千の貌の一つが零れ落ちる、少女が手を取るその意味は

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書いてみたいものの導入部分



解脱のアヴァターラ

 こと恋愛に関しては、人も動物も変わらないそうだ。

 人間であれば、気に入ったものに求愛をし、了承をしてもらえれば晴れて恋人だ。

 まぁ、断られても強引に迫る者もいるのが現実ではあるのだが。

 

 まぁ、何が言いたいのかというと。

 

――神と呼ばれる者、その中でも邪神と呼ばれる存在でも、恋という物をするらしい。

 

「さて、今日はどうするのかな? 我が愛し人よ」

 

「さぁ、どうしようかな」

 

 これは、千の貌の化身の一体が一人の少女のために自立した物語。

 

 

 

 

 

 

 

 声がする、声がする、声がする。

 男だ。女だ。老父だ。老婆だ。芸術家だ。音楽家だ。科学者だ。魔法使いだ。機械だ。

 私はその中の一人? いや一つ? どれも違うのだろう。

 なぜなら私には顔がない、聞こえてくる声全てが私の声であり、聞こえてくる顔がすべて私の顔である。

 それに例外はなかった。

 そこに例外はなかった。

 なぜならそれこそが私という存在だからだ。

 人間と呼ばれる種族は私をこう呼んでいた。

 千の貌を持つの、チクタクマン、腫れ女、ナイ神父、顔のないスフィンクスなど、ほかにも様々な呼び名があった。

 だがどれも私ではない、どれもこれも私だというのに私ではないというのはいささか変だが、私ではないのだ。

 ああ、どうして私は私でない。

 誰か私に”私”を与えておくれ、私は私で居たいのだ。

 この無数の私の中で、唯一の私を与えておくれ。

 ああ、与えてくれたなら、私を与えてくれたなら、私はなんだって行おう。

 

 王になりたいというならば王にしよう。

 女が欲しいなら連れてこよう。

 金が欲しいなら持ってこよう。

 世界を滅ぼしたいのなら滅ぼそう。

 世界が欲しいなら与えよう。

 

 ”私”は無数の私の中で、那由他の果てまであり続ける。

 私が私を得る事ができるその日まで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢の中で、誰かの声を聴いたような気がした。

 馬鹿みたいに聞こえてくる声々の中、必死に叫ぶ声だった。

 男か女かとかは、わからなかったけれど、とにかく必死だということはわかった。

 

 まぁ、だからどうしろという話なのだけど。

 

 身を起こし、両の腕を天井へと向けながら固まった背筋を伸ばす、すがすがしい朝のひとときだった。

「ねむい……」

 夢の中で聞こえてきた声のせいで、昨日はよく眠れなかった。

 おかげでまだ眠い……ベットが二度寝の誘惑をかけてくるが、起きなければならない。

 ベットから体を下し、着替え始める。

 寝巻脱げば、朝の冷えた空気で身を震わせながら着替えていく。

「今日は体育だっけ……」

 学校の時間割を見て思い出す、鞄へ体操服を詰め込みながら朝の身支度を終えて一階へと降りてく。

 階段を下りていくと、朝食の匂いが鼻へと入ってくる。

 一階のリビングにつくと、洗い物をする母さんと新聞を読んでいる父さんがいた。

 今日の朝のメニューは味噌汁とごはん、それときんぴらごぼうなど日本人らしい朝食がテーブル並んでいた。

 

「おはよう」

 

 テーブルで新聞を読みながら父親が朝の挨拶をしてくる。

 私は父さんに挨拶を返しながら、父さんの前にある椅子を引いて座る。

 父さんはどうやらもう、朝食を食べ終わっているようでお茶を飲みながら新聞を読んでいる。

「いたただきます」

 初めに味噌汁を手に取って口へと運ぶ、口に広がる味噌とにぼしの出汁がいい味を醸し出している。

 味噌汁を置いて、きんぴらごぼうの触感を楽しんでいると、テレビからニュースが聞こえてきた。

 

『次のニュースです。 近頃、■■県■■市で若い女性が行方不明になるという事件が多発しています。 行方不明になっているのはいずれも高校生で女性で、警察は捜査を続けていますが、いまだに犯人の目星はついていないそうです』

 

「最近物騒ねぇ」

 

「そうだな……■■、お前も気を付けるんだぞ」

 

 父さんと母さんは私を心配心配してそう声をかけてくる。

 私は、はいと返しながら。 朝食を食べ終えて、二階の自分の部屋に鞄を取りに戻った。

 

「……?」

 

 部屋に戻ると、”ナニカ”違和感を感じた。

 いつも通りの自分の部屋、毎日一度は必ず見る部屋で感じる違和感とは何だろうか、椅子の位置? ベットにかけられているシーツの色? 窓が開いている? どれも違う。

 致命的にナニカ違和感を感じているはずなのに、まるで普通であるような……

 

――ソレハマダダヨ?

 

 

 

「……あ」

 

 ふと時計を見れば、時間はもうぎりぎりでもう出なければならない時間になっていた。

 鞄を持って急いで会談を下り、玄関を開けて外へと飛び出した。

 

「いってきます」

 

――ハジマリ、ハジマリ

 




続きを書きたいけどネタがない

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