IS学園廊下
「おい、英雄大丈夫か?」
「あぁ? 大丈夫だ、こんなにも元気そうだろ?」
そう言ってふらふらと手を振る。
「全然大丈夫そうにには見えないけど」
「まぁ何とかなるだろ」
そして女の子だらけの学園生活を謳歌する為、教室のドアを開けた。
「おうふ・・」
正直予想以上だ、この俺が押されている・・。
ってかこの教室なんか良い香りするんだけど!
フローラルなやさしく包みそうな香りがするんだけど!
前世無縁だった女の子の香りがするんですけどぉ!
そんな感想を抱いていると一夏は俺の横で顔を強張らせて固まっていた。
「ま、まぁ、席に座ろうぜ」
そう言って、席に座る。
一夏とは席が少し離れていて少々気まずい、
何人かの女子の視線が辛い、
こんなに女子に注目されるのは初めてだ・・。
はやく・・はやくHRよ始まれ!
そんな祈りをして数分、
ドアが開かれ、緑の髪で胸部装甲の厚い女性が入ってきた。
「皆さん入学おめでとうございます! 私は副担任の山田真耶と言います」
そう言った瞬間、ぺらぺらと話していた女子たちはしんと静かになった。
「あれ、えぇと・・」
皆の態度に少しオドオドしている、
なんだろう、このいじめたくなる衝動!
「えと、その、IS学園の施設ですが・・」
涙目になりながらこの学園の説明を始めた。
なんだろう・・この罪悪感、いじめたくなるとか思ってごめんなさい、
正直罪悪感で胸いっぱいです。
「えっと、以上です
そ、それでは自己紹介に移りましょう!」
お、また元気になった。
さて、俺の自己紹介まで少し時間かかりそうだしなぁ・・、
ってか、少し緊張解けてから眠気が・・。
スヤァ
俺が寝ている間も自己紹介が続いている、
その眠りを覚ましたのは、脳天を貫く激痛だった。
「いっっってぇぇぇ!
敵襲か!?」
「誰が敵だ、
それにしても自己紹介中に寝るとは」
後ろを振り向くと、黒いスーツを纏った夜叉が、こぶしを握って佇んでいた
「ち、千冬さん!?」
説明しよう!
この人は一夏の姉、織斑千冬、悪い人ではないが、少々怖い。
ってかめちゃくちゃ怖い。
それに、唯一束さんと対抗できる人でもあるだろうな。
そして二発目の攻撃がまたも俺の脳天を襲う
「いっってぇぇえ!
手加減してくださいよ千冬さん!」
「ほう? もう一発食らいたいようだな」
「織斑先生でありますはい」
「次は無いぞ」
俺は頭をさすりながら周りを見渡す。
一夏が立ったまま固まっているのを見る限り、自己紹介中だったのだろうか、
「織斑、自己紹介を続けろ」
そう言って千冬さんが一夏に自己紹介を続行させた。
「え、えーと織斑一夏です、よろしくお願いします・・・・」
そして皆が次の言葉に期待の眼差しを送る、が
「以上です!」
ガタッ!とクラスの大半が椅子から転げ落ちた。
皆、乗り良いな、吉本見てるみたいだ。
「お前は自己紹介も満足にできないのか」
そう言って俺と同じように、脳天にこぶしが落ちる。
うわぁ・・やられたからわかるけど、痛そうだ・・。
「織斑先生、会議は終わられたのですか?」
「ああ、山田先生、クラスへの挨拶を押し付けてすいませんでした」
「あ、いえ、副担任としてこれくらいはしないと」
そう言うと、千冬さんは教壇に立つと、皆を見渡し自己紹介を始めた。
「さて、諸君私が担任の織斑千冬だ。これから一年間でお前たちを使い物にするのが私の仕事だ。
だから私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。私の仕事は十五歳から十六歳までを鍛え、お前たちを使えるようにする。
別に逆らっても良いが、私の言う事だけは聞け、いいな。解らなくても返事をしろ!」
イエスマム! そう叫びたくなるような言葉だ、
なんだかまりもちゃんを思い出すなぁ。
そして、次の瞬間教室は割れんばかりの声が響いた。
耳がぁぁぁ・・。
「キャーー!! 千冬様! 本物の千冬様よ!!」
「私、ずっとファンでした!!」
「私、お姉さまに憧れてこの学園に入学したんです!」
「ビクンビクン・・」
「私、お姉さまの為なら死ねます!!」
おい、一人やばい奴いるぞ、
見るからに鼻血出してね?白め向いてにやけながら気絶してるよ、
正直怖いですはい。
その子は、急遽呼ばれた先生方に保健室に連れて行かれた。
「ち、千冬姉!? 何でここに・・・・!?」
「織斑先生と呼べ、馬鹿者が
あの馬鹿の二の前になりたいのか?」
「は、はい・・」
その言葉を確認するとまた、自己紹介を再開させた。
「自己紹介の続きを始めるぞ、次の者、起立しろ」
「は、はい!」
そして次々と自己紹介が続き、俺の番になる。
「次の者、起立しろ」
「イエスマム!」
またも脳天に衝撃走る・・、
「痛い・・」
少し手加減してくれたようだ。
「次は無いと言っただろ」
「すみません・・」
またも頭をさすりながら仕切りなおすように自己紹介を始めた。
「柏木英雄です
趣味は・・ハーモニカです」
パチパチと拍手と一緒に女子たちの感想が聞こえる。
「なんて言うか、普通だね」
「織斑君と比べるとねぇ」
「ガタイがよくて頼れそうな感じだけど」
うん・・分かってた。
一夏とつるんでればこんなこと日常茶飯事だ・・、
別に悔しくないし・・。
そして頭の痛みを感じながら自己紹介が終わった。
休み時間
さて、一夏の生存確認、
おっとあの中に入る勇気は俺には無い、
一夏め、女の子に囲まれて圧死してしまえばいいんだ。
さて俺の周りは・・・・言わなくても分かるよね、
まぁ暇だし少し教室内をぶらつくかな。
そう思いあたりを見渡すと懐かしい顔がいた。
「よう箒、久しぶりだな」
「っ! 英雄か、大会ぶりだな」
大会でよく見かける旧友箒が一夏のほうを見ながらそわそわしていたので声をかけてしまった。
「一夏が気になるのか?」
「べ、別に気になるなんてことは」
「はいはい、分かってるよ、でも、少しは素直にならないと進展しないぞ」
「それは分かっているつもりだ・・」
まぁこいつが一夏のことが好きなのは昔から知っていたし、
幼馴染のよしみだ、少し喝入れてやるか。
「このままだと、一夏に挨拶できないまま休みが終わっちゃうぞ」
「そ、そうだな、しょうがない奴だ、私が声をかけないと開放されないしな」
そう言って女子の壁に箒は入っていった。
やれやれ、モテる友人を持つと大変だねぇ。
おおっと箒が一夏をつれて教室を出たな、中々大胆じゃないか。
そんな状況でも俺に話しかけてきてくれる人は・・いないね、
視線は感じるけど、なんだろう・・凄く悲しい気分になってきた。
「はーい、皆さーん。静かにー、とりあえず席について下さい」
なんという救世主! 山田先生ありがとう! この空気は耐えられなかった・・。
そんなかんやで一夏と箒も帰ってきて、初めての授業が始まった。
授業中
「ISは基本的に国家の認証が必要であり――――」
ふむふむ、このあたりは覚えているな、
徹夜して呼んだ甲斐があったぜ、
さて、一夏のほうはどうだろうか、
あっちゃー、あの顔は全然理解してないZE☆って顔だよ、
お前が当たらないことを祈っといてやるぜ。
「柏木君、どこから分からない所ありますか?」
「全く問題ないです」
あの鈍器を二周した俺に抜かりはなかった。
「そうですか! それなら良かったです!」
パァっと笑顔で喜ぶ山田先生、
この笑顔を見ると勉強した甲斐があったよ。
「織斑くんはどうですか? 何か分からない所ありましたか?」
「え、えーっと」
凄く言いづらそうだな、まぁあの笑顔を見ればしょうがないか。
「わ、分かりません・・」
「どこが分かりませんか? 教えてくれればちゃんと説明しますよ!」
「全部・・です」
その言葉の後には、硬いものに何かがぶつかったような鈍い音が響いた。
横を見てみると、一夏は頭を抑え悶絶し、千冬さんが出席簿を持ちそこにいた。
「織斑・・入学前の参考書は読んだか?」
「古い電話帳と間違えて捨て・・ました」
そして動きが見えないほどの速さでまたしても千冬さんが一夏の頭に出席簿を振り下ろした。
うわ、痛そう、
「あとで再発行してやるから一週間以内に覚えろ」
「せめて、二週間・・・・」
「何か言ったか?」
「いえ、何でもないです・・」
そんなかんやで初めての授業が終わった。
戦術機、でませんねぇ
次の話ぐらいから、出したいと思っています
誤字脱字がございましたら、連絡してくれるとありがたいです