ISの世界にマブラヴ好きが転生   作:ビーツー

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仕事中に内容を考える毎日です。





8話 二回目の実戦

 

 

『試合終了。勝者―――セシリア・オルコット』

 

「『え?』」

 

負けた? どういうことだ?

 

『両者ピットまで戻るように』

 

疑問で頭がいっぱいながらもAピットに戻る。

 

 

 

  第三アリーナ・Aピット

 

 

 

 

ピット内は何とも言えない空気に満ちていた。

 

「英雄、残念だったな」

どこかに行っていたのか、ピットの入り口から一夏が入って来た。

 

「柏木」

「何でしょうか・・」 

 

腕を組んだ千冬さんが話しかける、

 

「敗因が知りたいか?」

「そりゃもちろん」

「なら、この機体に一番詳しい奴に聞け」

 

そう言った瞬間、ピット内のスピーカーから何かの雑音らしき音が聞こえた。

 

『あーあー、マイクテスマイクテス、聞こえているかい?』

 

その声は俺もよく知っている声だった。

 

『やぁ皆、富嶽重工業社長だ、

 試合は中継モニタで見させてもらったよ

 中継の許可ありがとね千冬君』

「・・・・」

『まぁ、ハッキングして見ようと思ったんだけど、

 こっちのほうが問題にならないからね』

「その内容を初めに話して頼みごとをするのは、脅迫に近いと思うんだが」

『嫌だなぁ、脅迫だなんて、これは列記とした交渉だよ』

「減らず口め・・」

『さて、千冬君に嫌われたのはいいとして、英雄君、君の敗因だったかな』

「おうそれだよ、何なんだ?」

『シンプルに言えば、被弾してシールドエネルギーが0になって負けたんだ、

 恥ずかしいぐらい典型的な負け方だね、一夏君の方がまだ面白かったよ』

「あ、ありがとうございます」

おい一夏、褒めてるわけじゃないんだぞ、たぶん。

「ぐぬぬ・・、でも、一撃ぐらいは耐えれそうな残量数だったぞ」

『まぁ、そうだったね、でも君の負けを導いたのは、誰でもない、柏木英雄、君だよ』

「何・・だと・・?」

ネタ抜きで言ったのは初めてだ。

『君の最大の敗因は、91式噴射跳躍システムのせいだ』

「ああ、ジェットエンジンとロケットエンジンを切り替えることで、

 加速性と、燃費向上を成功させたブースターだよな」

『概ねその通り、でももう一つ大きな特性を持ってたはずだ』

「緊急起動時のロケット点火だろ

 試合で使ったんだ分かってるに決まってるだろ?」

『それが敗因だよ、緊急起動時のロケット点火は、言わば常時瞬間加速状態って訳だ』

「そのせいでシールドエネルギーが消費されたのか

 でも、そんなこと聞いてないぞ!」

『聞かれなかったからね』

 

QBかっ!

 

『そして、ミサイルの爆風によって、シールドエネルギーは0になった訳さ」

「・・成る程な、理解できた」

「えーっと、ってことは英雄は、俺と同じような理由で負けたのか」

「無様だな・・」

 

ぐぐっ、何だこの集中砲火・・俺泣いちゃうぞ・・。

 

「後聞きたかったけど、ビーム攻撃食らったとき、

 すげーエネルギー減ったんだけど、理由とかあるのか?」

『君のISは極端にビーム兵器に弱くなっている

 その代わり実弾兵器には強靭な耐久力を誇るはずだ』

 

何とめんどくさい機体なんだ。

 

『後、最初の動き、うちでやった時よりも悪かったよ、

 そのくせ慣れると、調子に乗って熱くなる、完全に実戦不足だね

 剣道やってたんじゃないの?』

「ぐっ・・正直初めてISでの実戦で緊張と恐怖と浮かれがあったことは認める・・」

『自分の悪いところを認めれる人は成長できるよ、

 それじゃあ、仕事もあるし切るね』

最後に『じゃあね~』と言ってスピーカーからの音は無くなった。

 

 

「なんて言うか、良い人だな」

 

一夏よ、それはお前が鈍感だからそう思うんだ、

あいつの本性は楽しいか楽しくないかの両極端だ。

 

「まぁ、俺も経験不足だな

 それが分かっただけ、この戦いは勉強になった」

 

さて、反省点も出来たし、疲れたから帰って寝るかなぁ

帰ろうとピットを出ようとした瞬間、右肩を誰かに掴まれた。

 

「何帰ろうとしているんだ?」

「お、織斑先生?」

「お前は次の試合が残っているんだ、早くBピットに行け」

「でも、オルコットさんの二勝で決定じゃないんですか!?」

「データを取るためだ、お前も実戦はたくさん経験したいだろ?」

 

なんて顔だ・・社長のことを俺に八つ当たりってか?

 

「ま、まぁがんばろうぜ英雄」

「そうだな・・」

 

一夏の能天気ぶりがうらやましいぜ・・

 

 

 

第三アリーナ・Bピット

 

 

 

「あら、こちらに何か用がありましたの?」

 

ピットの椅子に座っていたのは、さっきまで戦っていたオルコットさんだった。

 

「やぁオルコットさん、次は一夏との戦いなんでね・・」

「織斑さんと・・、面白そうな戦いになりそうですわね」

 

面白そうかぁ? 正直辛いぜ・・

 

「柏木君、シールドエネルギーの補充をしたいからIS展開してね」

 

試合前にやってくれた整備班のリーダーらしき人がいた。

いつの間に・・。

 

言われるがままにISを展開し、整備の人が次々とプラグを挿していく。

 

「手間だし、そのままマウント装備させちゃうけど、どうする?」

「うーん・・」

 

一夏相手なら、遠距離で一方的に攻めたほうが有効だな、

なら、今回は遠距離メインで固めよう。

確かアレも開発されてな・・。

 

「それじゃあ、両マウントに87式突撃砲をお願いします

 あと、92式多目的自立誘導弾システムも積んでください」

「分かったよ、柏木君もエグイねぇ」

「勝つためですから」

 

ミサイルポッドとレーダーが肩部に取り付けられる。

一夏の雪片は食らいたくないからな、

でも、自立誘導システムの威力自体はそんなに無いんだよなぁ。

 

 

その後少し待ち、補充を完了させ、プラグを抜く。

 

「さて、行くとするか」

 

クレーンに掛かった87式支援突撃砲を右手に、左手には92式多目的追加装甲

今回は機動力よりも守りを重視した装備だ。

 

Aピット同様簡易カタパルトに固定される

 

『柏木君、問題ないですか?』

「・・はい、問題ありません」

『それでは、発進のタイミングは任せます、御武運を』

 

その言葉を聞いて発進しようとすると、

 

『柏木さん』

「何ですか、オルコットさん?」

『あんな終わり方は納得できませんので、また再戦を申し込みますわ』

「喜んで、俺も学ぶことが多かった」

 

さて、再戦とはありがたいことだ、俺もあんな終わり方は納得できんかったし。

 

そして、瑞鶴は前かがみになり出撃の体勢になる。

さっきはファーストだったし・・

 

「柏木英雄、瑞鶴Type-82C、出るぞ」

 

カタパルトを起動させ、再度俺は空に飛び立った。

 

 

 

 

 

   第三アリーナ

 

 

 

 

『・・・・』

「待たせたな」

『何だその装備・・』

「俺はお前には妥協しないことにした」

『昔からしてなかったような気が・・』

「渇ぁぁぁっ! そのようなこと今は関係ない!」

『なんかテンションおかしくないか?』

 

そうでもしないと持たないんだよ、精神的に・・肉体的に・・、

 

「さて、気を取り直して行くぞ」

『英雄も全力で来いよ』

「言ったな? 俺は最初からクライマックスだぜ!」

 

そう言って白式をロックする

そして試合開始のブザーが鳴った。

 

 

「避けきれるかっ?」

 

開始早々距離を取り、自立誘導弾を16発発射した。

発射されたミサイルたちは、一夏目掛けて白い白煙と共に迫る。

 

『うぇ!?』

 

変な声と共に必死で一夏が逃げるが、

その動きを見ながら、支援突撃砲で狙い、撃つ。

その弾は白式の足部に何発か命中した。

 

『っく、やるな』

 

よし当たってるな、命中率が上がっている、練習した甲斐があるもんだ。

 

「ほらほら、まだ終わらんぞ!」

 

残りの自立誘導弾を発射させる

16発は直上に発射され、ハイパーセンサーで補足した一夏を追っていく。

回避するため動き回っている一夏には脅威になっているはずだ。

 

『ちょっ、うわっ、どこまでついて来るんだよっ!』

真後ろには誘導ミサイル、逃げ回る一夏を射撃、

よしよし、いい感じに翻弄されているな、ダメージも確実に蓄積されているはずだ、

その動きを見て、照準を合わせて撃つ、

不規則な回避のせいか何発か外している。

 

「っち、外したか」

 

『俺だって、逃げてるだけじゃねぇっ!』

 

ミサイルの雨を掻い潜った一夏が雪片を構えて突っ込んできた。

 

「っ、意外と早いじゃないか」

 

後ろに飛び、追加装甲を構えながら撃ち、離れようとするが・・、

 

『うおぉぉぉっ!』

 

爆発的な加速で一気に間合いに入って来た。

 

「っ!」

 

これが瞬間加速か、侮れないな、

一夏が切りかかろうと刀を振り上げる――

 

―ガキンッ!―

 

鉄と鉄がぶつかり合う音が響いた。

 

「っぐぅ・・間一髪だ」

『簡単には切らせてくれないなっ!』

 

切られる瞬間、雪片を追加装甲で受け止めた、が、

コレで受け止めてもシールドエネルギーが大きく減った。

 

「そんなお前にプレゼントだっ!」

 

追加装甲で押し退け、吹っ飛ばした瞬間、ガラ空きになった一夏に、

マウントにある87式突撃砲を前方に向け、滑腔砲を連続で撃つ。

 

『ぐあぁぁっ!』

 

後ろに飛んでいく一夏に、支援突撃砲で追撃をかけるため、

吹き飛ばされて砂煙の中にいる一夏を狙い、連続で撃つ。

被弾していることがハイパーセンサーで確認できる。

 

『試合終了。勝者―――柏木英雄』

 

 

 

 

 

 

   第三アリーナ・Bピット

 

 

 

「ふぅ」

「お疲れのようですわね」

「まぁな・・オルコットさんはすげぇな

 俺は二連続でばてばてだ」

「代表候補生ですもの、当たり前ですわ」

 

慣れないことほど疲れるってやつか・・

 

「今回の戦い、悪くない戦いでしたわ

 先制を取りつつも、距離をおく点は評価できます

 ですが、射撃時の安定性の悪さがそのせいで目立っていましたわよ」

「成る程ね、俺も射撃の安定性は反省点だと思っている」

「そこさえ克服できれば、何ランクか上の戦いが出来るはずですわ」

「的確なアドバイスをありがとう」

「次の戦いで、無様な負けは見たくありませんしね」

 

なんだろうか、この学園に来てから、初めてこんなに初対面の女子と話したぞ

なんか・・感動だ・・。

 

そんな感動を噛み締めながら、Bピットを出て、シャワールームに向かった。

 

 

 

   シャワールーム

 

 

 

一気に冷水を浴び、頭を冷やす。

 

「ふぅ・・」

 

興奮が冷め、平常時に戻るような感覚、

すると、横の個室が開いて人が入って来た。

 

「!?」

「おう英雄もシャワーか」

「はぁ・・一夏か」

「俺以外がよかったのか?」

 

そんな誤解されそうな言い方はクラスでするなよ、絶対するなよ!

 

「女子が入って来たと思ってびっくりしただけだよ」

「成る程な、シャワールームも男用無いしな」

「男性用トイレもな」

 

教員トイレを使う羽目になるとは・・、

 

「まぁ、住めば都だ

 慣れていくしかないぞ」

 

あんな部屋でも慣れれば普通に生活できるしな。

 

その後少し沈黙が続いた。

 

 

「悔しいな・・」

「そうか、俺も負けて悔しい

 でも悔しいだけでは終われないぞ」

「ああ、努力して強くならないとな

 俺も英雄も」

「そうだな、 さて、俺はもう行くぞ」

「ちょっ、もう少し待ってくれよ!」

 

聞く耳持たん、俺は行く。

 

有言実行、シャワールームを出て、更衣室で制服に着替え、部屋に戻った。

慣れないISでの実戦で疲れたせいか、夕食も食わずに俺は寝てしまった。

 

 







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