運命の英雄   作:DestinyImpulse

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十五話・過去との決着

「す、凄い…!」

 

 メサイアの司令室では現在、黄金に輝く“デスティニー”が“ストライクフリーダム”を殴り飛ばす映像が流ており、その輝きに目を奪われていた。

 

「エクストリームブラストモード……とうとう最後の鍵が揃ったか……」

 

 

 エクストリームブラストモード……それはハイパーデュートリオンエンジンのパワーを極限開放させる“デスティニー”にのみ搭載されたシステム…それにより性能が飛躍的に上昇するのだ。

 

 

 それを見ていたデュランダルはある端末を見るそこには…

 

【Fate計画に必要な全データの収集が完了】

 

「この戦いで全てが終わればいいのだが……」

 

 不安を拭えないままデュランダルは黄金に輝く“デスティニー”を見ていた。

 

 

 

 

 

『クソ、これは一体!?』

 

 “ストライクフリーダム”はライフルを放つが…

 

『アンタはもう…絶対に許さねぇぇ!』

 

 黄金に輝く“デスティニー”の両腕に弾かれる。ビールシールドをサーベルモードに切り替えた腕に防がれたからだ。“ストライクフリーダム”も光の翼を広げて移動するが…今の“デスティニー”の方が確実に速い。

 

 “デスティニー”の拳をビールシールドで防ぐが吹き飛ばされる。追撃に迫る“デスティニー”、迎撃に放った「クスィフィアス3レール砲」は簡単に回避される。

 

 “ストライクフリーダム”はサーベルを抜き“デスティニー”を切り裂こうとするが当たらない。ビールシールドで的確に防がれる。もう一度「クスィフィアス3レール砲」を放とうとするが“デスティニー”の回し蹴りで砲身が圧し折られた。そして手の掌底部の「パルマフィオキーナ」が“ストライクフリーダム”の右肩のアーマーを吹き飛ばした。お返しに腹部ビーム砲を放とうとするが、その前に蹴り飛ばされる。

 

『彼は怒りに囚われているんじゃないのか!?』

 

 怒りに身を任せているのなら確実に隙がある筈なのに今のシンにはそれがまったくないのだ。

 

 シンは確かに怒っている……“インパルス”で戦っていた時は怒りに身を任せて戦っていたが、今のシンには絶対に揺らぐことのない意識がある。その意識が怒りを完全にコントロールしているのだ。

 

『なら!』

 

 接近戦は不利と判断したキラがライフルを放つがそれは“デスティニー”の残像を撃ち抜くだけだった。次々と放つが掠りもしない。

 

『君は……君は何者なんだ!!』

 

 完全にキラはシンに怯えていた…それを理解したのかシンは言った。

 

『とっくにご存知なんだろ?俺はアンタに多くのものを奪われ……友の無念を晴らす者ーー』

 

 

『ーースーパーエースパイロットーーシン・アスカだぁぁあ!!』

 

 

 輝きを強くし“デスティニー”が“ストライクフリーダム”に殴りかかる。もう一度ビームシールドで受け止めようとしたが……受け止めきれず発生装置が破壊されてしまった。

 

『クソ、もうやめるんだ!どうして君は憎しみに囚われたまま戦うんだ!?』

『俺はあんたみたいに大切な人を失って悲しみを持たないような人形とは違うんだよ!』

『それはどういうことだ!』

『アスランの奴は最低な屑野郎だったが、あれだけキラキラ言ってたのにその当人に俺を憎んでもらえないってのは同情するぜ!』

『僕だってアスランが死んだのは悲しいさ!でも後ろを振り向いてばかりじゃ仕方ないじゃないか!』

 

 ビームを放ちながらキラは叫ぶが、シンは怯まずに言い返す。

 

『違うな!あんたはそうやって振り返りたくない過去を見ないようにしてるだけだ!結局、過去から逃げてるだけなんだよ!』

『そんなことはない!憎いから殺したって憎しみの連鎖が続くだけじゃないか!』

 

 “デスティニー”は「パルマフィオキーナ」も展開して黄金の手刀でビームサーベルを破壊する。

 

『戦場に出ている癖に自分は殺したくないなんて言って殺すアンタが言うな!』

『どうしてそこまでしてラクスに歯向かおうとするんだ!彼女は本当は戦いたくなんてないんだぞ!』

『終わった戦争をまた引き起こしておいて何を言ってやがる!』

『デュランダル議長を止めないと世界が滅ぶかもしれないんだ!』

『訳わかんねえ理屈で自分を正当化するんじゃねえ!』

『いい加減にしろ!君はラクスの言葉を聞いていなかったのか!』

『あんなに傲慢な奴を見たのは初めてだ!』

『君はラクスの言ってることが正しいってどうしてわからない!?』

『完璧な人間なんてこの世の何処にも居ない!アンタ等はどれだけ関係ない人を傷付けるつもりだ!ふざっけるなあぁぁぁあ!!』

 

 シンが最も嫌悪するもの、それは自分の都合を関係のない人に押しつけて傷付けることである。

 

 “デスティニー”の拳が“ストライクフリーダム”の頭部にぶち当たる、片目は壊れアンテナは折れていた。

 

『どうあっても僕の邪魔をするんだね…ならまずは君を討つ!さっきの彼の様に!!』

 

 “ストライクフリーダム”が最後のサーベルを構えて“デスティニー”に突撃する。

 

『さっきの彼の様にだと?……レイのことか…!!レイのことかぁぁぁあっ!!!』

 

 “デスティニー”も右手に「パルマフィオキーナ・エクスカリバー」を展開し突撃する。

 

 

(コレで!!)

 

 ビームサーベルが“デスティニー”を切り裂くと言うその時ーー“デスティニー”が消えた。……キラにはそう見えたのだ。

 

 次の瞬間、サーベルを振り下ろした“ストライクフリーダム”の腕が、半ばから切り裂かれて宙に飛ぶ。“デスティニー”が斬撃を躱すと同時に背後へ駆け抜けながら黄金の剣を一閃させたのだ。

 

 それはもはや神業と言うべき技だった。

 

 キラは愕然として断ち切られた腕先を見つめる。

 

『負ける?この僕が?……ありえない、あってはいけない!ラクスの敵が僕より強いなんてあってはいけないんだ!!』

 

 “ストライクフリーダム”は“デスティニー”より高い位置に移動し、青い翼を広げながら腹部の「カリドゥス複相ビーム砲」にエネルギーをチャージする。

 

 

 それを見ていたシンも決着をつけるべく勝負に出る。

 

 

『コレで……全ての過去に決着がつく…!』

 

 

 “デスティニー”は右手と左手を“ストライクフリーダム”に向けて開き上下の手首を合わせて体をひねって右腰に置いた。

 

 

『オレの過去も……そしてレイの過去も…』

 

 

 脳裏に過るのはもう居なくなってしまった者達との思い出…それを力に変えるように黄金の輝きが“デスティニー”の手から溢れだしてくる。“ストライクフリーダム”がフルパワーの「カリドゥス複相ビーム砲」放つと同時に“デスティニー”も解き放つ。

 

 

『コレで最後だああああああッ!!!!!』

 

 

 “デスティニー”が放った「パルマフィオキーナ・エクスカリバー」と“ストライクフリーダム”が放った「カリドゥス複相ビーム砲」がぶつかり合う宇宙を照らす。そしてどんどん黄金の剣が押し返している。

 

『そ、そんな!僕は…!』

『ぶち抜けぇぇええっ!!!!』

 

 “デスティニー”のツインアイが輝き「パルマフィオキーナ・エクスカリバー」が「カリドゥス複相ビーム砲」を討ち破り“ストライクフリーダム”を飲み込んだ。

 

 

 

 そしてそのとき、キラ・ヤマトの時間が止まった。キラが目を開くと、そこには見たことのない景色が広がっている。

 

「キラ…キラ…」

「誰…なの?」

 

 どこからか自分を呼ぶ声が聞こえてきて、辺りを見回す。すると目の前に光が集まり、その中からかつて自分が傷つけてしまった相手、守ろうとしたのに守りきれなかった赤い髪の女性が姿を現した。

 

「フレ…イ…?」

 

 キラの問い掛けにフレイと呼ばれた少女は優しい微笑を浮かべてキラの頬に手を伸ばした。

 

「もう良いの……もう休んで良いの…」

「………もう僕は戦わなくてもいいの?」

「そうよ…行きましょう、一緒に…」

 

 その優しさに涙を流しながらキラは静かに意識を手放した。

 

 

 

 

 

 爆発する“ストライクフリーダム”を満足にシンは見ていた。黄金の光が消え、エクストリームブラストモードが解除されたが、その瞬間“デスティニー”の両腕が爆発した。「パルマフィオキーナ・エクスカリバー」を限界まで使用した結果である。

 

『やったぜ……レイ』

 

 【SEED】の長時間使用の疲労が強く…シンは意識を手放した。

 

 

END

 

 

 




次回予告

 戦いは終わった……キラ・ヤマトを失ったクライン軍に勝ち目はない…そう思っていた。
誰も思わなかった……ストライクフリーダムなど前座に過ぎない事に……


次回・機動戦士ガンダムSEED DESTINY

【目覚める災厄】

 頼むーー目覚めてくれ、シン!!








やりたかった!パルマフィオキーナは、かめはめ波の設定があったので是非やりたかった。
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