アラスカレベルですよ(大袈裟)
休み時間
俺は勉強不足の一夏に授業で出てきそうな内容を要点的に教えていた。
まぁISの座学は覚える作業だから辛いだろうな、
そんなかんやで必死に教えていると、後ろから声がかかった。
「ちょっとよろしくて?」
後ろを振り向くと、金髪碧眼で、髪を縦ロールにしている綺麗な女性がいた。
「ん、何だ?」
俺は返事をし忘れて顔を向けるだけだった。
「まぁ、なんてお返事!?
私に話しかけられることですら本来無いはずの光栄なのですから、
それ相応の態度というものがあるのではないかしら?
それにそちらの貴方は返事すらないなんて、礼儀がなっていませんわ!」
「悪い、俺、君が誰だか知らないんだ」
「すまん忘れてた」
「知らないですって!? このセシリア・オルコットを・・イギリスの代表候補生にして、入試首席のこの私を!?
それに貴方、忘れたとはどういうことですか!」
おおっと言い方を間違えたかも・・、顔を見てやっと思い出したわ、
一夏の後に自己紹介してた人ね。
バンッ! と一夏の机を叩くと、オルコットさんは驚きと怒りをこめて顔を俺たちに近づけてきた。
彼女はプライド高そうだもんなぁ、知らないってことに怒ったんだろう、
「あ、じゃあその主席入学のオルコットさんに質問したいんだけど・・」
「はい? なんでしょうか? 下々の要求に答えるのも貴族の務めですわ、宜しくてよ?」
一夏が相手の雰囲気なんて知らないぜって顔で質問をする。
素直に質問してくる一夏に少しは思うところがあったのか、オルコットさんの機嫌がよくなってる。
「ダイヒョウコウホセイって・・・・なんだ?」
ガタガタガタッ!
それを聞いていたクラスメイトの皆がまたも揃ってこけた。
やっぱノリがいいよな、吉本のような一体感。
「一夏、代表候補生っていうのは、
文字通り未来国家IS操縦者代表になる候補の事だ」
「へぇ、よく知ってるな」
「いや、これくらい一般常識レベルだぞ
そしてISの世界大会に代表として出場するのが国家代表だから、
その国の代表といえる人の候補生ってこと
簡単に言うならエリートだ」
「そうなのですわ! エリートなのですわよ!
礼儀がなってない割りに分かってるじゃありませんか」
そりゃどーも
ほめられて良い気分になんかなってないし!
「へぇ、そんな人と同じクラスになれるなんて俺達ラッキーなんだな」
「なんですの、その態度は? もしかして私のことをバカにしていますの?
まぁ、いいですわ。何せ私は入試で唯一、教官を倒したエリート中のエリートなのですから、
泣いて頼むのでしたら、何かしら教えて差し上げても良くてよ?」
うーん、やっぱりISが出来てから、こういう態度の女性は増えたよなぁ、
「あれ? 試験の教官なら俺も倒したぞ?」
空気を読まずに言っちゃったよ。
あぁ、そうだったよなぁ、一夏ってこういう奴だよなぁ、
俺はちなみに負けましたー
動かし方なんて分かるかよ!
「は、はい!? わ、私だけだと聞いていましたが・・?」
「それ・・女子ではって、オチじゃないか?」
「っ・・!?」
おうおう動揺してるねぇ、
一夏、無自覚でオルコットさんをこんなに追い込むなんて、そこにシビれる!あこがれるゥ!
「貴方が!? 貴方も教官を倒したって言うのですの!?」
「え!? お、落ち着こうぜ、オルコットさん!?」
「これが落ち着いて――――!!」
言い終わる前に授業のチャイムが鳴った。
それと同時に山田先生も教室に入る。
「はーい、それでは次の授業を・・?」
皆がしんと静かになる。
そんな中で立っているのは俺とオルコットさんのみ、
あれ?気まずい?
「ええと、オルコットさんと柏木君、席について・・」
その言葉を聞くとセシリアさんは踵を返し、
「このままで終わると思わないことですわ!」
なんとも噛ませな言葉をありがとう、
俺も目立つのはあまり好きじゃないからそそくさと自分の席に戻る。
最後の授業の前の休み時間
俺が前の休み同様一夏に教えていると、校内放送がかかった。
―1年一組柏木英雄君、1年1組柏木英雄君、織斑先生がお呼びです至急職員室まで来てください―
「英雄、何かやったのか?」
「疑いの目で見るなよ、俺は無罪だ」
俺は何もした覚えはないぞ。
「まぁ呼ばれたことだしちょっと行って来るわ」
「おう」
そして教室を出て、職員室に向かった。
職員室
「1年1組柏木です、織斑先生に呼ばれてきたんですが」
そう言って職員室に入る、
すると俺を見つけた千冬さんがこっちに来た。
「柏木か、お前に客が来てるぞ」
「その客って誰なんですか?」
「企業の社長だ
詳しい話は、会えば分かるだろう」
うーん、企業か、まぁ会っても害はないかな、今なら。
「分かりました、どこにいるんですか?」
「客人用の部屋にいるから行って来い」
「次の授業は?」
「・・しょうがない、特別に免除だ」
「なら安心ですね、行ってきます!」
そう言って職員室を出る、
そう言えば次の授業って何だっけ?
客間
「失礼します」
ドアを開け部屋を見る、
ソファに座っているのは・・若い男性だ。
社長って言うからおっさんを想像していたよ。
「だから言ったでしょ、若い方がいいに決まってるじゃないか」
その言葉には聞き覚えがあった。
「おいまさか、お前・・」
「久しぶりだね、ロリコン君、間違えた英雄君だったね」
「神様!?」
おいおい、神様がこんなところにいて良いのかよ、
混乱のあまりロリコンという言葉はスルーしてしまった。
「別に問題ないんじゃない? この体自体ただの器だし
凄い力なんてものは今はないよ」
「なるほど、それで神様、だと不自然だな
社長と今後呼ばせてもらうぞ」
「お好きにどうぞ」
「それで社長、俺に何のようだ
会うだけってわけじゃないんだろ?」
「そうそう、君へのプレゼントがまだだったからね
あー、転生するとき言いそびれたんだった」
「何を言いそびれたんだ?」
やばいことならノーセンキューな、
「そんなにやばいことじゃないよ
君に専用機をあげようと思ってね」
え?
「な、な、何だってぇぇ!」
マジか! それは純粋にうれしい、
IS自体入学時に乗ったきりだし、
すげー興味あったんだよ!
「喜んでくれたようで何より、なら早速僕の会社に行こうか」
「え? 仕事速いですね、まぁ俺的にはうれしいけど」
「外出届けも僕が出しておいたから、何も心配いらないからね」
なら問題なし、
善は急げだ、早速社長の会社にレディ、ゴー!
会社
目の前には4階建てのビル、
企業名は富嶽重工業、
マブラヴの世界では一番日本の戦術機に携わっている企業だな。
予想していたのは、すげーでかい作業場とか研究所だったんだけど、
「予想していたのとは違ったでしょ」
「まぁ、少し拍子抜けしたのは事実だわ」
「入ってみれば分かるよ
どれだけここが凄い場所か」
確かにそうだ、まずは入ってみないとな、
そう思い、ビルの中に入った。
ビルの中は・・まぁ普通のエントランスがあり、中央に受付嬢がいる極普通のビルだ。
「さて、まずはエレベーターに入らないとね」
そう言って左端にあるエレベーターの中に入る、
そして社長は、E2を押した。
「やっぱり研究って言ったら地下だよね」
「地下研究所ってロマンだもんな」
「分かってくれると思ったよ」
そんな雑談をしながら待つと、チンッと音とともにドアが開く、
その先は・・、
「・・・・」
「驚いてくれた?」
開かれたドアの先には、上にあるエントランスの何倍もの広さの研究施設だった。
何十人もの研究者が作業をしている、
一人はPCに向かい作業をしていたり、
一人は機械をいじっていたり、
正直外のビルの中とは思えない規模だった。
「さて、こんなところで固まってないで君の機体を見に行くよ」
「あ、ああそうだな」
そう言って周りをきょろきょろしながら社長についていく。
IS稼動施設
物々しいドアが開くと、目の前には見たことのあるフォルムのISらしきものが佇んでいた。
「これが君の乗るIS、
これが・・っていやいやいや、
「これ戦術機だろ!?」
その灰色の機体は、どこと無く武御雷に似ている、
でも武御雷ほど尖った装甲はなく、
スタイルも細くはなく、どちらかと言わなくてもごつい。
でもISと思わせるのは、一回り二回りほど大きくなった跳躍ユニットのせいだろうか。
「瑞鶴だろこれ!」
「さっき言ったじゃん」
おいおい戦術機に乗るのかよ!?
「まぁまぁ落ち着いて、僕なりのサプライズさ」
「サプライズ?」
「そう、流石にこの世界に何も無しに転生させるのは可哀想かなぁと思ってね、
IS適正と、この機体をプレゼントしたってわけ」
「成る程なぁ、確かに驚いたわ」
「それは良かった
なら、この機体の説明をさせてもらうよ」
「お願いします!」
「この機体を作る上で企業を作ったんだ。
で、国から許可を貰ったのはいいけど、
国には量産機をコンセプトに作れと言われちゃったんだよ、
形上は小さな企業としてやっているし、
この施設が明るみに出るのは避けたかったからね
僕の力を使えばどんな風にでもなったんだけど、それじゃあつまらない
だから、その量産機の話は飲んだんだ
まぁ、瑞鶴自体量産には向かない機体なんだけどね・・。
そういうわけで、量産機を作る話になった。
でもそれだと君の専用機が作れない、
そこで、形上は僕の会社の量産機のテストパイロットとして、
この機体を作ったんだ。
見た目的に、量産機らしく、性能も汎用性を重視したものになっている。
まぁ流石に専用機が量産機だと可哀想だし、
本来の瑞鶴の機動力に20%増しておいたよ
今は最適化してない状態だからその20%も出てないけどね。
一応そんな内容で通したところ、やっとOKをもらえたんだ。
そう言った理由で君は晴れてテストパイロットになれたってわけ」
「おわかり?」と言葉を付け足して説明を終える
いちいちむかつくな・・
「これを作った理由は分かった
でも、つまりだ
俺は量産機のテストパイロットってことになるぞ!」
「まぁ・・そうだね、でもロマンだと思わない?」
確かに量産機で専用機を倒すのはロマンがある。
ザクⅡ改とアレックスの戦いとか最高にかっこいい、
それ以上に泣いた記憶しかないけどな
「でもそれはセンスのある奴だけだろ?
俺のような一般ピーポーに勝てる自信は無いんだけど」
「それについては考えがある
それにさっき言ったでしょ、この機体は専用機だ
従来の量産機よりも強い」
「それについてなんだけど、どんな改造をしたんだ?」
「改造するのは大変だったんだよ、
テスト機って理由で、色々とこの機体を改造するのは」
「愚痴はいいから説明せい」
「・・まずひとつ、二次移行できるようにしたこと
量産機には擬似ISコアが使われていて、一次移行も出来ない物なんだ
だからコレにはオリジナルコアを使っている」
「オリジナルコアって数が限られてなかったか?」
独学だから自信ないけど・・確かそうだったはずだ。
「・・ぐ、偶然貰ってねぇ、いやぁ運が良いなぁ僕も!」
誤魔化したな、しかもわざとらしく。
「ま、まぁそのコアで組んだから一次移行できるんだ」
「その追求は今度やる
で、もう一つは?」
「・・もうひとつは、瑞鶴に00式近接戦闘用短刀を装備させたこと」
「それ、意味あったのか?」
「ロマンとだけ言っておくよ」
仕込みナイフかぁ・・使うときあるのかな。
「後は、さっきも言ったように本来量産する瑞鶴よりも機動力が増したってこと
でもそのせいで少し弊害が出ちゃったんだ」
「その弊害って?」
やばいのだったら勘弁だからな。
「容量使い切っちゃった♪」
「は、はぁぁぁぁ!?」
なに可愛こぶった顔してんだよ!
男がやったって意味ないんだよ!
ってかそんなことはどうでもいい、
「容量がない!? どうやって武器使うんだよ!」
「それについても考えがちゃんとある
簡単に言えば、本来の戦術機と同じだよ
最初から武器を装備して戦ってもらうことになるね
まぁ、補給が出来ないからマガジンは何個か持って行くことになるけど
最初から強いなんてつまらないじゃない」
癖のありすぎる機体だなおい。
「だけど、楽しみでしょ」
「まぁ楽しみと言えば楽しみだ」
どんな形でも、戦術機に乗れる、夢のパイロットになれる、
楽しみじゃないわけがない!
「乗りたい? 乗りたいよね? 乗りたいはずだ!」
なんかお前もキャラ変わってないか?
「僕もこれを作るのには苦労したからね
動く姿を見たいんだよ
それじゃあ、早速乗ってみようか、この瑞鶴に」
そう言われて、瑞鶴に近づくと、戦場を共にする相棒に触れた。
やっと出せたよ戦術機!
誤字脱字がございましたら報告お願いします