特殊能力の世界移動と称号の深緑の死神とか完全に忘れてた。
島に戻ってから気づいた。
陽が傾き始めていて、腹が空いていた。
遂に腰に付いている謎アイテムNo.1である無限食糧を使う時が来た様だ。
ポーチを開けると中が見えない。
闇といえばそうなのだが、モヤがかかった様な感じである。
試しに指を突っ込んでみるとポーチの底より深く指が入っていた。
もう少し指を進めるとグチュッとしていてプニプニの肉の様な感覚があった。
「戦闘食糧(?)の割に水分があるな...。いっそのこと手を突っ込んでみるか」
一回引き抜くと指が粘液でテラテラとしており、指を開くと糸を引いているのがわかる。
匂いはポン酢で味もポン酢だが、粘液の色は透明という不気味さを感じさせるものだった。
粘りの強さは和布蕪並で不快感は無かった。
手を突っ込んで形を確認しようとしてポーチの中で手を動かした。
ポーチ内からグチュグチュと水音が鳴り、なんとかして形を確認しようとしたが全容は分からなかった。
ただ、よく二次エ◯画像でみる滑らかな触手の様なイメージを持った。
掴もうとしてギュッと力を入れると微妙に滑るがポーチから引きずり出せた。
そして俺は呆然とする。
引きずり出したモノはイメージ通りの粘液でテラテラしたグネグネと蠢くピンク色の触手だった。
そして思った。
[こ れ に 齧 り 付 け と ?]
恐る恐る触手を掴んでいる左手を離してみる。
手を離してもこちらを襲う様子は無い。
ポン酢の匂いのする粘液でテラテラしたグネグネと蠢くピンク色の触手は卑猥な水音を立てながら佇んでいる。
そして思った事が口に出る。
「これは、食べられるのか?食べて良いものとは思えなぶっ!?」
疑問を口に出していると触手がにゅぷっと口に入って来た。
しかし奥に入っていく事は無く、口の入り口あたりで待機している。
これは食ってみろという事だろうか。
このままの態勢でいても触手から粘液が垂れて来そうなので、意を決して触手の先端部分を噛みちぎる。
ブチュッと触手がちぎれるが、瞬きをしたと同時に生えて元通りになる。
口内での触手の感触はやはりヌルヌルしているが味はポン酢につけた...なんだこれ?
味が食べ物の味として例えられないが、とにかく美味しいという事がわかった。
触手は俺が美味しいと思ったら、グネッと喜びを表す様な動きをした。
飲み込んで安全だと分かると、両手で触手を掴んで口に持っていく。
絵面は不健全だがこれは食事だ。
誰がとやかく言おうと食事なのだが、少しムラッとしてしまったのは言うまでもない。
自分はまともな考えが出来ないのか。
なぜ食糧が触手なのか。
触手ってよく考えたら愛玩動物なのに...。