特に理由もなくアイドルデビューした最強系主人公が東京喰種のストーリーをぶっ壊す話 作:偽馬鹿
「ありがとうございました。コーヒー美味しかった」
「今度はお客として来てくれると嬉しいね」
「はーい♪」
お金は十分あるので、きっとお客として来ます。
今度はケイちゃんと一緒に来たいな。
自分がいれたコーヒーとえらい違いだった。
これがプロの味……! と勝手に戦慄してた。
タクシーを捕まえて豪華に帰宅。
鍵を開けて中に入ると、猫に塗れたまま寝てるケイちゃんの姿が!
……いや、おうち帰ろうよ。
女の子だよ君?
いや、俺が男だって気付いてないからか。
なら納得。
「……んにゃ、おはよう」
「おはよう♪」
「にゃー」
「んにゃ」
「みゃう」
しろくろぶちも元気のなようだ。
すりすりと寄ってくる。
おーご飯の時間か。
分かった分かった、ちゃんとあげるからねー。
ところでケイちゃんの格好が過激な件について。
異性がいないと思ってるからかキャミソールとパンツだけ。
ははは、俺が普通の思春期男の子だったら襲ってるね。
「もう、だらしがないぞっ♪」
「ぐえっ」
パンチと共に制服を叩きつける俺。
うん、こんな反応普通普通。
だから早く着替えてねー。
ちゃんと俺のいないところで。
昨日と同じやりとりを経て、学校に到着する俺達。
何かにゃんこ達への依存度高くなってない?
大丈夫?
まあいいか。
ところで。
この学校でも俺は性別を隠しているわけで。
「付き合ってください!」
いじめがなくなってからはこういうことが増えてきたわけで。
「ごめんなさい♪」
ということも増えてきたわけで。
撃破女王と言われるようになってきた。
撃破王女はケイちゃんらしい。
いらない情報で草。
ショックを受けた少年が崩れ落ち、友人に引きずられていく。
可哀そうに……あの状況にしたのは俺だけど。
でも俺に告白するのが悪いんですのよ。
というか、今全盛期と思われるアイドルに告白するとか勇気あるよね。
俺なら絶対やらないよ。
俺が言うのもなんだけど。
というか数か月でほぼトップアイドルに登り詰めるとかどんな手腕してるんだろうあの社長。
というかプロデューサー。
芸人的なお仕事がないのは楽だけど、逆にどうやってここまで持ち上げられたのか。
大丈夫? 黒いお金使ってない???
「……なあ」
「なぁに?」
告白撃退後、屋上でぼーっとしているとケイちゃんが来た。
何やら疲れている様子。
おいでーいい子いい子してあげるよー。
「いらないから」
「そぉ?」
少し頬の赤いケイちゃんをスルーしつつ、ちょいちょい手招き。
そろそろと寄ってくるケイちゃんはまさに猫。
というか猫科だよねこれ。
わかる?
わかる。
今日はご飯をここで食べよう。
そう言うと更に寄ってくるケイちゃん。
やっぱり猫だね。
かわいい。
食べたい。
おっと喰種成分が。
「今日のコーヒーはプロの味よー」
「へぇ……」
ちょっと駅前のコーヒー店で買ってみたブレンドコーヒー。
中々の味だった。
俺自身コーヒーを淹れる才能に溢れてるおかげか。
どうやらケイちゃんも気に入ってくれたようだ。
ちなみにケイちゃんは砂糖3杯。
甘党だね。
ミルクもつけてあげよう。
「ん、美味しい」
「よかったー♪」
満足である。
そういえばであるが。
俺達をいじめていたお嬢様(今更性別公開)なのだが。
今俺の真後ろで絶賛宙吊り中である。
既にケイちゃんは教室に帰っている。
というかここから先は見せられないよね。
ふふふ、可愛い子。(意味深)
「あ、ああ……あああ……」
「大丈夫♪ 別に怒ってないから♪」
お嬢様は涙を流しながら宙吊り。
腕にだけ縄をぐるぐる巻きにして、窓に引っかからない高さに調整。
ちょうど木の陰に来るようにしてあるのでバレない。
完璧な計画である。
「私はあなたに同情してるの……
ニッコリと笑いながら、縄を揺らす。
そう、俺達をいじめていた連中の矛先は今このお嬢様に向いているのだ。
可哀そうに……心底そう思う。
俺のせいだけど。
「だけど、どうして私をいじめようと思ったの? そこが分からないの」
そう、そこが分からない。
いやアイドルだからってことで納得しないでもないんだけど。
それだけではないような気がしないでもないというか。
「わたくしっ……もしかしたらって思ってましたの……!」
「んー?」
「
「……へぇ」
もしかしたらであんな行動をするとは不思議である。
いや、問題はそこじゃないわけで。
同じ匂い。
人間と違う匂い。
つまりは
お嬢様を引き上げる。
うん、こんなことする必要なかったね。
ちょっとノリで行動するのやめよう。(戒め)
「ねぇ、名前なんて言うの?」
「ま、あ」
「ごめんね。あんまり興味ない事柄だったから」
ショックを受けたように項垂れるお嬢様。
せやな。
自分もそんな風に言われたらショック受ける。
「……
「ふぅん……アカリちゃんか」
「あかっ……!」
大丈夫、一度聞けば覚えられるから。
うんうん、アカリちゃん。
可愛いよ。(はぁと)
割と気持ち悪いのは自覚してる。
くいっと顎を手で持ち上げるようにこちらへ向ける。
顎くいって奴だ。
それでよく顔を見る。
泣いているけど、可愛い顔だ。
少したれ目で茶色の瞳。
ややふっくらとした頬に、ちょっと低めの鼻。
髪はゆるふわウェーブで、肩甲骨辺りまで伸びている。
色はやや茶色がかった黒。
アカリちゃんの匂いを嗅いでみる。
うん、ここまで近づけばわかる。
「あ……間違いないですわ……」
そういえば、相手からも匂いはわかるわけで。
ということで、お互いに喰種だってわかったわけで。
すっと小指を出す。
アカリちゃんもすぐに気づいた様子で小指を出す。
指切りである。
「このことは2人だけの内緒だよ♪」
「あ、はい……」
これで安心。
ついでにいじめに関してはどうにかしちゃおう。
もう充分辛い思いをしただろうし。
社長に頼めばいじめ問題は一発である。
とりあえずいじめに関わってた人間はトバしてー。
お金を渡して口止めしてー。
駄目なら家族は不幸な事故で死んじゃったってことで。
流石に最終手段だけど。
まあいっか。
大丈夫でしょ。
駄目なら駄目でご飯が手に入るわけで。
とりあえずこれはケイちゃんに教えておこう。
「……は? いじめがまだあったのか?」
「んもーケイちゃん自分が対象じゃなくなったらって無関心なんだからー♪」
どうやらがっつり忘れてた様子。
というか気付かなかったんだ。
割と露骨だったと思ったんだけどなー。
猫じゃらしで猫達と遊んでいるケイちゃんに、アカリちゃんを会わせた。
善は急げだ。
俺は全然善人じゃない気もするけど。
「……あの」
「……………」
「その、あの」
「……………そいつが許すなら、いい」
ふいっと顔を背け、猫に集中するケイちゃん。
どうやらケイちゃんも許してあげるってことらしい。
素直じゃないというかなんというか。
まあ因果応報も済んだ(?)ことだし、終わりでいいよね。
「でも、ケイちゃんに私の正体バラしたら駄目だよ?」
「えっ」
「駄目だよ♪」
「あ、はい。わかりました」