運命の英雄   作:DestinyImpulse

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二話・ジャスティスVSデスティニー・インパルス

「何?あの“インパルス”?」

 

 ルナマリアは現れた見た事もない“インパルス”の姿に驚愕していた。その時、レイが語る。

 

「アレは万能のシルエット・モジュール『デスティニーシルエット』を装着した最強の“インパルス”。ーーデスティニーインパルスだ。

ブラスト、フォース、ソードの特性を一つに纏め上げてMSの保有する火力を最大限に引き出せるよう設計された。……だが、様々な問題点を抱えている為に採用されずに終わった計画だが…“インパルス”専用艦とも言える“ミネルバ”にも一応あったんだ」

 

「デスティニーインパルス……」

「そうだ、総合的な性能なら“フリーダム”や“ジャスティス”にも劣らない」

 

 そう語るレイの視線は“ジャスティス”と鍔迫り合いをしている“インパルス”に向けられていた。

 

 

 

 

 

『くっ!?』

 

 アスランの心境は穏やかではなかった。見た事ない姿の“インパルス”の性能は核動力源の“ジャスティス”や“フリーダム”にも劣らない……何よりシンの攻撃には迷いがない……シンは本気だ…本気で“フリーダム”を…キラを討つつもりだ。

 

『どう言うつもりだ!!』

 

 “ジャスティス”が振るう「ラケルタ ビームサーベル」が“インパルス”に迫る。“インパルス”は「エクスカリバーレーザー対艦刀」をサーベルにぶつける。鍔迫り合いになり、周囲には閃光が奔る。

 

 アスランの言葉にシンは答える。

 

『決まっている!“フリーダム”を討つ!』

『アイツに討たれる理由なんて!!』

 

 “ジャスティス”の背部に装着されている、MS支援空中機動飛翔体「ファトゥム-00」に内蔵されているビーム砲「フォルティス」を放つ…“インパルス”は高い機動力で回避し距離を取る。

 

『彼等の道は俺達と同じだ!!』

 

 叫ぶアスランにシンは問う。

 

『ならなんで、アイツ等はオーブを再び焼こうとした!?』

『な!どう言う事だ!!』

『オーブとの戦いで介入してきたアスハは正しいと言うつもりか!オーブが軍を引いて連合を裏切ったらオーブはまた焼かれる!!そんな事もわからないのか!!』

 

 “インパルス”は背部に2基ジョイントした「テレスコピックバレル展伸式ビーム砲塔」を放つ。“ジャスティス”は辛うじて「アンチビームシールド」で防ぐが衝撃までは防ぎきれず吹き飛ばされる。

 

『くぅ!!』

 

 アスランから苦痛の声が漏れる。

 

『自分たちの行為の意味について考えず、持つ力をただただ振るい自分たちの行動の責任を棚に上げて、抵抗をやめない人々に責任を押し付ける!!』

 

 「エクスカリバー」を二刀構え“インパルス”は突撃する。

 

『そんな奴等と俺達の道が同じな訳ないだろ!!』

 

『くっ、この馬鹿野郎っ!!』

 

 アスランの頭の中で【種】が弾けた。【SEED】が発動したアスランは、近接戦闘では無敵のMSパイロットである。凄まじいスピードで突っ込んでくる“インパルス”を正確にとらえ、サーベルを連結、「アンビテクストラス・ハルバードモード」で斬りかかる。

 

『くっ!?』

 

 それは同じく【SEED】を発動させたシンと“デスティニーインパルス”でも十分脅威と言える攻撃だった。ギリギリ避けるが右肩の装甲が斬り裂かれる。

 

 だが、“インパルス”も負けじと「エクスカリバー」の柄尻部分で連結させ遠心力を加えた一撃で「アンチビームシールド」を粉砕する。

 

 

 ほぼ互角の攻防に見ている誰もが息を呑む。

 

『戦争はヒーローごっこじゃない!!』

『今のアンタからそんな言葉を聞いても何も響かねぇよ!!』

 

 叫ぶシンだが、冷静に状況を把握していた……このままでは負ける……その理由は、デスティニーシルエットの欠点。火力に優れるビーム兵装が多いが故の膨大な電力消費が発生する。そのせいでまだ10分しかたっていないのにエネルギーが半分きっている。

 

 “ジャスティス”や“フリーダム”は核動力源なのでエネルギー切れを起こさない。持久戦は圧倒的不利だ。

 

(一気に勝負を決める!!)

 

 シンは覚悟を決め“インパルス”を動かす。“インパルス”は「テレスコピックバレル展伸式ビーム砲塔」を放つ“ジャスティス”も「フォルティス」を放つ。二つの強力なビームはぶつかり合う。激しい閃光を放つ。

 

『うおおおおおおおおっ!!!』

 

 閃光が消えた時、“インパルス”が最大出力で突っ込んできた。翼が開かれ、青い光が広がる。翼状に展開した高機動スラスターから放たれるビームウイングは【光の翼】と呼ばれ【ヴォワチュール・リュミエール】と呼ばれるシステムを搭載しており最大出力ならば“フォースインパルス”はおろか“フリーダム”すら超える機動とスピードを手に入れている。

 

『シン!!』

 

 “ジャスティス”もサーベルを振るうが虚しくも空を切る。“フリーダム”すら超える機動とスピードに“ジャスティス”すらついていけない。

 

『なっ!?』

『俺はステラの死に誓った!命を……花を…吹き飛ばさせないと!吹き飛ばす奴等を絶対に許さないと!!』

 

 “インパルス”は両肘につけられたビームブーメラン「フラッシュエッジ」を抜き、“ジャスティス”の両肩に突き刺す。

 

『ヒーローごっこと呼びたければ好きにしろ!!』

 

 そのまま、「エクスカリバー」を“ジャスティス”の胸に突き刺しもう一刀で頭部を切り裂き突き刺した一刀と連結させる。

 

『それでも、これがーー!!』

 

 突き刺したまま左腰まで一気に切り裂きそのまま、背を向ける。

 

『ーー俺の正義だ!!』

 

 その叫びと同時に“ジャスティス”は爆破…“インパルス”のツインアイが強く輝いた。

 

 

 シミュレーションは終了……“インパルス”の勝利が表示された。

 

 

「本当に勝っちゃった…」

 

 唖然とするルナマリア達…シュミレーターから降りてきたシンは大量の汗を流し大きく息をしていた。そんなシンにレイはスポーツ飲料を渡す。

 

「見事だシン。“ジャスティス”に乗ったアスランを倒すとは…流石だな」

「ハア…ハア………サンキュー」

 

 

 これを見たミネルバクルーはある確信ができた。“フリーダム”撃破はけして夢物語ではないと……

 

 

  

 

 

 同時刻

 

AWACS○○六(エイワックスマルマルロク)より入電!セクション・スリーポイント一八三六(ヒトハチサンロク)不明艦(アンノウン)ーー“アークエンジェル”です」

 

 山間を渦巻き、駆け上がる吹雪にその巨体を隠すように、コンプトン級地上戦艦が停止していた。そのブリッジに上空を哨戒していた偵察用(AWACS)“ディン”からの報告が届く。陰気な顔つきのウィラード隊長は、満足げに唸った。

 

「やはり動いたか!」

 

 彼が率いるウィラード隊は、ある特殊な任務の為にユーラシア西部の山中に身を潜めて、偵察機からの報告を待ち受けていたのだ。

 

 特殊な任務ーーそれは、“アークエンジェル”の捜索。

 

 オーブから姿を消し、神出鬼没のかの艦はその足取りをこれまでほとんどつかませなかった。しかし先日の議長の放送に誘発され、必ずオーブに向かう。そう予測した司令部が、ウィラード隊にベルリンから海岸線に至る地域を哨戒させたのだ。

 

「司令部へ報告。ーーそれと、データベースを直しておけ」

 

 とたんに活気を帯びたブリッジにウィラードの指示が飛ぶ。

 

「アレはもはや、不明艦(アンノウン)ではないーー敵艦(エネミー)だ」

 

 

 “エンジェルダウン”作戦がいよいよ始まろうとしていた。

 

 

END

 

 




次回予告

 遂に始まる“エンジェルダウン”作戦……荒れ狂う吹雪の中、衝撃の名を持つガンダムは勝利の聖剣を握り空を飛ぶ。

 勝つのは“フリーダム”か“インパルス”かーー


次回・機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【エンジェルダウン作戦】

 勝利を約束する聖剣をーー叩き込め、デスティニーインパルス!!








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