宇宙からの侵略者
「何故だ!何故日本が召喚されない!?」
太陽神シュマシュは叫んだ。
彼女の前には鏡の様なものがあり、それに映っているのは彼女が見守る世界の一つ。
その世界は魔法の文化があり、人々が暮らしているものであった。
しかし争いが絶えることがなく国々が支配を広めている。
今は名が無き豊穣の神が愛していた国は隣国に支配され惨殺され、残る者はレジスタンスとして活動を続けている。
本来なら既に眷属である日本国が近くに召喚され、まだ国が残っているハズだが未だにこの世界に召喚されない。
いや出来ないのだ。何かに妨害されているかのように。
「なぜだ…なぜなんだ」
彼女が、頭を抱えて考えていると、勝手に風景が変わった。
映っているのは星全体、宇宙だ。
「これはいったい……はっ!」
彼女は広がってる宇宙の中、一つの大きな物体を見た。それは楕円形で大きな宇宙船でありそれから一つ何かが星に向けて射出していった。
「あれはもしや……奴等か!」
彼女は曳光を描く物体とその宇宙船を睨み付けてそう言った。
彼ら二度地球を侵略した集団を……
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中央暦1639年9月25日明朝、フェン王国の首都アマノキは賑わっていた。
この日は五年に一度に開催される軍祭が行われており各国の武官が参加されていた。
今日はこの軍祭と別のことで賑わいが起こっている。
「ほぅ、あれが昨日飛んできた物だな」
フェン王国の剣王シハンは城から単眼鏡を覗きこんだ。
彼が見たのは首都より外れた場所にあり、大きさは民家よりも大きい円柱の物体だ。
報告によればおよそ27メートルもあるようで現在専門家が調べている。
「もしやパーパルディア皇国の兵器ではないでしょうか」
側近の剣豪モトムがそう言った。
パーパルディア皇国とは既に最後通牒渡されており何時攻めてくるのかわからない状況だ。
もしあれがパーパルディア皇国の兵器だとしたらすぐにでも民を避難させなければならない。
「何が起きるかわからない、異変があればすぐに報告をせ―――」
よ、とシハンが言った瞬間に円柱から光が発し、目の前から熱波と言えるほどのものが城その物を包んだ。
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「これが……隕石!?」
少し時間は遡り、円柱物体周辺に民や観光客、武官達が囲んで騒いでいた。
その中の一人、第二文明圏列強ムーのジャーナリスト、ハミラはおよそ27メートルもある円柱に写真機を向けて魔導写真撮影をする。
本来彼は伝統的な軍祭を取材するためにわざわざ水上にて着水可能な飛行機械を使ってきて来たのだが突然落ちてきたこの物体の知らせを聞いてこの場に来たのだ。
「しかしこれはなんだろうか」
写真を撮りつつ観察をするがまるで人工で作られたかのような精巧な円柱であり隕石の様には見えない。
「何かの入れ物か?」
ミハラはそうつぶやくと羊皮紙をもつ一人の男が隣に近寄る。
「そう!これは隕石ではなく神の使者の方舟だ!私は昨日見ました!遥か上空からこれが降ってくるのを!それも何回もだ!天から来た、つまり神の使者が来たのです!」
周りの人はざわめく。
遥か上空、それは宇宙と呼ばれる空間を指しておりムーではまだそこまで到達しておらず一部では神の領域ともよばれている。
確かこの星には神と魔帝に纏わる話や太陽神の使いの伝説の話があった。
ジャーナリストととしては滑稽で信じがたい話ではあるがこの第三文明圏では有名な話である。
「つまりこれは……」
「そう、これは最初の接触、神の使者が我々を救ってくださるのだ!」
男がそう言うと円柱のてっぺんから蒸気が沸きだし隙間が生じる。
皆は唾を呑み込み、震えあがる。ミハラは無意識に写真を何枚も撮る。
その隙間から姿を見せる異形の姿を。
「こ、これが神の使者……!?」
醜悪、神々しい使者ではなくむしろ悪魔の使者に見えた。
触手が隙間から姿を表し更に目玉まで出て来てこちらの様子を伺っている。
「か、神の使者だ!」
神の使者と呼ばれる異形の化け物は目玉を使い周囲を見渡す。
神の使者であるのなら私でも大スクープだ。
逆にそうではなかったら……
目玉から機械音、シャッターのフラッシュによる電気が溜まるような音が鳴り響き………
「……え?」
瞬間男の上半身が消え去った。
どさりとさきほどまで男であった身体は倒れ皆に悪寒が走る。
ミハラが化け物に目をやると目玉は明後日の方向へ向きまた機械音が鳴り響き光が収束、発射された。
「な……はっ……」
ミハラは言葉がつまり、光の先、この国の城へと目を追う。
城はくり貫かれたかのようにポッカリと穴が空き燃えている。
あの城には国の王であるシハンがいたはずだ。
「に、逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
一人の男が叫ぶと皆は一斉に走り去っていく。
肩がぶつかり倒れる人、それを踏み潰す人、子供を助けるため盾になっている親、ここにいる者全てに混乱が起きていた。
「わ、私は……何を撮ったんだ……?」
ミハラは未だ呆然と立ちすくみ無意識に撮った写真に問いかけた。
また光が収束し瞬時、人が消えた。
あれは他国の兵器?それとも新たな魔物?いや、あんなものはこの星にある物ではない。
ミハラは疑問を持つがあの男の言葉が甦る。
『神の使者』と。
これは我々と神の使者との戦争の幕開けを私は撮ったのだ。
日本は召喚されなかったのでクワトイネとクイラは吸収されました。