◆中央歴1640年8月19日 パーパルディア皇国
この日のデュロの天気は、晴れのち『爆弾』でした。そんなあちこちから火の手が上がる賑やかな街で避難も消火活動もせず、カラフルな爆炎を上げる鉄クズを眺める皇国陸軍の軍服を着た男が一人。
「あぁ…任務おわっちまったな。」
兵士や市民が走り回り、中には燃えている人もいて消火や救助、避難誘導など仕事はいくらでもありそうなものですが、『任務が終わった』とはどういうことなのでしょう?
男は鞄から小さな箱のようなものを取りだし喋り始めました。端からみると変な人ですが、周りの人にはそんなこと気にする余裕はありません。
「こちら『α』目標は破壊された。跡形もなくバラバラだ。回収の必要もなし。」
すると不思議なことに箱の中から人の声が聞こえます。
「了解、速やかに拠点Cの荷物を回収せよ。別班にも撤収を指示する。AとBは消滅した。」
◆とある諜報員『α』
ああ…まったくついていない。『目標』を偵察するだけだったのに、まさか絶賛空襲中のところに飛び込んで『目標』を破壊しろとは…
我が国から『対空魔光砲』を持ち出した馬鹿の首を絞めてやりたい。まあ、もうこの世にはいないだろうが…。
どうやらこの男はパーパルディア皇国の軍人ではないようです。男は走りながらこんなことを考えます。
研究施設が騒がしいと思ったが、まさか実戦投入するとは思わなかったぞ。パーパルディアの貧弱な魔導機関では動かすのは一苦労だったろう。対空射撃を行っていたが、変な飛び方をする天の浮舟にあっという間に破壊されてしまった。
仕事が減ったのはいいことだが、あの
現在、皇国が戦争中の『日本国』には列強ムーの支援があると噂されていますが、あの永世中立を表明するムーが兵器の輸出などするでしょうか?まあ、この男の人にはそんなこと気にする余裕はないようです。
男は爆撃の標的にならず、奇跡的に残っていた隠れ家に命からがら逃げ込みます。
◆拠点C
「えらい目に遭ったぞ死ぬかと思った。皇都空爆の次にデュロ空爆とはこの国ももう終わりだなムーも大規模な支援をしたものだな。しかしムーがそんなに期待を寄せる『日本国』本当にただの文明圏外国か?」
彼の脳内には様々な疑問があふれます。しかし大使館や本国に報告するための暗号魔信機は失われてしまい、連絡には時間がかかりそうです。