことはどうでもいいんだ。で、結局どうするんだ?」
「まぁまぁそんなに怒らないで。大丈夫よ。だって、
「そうか…だが、やっぱり心配だな…」
「あら、鏡の世界の存在であるあなたが?」
「それとこれとは関係ないだろ」
「フフフ、そうね」
~そしてさっきとはまた違う場所~
ここはとある海岸…
ここに、一人の白衣の男性がいた。
そしてその男性は、あるものを拾った。
「うん…?なんでしょうかねこれは…時計?」
男性は海に流されてきたであろうたくさんあった一つの
「なんでこんなところに時計が……まだ動きますかね?」
そうして男性は時計を押した。
そしてその瞬間…
《ビィルゥドォォ!!》
黒い渦が男性を包み込み、男性は怪物…【アナザービルド】へと姿を変えた。
『っ!!すごい!!なんて力だ!!力が漲ってくる!!これさえ…この時計たちがあれば…僕は…僕は……―――
――英雄になれる!!!』
そうして、アナザービルドは落ちていた時計を天に掲げて笑った。