いや〜パッケージめちゃめちゃカッコいいですよ!
是非、レジェンドもリメイクしてほしいですね〜
あの惨劇から三日、廃墟と化したベルリンにはザフトの増援部隊が到着し、救助活動を開始していた。ーーあの巨大MSによって焼き払われた都市は、地獄もかくやという場所と化していた。“ミネルバ”は現在これまでの戦闘の補修を受ける為ベルリンに留まっていた。
「しかし、ひどいものだわ……」
ミネルバ艦長、“タリア・グラディス”は艦橋窓の外に広がる焦土を見渡しながら、苦く吐き捨てた。副長である“アーサー・トライン”の顔も重く沈んでいる。
「むちゃくちゃよ、地球軍は!」
「そうですね……」
自分達は何をしているのか、そう思わずにはいられない……そんな気を紛らわすかのようにアーサーが話を変えた。
「そう言えば……シンは随分変わりましたね」
「そうね……」
あの戦い以降…シンは変わった。今までの行動の謝罪をしに来た時はタリアとアーサーは開いた口が塞がらなかった。免除になった処罰を受ける為、今は清掃活動等の雑務を行っている。
「なんかこう……大人になったと言うべきか……成長したと言うべきか」
「成長ね……」
タリアは察した……あの“デストロイ”のパイロットはあの少女だと……そして死んだと言う事を……
「誰かの死は残された者を変えるには十分過ぎるわ…」
タリヤが呟いたその時…
「艦長、デュランダル議長が“プラント”から緊急メッセージを!」
突然のメイリンの報告に、タリアとアーサーは「え?」と振り返った。モニターを見るとデスクに座したデュランダルの端整な顔が映し出される。
《皆さん、私は“プラント”最高評議会議長、ギルバート・デュランダルです…》
「あらゆるメディアを通し、全世界へ向けられています」
「ええっ?」
アーサーがわけのわからない顔になる。タリアも不審に思いながら見る。
《プラントと地球間で戦争状態が続いている中、突然このようなメッセージをお伝えすることをお許しください。ですが、お願いです……どうか聞いていただきたいのです》
ひとまずタリアはアーサーに命じる。
「艦内に流して。各員、可能な限り聞くように、と」
《私はどうしても皆さんに知って頂きたいのです!こうして未だ戦火の収まらぬわけ。そもそも、またもこのような戦争状態に陥ってしまった本当のわけをーー》
艦内にもデュランダルの声が流れ始めた。作業をしていたスタッフが手を止めて。その声を聞く。
部下であるルナマリアと話し合っていたMS部隊の隊長、アスランも驚いてモニターのあるレクリエーションルー厶に向かった。
《各国の政策に基づく情報の有無により、未だご存知ない方も多くいらっしゃるでしょう。これは過日、ユーラシア中央から西側地域の都市へ向け、連合の新型巨大兵器が侵攻した時の様子です》
レクルームには既に放送を見ようと集まったクルーが集まっていた。画面がデュランダルからベルリン戦の映像に切り替わった。
《この巨大破壊兵器は何の勧告もなしに突如攻撃を始め、逃げる間もない住民ごと3都市を焼き払い尚も侵攻しました》
侵攻する“デストロイ”は圧迫と驚異を出していた。
《我々はすぐさまこれの阻止と防衛戦を行いましたが…残念ながら多くの犠牲を出す結果となりました……》
艦内清掃を終えたシンもレクルームにやってきた。
《侵攻したのは地球軍、されたのは地球の都市です。何故こんなことになったのか。連合側の目的は【ザフトの支配からの地域の解放】ということですが……これが『解放』なのでしょうか?こうして住民を都市ごと焼き払うことが!?》
“デストロイ”と戦う“インパルス”の姿を見る。首にかけた貝殻のペンダントを握りしめ…
《確かに我々の軍は連合のやり方に異を唱え、その同盟国であるユーラシアからの分離、独立を果たそうとする人々を人道的な立場からも支援してきました。こんな得るもののないただ戦うばかりの日々に終わりを告げ自分達の平和な暮らしを取り戻したいと…戦場になど行かず、ただ愛する者達とありたいと…そう願う人々を我々は支援しました》
《あの連合の化け物が何もかも焼き払っていったのよ………!》
《敵は連合だ!ザフトは助けてくれた!嘘だと思うなら見に来てくれ!》
被災者の人々が声を上げている。
《ーーなのに和平を望む我々の手をはねのけ、我々と手を取り合い、憎しみで討ち合う世界よりも対話による平和への道を選ぼうとしたユーラシア西側の人々を連合は『裏切り』として有無を言わさず焼き払ったのです!ーー子供まで!!》
デュランダルは、力いっぱいデスクを殴りつけ立ち上がる。
《何故ですか?何故こんなことをするのです!平和など許さぬと、戦わねばならないと!誰が、何故言うのです!何故、我々は手を取り合ってはいけないのですか!?》
その時、ピンクの髪を揺らして少女が姿を表した。“プラント”の歌姫、ラクス・クラインだ。彼女はなだめる様にデュランダルの腕に手をかけたあと、カメラに向き直る。
《この度の戦争は確かに私共コーディネイターの一部の者達が起こした、大きな惨劇から始まりました……》
涼やかな声に悲しみを滲ませ、少女が議長に代わって語り始めた。
《それを止め得なかったこと……それによって生まれてしまった数多の悲劇を、私共も忘れはしません。被災された方々の悲しみ、苦しみは今も尚、深く果てないことでしょう。それもまた新たなる戦いへの引き金を引いてしまったのも、仕方のないことだったのかもしれません……。ですが!このままではいけません!こんな討ち合うばかりの世界に、安らぎはないのです。果てしなく続く憎しみの連鎖も苦しさを、私達はもう充分に知ったはずではありませんか!?》
画面には今回の戦争で連合が“プラント”を攻撃した映像が流れる。繰り返される戦闘。
《どうか目を覆う涙を拭ったら前を見てください!その悲しみを叫んだら今度は相手の言葉を聞いてください!そうして私達は優しさと光の溢れる世界へ帰ろうではありませんか?ーーそれが私達全ての人の、真の願いでもあるはずです!』
再び議長が立ち上がり話し始める。
《なのにどうあってもそれを邪魔しようとする者がいるのです。それも、いにしえの時代から……》
《自分達の利益のために、戦え!戦え!とーー戦わない者は臆病だ、従わない者は裏切りだ!ーーそう叫んで常に我等に武器を持たせ敵を創り上げて、討てと指し示してきた者達。平和な世界にだけはさせまいとする者達。このユーラシア西側の惨劇も彼等の仕業であることは明らかです!》
《間違った危険な存在とコーディネイターを忌み嫌うあの“ブルーコスモス”も、彼等の創り上げたものに過ぎないことを皆さんは御存じでしょうか?》
《その背後にいる彼等ーーそうして常に敵を創り上げ、常に世界に戦争をもたらそうとする軍需産業複合体、死の商人“ロゴス”!ーー彼等こそが平和を望む私達全ての、真の敵です!》
画面には“ロゴス”のメンバーの写真が並ぶ…シンはデュランダルが何をしようとしたかわかった。
(戦うつもりだ……ロゴスと…)
《私が心から願うのはもう二度と戦争など起きない平和な世界です。ーーよってそれを阻害せんとする者、世界の真の敵、ロゴスこそを滅ぼさんと戦うことを私はここに宣言します!》
デュランダルにはやると言ったらやる凄みがあった。
《ですが、私だって名を挙げた方々に軍を送るような馬鹿な真似をするつもりはありません。“ロゴス”を討つというのはそういうことではない。ーーただ、彼等の創るこの歪んだ戦争のシステムは、今度こそもう本当に終わりにしたい。ーーコーディネイターは間違った危険な存在と、分かり合えぬ化け物と、何故あなた方は思うのです?そもそもいつ、誰がそう言い出したのです?私から見ればこんなことを平然と出来る“ロゴス”の方がよほど化け物だ!それもただ我々と戦い続けるためだけにやっている》
画面には、ロドニアのラボで得られたらしい資料が流れている。
《己の身に危険が迫れば人は皆戦います。それは本能です。だから彼等は討つ。そして討ち返させる。ーー私達の歴史はそんな悲しい繰り返しだ》
《戦争が終われば兵器は要らない。今あるものを壊さなければ新しいビルは造れない。畑を吹き飛ばさなければ飢えて苦しむ人々に食料を買わせることが出来ない。ーー平和な世界では儲からないから、牛耳れないからと、彼等は常に我々を戦わせようとするのです!》
《こんなことは本当にもう終わりにしましょう!我々は殺し合いたいわけではない!こんな大量の兵器など持たずとも人は生きていけます!戦い続けなくとも生きていけるはずです!歩み寄り話し合い、今度こそ
こうしてデュランダルの演説は終わった。暫く唖然としていたが……次々とデュランダルの言葉に賛同する声がレクルームから上がる。シンもデュランダルの確固たる意思を垣間見る。
(本気なんだ…議長は…人々を、世界を導こうとしている……争いのない世界にする為に……!)
「シン」
その時、シンに声をかける者が現れる。長い金髪の髪のシンと同い年の少年だ。
「レイ…」
彼の名は“レイ・ザ・バレル”…アカデミー時代からシンの親友だ。
「凄いな…議長は…世界を変える強い意思があった」
「そうだな……シン、司令部から新たな指令が下された……“ミネルバ”はこれより“エンジェルダウン”作戦…“アークエンジェル”撃破を支援せよと…」
レイの言葉を聞いた誰もが驚愕する特にアスランは耳を疑った。
「やっぱりな……」
だが、シンは予測していた様に落ち着いていた。
「“アレ”の許可は?」
「下りた……もはやユニウス条約は効力を失っているし“フリーダム”を倒すとなると“インパルス”の強化は必要だ……“フリーダム”と共にシミュレーションに組み込んどいた。何時でもオッケーだ』
「サンキューな…」
「気にするな…俺は気にしない」
笑みを浮かべながら話す二人にアスランが詰め寄る。
「シン!レイも何を言っているんだ!?」
「何をって。新たな指令の確認です」
淡々と答えるシンに強い口調で問い質した。
「何故、“アークエンジェル”を討つ事になるんだ!」
「決まっているでしょーーテロリストだからですよ」
シンの言葉にアスランは更に怒る。
「テロリストだと!」
「えぇ、正規軍でもないのに戦闘への無断介入、兵器の所持……テロリスト以外のなんだと言うのですか?」
「そ、それは……」
口籠るアスランにシンは語る。
「議長は“ロゴス”と戦う事を宣言した……奴等はその時に必ず介入する……そうなったら何が起こるかわからない…だから、早期に討つ必要がある」
冷静に答えるシンにアスランは、いや、レイ以外の誰もが驚く。
以前のシンなら突っかかってくるだろう……だが、今のシンには冷静さがあった。何より……シンのルビーの様な真紅の瞳には……決意があった。
アスランには今のシンがずっと大きく見えた。
「話は以上ですか?……今すぐと言う訳では無いが恐らく近い日に決行されるのは間違いありません。今すぐにでも対策を練らないといけないので失礼します…行くぞシン」
「あぁ…“アレ”にもなれなきゃあいけないし。“フリーダム”の対策も練らないとな」
シミュレーションに行こうとするシンとレイ……の前にアスランは立ち塞がった。
「キラも“アークエンジェル”も敵じゃあないんだ!!それを討つと言うのなら……俺に勝ってからにしろ!!」
「アスラン、いい加減に「別にいいですよ」…シン?」
「“セイバー”じゃなくて“ジャスティス”で来てください…“フリーダム”と戦うんだ……その方が都合がいい」
「なんだと……!」
「シミュレーションには“ジャスティス”もあります……俺は止まるつもりはない……」
シンの強い瞳に戸惑いながらもアスランは答えた。
「なら、力ずくでも止めるまでだ…!」
アスランの言葉を聞きながらシンはレイと共にシミュレーションルームへと行った。
次の日…シミュレーションルームには多くのクルーが集まっていた。アスランとシンの決闘……興味がない筈もない。二人は無言のまま、シュミレーターに乗り込む。
アスランが選ぶのは勿論、嘗ての機体…“ジャスティス”……前大戦で“フリーダム”と双璧をなす伝説的MSだ。
「シン…いくらなんでも“ジャスティス”に乗ったアスランには勝てないわよ」
ルナマリアがわかりきった様に言う。だが、現れた“インパルス”を見て、驚愕する。
“インパルス”はフォースとはまた違った青と白の機体配色で上半身のチェストフライヤーも通常とは異なっているが…何より目を奪われるのはバックパックのシルエットだ。
青い翼のスラスターに二つのビーム砲塔と対艦刀が付いている。
シュミレーターでシンは瞳を閉じ首にかけた貝殻を握りしめる。その時、シンの意識の中の【種】が割れた。再び開けた時、シンの瞳には光が消えていた。だが、恐ろしい程に頭は冴えていた。
「シン・アスカ、デスティニーインパルス……行きます!!」
シンの言葉に答えるように“インパルス”はツインアイを光らせ翼から青い光を放つ。
正義に運命の衝撃がぶつかる。
END
次回予告
彼等の道は自分達と同じだと言うアスランにシンは違うと語る。異なる道を歩む者同士が相まみえる時、選択肢は二つしかない。相手に道を譲るか…相手を押し退けてでも進むか……シンには押し退けてでも進む覚悟があった。
次回・機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【ジャスティスVSデスティニー・インパルス】
己の正義を穿け、シン!!