スマホだと閲覧し易くなったはず。
熱く燃え盛る炎と辺り一帯に鳴り響く重みのある轟音。
そこには一人の兵士が物陰で俯いていた。
彼は深緑の死神と呼ばれており、敵味方共に恐れられている。
武装は4つ。近距離装備として双剣と拳銃。中距離装備として小銃を一丁。長距離装備として狙撃銃を一丁。
どれも特注の武器で異名持ちしか使用することは許されない。
そんな深緑の死神にも限界が訪れていた。
いくら死神と呼ばれていようと結局は人間であり、休みを取らずに魂を狩り続けるのは無茶というものだ。
それをこなし続けた結果どうなるか。
脳が正常な判断をできなくなり、ほかの器官もまともに働かなくなる。
戦場にてそんなことが起きるということ、即ち“死”に繋がる。
全ての兵に恐れられし死神にもついに終焉が訪れるのだ。
しかしそれを悲しむものはこの世にもういないのだろう。
何故かというと、彼の知り合いや
幸いなことに彼には愛する者がいなかった。
だからこそ雑念を抱えず無心で死神のように血を浴び、魂を狩り続けることが可能だったのだ。
無心でも自我がなかったわけではない。
彼の性格を一言で表すと、陽気でポジティブ。
気持ちの切り替えが早いことが有名でそれも相まって死神の時のギャップが凄すぎるのも恐れられている理由の一つだ。
彼の階級は准佐で短期間で上り詰めたという。
今回発生した大陸間戦争はユーラシア軍と連合米軍+鳳凰軍(日本軍)のぶつかり合いで鳳凰軍は米軍の助っ人として参加した。
米軍と鳳凰軍の外交レベルは世界最高とされており、戦争には絶対に両軍にて参加するという条約を作るぐらいである。
しかし、鳳凰軍に参加している兵士の数はごく少数であまり訓練のいきわたっていない新兵だらけの状態である。
そんな中死神もとい、
訓練をそつなくこなし、すぐにものとしていく。
彼にとって軍人とは天職と言っても過言ではない。
鳳凰軍は大陸間戦争にて最初はユーラシア軍を圧倒的ではあったものの継戦能力は低かったために持久戦で次々と兵士が倒れていった。
かつての大和魂は完全に消え去ったと言ってもいいだろう。
結局生き残ったのは彼一人。
最後に散るのが一人のみで、それが鳳凰軍の終焉なのだ。彼にとって寂しさ以外のものはない。
自分の思い出が詰まったこの組織が残りの少ない自分の魂と運命を共にするのだ。
こんなに理不尽なことはあるだろうか。
しかし、彼は最期まで涙を流さなかった。
「鳳凰軍の足搔きというものをご覧に入れよう」
彼はそう言って大群に向かって微笑を浮かべて突撃を開始した。
後に彼の姿を見たものはこの世ではいない。
准佐:鳳凰軍独自の階級で大尉と少佐の間の地位で二つ名持ちしかなれないよ。