開始の言葉と共に、空中に飛ぶ。
「さて、どうやって攻めるかな」
二丁のMk-57を構えて待機する。
『高みの見物なんて余裕あるじゃんっ、きゃっ』
近づこうと加速した瞬間だっただろうか、軽い悲鳴が聞こえた。
『ちょっ、これ、加速はいいけど、じゃじゃ馬過ぎない!?』
「慣れると楽だぞ、たとえば・・」
ギザギザにブーストを使い近づき、真上に飛んだ瞬間後ろに回りこむ。
うーん、加速が微妙だな、動きも固いし、まぁトーネードだし仕方ないか。
『えっ! 速すぎだよ!』
「瞬間的な加速を繰り返すことで出来る機動だからな
ところで、これはテストであり試合だ」
『そ、そうだね』
「つまりだ」
Mk-57を突きつけ発砲する。
それを咄嗟に避けるリタ
「いつでも攻撃できるんだぞ」
『急になんて鬼畜だなぁ、でも私からも行くよ!』
突撃砲を構え突っ込んでくる。
『はぁぁぁっ』
近づき過ぎず、攻撃しては離れるという戦術を繰り出す。
「これは面倒だな・・、こういう時は」
相手が近づいてくる瞬間に、自分も加速し一気に近づく。
『えっ!?』
「全弾食ってけ」
ゼロ距離に近い距離でMk-57二門による集中攻撃
『っく』
攻撃から逃げようと左に旋回し避けようとする。
「まだまだっ」
Mk-57の持ち手を逆にし、なぎ払うようにストックで殴る。
『きゃぁぁぁっ!』
そして地面に激突し、俺のMk-57はぶっ壊れていた。
あぁ・・これは怒られるかなぁ。
壊れたMk-57を二丁とも収納する。
『っ・・本当に容赦無いね』
「隊長の命令もあるし、この機体の宣伝もあるからな」
すぐさま相手の方に近づくように飛び、最初に刺した長刀を回収し、
二振りとも逆手に持つ。
アイツの見様見真似だけど、アレだけ食らった攻撃、やれるはずだ。
「はぁぁぁっ!」
ロケットエンジンに点火し、一気に近づく。
『やられるばかりじゃないんだよ』
激突した際起きた砂埃が晴れると、真正面に4門の突撃砲を構えたリタがいた。
「ふっ」
『一斉掃射ぁ!』
放たれる弾丸を両方の長刀で防ぎながら突っ込む。
『え!?』
「これで終わりだぁぁっ!」
右の長刀で斬りつけ通り過ぎる。
そしてISを反転、がら空きの背中に左の長刀で切った。
「試合終了、勝者柏木」
試合を終え、シールドエネルギーと推進剤を補給する。
「いやぁ、慣れない機体は難しいな」
「それは私のセリフだよ!」
ISを降りたリタが近づいてきた。
「俺だって慣れない機体だったんだぞ」
スペックの低い機体に乗ると瑞鶴の凄さが分かるな
速度からパワー、何ランクか下がっているのが乗ってて分かった。
「それにしても、何で最後の攻撃に怯まなかったの?」
「ああ、それか、それはな
この機体、って言うか富嶽の機体は実弾兵器に関しては、絶対的な耐久力を持ってるんだ」
「へぇ、爆発とかも大丈夫なの?」
「普通のISよりは耐久力あるけど、実弾ほどじゃないな」
「なら、あの時は滑腔砲撃つのが正解だったんだねぇ」
「そうだな、あの時滑腔砲を撃っていれば、俺は怯むかして止まっていたかもな」
「使い分けは大切だねぇ」
「いい勉強になっただろ?」
「うんっ、ありがとね柏木君」
にしてもだ。年下とは思えない実力だった・・。
努力だけじゃなくて、才能もあるんじゃないか?
「次はアリーセ少尉だ、準備できたか?」
「いつでも行けます」
アリーセさんの装備は
右マウントにBWS-8、左マウントにGWS-9
右手にBWS-8だけだ。
「バリバリの白兵戦主義な兵装ですね」
「自分の得意分野だからな、柏木、覚悟しろよ」
「り、了解です」
ここはご指導ご鞭撻をいただくために俺も合わせるか
さっきの時と同じく、両マウントにGWS-9
そして右手に長刀をもつ。
「準備できたようだな。では、テスト開始っ」
『行くぞっ』
BWS-8を構え突っ込んでくる。
「っ、重いですね」
『いつもはナイフだが、これも悪くない』
剣同士がぶつかり、鍔迫り合いの形になる。
「攻めさせてもらいますっ」
マウントのGWS-9を前方に出し、牽制する。
『くっ』
「はぁぁっ」
避けるため後ろに下がった瞬間に距離を詰め
縦に長刀を振るう。
『甘いぞ柏木っ』
左手で持つBWS-8に防がれ、マウントから持ったもう一つのBWS-8で横腹を切られる。
「っぐ」
『まだまだっ』
間髪いれず右膝で蹴りを入れられ、距離が開く。
『私からのプレゼントだ』
マウントのGWS-9から滑腔砲が撃たれる。
跳躍ユニットを左に曲げ必死に避ける。
『ふむ、簡単には当たらないな』
「はぁ・・はぁ・・」
白銀武AIほどではないが、隙が無い、
隙を作ってもすぐに反撃される・・。
しかも不慣れな機体に不慣れな武器、
それでいてこの動きは本当に凄い。
「本当に初めて乗ってるんですよね・・」
『慣れるのに少し時間は掛かりそうだが悪くない機体だぞ』
えぇ・・あの動きで慣れてないとか嘘だろ・・。
『さて、ベラベラと喋っていても終わらないな、行くぞ』
そう言って、前の試合で俺がやったようにジグザグに飛びながら接近、
そして、左に旋回しながらBWS-8で攻撃してきた。
「くっ」
それを防ぎ、反撃しようと押し返えそうとした瞬間
「え?」
俺の見ている世界は反転していた。
そして目の前に見えるのは空、
俺は倒れたのか?
そう判断する余地もなく腹部に軽い衝撃が走る。
『マウントを取られては何も出来ないだろ?』
えーっと、簡単にこの状況を説明するなら、馬乗りになってますね。
そして見上げるとBWS-8を逆手持ちしていますね・・。
『
聞きなれないドイツ語を聞いた瞬間、剣先が襲った。
「いや、怖いですよ!」
「うん・・あの戦い方は怖いねぇ」
「アリーセは容赦ない・・」
「何だみんなして、相手を無力化するのは戦いの基本だろう」
それにしても・・やり方が怖いんですよ。
思いの外装甲が固くて、一撃で決まらず
抵抗しようと長刀を使い抜け出そうとした瞬間、右手を切られ
何度も斬られれば恐怖心ぐらい沸くわ!
「右手のリペアがあってよかったぁ・・」
無かったら次の試合では右手使えなかったぞ!
「補給も修理も終わったな
つぎはフィリーネ少尉だ」
「よ、よろしく・・」
「お手柔らかに・・」
「それは出来ない相談」
きっぱり言わないでくださいよぉ!
はぁ、フィリーネさんの装備は・・。
両マウントGWS-9、両手にMk-57・・Mk-57!?
扱いが難しい+命中率の低いMk-57を使うとは・・。
「これはヤバイ・・」
技量のことを考えると近づけないんじゃないか?
ええいっ、ならば俺は!
両マウントにGWS-9、そして両腕にGWS-9
弾幕勝負といこうじゃないですか・・。
「両者準備できたな
では、テスト開始っ」
ここは距離を置かれる前に先手必勝っ
「うおぉぉぉっ」
計4門による同時射撃をしながら前進。
『動きが単純・・』
攻撃を上に跳ぶことで回避され、真上から弾丸の雨が降ってきた。
「うわっ」
全砲門での攻撃かよっ、容赦ないな・・。
被弾しながらも上昇し、同じ高さまで来た。
『来るのは分かってた』
全砲門を向けられ真正面から滑腔砲交じりの攻撃が放たれた。
「ちょっ」
弾幕が厚い、左に逃げるか。
左に跳躍ユニットを使い高速で避け、弾幕から抜ける。
そして、左から攻撃しようとした瞬間。
『甘いよ』
真横に向けられたMk-57、咄嗟に避けようとしたが間に合わず、
モロに攻撃を受けた。
「っく、何で分かったんですか!?」
『観察・・してたから』
え、どゆこと!?
『無駄口叩ける余裕があるんだ』
滑腔砲とMk-57の弾幕を放ちながら後ろに下がる。
くそっ、また距離を置かれた。
『いい加速、気持ちいいね』
うわぁ、この人も適応してらぁ・・。
そしてこの後の戦いは一方的だった。
近づこうとしても弾幕を張られ、無視して突っ込もうとすると滑腔砲
リロードのタイミングも隙が無く、弾幕と滑腔砲の雨に俺は倒れた。
「はぁ・・」
「凄い戦いだったねぇ!」
「流石フィリーネだな」
「そ、それほどでもない・・」
ホントに近づけなかったよ・・。
しかも我武者羅に撃ってるんじゃなくて的確に狙って撃ってきてる。
特に、滑腔砲の命中率は凄かった。Mk-57で弾幕を張って、隙のある場所に的確に撃つ。
言葉にすると簡単かもしれないが、すげー難しいぞこれ。
「あ、そうだ気になったんですけど、観察したってどう言う事ですか?」
「柏木の癖、見つけたから」
「癖?」
「回避するときとか回避からの攻撃のとき
左に回りこむ癖があると思ったから」
「え!?」
そうだったっけ・・。あぁ、確かにそうかもしれない。
「実際やってみたら大正解・・、柏木は分かりやすい」
「とほほ・・」
「機体テストは終わりだ
このデータを元に、ISを調整する、武器も開発されるかもしれないな」
「本当ですか隊長!?」
「そのためのテストでもあったからな
どうだった、富嶽のISは」
「そうですねぇ、装甲の厚さに似合わず敏捷なISってイメージですね」
「腕部のパワーが少し低めだと感じたな、だが加速は申し分無しだ」
「ネーミングセンスがいい、戦闘機みたいな加速で面白かった」
皆概ね好感触だな。ってか、これで量産機かよ・・、下手したら専用機倒せるかもしれんぞ。
「ねぇねぇ、柏木・・」
「何ですフィリーネさん?」
「富嶽にメッサーシュミットって名前のIS無い?」
「無いです」
「ちぇっ・・」
裏の顔少し出てませんか?
「今日の日程はこれで終わりだ。着替え次第自由にしていいぞ」
「「「「「了解」」」」」
「では、解散」
はぁ、三連続での試合は疲れるぜ・・。
早いとこシャワー浴びで昼飯でも食べようかな。
戦闘シーン3連続は辛いですわ・・
ってかこのコンセプトで進めると戦術機IS強くない?
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