ダーリン・イン・ザ・タイタンフォール   作:兄王

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あ…ありのまま前回起こった事を話すぜ!
俺は前回あとがきで軽く手短に設定集を書くつもりが予想以上の長文になっちまった。
何が言いたいのかよくわからねぇーと思うが自分の文才の無さに恐怖を感じたぜ。
それと同時に他の投稿者達が俺より速いペースで書きなおかつ面白い小説を作っているのに凄さを感じたよ。



彼の役割

 ゼロツーの勝手な行動により危うく作戦失敗になりかけたが最終防衛ラインに逃げ込んだ叫竜をすぐに片付けてすぐにフォローに向かったのでなんとか事なきを得た。

 

「おい、ゼロツー。単独行動時は何をしても別に文句は言わねぇがチームで行動中にあんな真似をするのはやめてくれ。俺がフォローに向かわなかったらまたあいつらが孤立するところだったぞ」

 

 作戦が終わり次の都市へ移動する準備をしてる中、俺は頭に生える赤い二本角が特徴の少女もといゼロツーに文句を垂れる。

 

「別にいいじゃん。うまくいったんだし。それに孤立した原因はあいつらがボクに付いてこられなかったからでしょ?」

 

 彼女は俺がご褒美に上げたキャンディを口に咥えながら心底どうでもよさそうな顔をする。

 

「あのなぁ、ゼロツー。結果良ければ全て良しってわけじゃねぇんだぞ。少しでもいいから他人と合わせることが出来ねぇのか? このままだといくら叫竜を殺し続けても、人間に近づくことなんざぁー出来ねぇーぞ?」

 

「余計なお世話だよ。それにまた説教? ボク、そーゆうの好きじゃないんだけど」

 

「ゼロの言う通りだぞ。Code:002。お前の身勝手は度が過ぎている、少しはパートナーの俺の身にもなってくれ」

 

「おぉ、やっと起きたかCode:081……いやヤイチ怪我の具合はどうだ?」

 

 全身包帯だらけで腕をギプスで固定しボロボロの状態で現れた男は、ゼロツーのパートナーだ。まぁ……こいつで丁度二十人目なんだけどな……

 

「その名で呼ぶのはやめてくれないのか? いやそんな事より怪我の具合か。そうだな正直あまり良いとは言えないな。まだ横になっていたい気分だ」

 

「まぁ、そりゃそうだろうな、その状態じゃまだ安静にしておきたい所だがそうもいかねぇ次の都市へ移動しなきゃいけねぇからなぁー。ヤイチ、お前は先に輸送機に乗って休んでろ。でなきゃ死ぬぞ? 

 ゼロツーからは、俺が代わりに言っておくからゆっくりしてろ」

 

「あぁ、そうさせてもらう。あとは頼むゼロ」

 

 そう言って輸送機に歩いて行くヤイチを見送ったあとゼロツーに視線を戻す。

 

「つうーわけだ。ゼロツー。パートナーからもああ言われてんだ。ちぃっとは改善したらどうだ?」

 

「ないよ。ボクはボクだ。弱い奴らの指図なんて聞くつもりはないよ」

 

 あぁ、ないすっか。そうですか……ホント困ったヤンチャ娘だよ。

 

「それにさぁ、ゼロ。あいつのこと心配しているけどどっちしろ次の出撃で死ぬんだし。心配した所で意味はないと思うだけど」

 

「その死ぬ原因を作っているどこの誰かさんだよ。おめぇーさんの『パートナー殺し』はどうにかならん物かねぇー?」

 

 そう、ゼロツーはただのパラサイトではない。叫竜の血を引いており搭乗したステイメンは老化などの不調が現れ、3度目の出撃で必ず死ぬことから、通称『パートナー殺し』の悪名をもちゼロツーと乗るステイメンは使い捨て扱いとなっている。

 

「お前が理想のパートナー……いやダーリンだっけ? それさえ見つけてくれりゃ、俺は一々別れの挨拶しなくて済むんだけどな」

 

 ホント、死ぬ事が分かってて出撃させんのは結構辛いだぜ? こればかりは慣れないもんだよ。

 

「無理だね。それが出来ないのはゼロがよくわかっているでしょ? ボクはバケモノ。あいつらは所詮ボクの餌に過ぎないんだ」

 

「おぉ、怖い怖い。その勢いで俺まで餌にするのはよしてくれよ?」

 

「それ、わかってて言ってるの?」

 

「二人ともおしゃべりはそこまでよ。そろそろ出発するわ。早く輸送機に乗ってちょうだい」

 

 俺は声のする方へ顔を振り向く。

 

「その声はナナか。わかった。よしゼロツーさっさと乗れ出発するぞ」

 

「はぁ──い」

 

 彼女は俺の仕事の同僚みたいなもんでなんでも次に行く13都市のパラサイトもといコドモ達の世話係を一任されてるらしい。

 

「しかし、13都市か……」

 

 正直な所、あまり気が進まないな。あそこはかつて俺が救えなかった部隊がいた場所だ。そして俺が変わるきっかけ与えた場所でもあるのだ。

 

「どうしたのゼロ? そんな顔をして。早く出発するわよ」

 

「あぁ、悪りぃ。少し嫌な思い出を思い出しちまってよぉ。今行く」

 

 どうやらかなり顔に出てしまったらしい。やれやれ、かなり足取りが重くなっちまったなぁ。

 

「待ってください! ゼロさん!!」

 

「ん?」

 

「誰!?」

 

 突然俺を引き止める声がこちらに走ってくる足音とともに聴こえてきた。

 

「あなたは……Code:090! どうしてあなたがここに!?」

 

「やはり来たか、クロ。お前ならきっと来てくれると信じてたぜ」

 

 息を切らしながら来た彼はクロ。ここの26都市部隊のリーダーだ。

 

「来たも何も、ゼロさん。あなたがここに来るように俺達に仕向けたでしょう? こんなカードと手紙を用意して!」

 

 そう言って手に出して見せてきたのは俺がわざと置いていったSランクのIDカードと置き手紙だ。手紙の内容は、大雑把に言えば俺が此処を離れるので、もし見送る気があるならこのカードを使って手紙に書いたルートを辿って来てくれと書いておいた物だ。

 

「ゼロ、またあなたは余計なこと……この子が此処に来た理由はそうゆうことなのね……」

 

「すまんな、ナナ。別れの挨拶なしに去るのは俺の流儀に反するからな。出発は少しだけ待ってくれすぐに話はつけるからよぉ。それと周りのお前らは銃を降ろせ。コドモに銃を向けてんじゃねぇよ」

 

 呆れるナナを説得しつつ周りの兵士に銃を降ろすように指示する。

 

「……分かったわ。なるべく早く終わらせてちょうだい。けどこの事はパパ達に報告させてもらいますから、ゼロ。何かしらの処分は受けてもらう事になるわよ?」

 

「構わん。どうせ俺を消すような真似は出来ねぇし。他の奴らは代わりはいくらでもいるが、俺の代わりはいないからな。クロを招いたのは俺の責任だから処分くらい幾らでも受けてやるよ」

 

「そう……また、最前線行きになっても知らないわよ?」

 

「それはむしろ大歓迎。俺は戦い以外に居場所はねぇからなことそん中で死ねるなら本望だよ」

 

 まぁ、今はある目的を達成するまでは死ぬ訳にはいかねぇだけどな。

 

「さてと……待たせて悪かったなクロ。よう来てくれた。他のみんなはどうした?」

 

「他の仲間達は怪我で動けないので、俺がみんなの代わりとして来てます。そんな事よりもゼロさん。此処を離れるってどういう事ですか!」

 

「いや、どうしたのなにも今回の作戦を最後に此処を出る予定だったからな。お前達には黙っとくように言われてたんだけど何も挨拶なしに去るのは寂しいからよぉ。こうやってクロ。お前を呼んだってわけさ」

 

「お願いです。ゼロさん! あなたには、まだ此処に残って欲しいんです!」

 

「おいおい、手紙の内容を見ていなかったのか? 俺は別れの挨拶をしたいと書いただけで残りたいとは一言も書いてないぜ? それにそれはお前の我儘だろ?」

 

「違います! これは俺達全員の願いでもあるんです!」

 

 あらら、まさかここまでして引き止めようとするとなぁ。別に初めての経験ではないが心苦しいもんだよ。

 

「クロ。お前だってわかってんだろ? 俺はずっと居られる訳ではないのは最初の時に話したろ? 俺の役割は終わったんだよ」

 

「で……でも俺達はまだ、あなたに教えて貰いたい事が……」

 

「大丈夫だ。もう、俺が教える事は何もない。次はクロ、お前達が考えて行動するんだ。それに今回の作戦だって俺にすぐに助けを求めず最後まで自分たちで持ち堪えようとしたじゃないか。だからよぉ、そんな顔をしてんじゃあねぇよ。なぁ?」

 

「ゼ……ゼロさん……お……俺は……あなたに会えて救われたんです。だから……」

 

 彼は、泣くのを必死に堪えて歯切れが悪くなりながらそれでもなお引き止めようする。いくら何度も叫竜と戦って来たとはいえそこら辺はまだまだコドモだな。

 

「クロ。リーダーのお前がそんなんでどうすんだ? これからチームを引っ張っていくんだろ? なぁに別にこれで会うのは最後ってわけじゃねぇからよ。会う機会はいくらでもあるさ。だからよぉその時まで生き延びてくれよ? 頼んだぞ」

 

 そう言って彼の頭を撫でて軽く叩く。全くまさか一度は捨てかけた感情をもう一度持つことになるなんてよぉ。少し前の俺なら考えられなかったよなぁ。あの頃の俺は強い兵士して育てあげればいいと思っていたからな。だが今は違う、人として一人の人間として育てあげている。まぁ、ゆくゆくは俺の目的達成の為にとしてもやっているんだがな。

 

「……わかりました。ゼロさん。俺達をご指導して頂き有難うございました! この恩は決して忘れません!!」

 

「おう、また会おうぜ。今度会う時はよぉ立派なリーダーになってろよ?」

 

 彼は泣くのをやめ、敬礼をしながら俺を見送る。俺は振り返らず背を向け手を振りながら輸送機に向かって歩いて行った。

 

「やっと終わったか。老いぼれ兵。全く余計な事をしおって。ささっと座れ出発するぞ」

 

「うっせ、てめーだって老いぼれ博士だろがよぉ。久しぶり会って最初のセリフがそれかよ」

 

 輸送機に乗り込むと先に座って待っていた、体の一部が機械化した老人から文句を言われた。彼の名はフランクス博士。フランクスの生みの親で俺とは長い付き合いになる。

 

「お前さんが何をしようが儂の知った事ではないが、次の都市では儂の指示に従って貰うぞ」

 

「何だよ。次の都市は博士、あんたの実験場かよ。APE(あの老害達)から頼まれたのか?」

 

「違うわい、これは儂の独断でやっとる。年寄りの気まぐれというやつだ」

 

「そうかい。あんたはあんたの考え方があるのかい。まぁ、どっちにしろお互いに目的は同じだし協力してやるよぉ」

 

「ゼロ、博士。まなもなく出発するのでベルトを…」

 

「うむ」

 

「わかってるっての」

 

さて、いよいよ13都市に向けて出発だ。今のうちにコドモ達のデータを見ておくか。あとジャービスにATの調子がどうか連絡もしねぇとなぁ。離陸し揺れる機体の中、俺は缶コーヒーを片手にそんな事を考えていた。




設定集パート2&解説

Code081と090について
原作1話にてゼロツーに使い捨てされたステイメン。前回セリフがなかったのはゼロツーの無茶な操縦により殆ど意識を失っていたため。
次の搭乗て確実に死ぬので今回で出番は最後だと思われる。

第26都市部隊のリーダー。原作では二年前の共同戦線でゼロツーの独断専行でチームが孤立しパートナーを失ったが、本作ではゼロのフォローのお陰でパートナーを失わずに済んだ。その為ゼロには返しきれない恩がある。
また、チームの育成や悩みも解決してくれたので唯一頼れるオトナとして好意を持っている。
そして誰よりも彼が此処を離れることを一番惜しみ引き止めようとした。

ナナとハチについて
APE作戦本部のパラサイト管理官。ゼロは立場上仕事の先輩にあたり。ナナがナナになる前から面識はあったらしいが本人はその事を知らない。ゼロがコドモ達に好かれている事に快く思ってなかったりする。一応顔には出さないようにしているが、ゼロにはバレバレだったりする。また彼の反感的な態度や独断行動には頭を悩ませている。ただ、いざとなれば頼りになる存在として信頼はしている。

APE作戦本部の都市防衛作戦司令官。今回は出番はなかったが、ナナと同様に面識があり。ゼロの反感的な態度さや独断行動に頭を悩ませている。但し、ゼロが独断で行った作戦によりコドモが一人も欠けずに生還するなどの実績がある為、腕に関しては認めており。一部黙認していたりする。性格上、馬が合わないが信用はしている。

フランクス博士について
フランクスの生みの親であり、ゼロツーの保護者的な存在で、頭部のほぼ右半分や手の一部を機械化した老人。
ゼロとはAPEに入る以前からの知り合いで親しい友人でもあった。
かつてお互いに愛していた女性がいたが、フランクスの起動実験中に事故死。叫竜の都市襲撃により失ったという過去がある。
普段は互いに老いぼれと呼びいがみ合っているが仲が悪い訳ではなくゼロツーの監視役を任せるなど信頼関係は築いている。
ATに関しては古くさい醜い鋼鉄の塊と見ており嫌っている。

ゼロツーについて
ダリフラ、メインヒロインことゼロツー。ゼロは監視役兼保護者であり戦いのいろはを教えた教官でもある。その為、付き合いは博士と同じくらい長い。ゼロとは態度は辛辣だが気は許している。
無邪気かつ破天荒な性格でゼロはよく振り回されうんざりしている。しかし、説教はするがなんだかんだ言って甘っかたりする。
ちなみにご褒美であげたキャンディーはメープルチョコあんこ味。

ゼロもとい主人公について
コドモをCodeで呼ぶ事を嫌い、勝手にあだ名を付けて呼んでいる。本人曰く「なんか物扱いしてるみたいでヤダ」とのこと。
独自の流儀を持っておりその一つとしてコドモとは親身になって接する事を流儀としている。
その為、実際にコドモ達と共にミストルティン、通称鳥カゴの中で暮らし悩みを聞いたり、訓練を共にしたり、戦術を教えたりして頼れるオトナとしてコドモ達を導いている。
しかし、ひと昔前は、今みたいなやり方はしておらず。一流の兵士として育てる為軍事訓練式でかなり厳しかった。
ある部隊の壊滅をきっかけに兵士ではなくひとりの人間として育てる事を決意し今の性格に落ち着いた。
ゼロツーとは彼女がまだ赤い肌の少女から付き合いで、普段は監視役だがいざとなればゼロツーの暴走を止める役割も持っている。

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