A2会議室
「今日は新型機のテストを行う」
「「「新型機?」」」
「柏木上等兵は知っているな?」
「えっと、社長の渡していた設計データの物なら知っています
でも渡したのって昨日ですよね、もう作っちゃったんですか!?」
「ドイツ軍人の科学力は世界一ィィィィッ! らしいからな」
隊長の言葉とは思えない言葉が出てきたぞ?
「そ、そのセリフは誰からの入れ知恵ですか?」
「クラリッサがドイツの技術を自慢するときはこうするのが常識だと」
「・・・・」
「何だ柏木」
間違った知識を与えた事への睨みだったがスルーされた。
まさか本当にそう思っているのか?
「因みに、何か断るときに『だが断る』なんて普通言いませんからね」
「「何・・だと・・?」」
隊長副隊長が本気でショックを受けた顔をしているな
やはり間違った知識だったか。
それにしても、だが断るを間違った使い方する人多いよなぁ
あれは、相手が自分に対して優位な状況で、自分が絶体絶命な状況にある中での
自分の助かるような相手の言葉をあえて断るときのセリフなのに
ってそんなことはどうでもいい。
「それで、テストって何ですか?」
「あ、ああ、そうだったな。今日テストを行う人物は
ベルクマン少尉、クルト少尉、ゲッフェルト上等兵の三人だ」
「あれ、でも隊長、何で柏木君はその中に入っていないんですか?」
「・・・・昨日の訓練で、私は誰と戦っていた?」
「えーっと、日本の会社のセールスマンでしたっけ?」
あながち間違いじゃないから否定できない・・。
「そのような捉え方で問題ないだろう
昨日戦っていた相手は、柏木上等兵だ」
「え、えぇぇぇぇっ!?」
なんというオーバーリアクションだ。
ってか一応男性操縦者として有名なはずでは・・俺ってそんなに知名度低い?
「み、皆は知っていたんですか?」
「まぁ、昨晩配布されていた資料に一通り書いていたからな」
「み、右に同じ・・」
「当然ながら副隊長として知らないわけが無いだろう
隊長に対して危険分子か判断しなければならないからな・・・・」
後のほうのことは聞かなかったことにしよう、うん。
「貴様にも配布していた気がするんだが」
「え、えーっと・・昨日は、夕食を取った後に、自主訓練に励み・・」
「励み?」
「シャワーを浴びて寝てしまいました!」
「努力することはいいことだ。だが、それで軍規を怠るのはどういうことだ?」
「申し訳ありません! 罰は何なりと!」
「そうだな、今日の新型機のテスト
トップバッターはゲッフェルト上等兵で決定だ」
「・・え、そんなことでいいんですか?」
「その代わり、柏木上等兵」
「何ですか?」
「全力で潰せ」
「えぇぇ! 俺が相手なんですか!?」
「聞いていないのか?」
「聞いてませんよ!」
「貴様の社長が直々に報告すると聞いていたんだが」
あの社長めぇ・・次会ったら殴る。絶対殴る。
「それで、今日は俺が相手をするってことでいいんですね?
あ、でも俺のIS修理中なんじゃ」
まだIS返してもらってないし。
「貴様にもトーネードを使ってもらう。長刀が使えるように調整したらしい」
変なところで力入れてるな・・、
どうせ社長の計らいだろう。
「テスト開始は1000から開始する
更衣室で着替え次第訓練場に集合
それまでは自由時間だ
自主訓練なり、休憩なり各自するように」
「「「「「了解」」」」」
さて、2時間ほど時間があるな、どうしたものか。
20分ほど基地内をぶらぶらしていたら・・。
「あ、柏木君」
「リタさんかどうした?」
「いやぁ、さっき資料を確認したんだけど、年上だったんだねー・・」
「え、そうだったの?」
「私は今年で15歳なんだ
あ、敬語の方がよかった?」
「いや別にいまさら、それに階級は同じなんだし、気にしないよ」
「ほんと!? よかったぁ、私って固くしゃべるの苦手なんだよねぇ
だから、柏木君もさん付けとかいらないからさ、気軽にね」
「なら今日からそうするよ」
「うん! 改めてよろしくね」
「ああ、よろしく」
何だろうな・・学園にいるよりも学園生活してるみたいだ・・。
どれだけ俺の学園生活が間違っていたかがよく分かるぜ。
「あ、PXで買うものがあったんだった。それじゃーね!」
そんなことを言いながらバタバタと走って行った。
俺もPX行ってお茶でも飲むかな。
PX
まさか本当にお茶が出てくるとは
日本の文化はこんな遠くの国にまで浸透しているのか・・。
空いている席に座り一息。
やっぱ日本人はお茶飲まないとなぁ。
「柏木か、同席してもいいか?」
「アリーセさんと、クルト少尉ですか、全然構いませんよ」
「すまないな。お、柏木も玉露か」
「アリーセさんもですか、いいですよね玉露」
「全くだ、日本の文化は好きだな」
「そう言ってもらえると日本人として嬉しいです
でもここは特に日本の文化をいっぱい取り入れてますね」
昨日PXの売店に行ったときは驚いたぞ
日本の漫画やアニメ雑誌、奥には薄い本まで置いてあった。
ってか・・偏ってませんかね。
「ここに日本の物が多いのは、隊長と副隊長のおかげだ」
「へぇ、理解ある人たちなんですね」
「そうだな、私自身も日本は好きだ。特に、剣道、剣術には興味がある」
「そうなんですか、因みに俺は剣術道場に通っていましたよ
今でも趣味の一環でやっていますし」
「なんだと!? それは本当か!?」
「は、はい本当ですよ、本当ですから落ち着いてください」
「す、すまない
柏木がよければなんだがな」
「なんです?」
「剣道を教えてくれないか?」
「教えるのはいいんですけど・・、防具と竹刀あるんですか?」
「既に揃えている」
何・・だと・・?
予想外だ・・。
「な、なら問題ないですね
来週の休みにやってみましょうか」
「ほ、本当か!?」
「ええ、ちゃんと教えますから落ち着いて」
クールな印象だったけど、やっぱこの隊の人って何かと変わってるなぁ・・。
「ゴホンッ 柏木は、他には趣味は無いのか?」
「そうですねぇ、ミリタリーに関しては好きですね
特に戦車とか――」
「っそれ以上は――」
「・・戦車?」
クルト少尉がちびちびと飲んでいたオレンジジュースを置くと、
少し据わった目で見てくる。
「クルト少尉、戦車に興味あるんですか?」
「ふっふっふっ・・それを私に聞くのかね」
「え、え?」
「遅かったか・・」
あれ、クルト少尉の雰囲気がガラッと変わったんだけど・・。
「柏木の好きな戦車は?」
「えっと、10式戦車です」
「主砲は?」
「44口径120mm滑腔砲です」
「乗員は?」
「三人です」
「速度は?」
「70キロです」
「・・にわかじゃないようね」
あ、あれぇ・・何か自信なさげな顔から、すげー自信に満ちた顔になってるんだけど・・。
顔つきとか変わってるんだけどっ、目つきとか少し怖いんですけどぉ!
「ち、因みにクルト少尉は」
「ティーゲルね。正式にはティーガーI」
「古い戦車が好きなんですね」
「今の戦車も嫌いじゃないわ、でもね
ロマンが違うのよ! ロマンが!」
「は、はい」
すげー・・最初の印象総崩れだ・・。
「う~ん、固いね
同じ趣味ならもはや盟友、呼ぶときフィリーネでいいよ」
もうこれ別人格だろ・・。
「な、ならフィリーネさん」
「それでいいのさ。それでね、この戦車の凄いところはペラペラ」
「なるほど、でもそれはペラペラ」
「まさか柏木も同類だったとは・・
ヤバいワードに触れたら柏木を連れてこよう」
一時間後・・
「柏木、フィリーネ、そろそろ行かないと危ないぞ」
「え?」
「あ!」
我に返って時計を確認、一時間も経っていたのか・・。
「ご、ごめんなさい、わ、私この話題になると自分を止められなくて・・」
「いいですよ、俺もこういった話題は好きですからね
戦闘機とかも好きですか?」
「誰に物を聞いてるんだい?
因みに私の好きな戦闘機は――」
「はいはい行くぞー」
「あ、え? ちょっと襟を持たないでぇぇ!」
アリーセさんがフィリーネさんの襟を掴み、引きずったまま連れて行った。
「はぁ・・」
俺も少々悪乗りが過ぎたが、あんなにも豹変するとは・・。
人は見かけによらないなうん。
「俺も行かないとな」
少し駆け足気味に更衣室に向かった。
訓練場
さて、訓練場に着いたのはいいが。
「「「・・・・」」」
もじもじとして俯いている三人
やっぱり衛士強化装備が届いていたか
77式の欧州仕様ね、皮膜は黒か。
それにしても・・
「柏木君・・あまり見ないで・・」
「これは流石に、恥ずかしいな」
「・・・・」
いやぁ福眼福眼♪
「うぅ・・隊長と副隊長は何で着てないんですかぁ?」
「私とクラリッサには専用機があるからな」
「理不尽だぁ・・」
「まぁまぁ、このISスーツ色々と性能いいから
慣れさえすればいいものだよ」
「それは柏木君が男だから言えるんだよ!」
「私は慣れたぞ」
「「早っ」」
「・・・・」
フィリーネさん、そんな恨めしそうな目で見ないでください・・。
「ISを装備、説明を受け次第訓練を開始する
4人ともISを装備しろ」
「「「「了解」」」」
久々だな、この感じ
初めて乗ったときみたいだ。
「え、これフルフェイスなの!?」
「新しいな・・」
「か、顔が見えないのはいいね・・」
「富嶽で作られているISは基本フルフェイスだし
ISスーツも特注じゃないといけないんだよ」
「成る程ねぇ」
何やかんや言っていたら皆装備できたようだ。
「視覚情報に関しての説明は柏木に任せるぞ」
「分かりました副隊長殿」
「えっと、視覚情報に関しては、従来のISとは全然違うのが分かりますか?」
「シールドエネルギーのゲージ以外は始めて見るものが多いな」
「まずは、機体ステータスが表示されていることです」
「このISの形をしたやつだね」
「そうそれ、それには色によってダメージのレベルが識別できるようになっていて
一番大事と言えるのが、推進剤のゲージですね」
「・・横に二つ付いてるやつ?」
「そうです、このISの少し厄介なところがその推進剤です」
「推進剤の何が厄介なんだ?」
「推進剤の利点が、シールドエネルギーの消費を押さえた瞬間加速ができます」
「え!? それって凄くない!?」
「それは画期的だな、厄介な要素が無い」
まぁ最初はそう思うよねぇ。
「ですが、この推進剤が無くなったら、ブースターによる加速は出来ません!」
「「な、何だってぇぇ!」」
意外とノリのいいドイツ軍。
「色々と飛行方法はありますが
習うより慣れろが俺流なので、戦いながら慣れてください」
「そんな殺生な・・」
昨日から思ってるけど、日本語達者だよなぁ。
「あ、武器は確認しましたか?」
「あぁ、興味深い武器があるな」
「BWS-8ですね? これは中々癖のある武器ですよ」
「そうなのか、だが、それぐらいでないと面白くない」
気に入った様で何より。
「柏木君、これは?」
「GWS-9だな、これは中近距離での戦闘の要だ」
「銃口が二門あるけど、グレネードランチャー?」
「ああ、滑腔砲だ、装填数が少ないから使いどころを考えろよ」
「こ、このMGみたいな銃は・・?」
「これはMk-57、高火力での支援攻撃が出来る銃ですね
連射速度と火力で物を言う銃ですけど、反動が大きいです
あとは、重いことですね。使い回しが大変です」
「た、単独ではあまり使えなさそう・・」
「さて、武器の確認が出来たら、武器の展開をしてください
ですが、このISの癖のあるところの一つ、展開箇所は四つあります」
正確には五箇所だけどね。
「腕以外に展開するのか?」
「その通りです! 背中にマウントと言う、武器を掛ける場所があります
そこに、使いたい銃なりを展開してください、そこから武器を入れ替えることが出来ます」
「普通に展開した方が速いんじゃないの?」
「確かに武器を切り替えるだけなら、そっちの方が速い
だけど、このマウントには利点がある?」
「「「利点?」」」
「マウントが副手、サブアームになっていて前後下方向に射撃が可能なことです!」
「それは確かに利点だな・・」
「前方に向ければ、最大4門による同時射撃が可能になるんだね」
「い、一対多の場合は、こ、攻撃の死角を無くせる・・」
「もう一つは、IS初心者でも展開をせずに武器を使い分けることが出来ること」
「実践仕様なんだね」
「まぁコンセプトがそうだからな
さて、説明はこれぐらいでいいですか?」
「ああ、問題ない」
「・・たぶん」
「ばっちり! 逆に柏木君をボコボコにしちゃうかもよぉ?」
「一応この種類の機体に関しては先輩なんだ、流石に負けられんさ」
「機体の説明は終わったか?」
「終わりました」
少し長くなっちゃったな
「よし、始めはゲッフェルト上等兵だ。配置に付け」
「りょーかい!」
俺も配置に付く
トーネードは瑞鶴とは違って、展開してマウントに装備できるから楽だよな
両マウントにGWS-9を装備、一度両手に特別に用意してもらった長刀を展開、
それを両方向の地面に突き刺して、Mk-57を両腕に展開する。
「い、意外と重武装だね」
「隊長からのご命令だからな、俺も全力でやろう」
リタの装備を見ると、両マウントGWS-9、右左にもGWS-9
弾幕厚すぎだろ!
「双方準備は出来たな?」
「大丈夫です!」
「いつでもいけます」
「よし、テスト開始っ!」
何かギャグ要素の強い内容になってしまいました
オリキャラのキャラ立てをするためとはいえ少しやりすぎましたね・・反省。
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