運命の英雄   作:DestinyImpulse

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お気に入りが100人を超えました!ありがとうございます!!

 それにしても感想が荒れてきました……アンチは難しいですね……


四話・星を駆ける

「シン!やったな!」

 

 着艦した“デスティニー・インパルス”に、技術スタッフ達が駆け寄った。シンの友人のヴィーノやヨウランが満面の笑みを浮かべる。

 

「凄いよ!スーパーエース!」

「もう、敵なしだな!!」

 

 ラダーで降りてきたシンを皆の拍手と激励が迎える。ルナマリアもシンに駆け寄り、賞賛する。

 

「凄かった!あんな戦い方ーービックリしちゃったわよ!」

「……あぁ、ありがとよ」

 

 皆の言葉を胸に刻みながらシンは笑みを浮かべる。その時、レイが進み出て手を差し伸べる。

 

「よくやったな、シン。見事だった」

 

 シンは強くその手を握りしめる。

 

「ありがとう、レイのおかげだ」

「……やり遂げたのはお前だ」

 

 お互いに笑みを浮かべる。その時、アスランが近づいてきて。

 

「この…馬鹿野郎!!」

 

 周囲の空気が凍りつく……アスランがいきなりシンを殴ったのだ。

 

「ちょっと大丈夫!?アスラン、いきなり殴るなんて、どういうつもりなんです!!」

 

 慌てて駆け寄るルナマリア…レイが怒りの形相でアスランを睨む。

 

「アスラン!今の行為は理不尽だと私は思います!!」

「うるさい!!」

 

 アスランと対面するレイ……立ち上がったシンはレイを止め、アスランの前に出る。

 

「殴った事については何も言わないですよ……いくらテロリストでもアンタの友を討ったんだ……」

「…キラは…お前を殺そうとはしていなかった!何時だってアイツはそんな事…!それをお前は…!何が敵だっ!!」

 

 アスランの叫び……それを受け止めながらもシンはハッキリと答えた。

 

「………言っておきますが…“フリーダム”はコクピットを狙ってきました」

「!?、デタラメを言うな!!」

「信じるも信じないもアナタの勝手ですが……アレは敵だ」

 

「シン!!」

 

 またもアスランの血が逆流する。考える間もなく再び殴りかかるが…

 

「一発目は甘んじるさ……だがな、それ以外は別だ!」

 

 それを受け止めたシンの拳がアスランに突き刺さる。

 

「グハッ!…シン!!」

「アスラン!!」

 

 二人がぶつかり合うその時…

 

「どう言う事なの!これは!?」

 

 タリアがブリッジに居た皆を連れてやって来た。そしてアスランは気づく…周囲の皆が白けた表情で見ていた。孤立感を覚えたアスランはその場を離れた。

 

「ア、アスランさん…!」

 

 メイリンの引き止めも意味をなさず…何とも言えない空気が流れていた。空気を入れ替える為にタリアがシンを賞賛する。

 

「おめでとう、シン」

「ありがとうございます」

 

 落ち着きを持って答えるシン…タリアはタブレット端末をシンに向ける。

 

「ある方が貴方と是非、話をしたいそうよ…」

「ある方でありますか…?」

 

 疑問に思うシン…端末に映ったのは……

 

『おめでとう…シン・アスカ』

「ぎ、議長!?」

 

 驚くのも無理はない……今、自分に話かけているのはプラント最高評議会議長…“ギルバート・デュランダル”なのだから……周りも絶句する中、デュランダルはシンを賞賛する。

 

『初めてあった時より…ずっとたくましく見えるよ。よっくやってくれた………この作戦は成功だ!』

「あ、ありがとうございます!」

『“フリーダム”の撃破……この多大なる功績を称え…私は君に…“フェイス”の称号を与えたいと思う』

 

 シンを含めた全員が驚愕する……“フェイス”を持つ者は艦長であるタリアやアスランしかこの“ミネルバ”には居ない。

 

「自分が…で、ありますか?」

『あぁ…どうかそれを誇りとし、今この瞬間を裏切る事なく、今後もその力を尽くしてほしい…』

「……………分かりました。ベストを尽くします!」

 

 仲間達のあたたかい拍手が包み込む。デュランダルは満足そうに頷くと…今後の話をする。

 

『“ミネルバ”の皆もよくやってくれた。このまま、ジブラルタルに向かってゆっくり休んでくれ』

 

 デュランダルからの通信が切れる。ヴィーノやヨウランがシンを称える。

 

「“フェイス”だって!凄いよ!」

「ホントだぜ!!」

 

 仲間達が自分を称える……失った者は多い…だけど、今居る者達も居る事をシンは実感した。

 

「……ありがとう、皆…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数日、“ミネルバ”は“エンジェルダウン”作戦を終えジブラルタルへとやって来たのだ。ザフトの重要な拠点には多くの戦艦が集結している。

 

「“ミネルバ”所属、シン・アスカ、出頭いたしました」

 

 そしてシンはデュランダルに呼ばれジブラルタルのVIPルー厶に訪れた。微笑みながらデュランダルはシンを称える。

 

「よく来てくれた。改めておめでとう、実に見事だ」

「ありがとうございます!」

 

 渡された“フェイス”の徽章を受け取りシンは敬礼する。だが、シンはどうしてもデュランダルに聞きたい事があった。

 

 

「あの…」

「ん、何かな?」

「この戦争が終わったら…議長はどうするおつもりなのですか?ロゴスを討てば確かにしばらくは平和になるでしょう。しかし、それでは…」

「君の言いたいことは分かるよ。いくらロゴスを討ったとしても、時間が経てば世界はまた新たなロゴスを生むだろう………だからまずナチュラルとコーディネイターの溝を無くそうと考えている」

「溝をですか?」

「うむ、コーディネイターはナチュラルよりも能力が高いが、ナチュラルの全てがコーディネイターに劣るわけじゃない……それを明確にしプラントと地球の交流が活発になることで、平和をもたらす……誰もが皆、幸福に生きられる。私は是非ともそんな世界を創り上げたいと思っているのだよ」

    

 デュランダルの目は本気だった…必ず創り上げてみせる……そんな決意で溢れていた。

 

「そうですか…ありがとうございます」

「かまわないさ……ただ、私からもいいかね?…何が君をそこまで成長させた?」

「…………既にご存知でしょうが…俺は彼女を救えませんでした……」

「……ステラと言う少女かね……」

「えぇ……ステラの死に俺は誓いました……もう二度と命の花を吹き飛ばさせないと…!!」

「君にとって……命とは花か…」

「えぇ…代わりなんてない、吹き飛んだらもう二度と同じ花は咲かない…俺はそんな花を守りたい…!」

 

 シンの決意に満ちた眼差し…暫く間を置いてデュランダルが口を開いた。

 

「シン……宇宙に行きなさい」

「宇宙にでありますか?」

「既に準備はしてある……花を守りたいと思う君に必要な物が其処にはある」

 

 

 

 

 デュランダルの言う通り既に準備は完了していた。MSも収納できる大型のシャトルで…準備を終えたシンを乗せた事でシャトルは宇宙に向けて飛び立った。

 

(必要な物……か)

 

 シャトルに乗り広がる星々を眺めながらシンはデュランダルの言葉の意味を考えていた。このシャトルにはシンが搭乗しこれまでのシンの戦闘データが詰まっている“コアスプレンダー”も積まれている。

 

 

 思考の海に漂うシンの意識は……シャトルを横切った緑の光で覚醒した。

 

 

「!?」

 

 MSのビーム攻撃だと判断したシンは操縦席に駆け寄り状況を確認する。

 

「何があった!?」

「シャトル前方に正体不明機が!!」

 

 操縦士の言葉を聞き前方を見ると…ザフト系統に似たMSが三機がシャトルの行く手を遮っていた。

 

「ドム!?」

 

 シンはその機体を知っていた。元々はザクやグフ等と同様、ザフトの次期主力MS選定コンペティションにおける次期主力機候補の一つであったが、操作性に難があり、パイロットに高い練度が必要となることから、諸々の事情により制式採用に至らなかった。“ドム”と言う機体だ。

 

 

『聞こえるかい!シャトルを放棄しな…そうすれば命までは取らないよ!!』

 

 聞こえてくるのは三十路辺りの女性の声だった。シャトルに積まれている“コアスプレンダー”を渡す訳にはいかない……

 

「クソ!“インパルス”があれば!!」

 

 だが、此処には“インパルス”は無い……必死に打開策を考えるシンに操縦士が声をかける。

 

「このシャトルにはプラントに輸送予定のMSがあります!これなら!!」

 

 操縦士が機体データをみせる。シンは目を見開いた。

 

「これは!?」

 

 

 

 

 

『どうやら渡す気はないらしいね…』

 

 “ドムトルーパー”のパイロット…ヒルダが放棄する気はないと判断した。

 

『そうみたいだな』

『なら、力ずくだ!』

 

 ニ機の“ドム”のパイロット…ヘルベルトとマーズもそう判断する。ヒルダはシャトルにビームと実体弾の双方が使用可能の大型バズーカ砲。「JP536XギガランチャーDR1 マルチプレックス」を向ける。

 

『全てはラクス様の為に!』

 

 そう言って引き金を引こうとしたその時…放たれた一筋の光がバズーカを撃ち抜いた。

 

『なっ!?』

 

 慌てて爆発するバズーカを手放す。

 

『なんだ!?』

 

 ヘルベルト達も驚愕し…ビームが放たれた方向を見る。其処には……

 

 

『クソ!あれを……“ガイア”を動かせるパイロットが居たってのかい!!』

 

 吐き捨てるヒルダの視線はシャトルに積まれており強奪予定のセカンドステージMS……“ガイア”に向けられていた。

 

 

 その“ガイア”のコクピットにはシンが搭乗していた。プラントに輸送予定だった“ガイア”があった事に驚愕したシン……かつて、地球連合軍に強奪され。ーー彼女…ステラの搭乗機でもあった“ガイア”…シンはペンダントを握る。

 

『ステラ……力を貸してくれ』

 

 

 シンの【種】が割れる。

 

 

『シン・アスカーー“ガイア”…行きます!!』

 

 

 “ガイア”のツインアイが輝く。漆黒のガンダムは三機の“ドム”に突撃する。

 

 

『チィ!だが、それはラクス様に捧げる物…渡してもらおうか!!』

 

 ヘルベルトの“ドム”がバズーカを放つが“ガイア”には当たらない…返しに放たれたビームを慌てて腕に装備されている光の盾で防ぐ。

 

『ビームシールド!…かなりの改造がされている…』

 

 セカンドステージにすら装備されていないビームシールド…例外で“デスティニー・インパルス”には装備されているが消費が激しく、使用しなかったのだ。それを惜しげもなく使用している…

 

『核でも動力源にしてるのか?』

 

 シンが考察する中、ヒルダは並の相手では無い事を悟る。

 

 

『どうやら、できるようだね…アレで行くよ!!』

 

 ヒルダの“ドム”が前線に出て。ニ機の“ドム”も後ろにつき縦一線のフォーメーションで“ガイア”に迫る。

 

 

『『『ジェットストリームアタック!!』』』

 

 

 “ドム”の胸部に装備されている…「G14X31Z スクリーミングニンバス」が作動する。これは高エネルギー粒子を放散し、攻性の防御フィールドを展開する装備でこの粒子はビームライフルなどのビームと同じ性質を持ち、触れる物質を破壊する。

 

 

 “ガイア”のビームをものともせずに突っ込んでくる、三機の“ドム” …先頭に居る、ヒルダの“ドム”が「強化型ビームサーベル」を“ガイア”に振り下ろすその時…

  

 

『ナメるな!!』

 

 

 “ガイア”は四足歩行の獣型に変形…近くを浮遊していたデブリを足場にジェットストリームアタックを回避する。

 

『デブリを踏み台にした!?』

 

 驚愕するヒルダ…そのまま“ガイア”は今度は別のデブリを踏み台にして後方のヘルベルトの“ドム”に後ろから飛びかかる。

 

『背部なら!!』

 

 慌てて後ろを向こうとするが…遅い。背面の姿勢制御ウイング前面に展開されるビームエッジ「グリフォン2ビームブレイド」を展開…すれ違い様にヘルベルトの“ドム”を切り裂いた。

 

『ヘルベルト!テメエ!!』

『待ちな!マーズ!!』

 

 仲間を殺られて激怒したマーズがヒルダの静止を無視して“ガイア”にバズーカを向けるが……

 

『遅い!!』

 

 居合切りの要領で両腰部にマウントされている「ヴァジュラビームサーベル」を抜き取り…腕ごとバズーカを切り裂いた。

 

『そ、そんな!!』

『これでーー終わりだ!!』

 

 慌てて「スクリーミングニンバス」を展開しようとするが…それより先にビームサーベルが“ドム”のコクピットを貫いた。

 

 

『ヘルベルト!マーズ!』

 

 一瞬の内に二人の部下を失ったヒルダは唖然とするが“ガイア”がライフルを向けて我に帰る。このままでは殺られる…仇を取れないと悟る。

 

 

『くっ…!覚えておけ!!』

 

 憎しみを抱きながらヒルダは撤退する。シンは追う事はせずに避難させたシャトルに連絡をいれる。

 

『戦闘は終了した…無事か?』

『はい…お陰様で!また来るかもしれません……急ぎましょう……“アーモリーワン”に!!』

 

 

 

 “アーモリーワン”…それはこの戦争の始まりの場所…そこには…背部に大きな翼を持ち、その顔には命が散る事を悲しむかの様に血涙の流す一つのMSが眠っていた。…選定の剣の如く…自分に相応しい英雄が来る時を夢見て…

 

 

 

 

 

END

 

 




次回予告

 シンが宇宙で戦闘を繰り広げている時…ジブラルタルではある事件が起きていた。それは、アスランがMSを奪い脱走したとの事……その時、前大戦で伝説となった力が目覚める。

次回・機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【運命を継ぐもの】

 夢の為にーー目覚めよ、レジェンド!!

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