自室
『さて、今日試した新兵装のことだったね』
「そうそう、データは送ってるはずだけど」
『うん、確認したよ
正直運が悪かったとしか言いようが無いね』
「やっぱり、空中での点火が原因だよな・・」
『そうだね、ミサイルに自機味方機識別機能は搭載されてるから
今回の、レーダーの被弾は運が悪かったのかな』
「それもあるけど、たぶん点火のタイミングの問題でもあるな
映像を確認すると、被弾したミサイルの点火は、レーダーの真横でだった
あんな場所での軌道制御は無理だろ」
『そうだね、なら
点火のタイミングは君にまかせるなんてどうだろう?』
「マニュアル点火ってわけだ
確かにそれもありだけど、それこそ事故が増えるんじゃないか?」
『そうかもね、なら、発射口が上に向いているミサイルコンテナを
前に向かせるとかどうだろう、誤爆は減るんじゃないかな?』
「悪くない案だと思うけど、前に重さが集中しないか?」
『それなら機体を安定するため周囲にワイヤー――』
「ベクターキャノンかっ! 動けず袋叩きだわ!」
『面白い案だと思ったんだけどなぁ』
「半分ふざけてないか?」
『何事も楽しまないと損だよ』
「はぁ・・あ、そうだ聞きたかったことがあるんだけど」
『なんだい?』
「弾薬や兵装をがんがん使ってるけど、金って大丈夫なのか?
それに、俺の口座にもすげー金が入ってるし」
確か100万は入ってたな。
『子供が金の問題を気にすることは無いよ
あー、中身は大人だっけ』
「某探偵みたいに言うな」
『まぁまぁ、それで、お金についてだったね
それについては問題ないよ
それなりにあの会社は儲かってるんだ
君のデータは会社への貢献になってるし
お金を払わない訳ないじゃないか
それに、君も僕の立派な社員の一人だ』
「そうかい、ならいいんだ
それで、会社は何で利益を得てるんだ?」
『よくぞ聞いてくれた!
僕の会社にも情報提供をし合う会社が出来たんだよ!』
「へぇー、どこの会社?」
『デュノア社』
「へぇ、デュノア社ねー・・・・デュノア社っ!?」
おいおい、すげー大手企業じゃないか!?
『僕の会社のスタンスと馬が合ってね
情報提供しあってるんだ
そして、こちらの兵装をデュノア社に売ったり、買ったりしてね
今じゃ頼もしいビジネスパートナーだよ』
でもデュノア社って・・。
『まぁ、第三世代の作れない
落ちぶれ企業同士の傷の舐め合いだとは思ってるけどね』
「ずいぶんそのパートナーに辛口だなおい」
『でも事実だよ、だけど、第二世代が第三世代に勝てない道理は無い』
「それはそうだが・・性能の差はあるぞ?」
『その分生産性が無い、そして第二世代には長い時間で勝ち取った信頼がある』
「まぁな、兵器故生産性は大事か・・」
『・・そうだね、ISは兵器だ
表じゃ、スポーツ感覚で使われているけど
少し裏を見れば、ISは兵器として活躍してる』
「それを自覚している人はどれぐらいいるんだろうな・・」
『一般生徒にそれを求めるのは酷だと思うよ
平和ゆえにそんな発想が思い浮かばないんだ』
「・・なんか今日の社長は熱いな」
『え? そうかい?
恥ずかしいなぁ、下界にいすぎて感化されすぎたかな』
「そっちのほうが人間らしくていいと思うぞ
変に悟ってると人間として少し不信だ」
『ふふっ、ならそうしようかな』
少し雑談が混じりながらも、ISについての会話が続いた。
「さて、俺はこの辺で切るぞ」
『君は明日も授業があるからね』
「そゆこと、じゃあな」
『次来る日を楽しみにしてるよ』
電話が切れる。
さて、しゃべりすぎて喉が疲れたな、
自販機で何か買うかな。
自室のドアを出て、自販機の置いてある休憩所に向かおうとした瞬間、
胸部辺りに衝撃が走る。
「ぐはぁっ・・なんだ!?」
「ご、ごめんな・・何だアンタか」
目をごしごしと拭いて、俺にぶつかった少女は、鈴だった。
「何かあったのか?」
「・・なんでもない」
「目を腫らしてても説得力無いぞ」
「うるさいわねっ、なんでもないって言ってるでしょ!」
はぁ・・こうなると強情だよなぁ。
「なぁ鈴、喉渇いてないか?
今日の俺は気分がいいからジュースを奢ってやろう」
そしてピットでの復讐を・・。
「・・おしるこはいらないから」
「な、なぜ俺がおしるこを買うと・・」
「馬鹿やってないで行くわよ」
「お、おう」
あれ、知らない間に主導権が入れ替わってない?
休憩所
缶コーヒーを買い、鈴にはリンゴジュースを渡す。
何でリンゴジュースかって? 気分だ!
そして設置されているベンチに座る。
「・・・・」
「・・・・」
二人してちびちびと飲み沈黙。
「・・落ち着いたか?」
「まあ、少し熱くなってたかも」
「友人なんだし相談ぐらい乗るぞ」
「・・一夏が昔した約束覚えてなかったのよ」
「どんな約束だったんだ?」
「そ、それは・・
りょ、料理が上達したら、毎日あたしの酢豚を食べてくれる? って・・」
鈴は赤面して俯いている、
反応からしてそう言うことなんだろうなぁ・・。
「それで一夏は覚えていなかったと
それか、間違えて覚えていたと、そう言うことだな」
「そうなのよ! ほんっと最低!」
「まぁまぁ、一夏がそう言うやつだってことは知ってるだろ?」
「それは・・そうだけど・・・・」
「一夏も悪気があったわけじゃないんだし」
「それが一番たち悪いのよ!」
まぁそうだよな、
あの一級フラグ建築士め、それでいてフラグクラッシャーだし。
「なら俺から一つ提案だ」
「なにか解決策でもあるの?」
すこしリスクがあるけどな。
「まぁな、押してだめなら引いてみたらどうだ?」
「どういうこと?」
「少しの間、一夏と距離を置いてみたらどうだ
会わない分、相手は色々と考えるだろうな
そして何が原因か、何が悪かったか、勝手に相手が考えるはずだ」
「考えなかったらどうするのよ」
「一夏の性分を考えたらそれは無いと思うけどな」
「うーん・・今は一夏と会うのも気まずいし、その作戦を実行してみるわ」
「失敗しても俺は、責任を――」
「発案者は最後まで責任を持ちなさい」
「・・・・ダメだったら?」
「満漢全席でいいわよ」
「ほう、サルの脳味噌が食べたいんだな」
「そこまで再現しなくていいわよ!」
鈴も本調子が出てきたようだな
もう大丈夫だろう。
「さて、あと相談したいことは無いか?」
「もういいわ、話せてスッキリしたし、ありがとね」
「よせやい、これも幼馴染としてのよしみだ」
「もし・・」
「ん?」
「もし、一夏がいなかったら、アンタに惚れてたかもね」
「またまたご冗談を」
アイツがいなかったら俺も、今の俺じゃなかっただろからな。
「ま、アンタとは友人関係が一番ね」
「俺もそう思うよ」
ほんとにな・・。
「じゃあね、英雄。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
そう言って鈴は自分の部屋に戻っていった。
残ったコーヒーを飲み干し、ベンチに持たれかかり、上を向く。
「はぁー・・
初恋は実らないのが、世の摂理だな・・」
あんなこと言うもんだから、懐かしい感情が沸いたじゃないか、
全く、早いとこ気分切り替えよっと。
空の缶を捨て、自室に戻った。
こういった要素ってありですかね?
誤字脱字がありましたら報告よろしくお願いします