特に理由もなくアイドルデビューした最強系主人公が東京喰種のストーリーをぶっ壊す話   作:偽馬鹿

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出会い過ぎですが、出会ってもらわないと困ることがあるのもまた事実


出会い4

「にゃーん」

「んにゃー」

「みゃーお」

「はぁ……可愛い」

 

拝啓、この世に来てから全く姿を見ない両親へ。

今俺は天国にいます。

猫が3匹うちにいて、その猫がケイちゃんに超懐いてる。

ゴロゴロうるさいくらいだけど、可愛い。

その猫たちに囲まれて頬を緩ませてるケイちゃんも可愛い。

 

荷物は全てクローゼットにしまってある。

クインケとかも出せなくなったからちょい辛い。

ご飯食べるのに赫子使わないといけないからつらたん。

使える服が少なくなっていくのだ。

なんで肩甲骨辺りから出るのん?

 

じゃなくて。

アイドルだからスキャンダルはNGだけど、女の子同士だからセーフ?(セーフとは言っていない)

いや実際どうなんだろう?

この状況、社長に伝えても大丈夫かな?

大丈夫な気もする。(楽観)

 

 

 

とにかく今日はもう登校時間だ。

早くにゃんこたちをケイちゃんから引き離さないと。

 

「あー」

「なー」

「みゃー」

「んなー」

 

あー可愛い。

もうこのままでいいかなー?

駄目です。

うん駄目。

 

「というわけで行くよー♪」

「うがー!」

「にゃー」

「にゃー」

「なむ」

 

引きずる俺と離れないケイちゃん&にゃんこたち。

めちゃくちゃである。

こんなに可愛がってたのかケイちゃん。

そりゃあ深夜に様子見に行くよね。

 

でも駄目です。

そんなことする子には猫缶あげませんよ!

 

 

 

「あうー……」

 

にゃんこたちは大人しくなった。

凄いな、日本語分かるのか。

伊達にあの危険区域を生き抜いただけあるな。

 

不貞腐れたように下を向くケイちゃんを引っ張って学校へと向かう。

可愛いかよ。

だが帰宅はしない。

甘やかさないって決めました。(教育感)

 

「ほら行くよー♪」

「ぶちーくろーしろー……」

「名前あるんだ……」

 

というか色のまんまだった。

ぶちは白の中に茶色いブチがいくつもついてる子だ。

可愛い。

 

 

 

「んあー」

「やる気ないねー♪」

 

やる気も気力も減ってる感じのケイちゃん。

にゃんこたちの為に生きてたんじゃあるまいか。

だからこんだけ気が抜けてるんだな。

 

時刻はお昼。

ご飯はなし。

ケイちゃんは学食のパンである。

濃いコーヒーを淹れてあげる。

ほら水筒から出すよー熱いよー。

 

「あちっ」

「もう♪ だから言ったじゃない♪」

 

すっとポケットからハンカチを取り出してこぼれたコーヒーを拭く。

胸元だけど女同士だからセーフ。(バレたらアウト)

さささっと拭いてハンカチをしまう。

あんまり出しておくのもはしたない。

 

というか、俺は午後の授業はお休みなのだ。

アイドル活動があるので。

許可は貰ってるのでセーフ。

貰ってなくてもセーフ。

というか社長がここの校長の上司(?)だし。

 

 

 

「というわけで行ってくるから、にゃんこたちのご飯よろしくねー♪」

「おう、分かったー」

 

じゃあねー♪ と車に乗って営業先へと向かう俺。

ちゃんと缶1つだけにしてくれるだろうか?

甘えられて2個3個とあげたりしないだろうか?

合鍵は既に渡してあるけど、割と不安。

 

「……ふぅ」

「お疲れかい、スバル君?」

「んーん、別にー」

 

疲れてるわけではない。

ないのだが、ちょっとね。

お腹すいた。(致命的)

 

コーヒーで誤魔化してたけど、そろそろ限界かも。

猫を飼い始めて2週間。

もうそろそろタイムリミットだ。

さっさとお食事に出かけなくては。

 

 

 

「じゃあ今日の予定だけどね―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――っと、お疲れ様」

「はーい、お疲れ様プロデューサー♪」

 

本日の営業は終了。

新作CDの販売のお仕事だった。

地道にCDショップを回って営業である。

ライブがない日はこんなもんである。

まあ小さなお立ち台でライブやるんだけど。

 

というか遠出してライブとか無理だからね、今の年齢じゃ。

夜の拘束ができないからね仕方ないね。

夜になる直前、6時くらいか。

その辺りでお暇した感じである。

 

「車で送らなくていいのかい?」

「うん♪ 今日は歩いて帰るんだー♪」

 

嘘だ。

これから路地裏に行って喰種狩って帰るのだ。

さっきからプロデューサーが美味しそうなステーキにしか見えない。

危険信号である。

 

「じゃあねぇー♪」

 

社長にはバレてるけど、プロデューサーにはバレていないであろう偽装のまま歩き出す。

路地裏直行は流石にまずいから、ちょっと表通りを通ってから。

人が多くなって目立たないくらいになってからすーっと抜ける。

 

え、格好がまずいって?

そんなわけない。

フリフリミニのふわふわスカートは仕事着なのだ。

今は肩甲骨が見えるくらい背中を露出したワンピースだ。

前は割と普通。

でも真っ赤。

返り血を浴びても平気なのだ。(重要)

 

きゅるきゅるきゅるっと包帯で顔を隠す。

流石に素顔で突っ走るわけにはいかないだろう。

でもお腹すいた。

 

 

 

「ッ―――――!」

 

路地裏に入った瞬間、加速。

もう我慢の限界だった。

目に映る障害物を蹴散らし蹴落とし飛び越えて駆ける。

ご飯を食べるの。

 

「な、なんだこのが」

「死ね」

 

蹴りで顔面を吹き飛ばす。

まさに一蹴。

とか考えてる余裕もなかった。

 

即座に噛みつく。

ガジガジ噛みついてもぐもぐ食べる。

うん、少しだけ落ち着いた。

 

ご飯食べりゅ。

もぐもぐと腕を食べる。

というかさっきまで何食べてたのか。

……まあいっか。

深く考えないことにした。

 

 

 

「けっぷぅ」

 

一通り食べてすっきり満足。

これで暫く大丈夫だと思う。

いやー獲物がすぐ見つかってよかった。

これで安心。

 

「……とはいかないかー」

 

ひたひたと背後からいくつもの気配。

というか喰種だ。

それも結構な手練れ。

俺が中々に強いからと言って油断すれば負けそうな感じだ。

 

甲赫を展開する。

久々の解放にいつになく興奮してる気がする。

枝のようだったそれに葉っぱがついてる。

なんか派手になったなっていうのが感想である。

 

ひたりと、歩いてきた音が途絶える。

いなくなったわけじゃなくて、その場で止まったってことか。

帰ってくれればいいのに。

そう思わずにはいられない。

 

相手の仮面は黒い犬と猿。

んん、2人組?

見覚えがあるようなないような。

 

まあいっか。

ここから逃げるのが先決だ。

 

というわけで脱兎。

三十六計逃げるに如かず、である。

というかお腹いっぱいだしダッシュで逃げれば逃げ切れるよねと思った。

 

 

 

駄目だったけど。

背後にピッタリ付かれてる。

俺の速度じゃどうしようもないらしい。

 

仕方なく枝を伸ばす。

パキパキと音を立てて枝が伸びる。

右肩甲骨から生えてるそれがちょうど俺の身体を覆いつくすくらい大きくなった。

ここまでやって甲赫は速度遅いって言われてたことを思い出す。

せやな。

こんな重いの背負ってれば遅くなるよね。

 

まあいいや。

とにかく展開した枝を更に大きく展開する。

パキパキと身体中が罅割れるような感覚に陥るが無視。

 

「ちぇい」

「!」

 

俺は横に大回転。

枝はガリガリと地面と壁を削りながら俺に追従する。

と、ちょうど道を塞ぐような状態になった瞬間枝を切り離す。

即席のバリケードだ。

しかも葉っぱ付き。

 

まあ当然のように飛び越えてくるわけだけど。

そこで葉っぱですよ。

まるで炸裂弾のように弾けた葉っぱが、飛び越えた2人の背中を襲撃する。

それっぽく使えないかなーと思ったら使えた。

想像力って凄い。(こなみ)

 

「くっ」

「ちっ」

 

地味に刺さる感じが効く様子。

というか俺にもちょっと刺さった。

痛い。

でも今は逃げる方が先である。

 

アディオス誰かさんたち。

俺は忙しいのだ。

主にアイドル生活と学校生活の両立で。

 

 

 

どうやら逃げ切れた模様。

一息吐いて路地裏から表通りに出る。

 

「おい、大丈夫かい?」

 

すると誰かが声をかけてくる。

面倒臭いけど反応しなくちゃ。

怪しまれるよね。

 

「うん♪ 大丈夫だよー♪」

 

きゃるーんと効果音を決めながらの台詞。

最近キレが上がって来たように思える。

流石俺。

 

「あ、ああ。ならいいんだ」

 

どうやら撃退に成功したようだ。

うん、やっぱり相手は男だった。

それに気付かないくらいには焦ってたわけである。

 

壮年のおじさんっぽい感じ。

痩せてる感じで、それでいて力強さも感じる不思議な人だった。

 

「……ふぅん」

 

()()()()

さっきの喰種達もどこかで見た記憶がある。

そして、目の前の()()()

 

 

 

なるほど、ここは20区か。

どうやら勢いで突っ走ったら凄いところまで来てしまったらしい。

……今日中に帰れるかな、これ。

 

「ふむ……泊るところがないのかい?」

「え? あ、いや」

 

考え込んでいると、どうやら家なき子だと思われたらしい。

いや、帰る場所はあるわけで。

ちょっと遠い場所まで来ちゃっただけで。

そう説明すると納得してくれた。

というか電話もしたしね、俺。

 

『マジでか。大変だなアイドル』

「そそ、ごめんねー♪」

 

ケイちゃんは誤魔化せたし、あとは目の前の紳士よ。

歩いて帰れば辿り着くだろうけど、それは辛いな。

うーん、悩む。

 

 

 

……ま、いいか。

折角助けてくれるのだ。

お世話になるとしよう。

 

「じゃあ、お世話になりまーす♪」

「ああ、いいよ。猫かぶりもね」

「……お見通しか。はぁ」

 

そんなわけで。

俺は今晩、あんていくに泊ることになったのだった。

 

 

 

ちなみにコーヒーはめちゃくちゃ美味かった。

 

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