今回の作品はシンが完全主人公の作品です。
どうぞよろしくお願いします。
それではどうぞ!
そして、この戦争で家族を失ったオーブの少年・【シン・アスカ】は故郷を捨て、プラントへ渡り、ザフトに入隊する。
それから二年ーー再び始まった戦争。
そんなミネルバに届いた指令…それはユーラシア中央から西側地域の都市に向け、連合の新型巨大兵器が侵攻。住民ごと三都市を焼き払ったと言う……ミネルバも直ちに巨大兵器が居るとされる“ベルリン”へと向かった。
都市を焼き払い…迎撃するザフトのMSを吹き飛ばし、正に地獄を生み出す巨大兵器“デストロイ”……ミネルバもシンが搭乗する“インパルス”を発進させた。本来ならミネルバには他にもMSがあるのだか…それはミネルバが到着するよりも早く“デストロイ”と戦闘していたテロリストが原因だった。
それは、前大戦で伝説的となったMS“フリーダム”とその母艦…不沈艦とも恐れられた“アークエンジェル”だ。ミネルバが地球連合と戦闘中に突如として現れ…戦いを辞めろと叫びだした。当然、それでハイ辞めます…なんて事にはならない。そんな両軍を手当たり次第に“フリーダム”は攻撃を開始、両軍に甚大な被害が出た。シンも“フリーダム”に挑むが…相手は最強レベルのパイロット…MSも大戦後に結ばれた【ユニウス条約】で禁止となった核動力の“フリーダム”。如何にエースパイロットのシンと最新のセカンドステージシリーズの“インパルス”でも相手が悪い。
ミネルバのMS部隊も一人は戦死。隊長も仲間もすぐに落とされてしまった…パイロットは無事だが、MSは修理が不可能になってしまった。今、ミネルバには“インパルス”しか戦えるMSがいない。
“フリーダム”に苛立ちを感じながらもこれ以上被害を出す訳にはいかない。シンも“インパルス”で“デストロイ”と戦闘を開始する。だが、“デストロイ”のパイロットは……
「ステラ……!?」
彼女の名は“ステラ・ルーシェ”…地球連合のパイロットだった。だが彼女はディオキアでシンと運命的な出会いをし互いに惹かれ合う…放棄された地球連合軍拠点・“ガルナハン”で戦闘した彼女の捕縛した時…恐るべき事がわかった。
彼女は薬物投与等で無理矢理、身体強化をされた強化人間…【エクステンデット】だと言う。特殊な措置を施さなければ身体機能を維持できない体……このままでは彼女は死ぬ事を悟ったシンは親友と共にステラを地球連合に送り返した。現状ではこれしかステラを救える道はない……ステラの上官…“ネオ・ロアノーク”は約束してくれた筈だ…彼女を戦争とは絶対に遠い優しい世界へ返す事を……しかし彼女は“デストロイ”の生体CPU扱いされ戦争に戻された。
それを知ったシンは彼女を救い出そうとするが……“フリーダム”により“デストロイ”は撃破。破損した“デストロイ”のコクピットには無残なステラの姿があった。
シンは再び己の無力に打ち震える。家族を失った二年前の様に……
「ステラ!目を開けてくれ!ステラ!!」
シンは涙を流しながら必死にステラに呼びかける。破片が至る所に突き刺さり、死んだ様に動かないステラ…
「守るって……言ったのに…!」
歪んだ唇から、痛恨の情が迸る。
「おれ……守るって、言ったのに……!」
必ず守ると約束した、たった一人の少女を守れなかった。
「ステラっ……ごめん…!」
守りたかったのに。もう二度と失わない為に力を手にしたのに。どうして?何故、こんな事が!?何も知らない、幼児の様に無邪気な少女が、何も知らないまま殺し、殺されるーー守られるべき儚い命が、戦争の道具として利用され、無残に失われるなんて事が?
ーーなんで!?
誰のせいだ?ーー“フリーダム”か?
確かに“フリーダム”はテロリストだ。軍でもないのに兵器を所持し…ユニウス条約破りの“フリーダム”を運用している。戦いたくないと言いながら自分達の言葉に従わない者に銃を突きつける。
“フリーダム”の【不殺】は有名だが…そんなものはクライン派やオーブが広めたものだ。確かに生き延びる事ができた者も居るが極少数だ。大半は宇宙で無力化したMSのパイロットは満足に撤退行動もとれずにエア切れで窒息するか無力化したMSをスコア稼ぎの為に利用している“フリーダム”の仲間に殺される。
だが、今回は“フリーダム”によって被害は抑えられた。恨むのは筋違いだとシンの冷静な部分が納得している。
なら地球連合軍か!?
信じていた…地球連合軍の中にも命を思いやる人物が居ると……だが、ステラは道具に戻された。ネオと呼ばれた男も…馬鹿な
確かにコレは戦争だ。だが、人としてのルールはある、超えてはならない一線は存在する。
それともコレは“運命”だとでも言うのか!!
彼女は確かに大勢の人間を殺した……けして許される事ではない。だから因果応報と…背後にいる者等…無理矢理戦わせられた事等どうでもいい、彼女は殺した。だから道具の様に朽ち果てろと…そんな運命があっていいのか!!?
様々な感情が入り乱れる…16歳の少年であるシンの精神がそれをコントロールできる筈もない……いや、シンの心は二年前に家族を失った事で深く傷ついていた。
やがて、多くの感情が混ざり合い…復讐の炎へと変わろうとしたその時……ステラの手がシンの頬を撫でた。
「!、ステラ!!」
ハッとしたシンはステラに呼びかける。目を開けたステラ…とても弱々しく彼女の命は今にも消えそうだった。
「シン……そんな……顔、しないで…」
「ステラ…」
「生きるって……難しいね…」
涙を流しながら…シンは叫ぶ。
「そんな……ふざけるな!……どうしてこんな!!」
そんなシンに微笑むステラ…
「シン…だけだった……ステラの為に泣いてくれる……怒ってくれる……優しくて温かいシン……だから…そんな怖い顔しないで……優しいシンがステラは一番………大好き」
「ステラ……」
ステラの言葉がシンの心に染み渡る。憎悪が少しづつ消えていく…
「ステラは……シンに…会えて良かった。……シンはステラと会って……良かった?」
シンは涙を拭い……優しい笑顔で言った。
「勿論だ……俺もステラに出会えて……良かった」
シンの言葉に満足した様に笑ったステラは首にかけていた、淡いピンク色の貝殻のペンダントをシンの手に持たせようとした。シンはその手を握った。
「ありがとう……シン」
そう聞こえた時…ステラの手は力を失い、地面へと落ち。ステラは瞼を閉じ……永遠の眠りについた。
「……………っ!あああああああああ!!!」
理解してしまった……ステラは死んだのだと、二度と戻って来ないのだと……再び憎悪の炎が燃えだすが…不思議とそれをコントロールできた。
「……憎いよ…君を死なせた奴等を俺は許せない」
復讐は何も生まないなんて理念の為に国民を犠牲したアスハの様な事は言わない。
「だけど……そんな俺を君は見たくないんだろ?」
復讐に走る自分を彼女は見たくない…それを理解した。復讐よりも彼女の思いを大事にしたかった。シンの手には貝殻のペンダントがあった。
「俺は生きるよ…君の分も生きて戦うよ……君の様に戦争の道具にされる人を…俺と同じ思いをする人を一人でも減らす為に…!!だから…見守って居てくれ…!」
ペンダントを握りしめながら…復讐の代わりに決意を胸に宿す。
これは自由を掲げるテロリストの物語ではないーー
ーーこれは運命を切り開く英雄の物語。
END
次回予告
語られる真実…ロゴスを討て!人々が夢に向けて熱狂する中届けられた命令…“エンジェルダウン作戦”…彼等は敵じゃないと叫ぶアスランはシンに決闘を申し込む。
だが、シンの目には迷いはなく、強い決意があった。
次回・機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【運命の衝撃】
強き決意と共に翼を得て…飛び立て、デスティニーインパルス!!