特に理由もなくアイドルデビューした最強系主人公が東京喰種のストーリーをぶっ壊す話 作:偽馬鹿
少しずつ狂っていきます。
「……っはぁ、なんとか合格ですわ」
「よかったな」
「うん、おめでとー♪」
高校の合格発表日。
不安だったアカリちゃんも無事合格し、みんな揃って同じ学校に行けるようになった。
俺? 余裕の合格よ。
人生2度目のパワーを舐めてもらっては困る。
アイドルしながら勉強しても余裕ですよ。
今日はあんていくではない近所の喫茶店だ。
流石にあの大惨事を引き起こしておいてすぐ行くほど馬鹿じゃない。
それにここなら男装しなくていいしね。
基本衣装が女装なのはなんか変な気がしないでもないけど。
もぐもぐと、一心不乱に甘味をむさぼるケイちゃん。
いやはやいい食いっぷり。
アカリちゃんの顔が青く染まってるのに気づいてないのか。
気付いてないんだろうなー。
アカリちゃんはじーっと食べ物をみて、勢いよく噛みつく感じ。
この調子でどうして喰種だとバレなかったのやら。
周りの子がフォローでもしてたのかな?
……と考えたところで、今結構孤立しているアカリちゃんについて考えてみる。
孤立している今だと、フォローするような人はいないだろう。
となると……うん?
もしかして、アカリちゃんのおうちってあんまりお嬢様系ではない?
いや関係ないのか?
その辺りよくわからない。
まあ、きっと話す気になった時に話してくれるだろう。
そんな楽観的な思考に入りながら、2人を見る。
というかアカリちゃん、まだ顔青いし。
いい加減、諦めてドーナツ食べよ?
ごっくんもぐもぐだよー。
「ま、まあ今日はお祝いですわ! 楽しくしましょう! 勉強のことは忘れて!!」
ぱん、と両手を合わせるアカリちゃん。
あ、誤魔化すつもりだ。
駄目だよ、今日はもっと特訓するって言ってたじゃん。
ついでに勉強のことも忘れるつもりだし。
そいつは都合がいいにもほどがある。
「駄目です♪」
「もがー!?」
無理矢理フォークに刺してたケーキの端っこをアカリちゃんの口に突っ込みながら言う俺。
不意打ちは辛かろう。(最低)
というかずっと勉強見てた俺達を労おう?
今日は奢ってね?
「うう、今月のお小遣いが……」
……そんなに厳しいの?
だったら仕方ないなー……ってなったらいつもの通りになってしまう。
ここは心を鬼をして……。
……………鬼にして。
うんまあ、いいや。
奢るよ本当。
可哀想になってきちゃった。
「というわけでじゃんじゃん食べてね♪」
「おうっ」
「え……えぇ……」
ケイちゃんは元気そう。
でもアカリちゃん、駄目っぽい。
普通の食事食べるわけだから喰種的には絶望よね。
うん、アカリちゃんはちょっとでいいからねー?
コーヒーだけ飲んでていいよー。
「ところでさ」
もぐもぐと食べてるケイちゃんが唐突に喋り始める。
汚いからちゃんと飲み込んでからねー。
「猫たちどうするのか、決めた?」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
えっなんで今更?
既に飼い始めて3年だよ?
飼い続けるに決まってるじゃん。
ケイちゃん食べるよ???
美味しく頂くよ???
「スバルさんスバルさん」
「ん?」
「よだれが」
おっと危ない。
ついつい美味しそうで。
ありがとうアカリちゃん。
最近人間食べてないからかなー。
「勿論飼い続けるよ。心配しなくても」
「そっか……そっか」
見てくださいこの嬉しそうな顔。
もうにゃんこ様にデレデレですよ。
にゃんこ様を崇めよ。
アカリちゃんも見に来るので安心している模様。
何、そんなに信用ないの俺?
「もうっ! そんなこと言うならもう会わせないぞ♪」
「あ、ズルい!」
「ズルいですわ!」
げしげしと蹴られる俺。
いや俺そんな悪いことした?
うんしたね。
ごめんごめん痛いからやめて。
特にアカリちゃん本気で蹴ってるでしょ!
喰種に蹴られると本当に痛いんだからね!
「まったく、2人ともぷりぷりしすぎ」
ケーキをがつがつ食べるふりをして怒ったふり。
ゲロまずいけど、我慢我慢。
アカリちゃん真っ青だけど、これくらいできないとアイドル無理よ?
最近ご飯食べる仕事増えててちょい辛い。
感想もかつての記憶を探り探り言わなきゃいけないから大変。
「いーい、そんな恰好で人蹴ったりしちゃ駄目だからね! 見えちゃうんだから!」
「いや、お前に言われるのはなんか違うだろ」
警告しようとしたら何故か怒られた。
おかしい、真っ当な意見のはずなのに。
ケイちゃんはタイトなスカートだしアカリちゃんはフレアスカート。
よほどのことがない限り見えないだろうけど、それでも注意するべき。
俺はミニスカだからそういうのちゃんと気を付けてるよ!
「だからお前おともがっ!?」
「駄目ですわ、わたくし達の秘密ですわよ!」
小声でひそひそ話をするケイちゃんとアカリちゃん。
確かに秘密にしてくれって言ったけどね。
ありがたい話だ。
なんかちょっと違う意味合いを含んでそうなのが不思議!
後で脅されてなんかさせられたりしないよね?
信じてるよ?
「ぶちーしろーくろー」
「にゃん」
「みゃあ」
「なーお」
ケイちゃんが両手を広げて飛びつくようににゃんこ様達に覆いかぶさる。
俺がやると逃げるのにケイちゃんがやると逃げない。
解せぬ。
「あらあらまあまあ」
アカリちゃんもゆっくりと近づいていく。
顔は緩み切っている。
ああ、可愛らしい。
2人でぎゅっと抱き着いているのを横目に見て、俺はサイン色紙に手をかける。
そう、これは俺の仕事なのである。
1枚いくらってわけじゃないけど。
アイドルだからファンを大切にしないと。
さらさらさらーっと書き続ける。
最初は苦労したけどすぐ慣れた。
「ふうん……」
「なぁに?」
「いや、なんでもない」
書いてる間にケイちゃんが寄ってくる。
アカリちゃんはにゃんこ様達と遊んでいる。
いや、あれは遊ばれてる……?
髪の毛ににゃんこ様達が絡まって遊んでる気がする。
「上手に書けるもんなんだな」
「練習したからねー♪」
さらさらさらーと書いていく。
アカリちゃんは更に遊ばれてぐるんぐるんになっている。
可愛い。
ケイちゃんがふっと更に寄ってくる。
顔が近い。
いい匂い。
お腹すいてきた。
おっと危ない危ない。
1回深呼吸して呼吸を整える。
あ、匂いが強くなった。
駄目じゃん。
お腹減った。
「ちょっと出てくるねー」
「あ、おい」
さっさと逃げる。
これ以上はちょっと辛い。
にゃんこ様達がよって来るけど、蹴飛ばさないように注意することしかできなかった。
「う、うう」
ぞわりと嫌な感覚が全身に走る。
何というか、自分が自分じゃなくなる感じ。
ああ、食欲に侵食されるような感じがする。
「く、う、あ」
血が滾る。
気持ち悪い。
吐き気がする。
頭痛い。
こわい。
つらい。
痛い痛い痛い。
やめて。
……殺さないで。
「っはぁ、はぁ、はぁ」
気が付くと、周りに死体が広がっていた。
ううむ、俺がやったっぽいな。
こんなにたくさん、もったいない。
はぐはぐと食べ続ける。
最近食べたばっかりなはずなのに、妙にお腹がすく。
ケイちゃんのせいだ。
アカリちゃんもそうだ。
無防備でいつでも噛み付けるのはどうかと思う。
食べてしまいたくなる。
……。
まあ、いいか。
今は落ち着いたし。
今後はちゃんと気を付けよう。
前回食べたのが先週だったか、平気だと思ったのに。
ところで。
顔がごつごつするんだけど。
触ってみると何やら仮面のようなもの。
ええ、つけてなかったはずなのに。
赫者になるとつくというアレだろうか。
そうか、そういうことなのか。
どうやら俺は赫者になれたらしい。
背中から生えてる枝葉がこの間より更に広がっているようで、本当に翼みたいだ。
尾赫の方も太くなっていて、壊れにくくなっているように思える。
後は、肩に違和感。
触ってみると左肩にぎゅるんぎゅるん回るボールみたいなものがあった。
なにこれ、邪魔。
そう思って飛ばしてみると、凄い勢いで飛んで行って乱反射して爆発した。
おお、面白い。
これは遊べる。(違う)
「ああ……なに、これ……?」
ふと気付くと誰かがこっちを見ていた。
うん、匂いからして人間?
さっさと食べよう。
しゅいんと翼を動かして勢いで回転。
尻尾を左右後ろに伸ばして大回転。
そのまま縦に振り落とす。
「あ、あ……」
見事にヒット。
真っ二つである。
手応えからして若い女性。
むしろ女の子かな。
うん、美味しいよね、女の子。
というわけで腕からガブリ。
うん、美味しい。
顔は最後に取っておく感じ。
昔は食べなかったけど、最近は美味しさに気付いた。
……って、あれ?
なんかこの顔見覚えがある。
どこだったかなー。
近くで見た気もするんだけど。
あ、思い出した。
アカリちゃんの元子分だ。
確か腕をミシってさせた子だったかな?
まあいいや。
折角殺したわけだししっかり頂こう。
頂きます。