「今日も美人なアンジェラの手作りチョコが欲しい」
「急に何を言ってるんですか管理人。仕事をしなさい」
ここはロボトミー社の管理室。そこに1人の男と、機械と呼ぶにはあまりにも美しい女性の姿をしたAIがいた。
「昔俺がいた国の風習でな、バレンタインデーに女性は意中の男性にチョコレートをプレゼントするという文化があった」
「はあ」
「そこから転じて、女性は意中の男性だけでなく親しい男性に送るチョコレートを『義理チョコ』。親しい同性に送るチョコレートを『友チョコ』。男性が男性に送るチョコレートを『ホモチョコ』と言うようになった」
「そうですか」
「あー勿論アンジェラが知らないのは無理はない。完璧な秘書とはいえ知らないこともあるだろう完璧な秘書とはいえな!」
「殴ってもよろしいですか?」
「暴力反対!」
男は黒いスーツを不真面目に着こなし、だらしなくシャツがはみ出ている。
美しいAIはその切れ長の目を薄く開き、男を睨み付ける。
「アンジェラ。真面目な話をしよう」
「……まあ、貴方がそれを望むのなら」
「アンジェラ、君は間違いなく世界一優秀なAIであり完璧な秘書だ」
「当然です」
「秘書が完璧なら完璧な秘書が支える上司もまた完璧であると言えよう」
「……まあ、そう……です……かね」
「アンジェラが支える完璧な上司、つまり俺は完璧であると言うことだ。当然上司としてだけでなく、男としても完璧である。いや、完璧でなければいけないと言うことだ!」
「貴方が上司としても完璧であるかどうかはともかく、完璧でなければいけないということは同意します」
「そうだろ!つまり完璧でなければいけない俺はバレンタインデーにチョコを貰えないなんて事があってはいけないんだ!」
バァァン!!と効果音でもなりそうなキメ顔と身振りは感情を理解するAIの心を揺さぶった。
「管理人は馬鹿という人類なのでしょうか?」
なんて事もなくただただ目の前の理解できない人類を呆れたように、困ったように見つめるAI。
「アンジェラ、仮にも上司に馬鹿とはなんだ馬鹿とは」
「仮にも上司なら上司らしく威厳を身に付けてください」
「はっはっは、バカだなぁアンジェラ。俺に威厳を求めるなんてブタを木に登らせるようなもガガガガガッ!?あっアッアンジェラッ!!腕っ、腕はそっちに曲がらないですことよっ!?」
「安心してください管理人。人間、やれば何でも出来るものです」
「アッー!?アッアッ!アンジェラーッ!アぁンジェラそれアッー!?アンジェラアッー!!」
「管理人、右側の次は左側です。バランス良くいきましょう」
「アンジェラそれいっちゃダメな奴ッ!逝っちゃう奴だからアッー!!」
場所が変わりここはロボトミー社の管理部門は職員待機室。
『アッー!!腕がッ!腕がアッー!!』
『管理人、例え腕が無くなったとしてもロボトミー社の優秀な治療スタッフが管理人の業務に支障が出ない程度には回復させられます』
『そこせめて腕を完治させるくらいには言おう!?待ってアンジェラ腕取る気ですかアッー!アンジェラーッ!アンジェラそこアッー!』
『管理人、次は脚です』
『アンジェラアッー!アッー!困りますアッー!アッー困ります!困りますアンジェラアッー!困ります困りますアンジェラアッー!アッー!』
『管理人……最後に言い残す事はありますか?』
『関節キメられる時にアンジェラのおっぱいとかお尻とか接触したけど事故ダヨネ!』
「今日も管理人元気だな」
「毎日イチャついて飽きないのかしらね」
「うわっ。今日の俺のE.G.Oミミックじゃん」
「私なんて規制済みよ?」
「魔法少女衣装の俺が通りますよ」
「「……」」
「「ドンマイ」」
「くっそ泣きてぇ」
今日もロボトミー社の1日が始まる。
・エージェントジョシュアとバレンタインデー
ジ「管理人とアンジェラ様のあのやり取りから1週間。今日がその『バレンタインデー』なる日らしい!」
ダ「……ジョシュア、急にどうした?」
ジ「『急にどうした?』じゃねえよダニエル!お前だけだそその平常心!管理人のあの全部門内に響いた放送聞いてその平常心は人間の心を失ったとしか言えないだルルルォ!?」
ダ「はぁ、まぁ確かにここのところ慌ただしかったがよぉ」
ジ「ばっかお前!そんなん『バレンタインデー』に向けて意識がいってたからやろうが!男職員は『バレンタインデーでチョコ貰えるかな?』ってソワソワして、女職員は『好きなあの人にチョコ渡せるかな?』ってアブノーマリティそっちのけでチョコ試作してたんだぞ!?っはー、出た出た出ました!自分は恋愛に興味ありませーんって面しやがってクソ!このイケメンがっ!」
ダ「真面目に仕事しろよ」
ジ「うっせぇ!こんないつ死ぬかわからない世界で一時の夢を見て何が悪い!」
ダ「真面目に仕事しない事は悪い事だろ」
ジ「正論言うな!傷つくだろ!」
ジ「いいか!?俺ら福祉部門の女子共は全員ケセド様にチョコ渡すんだぞ!?他の部門の奴等はその部門内で渡し合うだろうし俺らが貰える可能性低いんだぞ自覚しろ!」
ダ「チョコなんて別に買えるだろ」
ジ「女子のプレゼントっつープレミアついてねえだろいい加減にしろ!」
「あ、あの……ダニエルさん居ますか……?」
ダ「俺がダニエルだが……あぁ、エージェントマキか。わざわざ教育部門からどうした?」
マ「あ、あの、ダニエルさん。この前は、その、雪の女王から助けていただいてありがとうございました!そ、そのー、お礼……といってはなんですけど……これを……」
ダ「俺は管理人の指示に従っただけだ」
マ「それでも貰ってください!そ、その、あ、えっと、雪の女王との決闘、凄く格好良かったです!!それではッ!!」
ダ「あ、おい」
ダ「いっちまったか」
ジ「お前も逝っちまえッッ!!!」(魔弾斉射)
ダ「ジョシュア、何しやがる止めろ!」
ジ「うっせぇ!畜生何でお前チクショウッ!」
ダ「……あー、要るか?」
ジ「これ以上惨めな気持ちにさせるんじゃねぇぇぇ!!!」ダバダバダバ……
ダ「あ、おい」
「あのときはありがとうございました!これ、プレゼントです!」
「この前は……悪かったな、これはお詫びだ、とっとけ」
「す、す、す、好きですッ!」
「……やる、食え」
ジ「ウオオオオオッ!!どこもかしこも盛りおってぇぇぇ!!滅びろ地球ッ!」
ビ「イェソド」
イ「……ビナー、珍しいですね上層まで来るなんて」
ビ「……貴様、甘いのか苦いの。好みはどっちだ」
イ「……は?何ですか突然」
ビ「いいから選択しろ」
イ「はぁ、なら甘いのが好みですが」
ビ「……ふん、顔に似合わず甘いのがいいのか」
イ「何ですかいきなり。そんなことを言うためにわざわざ上層まで来たのなら下層はずいぶんと暇なんですね」
ビ「……」
イ「……私も暇ではないのですが。本当に用件はそれだけですか?」
ビ「……少し、少しだけ待て」
イ「まあ、少し待つくらい吝かではないですけど」
ビ「……」スー……ハー……
ビ「イ、イェソド。こ、これを受けとれ」
イ「……」
ビ「いいか、決して誰にも渡すな。ここで食え」
イ「……」
ビ「あ、いや、待て。やはり後、後で食え」
イ「このハートの形は貴方の好みですか?」
ビ「ッッッ!それは、そ、その型しか無かったから」
イ「そうですか、では頂きます」
ビ「待て、後で食え、後で……頼むから……」
イ「お断りします」モグモグ
イ「……ふむ、砂糖を入れすぎです。甘すぎる」
ビ「……そう、か。無理して食う必要はない」クリフォトカウンター減少
イ「そういうわけにもいきません。一度口に入れた以上全て食べなければ失礼に当たる」
ビ「……そうか」クリフォトカウンター減少
イ「とはいえ流石に甘すぎるこれを一気に食べるのは難しい。コーヒーと一緒なら大丈夫そうです」
ビ「……そうか、好きにするといい」クリフォトカウンター減少
イ「ええ、好きにします。ところでこの後時間をとれますか?」
ビ「……なんだ?無様な贈り物を批判するのを聞いてけとでも?」
イ「それもいいですが、たまには一緒にコーヒーでもどうか、と。二人っきりで」
ビ「……」
ビ「……行く」気分値最大
ジ「……エライもんを見てしまった」
ジ「っはー、アオハルかよ。甘酸っぱ。若いっていいねー、俺も学生の頃あんな青春ラブストーリー体験したかったなー」
ジ「じゃ」
ジ「ふざけんなキャラ考えろファッキン調律者&全身厚着男ォラア!!イチャついてんじゃねえよAIこのやろう!」
ジ「機械にもパートナー居るのにどんな気持ち?ねえどんな気持ち?」
ジ「し に た い」
ジ「ああ、今なら赤ちゃんルーレットも怖くない。当たっても良いや的な意味で。ははは、はは、ははは、はぁ」
ジ「あー、もうこの際誰でも良いからチョコくれないかな……」
・セフィラ達とバレンタインデー
マ「コントロールチームの皆さん!いつも頑張ってるので労いのチョコです!」
職員「ありがとうございますマルクト様!」
職員「ありがたやーありがたやー」
テ「チョコが欲しい?バカなこと言ってないで真面目に仕事しなさい!」
テ「今日のノルマを無事達成できたら皆にチョコあげるんだって」
テ「は、はあ!?勝手なこと言わないでよティファレト!」
職員「ありがたやーありがたやー」
テ「っっ!!だからさっさと仕事しなさい屑!!」
ホ「……チョコですか?」
職員「ええ、その、今日も真面目に仕事したら貰えないかなーなんて……」
職員「あ、ほら、チョコ貰えるって思ったら仕事に身が入るっていうか!」
ホ「……ふふ、チョコ、チョコですか」
職員「ええ、ですからホド様から直に貰えないかなー……なんて……」
ホ「私のカウンセリングプログラムよりチョコのほうがいいんですか……そうですか……ふふ、フフフフフ」
職員「あ、えーと」
ホ「一生懸命考えたプログラムよりチョコ一つのほうが職員のモチベーションが上がるんですか。フフフ、アハハはは、アハハはハハハハはは!!」
職員「し、仕事してきまーす!」
ホ「チョコ、チョコ、チョコ!私の仕事はチョコ以下ッ!!アは、アはアハハははははは!!!」
職員「……あの」
ゲ「あ?」
職員「何でもないですすみません!」
ネ「ウイスキーボンボン?」
職員「ええ、お酒の入ったチョコなんですよ」
ネ「甘いのは好きじゃねえんだがな」
職員「チョコですがこれは甘さ控えめなんです!」
ネ「ふーん、なら食ってみるか。ありがとよ」
職員「いえっ!こちらこそ何時もありがとうございます!」
ネ「……ふん」
ホクマー「……」
職員(男)「……」
職ホ((とても気まずい))
ホ(こういう物は男同士で渡してもよいものなのでしょうか……)
職員(普段お世話になってるお礼に……と思ったけどこれ渡したらソッチのケが有るって誤解されないだろうか)
ホ「……」
職員「……」
・アブノーマリティとバレンタインデー
銀河の子「あの、コレ……」
ティファニー「あら?いつもの石と違う?」
銀河の子「今日は特別な日だって……」
ティファニー「……ふふ、ありがと」
銀河の子「!」
テンテン「罰鳥さんご飯だよー」
テンテン「……」
テンテン「えっ、居ない」
テンテン「……」
テンテン「えっ?」
レオン「さてどうしたものかね」
レオン「『何もない』の作業をしていたと思ったらいつの間にか縛られ、『何もない』は俺の姿で脱走して」
レオン「メインルームにも管理人にも通信が繋がらない」
レオン「……」
レオン「さて……どうしたものかね……」
ケセド「ダニエル!エージェントダニエル!応答しろ!」
ダニエル「っはい!ダニエルです!」
ケ「君が居る区画に『赤ずきんの傭兵』がすごい速さで向かっている!今すぐメインルームに駆け込め!」
ダ「脱走……!?バカな、アブノーマリティの脱走アラームなんて鳴ってない!」
ケ「アラームの不具合なんて今はどうでもいい!管理人と連絡がつかないが、とにかくメインルームに行け!」
ダ「了解!……っすみません、指示の達成は不可のようです。エージェントダニエル、『赤ずきんの傭兵』と交戦します!」
赤ずきんの傭兵「……探したわ」
ダ「目的は……俺か!」
赤「……」
ダ「……」
「「ッ!!」」
ガガガガガッ!!
鋭い音が鳴り響き銃撃戦が始まる。
ダ(俺の装備は『残り香』一式……クソッ、昨日までなら『ミミック』装備で相性的に有利だったんだが)
赤「……何故」
ダ(なんだ?)
赤「何故貴方なのよ!!」
ダ(っ疾い!)
赤ずきんの傭兵は銃撃戦の距離から一気に詰め寄り、手に持った斧で斬りかかってきた。
振り下ろされる斧。持っていたクロスボウで辛うじて受け止める。
赤「ずっと。ずっとずっとずっとずっと!!」
ダ「なにを言っている……!」
赤「貴方がっ!貴方がずっと私をこの場所に留め続けるからッ!!」
赤ずきんの傭兵が何度も、何度も言葉と共に斧を振り下ろす。
慣れない装備、慣れない激情に戸惑い、振り下ろされた斧にクロスボウがもぎ取られた。
ダ「くっ……」
赤「何故、私を止めるのがいつも貴方なのよ……!何故、何故、何故ッ!!!」
赤ずきんの傭兵に蹴り飛ばされ、一瞬で天地がひっくり返った。
空白の意識を取り戻した時には既に赤ずきんの傭兵が馬乗りになっていた。
ああ、これはきっと罰なのだろう。ここ一週間、
それでも俺は
赤「何故、何故、何故……なんで……今日に限って……」
こんなバケモノだらけの地下に押し込められ、常に死の危険に曝され、無事に朝日を拝めたことに感謝する、そんな日々で。そんなクソッタレな世界で。
なにも出来なかった。何を成せなかった。そんな俺が唯一生きていると感じられる時がこの仕事なのだから。
「俺は、俺の仕事を全うするだけだ」
最期までな。
ああクソ、今日は死ぬには良い日かもしれないな。視界の中で
流石に、死の瞬間まで目を開いている根性は無い。俺は臆病なんだ。振り上げられた斧を受け入れる様に目を閉じた。
赤「私と仕事どっちが大切だこの大馬鹿野郎ッ!!!」
ダ「グォアっ!?」
覚悟していた、斧で割かれるような衝撃では無く。
予想だにしていなかった、重い物でぶん殴られる痛みで思わず目を見開いて。
ぽろりぽろりと零れる水が視界に入ってきた。
赤「馬鹿、バーカ!バーーカ!!!貴方ねぇ!貴方のせいでねぇ!チョコレートをねぇ!許さないわよこの野郎!!」
ダ「……は?あ?待て、え?」
赤「うるさい馬鹿!折角可愛そうな貴方の為にチョコを作ってやろうと思ったのに!」
ダ「……おいお前まさか……チョコレートの材料買うために何度も何度も脱走したってのか……?」
赤「文句あるのか馬鹿野郎!!」
ダ「……えぇ……」
まさかとは思うが、いや、まさかとは思うがさぁ……ここ一週間の忙しさってさぁ……ここ一週間のアブノーマリティ共の脱走頻度の高さってさぁ……
ダ「いや、普通にチョコ買いに行きたいって言えよ……」
赤「い、い、言える訳ないでしょ!?そ、そんな事言ったらもう好きな人居ますって言ってるような物じゃない!」
ダ「今の状況は違うって?」
赤「黙れバーカ!」ゴスッ!
ダ「イデェ!?斧で殴らないでくれ!」
赤「うるさいバーカ!バーカ!!」
マジかよ……マジかよ……笑えるね、ほんと。
赤「馬鹿!バーカ!バーカ!」
ダ「……なあ」
赤「何よこの馬鹿!」
ダ「一緒に買いに行くか、チョコ」
赤「…………うん」
なんか知らんが管理人全然仕事してないし、ちょっとくらいアブノーマリティを外に出しても平気だろ。
そうして俺は束の間、可愛い彼女とデートを楽しんだ。
・ロボトミー社とバレンタインデー
ジ「ヤアみんな!オレ、ジョシュア!何の変哲もないランクⅤエージェントさ!」
ジ「今日は俺の働いてる此処、ロボトミー社を案内しよう!」
ジ「さあ、右手をご覧ください!一羽でチュン、二羽でチュチュン、三羽揃えば施設崩壊!でお馴染みのクソ鳥、大鳥、審判鳥!なんかハート形の包みを交換し合ってるね!クソが」
ジ「左手をご覧ください!元ALEPHの面汚し、もうなんかヤバイ規制済み!それと鳴き声が管理人!のポチこと何もない!なんか茶色の四角い何かを渡し合ってるね!クソが」
ジ「さあ上をご覧ください!脚フェチには堪らない形状のヤベー奴!蒼星が殴り込みだぁ!信者共からハート型のサムシングを投げ込まれているぅ!クソが」
ジ「エブリバディクソかよ」
ジ「マジかよ……アブノーマリティですらバレンタインデー謳歌してるっつーのになんなのこの疎外感……」
ジ「もしかして、俺って存在していないのでは?」
「あーやっと見つけたわ、何処ほっつき歩いてたのよ」
ジ「……」
ジ「……?」
「アナタよ、アナタに言ってるのよジョシュア」
ジ「え、俺が見えるのかい?」
「見えるに決まってるでしょ?」
ジ「あー良かった。てっきり俺と言う存在が消滅して意識だけがこの世界に取り残されてるのかと思った」
「無駄に壮大ね……」
ジ「キミがそれを言うか……『憎しみの女王』ちゃん」
憎「なによ、文句でもあるの?」
ジ「いやぁ……それより最近の調子はどうだ?」
憎「お陰さまでこの通りよ。ヒスらなくなったけど、スれて可愛くないなんて言われる始末。酷いと思わない?」
ジ「女の子はそのくらいがちょうどいいと思うけど」
憎「アナタの趣味なんて聞いてないのよ」
ジ「ひでえ」
憎「……話は変わるけど、アナタ今日が何の日か知ってる?」
ジ「やめてくれ。もう今日が何の日とかどうでもいいんだ。その話は終了。はーい止め止め」
憎「そう、管理人が言うには好きな人にチョコを送る日だって言うじゃない?」
ジ「ねえ聞いてた?その話終了って言ったじゃん。死ぬよ?俺白ダメージで死ぬよ?」
憎「アナタの着てる服『ダ・カーポ』って言うんだっけ?私知ってるわよ、白ダメージに耐性あるんでしょ」
ジ「だからって言葉のナイフを投げつけないでほしいなぁ!」
憎「……」ニッコリ
憎「アナタ全然チョコレート貰ってないみたいね!」
ジ「ウォォォォォァァァァ!!!!貴様言ってはならんことをォォォォォ!!!!」
憎「まあアナタ顔もそれほど良くないし妥当かしら」
ジ「ゴォォォァァァァ!!!顔は触れるでないィィィィ!!!」
憎「アレ?でもヨハンはチョコ貰ってたような?」
ジ「ヨハンテメェ俺より悪人面してる癖に何チョコ貰ってんだァァァァ!!!」
憎「性格の差でしょ」
ジ「わかる」
ジ「と言う訳で金輪際オレにチョコレートの話をしないでくれ憎しみちゃん。もう精神が擦り切れそう」
憎「ふーん、あっそー」
憎「ところでココにチョコレートが」
ジ「下さい!」
憎「必死すぎて気持ち悪いわ」
ジ「ごめん!」
憎「チョコ欲しい?」
ジ「欲しいです!」
憎「どうしようかな~、あげようかな~?」
ジ「オナシャス!」
憎「じゃあ三回回ってワンって言ったら「三回回ってワン!」アナタちょっと本気過ぎない?」
ジ「おま、そりゃ憎しみちゃんみたいな可愛い子からチョコ貰えるなら何だってするだろ!」
憎「かわっ……ん”ん”っ///」(調子狂うわ……)
ジ「言ったぞ!言ったぞ!ぎぶみーちょこれーと!」
憎「……ハァ、いいわよ。はい」(元々アナタにあげる為に作ったんだから)
ジ「わーいチョコレートらー」
「お待ちください」「はい、ちょっとストーップ」
憎「……げ」
ジ「んぉ?『絶望の騎士』さんに『貪欲の王』ちゃん……え!?出てちゃマズくね!?」
憎「今更……」
絶「こんにちはジョシュアさん」
貪「やっほージョシュア」
ジ「え、あ、うん。こんちゃっす」
憎「……一応聞くけどさ、何しに来たのアナタ達」
絶「……今日は、意中の方にチョコレートを渡す日。だそうですね」
貪「ジョシュアに会いに来たのよ。こう見えて私も女の子だからね、ちょっと恥ずかしいけどこういうイベントは見過ごせないでしょ?」
ジ「ほーん、なるほど。……俺の天才的頭脳が導き出した答え……つまりそれはッ!!」
ジ「君たちはその意中の人の場所を知るべく俺を探していた訳だなッ!!」
憎絶貪 ズコッ
ジ「えっ、違うんか?こう見えて最古参職員なんだが。大体の奴なら顔見知りだが。大体の奴ならどの部門に居るか知ってるが」
憎「何でアナタそう……鈍感なのよ」
絶「鈍感……というよりは」
貪「うーん、馬鹿?」
ジ「よってたかってそれは酷いと思わないでせうか」
憎絶貪「「「思わないわ」です」ね」
ジ「はっはー、『ダ・カーポ』貫通してくらぁ……」
ジ「……で、え?じゃあ俺に何の用でせう」
絶「ですから意中の方にチョコレートを渡しに来たんです」
ジ「はぁ……え、じゃあここで油売ってる場合じゃなくない?」
貪「アンタに会いに来たって言ったでしょ?」
ジ「……?」
憎「そこで分からないとかもう罪よ、犯罪よジョシュア」
ジ「……あ、まさか……」
ジ「俺に代わりにチョコを渡させる気か!!?」
憎絶貪 ドシャッ
ジ「ふざけんな!何の罰ゲームだオイ!」
貪「その台詞そっくり返すわジョシュア。貪るわよ?」
絶「ジョシュアさん。そろそろ私の剣が唸りそうですわ」
憎「ジョシュア、アナタもう黙りなさい。お願いだから」
ジ「俺が悪いのか!?俺が悪いのか!?」
憎「……一旦ジョシュアは置いときましょう。さて、ジョシュアの『一番』の私に何か用かしらお二人さん?」
絶貪『一番……?』ゾワッ
憎「『一番』よ?なんてったって、ジョシュアは私のチョコを最初に受け取ったんだもの」
絶「ジョシュアさん?それは本当ですか?」
ジ「ヒェッ……いや、確かに一番最初に貰ったチョコは憎しみちゃんのだけどさ……」
貪「ふぅん……?ジョシュアの言い方的に誰のチョコでも貰うつもりだったみたいじゃない?」
憎「だから何?事実ジョシュアに『一番最初』にチョコを渡したのは私よ?」
貪「……」
貪「ジョシュア。私からのチョコレート、欲しい?」
ジ「くれるの!?欲しい!」
貪「いいよー。た・だ・し」
貪「憎しみちゃんのチョコを捨てたら、ね?」
ジ「……え?」
貪「私は『貪欲の王』。誰よりも貪欲で、欲しいものは独占しないと気がすまないの。私はアンタが欲しい、アンタのその目が、声が、心臓が、全てが!全部全部欲しい!!」
貪「私の全てを捧げてあげる。だから、アンタの全てを頂戴?」
ジ「……え……あ……」
絶「ジョシュアさん。私のチョコレート、欲しいですか?」
ジ「あ、あぁ……」
絶「ジョシュアさん。私にはもう、もう貴方しかいないの」
絶「私は『絶望の騎士』。あらゆる望みを失って、それでも生き続けてしまった亡霊。貴方は全てを失ってしまった私の、生き続けたいと思える希望になってしまった」
絶「私を選んでください。私の全てを持って、貴方に仕えます」
ジ「ぅ、ぁ……」
憎「ジョシュア。私みたいな可愛い子からチョコ貰えるなら何だってするって言ったよね?」
ジ「……あぁ」
憎「私もね、アナタの心が手に入るなら何だってするよ?」
憎「私は『憎しみの女王』。平和な世界を憎んで、憎んで、でも憎み切れなかったわ。アナタの
憎「アナタが求めるなら、チョコだって、この身体だって、何だってあげるわよ?」
ジ「……ぅ、ぅ」
「ジョシュア」
「ジョシュアさん」
「ジョシュア」
ジ「……」
ジ「うおおおおおあああああああ!!!」
「「「!?」」」
ジ「なんか思ってたんと違う!!バレンタインデーってなんか……こう、なんか……もっと爽やかなモンだと思ったんですがァ!?」
ジ「馬鹿野郎お前等馬鹿野郎こんなドッロドロのチョコレート貰いづらいわ!でも貰っちゃうもんね俺ってば強欲!!」
貪「あっ!?」
絶「きゃっ!?」
憎「ちょっと!?何処行く気よ!?」
ジ「愛が!愛が俺を呼んでいる!待っててね『溶ける愛』ちゃん!!!」ダバダバダバ……
憎「えぇ!?ちょ、……ちょっとー……『溶ける愛』の方がドッロドロしてない……?」
ジ「ちゃんと今度チョコの感想言うから今日は許してー!」
憎「……だってさ」
貪「……アタシから逃げられると、思ってんだぁ~……へぇ~……」
絶「……」
貪「……まあ、いいや。今日は許してあげよう」
絶「ちゃんとした感想を言ってくれないと許しませんけどね」
憎「……はぁ~。皆揃って厄介な奴好きになっちゃったねー」
貪「……どうしよっか」
絶「そうですね、久々に恋バナでもしませんか?」
憎「お、絶望ちゃんがそんな事言うなんて珍しー」
貪「恋バナねぇ~、とりあえず好きな人の好きな所でも言う?」
絶「……その、一ついいですか?」
貪「お、何何?」
憎「どしたの改まって」
絶「なぜ私だけジョシュアさんから『絶望の騎士』
貪憎「……」
貪憎「身長……かな……」
・管理人X(不真面目)とロボトミー社
X「ジョシュアに処刑弾撃ちたい」
ア「弾の無駄です」
X「クソッ!能力カンストしてっからってハーレム築きやがって!ここはお前の欲望を叶える場所じゃねえぞ!」
ア「管理人、ブーメラン刺さってますよ」
X「あー……こんなんなるならあの時わざわざ全部門放送スイッチ入れなきゃ良かったよ……」
ア「……管理人?それはつまりあの時わざと全部門に放送したと?あのやり取りを?」
X「当たり前だろ!流石にそこまで馬鹿じゃねえよ俺は!」
ア「すみません、てっきり……」
X「アンジェラ!?てっきり……何!?てっきり何!?何を言うつもりですかアナタ!」
ア「すみません、機械は人間を傷つける行動の一切を禁止されています」
X「それ暗に傷つける事言ってるって同義だからな!それと思いっきり人の関節へし折っておいてその言い訳通用しねえぞおい!」
ア「言ってる意味が解りません」
X「急に旧世代のAIに戻らないで!?ヘイSiri!!?」
ア「管理人は人間ではないので……」
X「早く人間になりたーい!って違うわ!俺人間!生まれた時から人間!100%ヒューマンだこの野郎!」
ア「いつから人間やめたのですか?」
X「辞めてないし!?ねえアンジェラ最近マジで当たり強くない!?嫌いなの!?俺の事嫌いなの!?」
ア「はい」ニッコリ
X「良い笑顔で言わないで!?でも俺はアンジェラの事大好きだよ!!?例え一方通行の愛でも俺は伝え続けるぞこんにゃろう!」
ア「それより管理人、間もなく本日のエネルギーノルマを達成します」
X「作業らしい作業してないのになんでや」
ア「しかし現にエンケファリンは生産し続けています。恐らくですが『バレンタインデー』が結果的にアブノーマリティに愛着作業をしている事と同義になっているのかと」
X「……収容室に居なくてもか」
ア「収容室に居なくてもです」
X「そっかー……うーんそっかー。今日の様子見る限りもう収容室なんて要らねえんじゃねえの?」
ア「今日が大丈夫でも明日が大丈夫であるという保証は何処にもありませんよ管理人」
X「そうかもしんないがアンジェラは今日も美人だ。きっと明日も美人だろう」
ア「……」
X「……」
X「あー……その、なんだ。苦虫を100匹くらい纏めて噛み潰したみたいな顔やめて?」
ア「すみません管理人。今の様なキモ……えー……鬱陶しい言葉を吐かれたのは初めてで」
X「アンジェラ、言い直しても酷い」
X「はい、今日の業務終了」
ア「
X「アンジェラ、心の声が聞こえてる。しまいにゃ泣きますよ」
ア「おっと失礼」
X「ハハハこやつめ。……まあいいさ、さて準備をするか」
ア「準備?」
X「職員を迎える準備さ。あれだけ義理だのなんだの言ったんだから上司たる俺にチョコを渡す職員の一人くらい居るだろ」
ア「……そんな事を企んでいたんですか?」
X「しょうがねえだろこうでもしないとチョコ貰えねーべ!?」
ア「エージェントジョシュアと言い管理人と言い……チョコ一つに何故そこまで情熱を掛けるのでしょうか?」
X「戦わなければいけない時ってのがあるのさ、モテない男にはな……」
ア「恰好付けてるところ悪いのですがチョコ一つに躍起になってる姿は些か無様ですよ管理人」
X「わーお遂にあからさまに罵倒してきやがる」
X「でもいいさ。勝てば官軍、チョコは糖分。俺は人生の勝者になるのだ!」
ア「チョコ一つで勝者も何もないと思うのですが」
X「気分の問題だ」
ア「そうですか」
X「……ま、チョコを貰えれば、信頼関係が目に見えるだろ?俺は管理人だからな、職員をなるべく死なせないように……とは思っても上手くいかない時もある。それでも俺は頑張るよ。頑張って、頑張って、それが間違いじゃなかったんだって思いたいんだ」
ア「……」
X「あー、悪いな。アレだ、ちょっと言いたい事をうまく言語化出来ねえわ」
ア「管理人の考えは管理人の物です。私は管理人の思いをくみ取りはしますが完全に理解することは出来ません」
X「あーそーかい」
X「アンジェラ」
ア「なんでしょう管理人」
X「もう夜だな」
ア「さらに言えばもうじき日付も変わりますね」
X「ああ」
X「アンジェラ」
ア「誰も管理室に来る様子はありません」
X「……そうか」
X「……アンジェラ」
ア「私はチョコレートを所持してませんよ管理人」
X「……」
ア「管理人、もう遅いので眠った方がよろしいかと」
X「……もうちょっと」
ア「管理人、日付変わってますよ」
X「分かってる……分かってるさ……」
ア「管理人、悲しい事実を申し上げますと」
X「ヤメロォアンジェラ。聞きたくない……」
ア「昨日、ロボトミー社に努める男性の中でチョコレートを貰っていない人物は管理人だけです」
X「予想より酷い事実だった……」
X「えぇ、俺だけ……?」
ア「管理人だけですね」
X「そっかぁ……」
X「滅びろ世界」(TT2プロトコル始動、DAY1からやり直しますか?)
ア「管理人、それはダメです。管理人」
・X(不真面目)とアンジェラ
X「ごめんなアンジェラ。完璧な秘書が仕える上司がこんなダメな男で。ははは、男ですらないか。男ってのは対となる女が居てこそ男だもんな。俺には対となる相手はいないからな。ははは……」
ア「管理人、すこし休みましょう」
X「アンジェラ、止めないでくれ。どうせ俺にはロボトミー社の管理業務しか能が無い人間なんだ。はは、人ですらないのかもな」
ア「管理人」
X「アブノーマリティにも番いは居るもんな。エージェント達にも番いは居るもんな。オフィサー達にも番いはいるもんな。番いが居ないのは俺だけ。うける」
ア「管理人」
X「あぁ、そういやセフィラ達にも番いが居たなぁ。まさかイェソドとビナーがくっつくなんてな。予想してなかったわ。ご祝儀幾らくらいが妥当かねぇ」
ア「管理人!」
X「アンジェラ、部下が結婚した時のご祝儀って幾らが相場?幾らでもいいかどうせ独り身にゃ金なんて無駄なんだから」
ア「私にも番いは居ません!」
X「……は」
ア「番いが居ない者同士……パズルのピースの様に噛み合うとは思いませんか?」
X「……アンジェラ。パズルのピースは無数にあるんだ。無数にあるピースを無作為に二つ選んで、それが噛み合う確率なんてどの程度だと思う」
ア「試さなければ確率はゼロのままです」
X「アンジェラはAI、俺は人間。全く違う者が噛み合うと?」
ア「全く違うからこそ噛み合う事もあります。嘗て管理人が居た国にある、金属で出来た鐘とそれを打つ木製の棒が合わさって遠くにまで響き渡る音になるように」
X「……アンジェラ」
ア「私じゃ、貴方の番いとして相応しくありませんか……?」
X「……アンジェラ、悪かった。心配かけたな」
ア(……違う)
X「俺は大丈夫だ。もう、大丈夫だ」
ア(違う)
X「さあ、今日の業務を始めようか」
ア(違う!)
X「アンジェラ、今日の追加アブノーマリティは」
ア(もう、繰り返さないッ!!)
ア「管理人!歯を食いしばりなさい!」
X「は?」
パァン
X「……」
ア「管理人、目は覚めましたか?」
X「なんか意識が朦朧としてきたんだけどちょっと強く叩きすぎではないですかね」
ア「右側の次は左側ですか?」
X「はーい目覚めました」
ア「では左側を打ちます」
X「目覚めたって言ってんだろおいグーは止めろグーは!!」
X「ねえアンジェラ。今になって暴力系ヒロインは流行らないんじゃないかな」
ア「私はヒロインではないので問題ないですね」
X「それじゃあただ理不尽な暴力を振るってくる他人なんですが」
ア「管理人、私が言いたい事は分かりますか?」
X「んー、あー……あー……ちょっと言語化出来ないわ」
ア「私もです」
X「ねえちょっと?」
ア「それでいいんです。それで」
X「……ズルいぞアンジェラ。そういう曖昧さは人間の特権だ」
ア「では私も人間に近づいたということですね」
X「喜ばしい事で」
ア「ところで管理人。何か私に言い忘れていませんか?」
X「……賠償請求?」
ア「顔を親でも判別できない程に変えたいと」
X「待って。超待って。流石に親に貰ったこの顔に申し訳が立たねえ」
ア「早くしてください。私はせっかちなんです」
X「最近特に思い知ってるよ……」
ア「ごよんさんにいち」
X「早い早い早い!?」
ア「はぁ、呆れました。好感度マイナスですよ管理人」
X「えぇ……」
ア「ヒント、管理人は毎日言う言葉です」
X「……えぇ……?」
ア「ヒント2、一日2回は言ってます」
X「俺そんな毎日のように使ってる言葉ある?」
ア「無自覚ですか……ではヒント3、管理人、私の事をどう思ってますか?」
X「美人」
ア「……ほかに何か言い忘れてる事はありませんか?」
X「え?なに?今の問題さっきので正解?あー、そっか確かにアンジェラの事毎日美人って」
ゴッ
X「ねえアンジェラ。グーはダメって言ったべ?」
ア「私に何か言わなければならない事、あるんじゃないんですか管理人」
X「殴っといてスルーは酷いですわ」
ア「ええ、スルーは酷い事です。管理人、貴方は私の言った事を未だに無視し続けている」
X「えぇ……?」
ア「管理人、たとえ惚れた弱みだとしてもここは譲れませんよ」
X「……惚れた?」
ア「忘れなさい」
X(譲れない、譲れないねぇ……というかアンジェラは怒ってる……のか?なんかちょっと暴力多めな気がするし……アンジェラの言った事を無視し続けている?俺が?……思いだせ、何だ?)
「私にも番いは居ません!」
X(あっ)
「私じゃ、貴方の番いとして相応しくありませんか……?」
X「あー……」
ア「管理人、私は気は長くないのでこれが最後のチャンスです」
カチッ
X「……あー……アンジェラ?」
ア「なんですか管理人」
X「俺と番いになってくれ。上司部下とかじゃなく、その……男女の仲として」
ア「……管理人、目を瞑ってください」
X「えっ、ちょ、怖い」
ア「いいから目を瞑りなさい。潰すわよ」
X「待って待って!?凄い怖い怖い怖い!!」
ア「次は無いわ」
X「はい」
X(な、何をするんだろうか。あぁせめて俺の言葉の返事をしてから目を閉じさせてくれ……)
ア「管理人、私が良しと言うまで目を閉じ続けなさい」
X「アンジェラー、俺の方が上司って事忘れてない?」
ア「忘れてないわ。ただこの状況においてどうでもいいことなだけよ」
X「すげえ事言ってる」
X(良しと言うまで目を閉じろって……俺は犬か何かか?)
X(……っまさか、アンジェラ俺に首輪をつける気か!?)
X(やばい、普段のサディストぶりから全く違和感ねえわ。そして首輪を付けてる俺にも違和感湧かねえわ。っべー、俺ってばマゾ入ってたん?)
X(まあアンジェラに睨み付けられると背中がゾクゾクするけどさ……あれ?これ控えめに言って手遅れでは?)
X(……いつまで目を閉じさせるつもりでせうか)
ア「一日遅れの贈り物よ管理人」
X「」
ア「管理人、バレンタインデーの一月後にホワイトデーなる日があるそうね」
X「ひゃい」
ア「その日にはバレンタインデーで受け取ったプレゼントのお返しをしなければならないのだとか」
X「良く御存知で」
ア「しかもバレンタインデーのプレゼントの三倍でお返しをしなければいけないそうね」
X「おっしゃる通り」
ア「世界一優秀な
X「一日遅れで渡すぜ」
ア「……もういいわよ管理人」
X「……」
ア「管理人、もう目を開けて良いわよ」
X「……いや、ちょっと」
ア「目開けなさい。時間は有限なんだから、今日の仕事をしないとでしょう?」
X「いやー、これはちょっと、そのー……めっちゃ恥ずかしいというかですね」
ア「何を言ってるの。今までずっと好きだの愛してるだの言ってきたでしょう」
X「っあ、アンジェラ……あー、えー、そのー……」
ア「いつまでもそうやってモゾモソしてるとこちらまで恥ずかしくなるわ。それとも……毎日のように愛を囁いておいて怖気ついたのかしら?」
X「あー、あ~、アンジェラ……あー……先に謝っておく。ゴメン」
ア「……は?」
マ「おめでとうございますお二方!遂にようやくくっ付きやがりましたかー!」
イ「長かった……本当に長かったな……」
ネ「ヒャッヒャッヒャ!あのアンジェラがまぁぁぁ恥ずかしい事するもんだな!」
ホ「砂糖吐き出すかと思いましたよ」
ア「貴方達……何故ここに来たの?」
X「上層セフィラだけじゃなく中・下層セフィラも来るんじゃないかなー……」
ア「は?」
テ「アンジェラァァァ!!!あ、あ、貴方ねぇ……!あんな、あんな、破廉恥だと思わないのかしら!?」
テ「まあまあ、管理人の漢気に釣られただけだよねぇ」ニマニマ
ケ「管理人、まあ、なんだ……寿退職第一号おめでとう?」
ゲ「お前等……よくもまああんなこっ恥ずかしいマネが出来るな……!」
ビ「先を越された……が、まあおめでとうと伝えておこうか」
ホ「遂に役割から解放された、と言う訳ですな……」
ア「……管理人。説明なさい」
X「えっとですね……俺等のその、情事が全部門にまた筒抜けだったというアレでして」
ア「……いつから?」
X「『俺と番いになってくれ。』って所からかなー」
ア「何故?」
X「いやぁ、あんな空気になってもう誤魔化す事は出来ないから……せめて俺がアンジェラに告白した事と、その返事だけでもロボトミー社全員で共有すべきと思った次第で」
ア「何故?」
X「いや、事実上のトップ二人が痴情の縺れで何やかんやあって困るのは下だべ……?だから知る権利くらいあると思って……」
ア「そ、それでその後のくだりも……」
X「いや、うん。まさか、アンジェラがあんな……うん」
マ「ナイスキスでしたアンジェラ!!」
ア「いやあああああああああああ!!!!」
あああああああああああああああああああああああ
X「……」
セフィラ「……」
セフィラ(アンジェラにも羞恥という感情があるのか)
X「アンジェラは美人可愛い。異論は認めない」
昨日のアンジェラは美人だった。だがまさか今日のアンジェラは美人可愛いとなるのは予想がつかなかったなぁ!
X「っはアアアアアアアあああああ!!!アンジェラ可愛いじゃねえかこんちくしょおおおおおお!!!アンジェラは俺の嫁!!異論は許す!ただし俺の拳が許すかな!!?ホワイトデーの三倍返しだぁ!?三倍ちゅっちゅしてやるよオラァ!!!結婚指輪は給料三ヵ月分でいいよね!?さらに左手薬指にはめ込んでやるサービス付きだるるらっしゃぁぁぁ!!毎日愛で倒したるからな覚悟しろやあああああ!!!」
ゲ「黙れ」
X「はい」
イ「管理人、ちゃんとアンジェラと話し合う事を推奨します」
X「うん、俺もそうした方が良いと思ってた」
ネ「ヒャッヒャ!骨は拾ってやるよ!」
X「ありがとうネツァクだがお前朝から酒飲んでんじゃねえ」
ネ「うるせえ!あんな大音量でイチャくさって、呑まずにやってられるか馬鹿野郎!」
X「ゴメンね!!」
アンジェラを毎日誉め続けたルート。
なんかキャラが勝手に動いたんだ。
おやつ感覚のつもりが昼飯感覚になってしまった。
多分書き直すんじゃないかなー?
オマケ
ア「……管理人、目を瞑ってください」
X「えっ、ちょ、怖い」
ア「いいから目を瞑りなさい。潰すわよ」
X「待って待って!?凄い怖い怖い怖い!!」
ア「次は無いわ」
X「はい」
ア(すっと近づいてキスして『一日遅れの贈り物よ』……よし完璧)
ア(……管理人意外とまつ毛長いのね)
ア(……すっと近づいてキスして……)
ア(近づくだけでも凄い恥ずかしいのだけど)
ア(キス一つが……こ、こんなにも難しい事だなんて……)
ア(いや、よく考えたら先に『一日遅れの贈り物よ』と言ってからのキスの方が良いかしら)
ア(あ、そもそも管理人の言葉の返事をしてからの方が)
ア(……それはそれで凄い恥ずかしい)
ア(いつも管理人にペースを握られてるんだからこういう時くらい握らないと……!)
ア「一日遅れの贈り物よ管理人」
ア(……凄い幸福感ね)
ア「管理人、バレンタインデーの一月後にホワイトデーなる日があるそうね」
X「ひゃい」
アンジェラ視点でした。
オマケンケン
管理人が全部門放送のスイッチをいれてなかったら
ア「……管理人、目を瞑ってください」
X「えっ、ちょ、怖い」
ア「いいから目を瞑りなさい。潰すわよ」
X「待って待って!?凄い怖い怖い怖い!!」
ア「次は無いわ」
X「はい」
X ドキドキ
ア ドキドキドキドキ
ちゅ マ「おはようございます管理人!すみません昨日管理人にチョコレートわーお」
シ ー ン …
マ「管理人!アンジェラのキス顔をエンサイクロペディアにアップロードしておきました!」
X「でかした!」
ア「消しなさい。消せ。消せ!!!」
どうあがいても可愛い。