ISの世界にマブラヴ好きが転生   作:ビーツー

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遅くなっちゃいました


20話 隊長の闇/ 歓 迎 会

 

 

 

   PX

 

「はぁ・・」

 

今日は大変だった・・。

ため息の一つぐらい許されるだろう。

だが・・、ため息の理由は別にある。

 

「まさかコイツと出会うことになるとは・・」

 

ツンゲンヴルスト・・、巷で有名なブラッドソーセージじゃないですか・・。

 

「どうしたの柏木君? フォーク止まってるよ?」

 

着替えを終えたリタが、今日の昼食の乗ったプレートを持って隣に座る。

 

「なぁリタ・・これいるか?」

「ツンゲンヴルストかぁ・・、パパは好きだったけど、私は苦手かなぁ」

 

やはり地元の人間でも苦手な人いるのか

日本で言うなら、くさやみたいなものなのだろう。

 

「どうした柏木、苦手なのか?」

 

同じくプレートを持ったアリーセさんが正面に座る。

 

「ビジュアル的に苦手ですね・・、食べたことはありませんが」

「食わず嫌いはいけないぞ

 柏木、今日は疲れただろ、私のを分けてやろう」

「アリーセさんも苦手なんじゃないですか!」

「私はだな、柏木を思って鉄分を多く摂取させるためにあげるんだ

 べ、別に苦手などではない」

 

ならその泳いだ目は何なんでしょうか・・。

 

「そーっと・・」

「おいリタ、さりげなく入れるんじゃない」

 

はぁ・・、昼食も戦争だな。

 

「三人ともだらしない・・」

「あ、フィリーネさんじゃないですか」

 

三人を呆れたような目で見ながらアリーセさんの隣に座る。

 

「フィリーネさんは苦手じゃないんですか?」

「んー・・嫌い」

「やっぱりそうなんですね・・」

「でも、軍人は食べられる時に食べないと」

 

それは一理ある、前世でのサバイバル訓練では必死すぎて蛙とか蛇食べてたけど、

味思い出せないほど大変だったもんなぁ・・。

 

「はぁ、我慢して食べますか・・」

 

 

四人は苦い顔をしながら食事を終えた。

 

 

 

プレートを返却し、新たに頼んだ飲み物で一服。

 

俺とアリーセさんはグリーンティー、

リタはコーラ、フィリーネさんはオレンジジュース。

 

「最近はボトルが主流になってきたけど、やっぱ瓶が至高だよねぇ」

「それは俺も思うな、瓶のほうが美味しく感じる」

「オレンジジュースでも同じ・・」

「私は甘い飲み物は好んで飲まないから分からないな」

「アリーセさんに分かりやすく例えるなら

 マグカップでお茶を飲むのと、湯のみで飲むのではどうですか?」

「湯のみだな、マグカップで飲んだら雰囲気台無しじゃないか」

「そんな感じですよ、たぶん雰囲気で美味しく感じるのかもしれませんね」

「成る程な」

 

「それにしても、フィリーネさん」

「何?」

「昨日と比べてしっかり話してますね」

「それは・・上官への侮辱として発砲してもいいってこと?」

「いえいえ!! そう言った意味じゃなくて!

 昨日よりもいっぱい話してるから不思議で!」

「・・・・慣れただけ

 昨日柏木と話して、更衣室とかでリタと話したから

 悪い奴じゃないって分かったし・・」

「昔からフィリーネは初対面の人間には警戒心高いな」

「昔から知ってるんですか?」

「ああ、柏木には話していなかったな、フィリーネとは幼馴染だ」

 

へぇ、幼馴染ねぇ・・・・両極端なコンビだな。

 

「幼馴染って憧れちゃうなぁー」

「リタにはいないのか?」

「私は家の周りに家が無かったから、強いて言うなら、実家の馬が幼馴染かな

 いや、姉弟って言った方がいいかもね」

「へぇ・・」

 

馬か、乗馬って一回やってみたかったんだよなぁ。

 

「柏木君には幼馴染とか兄弟っていないの?」

「兄弟はいないけど、幼馴染はいるな

 あ、でもここでソウルメイトと呼べる人は出来だぞ」

「え、だれだれ!?」

 

フィリーネさんに視線を向ける。

視線に気づいたフィリーネさんがVサインを送る。

 

「ぶい」

「えぇぇぇぇ!? いつの間に!?」

「昨日色々と趣味が合ってね、その流れで盟友になった

 いやぁ、あの語り合いは熱かったですね」

「・・まだまだ語り足りない」

「俺だってそうですよ、得意分野の戦闘機について語ってませんし」

「・・語る? 語っちゃう?」

 

おおっとぉ、早速裏の顔が出てきてますよ。

 

「あの・・アリーセさん」

「どうしたリタ」

「フィリーネさんってあんなキャラなんですか?」

「昔からあんなキャラだ」

「へぇ・・って言うか柏木君のキャラにも驚きだよ!」

「フィリーネの知識に追いつけている、いや対等に語っている

 中々のマニア、日本ならオタクだったか」

 

「フィリーネさん、ゼロ戦はどうですか?」

「形が美しいね、日本の繊細さがよく分かるよ

 日本の戦闘機なら震電も個性的でいいね」

「でも、ドイツのメッサーシュミットもいいですよね」

「多くのエースを生んだ戦闘機、ドイツの代表機だね」

「かの有名な黒い悪魔、ハルトマン

 あとはバルクホルンも有名ですね」

「フォッケウルフで有名だけど、

 Ace in a dayを達成させたのはメッサーシュミットだし

 柏木、ナイスなチョイスだ」

「感謝の極み」

 

「どうしよう・・あの空気ついて行けないよ・・、入る余地無しだよ・・」

「フィリーネも思う存分語れる相手ができて楽しいのだろう」

「あぁ、どんどん柏木君のイメージが壊れていくよぉ・・」

 

 

そんなかんやで、昼は語りつくし過ごした。

 

 

 

   自室

 

 

 

「ふぅ・・」

 

昼後に返された瑞鶴の調整が終わり、背伸びをする。

すると扉が開く音がして、誰かが入って来た。

そのまま振り向き誰が来たか確認する。

 

「あ、隊長」

「瑞鶴は返ってきたようだな」

「えぇ、仕事が速くて助かります

 あ、気になったんですけど、何で黒ウサギ隊は皆眼帯付けてるんですか?」

「説明してなかったな、この眼帯は黒ウサギ隊の象徴だ」

「でも、俺貰ってないですよ・・?」

「入隊は認めても、まだひよっこの半人前だからな」

「そうですか・・」

 

まだまだなのか・・。

 

「強いと私が判断したときにくれてやる」

「それまで頑張ります!

 それで、また気になったんですけど眼帯の下はどうなってるんですか?」

 

少々デリカシーの無い発言だったかな。

 

「気になるなら見せてやる」

 

そう言って眼帯を外した。

眼帯の向こうには金色に輝く瞳があった。

 

「これは・・」

「越界の瞳、簡単に言えば擬似ハイパーセンサーだ」

「す、すげぇ」

「これを使えば視覚能力が本来の人間の数倍近く跳ね上がる」

「な、成る程、でも、副作用とかって無いんですか?」

「軽い脳への負担だな」

「でも、これならISでの戦闘以外でも役に立ちますね

 そんな便利な物なのに、何で他の軍は使われないんですか?

「ナノマシンを移植する上で適合する成功率が安定しないからだ」

 

成る程、安定しない成功率だと他の軍も使いたがらないか

それに、ドイツで独占した方が軍としては強みになるしな。

 

「ってことは、黒ウサギ隊は皆適合に成功してるんですね」

「・・・・私は適合に失敗している」

「え?」

「適合に失敗して、私は落ちこぼれの烙印を押されたんだ」

「で、でも今は隊長じゃないですか!」

「今の私がいるのは教官のおかげだ」

「教官?」

「織斑教官だ」

「織斑・・、もしかしてですけど、織斑千冬さんですか?」

「!? 教官を知っているのか!?」

 

そう言って俺の肩をつかみ、ぐわんぐわんと揺する。

 

「ちょっ、落ち着いてくださいっ、話しますからっ」

 

そう言うと、揺するのをやめる。

 

「ふぅ・・、千冬さんのことですよね

 千冬さんは俺の幼馴染の姉さんです」

「幼馴染・・織斑一夏か・・」

 

何故か恨めしそうな顔をしているな

何でだ?

 

「一夏に何かあるんですか?」

「織斑一夏は・・教官の栄光を絶たせた男だっ」

 

もしかして、あの時のことか・・。

あれは一夏も後悔してたな、俺がもっと強ければって。

 

「気に入らないっ、織斑一夏の存在も、教官のあの表情もっ!

 奴の話をする時の教官の表情、何故だっ、何故あんなにも優しそうなんだっ」

 

もしかしてだが・・。

 

「もしかして隊長は一夏に嫉妬してるんじゃないですか?」

「何だと・・?」

「・・千冬さんの弟って肩書きの一夏に嫉妬してるんじゃ――」

「違うっ!!」

 

俺の言葉を遮るように隊長が叫んだ。

 

「わ、私は嫉妬なんて・・違う・・アイツを憎んでいるのは・・アイツが弱いからだ・・

 そ、そうだ・・弱いからだ、織斑一夏の弱さが憎いんだ・・」

 

情緒不安定になっているな・・どうしたものか。

これは賭けだけど・・説得してみるしかないな。

 

「隊長・・隊長にとっての強さって何ですか?」

「力だ・・、絶対的な、誰にも負けない力だ」

「その力で、隊長は何を得るんですか?」

「それはっ、それは・・」

 

俺は、俺はどうなんだ?

空を飛ぶ夢は叶った。でも、その先は何だ?

何のために戦うんだ? 何のための力だ?

やっぱ、俺も分かってなかった。

 

「答えられませんか? まぁ俺も答えられません

 逆にその力を何に使うか、何を得るかなんて、答えを出せてる人のほうが少ないですよ」

「なら、どうすればいいんだ・・」

「探すんですよ、本当の強さを

 たぶん、千冬さんは気づいてると思いますよ

 それに一夏も気づきかけています」

「そ、それは何なんだ!」

「答えを言っても、それは隊長の答えじゃないと思います

 相手の考えを押し付けられても、嫌なだけですよね」

「・・・・」

「まぁ俺も答えを探し中ですし、一緒に探してみますか?

 強さの答えってやつを」

 

うわぁ・・勢いで言ったけど恥ずかしぃぃぃ!

何臭いこと言ってんだ俺っ、少しは上手い事言えただろ!

 

「柏木・・」

「何ですか?」

「私は今でも織斑一夏が憎い、だが、アイツを倒せば何か分かるだろうか?」

「たぶん一夏と戦えば、何か分かりますよ

 アイツは馬鹿で朴念仁でそのくせフラグはちゃっかり立てる奴だけど

 真っ直ぐで、正義感があって、自分を曲げない強い奴ですから」

 

「ふっ、そうか、ならその強さとやらを見せてもらおうか」

「死なない程度お願いしますよ?」

「聞けない相談だ。徹底的に織斑一夏と戦わないと分からない気がしてきた」

「そ、そうですか・・」

 

こりゃ一夏、近いうちに死ぬかもな。

あ、でも、ドイツ軍だしIS学園にはこれないか。

 

「柏木」

「は、はいっ、なんでしょうか」

「感謝する。憎しみだけでは強さに気づけないところだった

 教官の本当に教えたかった強さを今なら探せる気がする」

「そうですか・・なら、よかったです」

 

隊長は、スタートラインに立ったんだな。

俺も探さないとなぁ。信念がある奴は強い、

力があるとかじゃなくて、精神的に強いんだよな。

そんな信念を俺はあのゲームで学んだんだ。

白銀武の信念、何度折れても立ち上がる姿に俺は燃えたんだ。

まぁ学んでも実行できないでいるけどな!

 

「隊長、夕食の時間ですよ。一緒に行きますか?」

「む、もうそんな時間か、なら一緒に行かせて貰おう」

 

二人でPXに向かった。

 

 

 

 

 

 

   PX

 

 

 

「「「・・・・」」」

「どうした?」

「隊長、ソースが付いてます」

「んむっ、すまないなクラリッサ」

「これって、どういう状況?」

「あ、リタ、プレート持って立ってないで座れよ」

「驚いたな、隊長が一緒とは」

「私もびっくり・・」

 

そう言ってアリーセさんとフィリーネさんも座った。

 

そして雑談交じりに食事をしていて

もう食べ終わる頃に事件は起きた。

 

「あ!」

「ん? どうしたリタ、急に立ち上がって」

「歓迎会!」

「歓迎会?」

「柏木君の歓迎会やってない!」

「俺の? お前のもやってないだろ」

「なら、私のも含めてでいいよ!

 ちょうど今全員いるんだし!」

「でも、今からってどうするんだ?」

「うーん・・飲み物だけで・・かな」

「しょぼいな!」

「まぁまぁ、いいじゃないか柏木、祝い事は好きだぞ」

「人数が少なければ・・可」

「こんなことをするのは初めてだな」

「はい、ですが一兵士としていいのでしょうか」

「いい、私が許可する」

「ならいいんですが・・」

「私が持ってこよう、飲み物は何でもいいな?」

「あ、アリーセさん、ありがとうございます」

 

そう言ってカウンターまで行った。

 

そして戻ってきて、持っていたものは・・。

 

「だ、大ジョッキ・・」

 

金色に輝く液体、そしてその上にあるのは、純白の泡

こ、これは・・もしやしなくても・・。

 

「ビールじゃないですか!」

「どうした柏木、ビールは苦手か?」

「苦手って訳じゃないですけど・・」

「ならいいだろ、ほら、配れ」

「了解でーす・・」

 

これはいいのだろうか・・俺は未成年だぞ・・心は成人だが。

 

「年齢を気にしてるの? 大丈夫大丈夫!

 こんなのジュースみたいなものだから!」

 

ドイツすげぇ・・噂では水より安いとか。

 

「じゃあ音頭はこの私リタがやらせていただきます!」

 

「ワー」

「パチパチ」

 

「そこぉー、テンション低いよ!」

「お前が高いんだよ」

「えー、気を取り直して、かんぱーい!」

 

「「「「「乾杯っ」」」」」

 

 

 

 

2時間後・・・・

 

 

 

「えへへへへ・・どぉしたのかしわぎくーん、のんでるー?」

「絡むな、飲ませるな、離れてくれ、思春期の男の子には毒だ!」

「もぉー、かしわぎくんのえっちぃ」

 

うぜぇ・・。

おい、ジュースって言ったのは誰だ・・。

 

「・・zzz」

 

アリーセさん・・寝ないでください・・。

 

「聞いてるの柏木! それでねメディウムのね――」

「はいはい、素面のときに聞きますからねー」

 

裏の顔と変わんねぇ・・。

 

「かしわぎぃ!」

「はっ、はい!」

「た、隊長は大丈夫そうか・・?」

 

クラリッサさんが、自分に聞こえるぐらいの小さな声で聞いてきた。

 

「悪いとは思ったが、部屋の中での会話を聞いていた」

「まぁ、やましい内容じゃないのでいいですけど・・」

「隊長は教官のようになりたくて、ここまで努力した人だ

 だが、少し方向を間違えただけなんだ・・、

 その方向を少しでも修正してくれた柏木に、その、感謝する」

「そんな、え、えーと、どういたしまして?」

「ふっ、まぁ危険分子のリストからは外してやろう

 ではな、眠っている隊長を部屋に連れて行く

 貴様も、あの三人を頼んだぞ」

「はいっ、・・はい!?」

 

俺の言葉を聞かず、隊長をお姫様だっこで持っていった。

・・・・鼻から見えた赤いものは俺の幻覚か?

 

「さーて、この酔っ払い三人を処理するか」

「別に私は酔ってないよ」

 

赤い顔して何を言ってらっしゃる。

 

「・・フィリーネさんはいつも以上に饒舌になってただけでしたもんね

 なら、アリーセさんをお願いします」

「そう言ってリタに何かするのね・・変態」

「何もしませんよっ! 全く、ふざけてないで行動してください!」

「はいはい分かったよ」

 

そう言ってアリーセさんを担いでPXを出て行った。

・・あれって負傷兵を運ぶやり方だよな・・。

 

「後はコイツか・・」

「うーん・・むにゃ・・かしわぎくぅん・・のんでるかぁぃ・・むにゃ」

「ほら、起きろ、部屋まで行けるか?」

「んー・・むりぃ・・つれてけぇ・・」

「こ、こいつ・・

 分かったよっ、つれてけばいいんだろっ」

 

半ばやけくそになりながら、リタをおぶって、部屋に向かった。

 

「吐くなよ・・俺の背中で吐くなよ・・

 吐くなら部屋で吐けよ・・」

 

前世で友人を担いだときにされてから軽いトラウマだ・・。

吐くなと祈りながらも、無事に部屋に着いた。

 

「ほーら、お前の部屋だぞー

 そのまま寝てしまえー」

 

ベットに降ろそうとするが、首に掛かってる腕が取れず、そのままベットに倒れてしまった。

 

「こ、これは・・」

 

ま、不味い・・不味いぞ・・思春期の男としては不味い・・。

何故だっ、何故腕が取れないっ!

くそっ、がっちりホールドしてやがるっ。

 

「パ・・パ・・・・」

 

耳元で聞こえた言葉。

寝言か? まぁ、コイツも軍の人間だけど、まだ子供だしな

家族に会いたくなることもあるだろう。

 

「しょうがないな・・、手を離すまでだぞ」

 

そう言ってリタの頭をぽんぽんと撫でる。

すると、寝息を立てて眠ったようだ。

 

「さて、もう外れるかな、ふんぐっ・・・・何故だっ」

 

やはり外れなかった、そして何度も繰り返したが外れず、

そしてもう何回繰り返したか分からなくなった頃、英雄は、考えるのをやめた。

 

 





うーん・・日常回は書いてて面白いけど
ペースが落ちちゃいますね
ってかラウラの辺り少し強引になってしまいました・・

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