特に理由もなくアイドルデビューした最強系主人公が東京喰種のストーリーをぶっ壊す話 作:偽馬鹿
夏バテだったのかもしれません。
中学校で行方不明者が出て休校になった。
怖いねーと言い合っていると、何やらアカリちゃんが青い顔。
最近青い顔ばっかりだね。
青汁飲む?
「やめてくださいまし」
「え、なんの話?」
「顔に出てたぞ」
悪戯が過ぎる?
そうかもしれない。
でもほら、アカリちゃんの顔が元に戻ったし。
成功なんじゃないかな?
だから青汁飲も?
「何がお前を青汁に駆り立てるんだ……?」
「うーんと……ノリ?」
「やめてくださいまし!」
どうやら俺の目論見は失敗に終わったようだ。
少し悲しい。
ああいや、本当に少しなんで別にどうでもいいレベルというか。
だからそんな悲壮感漂う顔で青汁飲まなくていいからね?
ともかく。
休みになったのだから今日は遊ぶのだ。
いや、にゃんこと遊ぶんじゃないのでそこの2人は反省するように。
思春期の遊びとしてはにゃんこ様とだけ遊んでるというのは逆に不健全では? と思った次第。
「というわけで、やってきましたショッピングモール!」
「まあ」
「はぁ」
ばーん、と大きく身体を広げてアピールする。
ちなみに男物の服を着て変装状態である。
これでバレないのは江戸川コナンが工藤新一だとバレないようなものなのではないだろうか。
微妙に意味が通らないかもしれない。
とりあえずランジェリーショップかなーと思ったが軽くスルーされる。
えーそんなーって感じ。
流石に男だとバレた後だと駄目らしい。
仕方ないのでレディースの服専門店へと駆け込む。
最近お気に入りのキャミソールドレスが破れちゃったからね。
新しいの探さないと。
「……女物買うのか?」
「え、なにー?」
「いや、なんでもない」
ケイちゃんは何か言いたいようだけど、俺はまあアイドルだし?
常に自分の身体に気を使っていないといけないっていうか。
やっぱりアイドルとしての体裁を保つ必要があるっていうか。
まあそんな感じ。
「というわけで、こういうのどう?」
「胸の辺りがきつい」
「まぁ!」
ケイちゃんに服を当ててみると何やら他の女性相手に喧嘩を売るようなセリフを。
というかアカリちゃんがちょっと怒ってる感ある。
そうだよね、胸ないもんね、アカリちゃん。
「……何か、言いまして?」
「なーんにもー?」
危ない危ない。
アカリちゃんの爆弾を知ることができてラッキーと考えよう。
というかケイちゃん、これEカップ前後用の服なんだけどねー。
結構大きいのね。
直接揉みに行けないのが残念。
「えっと、じゃあわたしはこれで♪」
「……意外」
「なにー?」
俺は露出の少なめな、少しだぼっとした服を選んだ。
そりゃそうだ。
ケイちゃんは意外とか言ってるけど、もうそろそろ体格に差が出てくるはずだ。
……はずだ。
若干不安だけど。
勿論露出の大きい、夜の散歩用の服も選ぶけど。
今はみんなとデートするようの服も選ぶのだ。
むしろメインがそっちかもしれない。
だって、可愛い女の子と話したりするの、いいよね。
保養である。
「えーと、わたくしはこれで」
「いいんじゃない?」
「えーもっとこう……いやなんでもないです」
アカリちゃんはちょっと大人しめな色のワンピースを選ぶ。
スレンダーな体格に合ったいい服だ。
値段が……とか言ってるけど、いつものように俺の奢りだから気にしなくていいのよ?
確かに高いけど、ケイちゃんの服の方が高い。
というか容赦ないなケイちゃん。
その辺はアカリちゃんを見習ってほしい。
「はいはい、ガンガン買うよー! これとかどう!?」
「そんなキラキラした服着れるかっ!」
「無理無理、無理ですわっ!」
じゃーんと取り出した服は不評。
なんでだろ。
俺がいつも着てる服より派手じゃないのに。
……いや、俺が毒されてるのか。
「はっ!? もしかして私毒されてる!?」
「今更?」
「何を言ってますの?」
やっぱりだった!
おのれ社長!
いつも綺麗な服着せてくれてありがとう!
社長に感謝しつつみんなの服を見繕う俺。
いやーみんな感謝していいのよ?
なんでそんな微妙な顔してるの?
「センスが……なんでもない」
「世代が古……なんでもないですわ」
なんでもないらしい。
ならいっかー。
がっつり服を抱えてレジへ。
合計8万円なり。
割と高めの買い物になった。
「8ヶ月分の食事代……」
「12ヶ月分の生活費……」
ケイちゃん、結構地味な生活してるのね。
というかアカリちゃんはなんなの?
命削って生活してるの?
ああいや、ご飯代は浮くんだよね、喰種だと。
だから光熱費だけ……いや、それでもきつくない?
「アカリちゃん……」
「篠宮……」
「ちょっ! 哀れみの目を向けるのはやめてくださいまし!」
心外ですわ! とでも言いたげなアカリちゃん。
そんなアカリちゃんに札束を握らせる俺。
まあ千円札なんだけど。
「アカリちゃん、これで美味しい物食べなさい」
「心外ですわっ」
札束でベチンと叩かれる俺。
そりゃそうか。
なんというか可愛い反応を期待してた。
予想以上に可愛かった。
満足。
「というわけで次のお店、行こうか?」
「えっ」
「えっ」
「えっ?」
えっもう帰る気でいたの?
おしゃれの道はこれからだよ?
というかいつも制服のまんまでしょ、君たち。
知ってるんだよ俺。
「ぐえー」
「はえー」
「だらしないなー」
ぐでっとなってる2人を見ながら、コーヒーを飲んで一言。
かなりお金使ったけど、まあ許容範囲内。
自分の為に使わないからねー。
衣装代はかからないし、衣服は結構安めなのを選んでる。
それでも結構なお値段だけど。
給料がしっかり出てるのがいいよね。
というか社長、これだけ出して平気?
ちょっと心配になるよ?
「というかお前はどうして平気なんだよ」
「?」
「いやだから」
「多分……気にするだけ無駄ですわよ」
ぐったりとしたままの2人は向かい合って喋っている。
え、何? 内緒話?
混ぜて欲しいんだけど。
「いーや」
「嫌ですわー」
「なんだよもー」
なんかズルい。
コーヒーを置いて2人にダイブする。
「にゃー♪」
「てい」
「ぐえっ」
飛び込んだ先にケイちゃんの足があって綺麗に迎撃された。
痛くないけど呼吸が、きつい。
まさにぐえーって感じ。
ダメージを受けないと喰種だとバレる可能性があるので、軽く後ろに跳ぶ。
「ふん、2人なんてにゃんこ達に遊ばれてればいいんだー!」
「あ、拗ねた」
うわーんとでも言うかのように家を飛び出す俺。
なんかコメディ的な感じ。
実際コメディ。
最近ご飯の頻度も増えてきたことだし、今日も念のためにご飯を食べておこうかな。
路地裏にふらりと立ち寄る。
今日は誰がいるかなー?
パキパキパキと赫子を引き出すと、顔を覆っていく何か。
うーん思考がブレッブレ。
脳が弄られるような感覚。
でも、大体分かった。
これは指向性のあるものだ。
捕食衝動? 的な奴だ。
だから結構我慢できるはずだ。
多分。
「うーむ」
マンダム。
もとい。
割と辛め。
呼吸するたびに何やら食べたい気持ちが込み上げてくる。
大丈夫かなこれ。
駄目かもしれない。
「えい」
「ぎゃっ」
近寄ってきていた喰種を枝で蹴散らす。
いや弾き飛ばすというべきか。
一撃だった。
まあ、赫子を展開してないように見せかけてたから突っ込んできたんだろうけど。
遠目では仮面つけてちょっと堅そうな服を着ている少女風の誰かにしか見えないだろう。
「うーむ」
まいった。
同じ思考しかできない。
おなかすいた。
いやあ予想外に辛いもんだ。
「もぐもぐ」
とりあえず食べる。
何とか落ち着いてくる。
グルグル同じ思考になっていた頭が少しすっきりした。
やっぱりお腹減ってたんだな。
というか、この状況はいささかまずい。
というかちゃんと精神集中の練習でもしないと、このままご飯欲求に飲まれる可能性が高い。
うん、やばいね。
ちょっと早急にクインケが必要になりそうだ。
多分赫子を使う分、俺の思考はご飯欲求に負けかける。
となると、クインケを使うことでその欲求が発生すること自体を抑えるということだ。
素人考えだけど。
まあ何とかなりそう。
多分。
「というわけで、そこんところどうなの?」
「無理ですね」
「あ、はい」
無理らしい。
どういうことか。
というか旧多さん、怒ってらっしゃる?
なんで? どうして?
「なんでもないですよ」
「えぇ……」
そんなバカな。
絶対怒ってるって。
うん、いや多分俺のせいなんだろうけどさ。
これだけ赫子を成長させるとは思ってなかったんじゃないかなと。
だってねえ、これから生きていくためには必要そうじゃない?
だから強くなろうと頑張ったわけなんだけど。
「とにかく、赫子を使うのは禁止ですよ。あと共食いも」
「ええー」
「返事は?」
「はーい」
どうやら。
共食いと赫子を使うのは駄目らしい。
分かる気がするが。
やっぱりそれが原因なのね。
ご飯はまあ、自殺した人をどうこうすればいいか。
安直な考え。
クインケはいい感じ。
振りかざしてみても、軽くて使いやすそうだ。
暫くこの子に頼ることになるだろう。
下手するとアカリちゃんにご飯のおこぼれを頂戴する羽目になりそうだ。
うーん大変だ。