我慢できずに、もう一話
IS学園
体が揺らされる、
俺はどうやら眠ってしまっていたようだ。
「んー・・、朝か?」
「なに馬鹿なこと言ってるんだい?
もう学園に着いたから起こしたんだよ」
あぁ、車に乗ってから寝たのか、失態失態。
「それじゃあ僕は帰るけど、
君の専用機の待機状態のものは織斑先生に送っておくから、
明日あたり取りに行ってね」
「あいよ」
そう言って車を降りる。
「それじゃあ、もし追加で何か武器を作ってほしい時は、
無理が無いレベルで作ってみるから気軽に連絡してね」
そう言って電話番号とアドレスの書かれた紙を渡される。
その後「おやすみー」と言って、車で走り去った。
さて、俺も寮に帰るか・・・・って、
「寮の部屋番号分からん!」
面倒だが、職員室に寄るか・・。
職員室
「しつれーします、一年一組柏木ですが、織斑先生いますか?」
そう言って職員室に入ると、声を聞いた千冬さんがこっちに来た。
「柏木か、どうした?」
「いや、寮の部屋番号を聞き忘れていたので」
「そう言えば言う前に外に行っていたのだったな
お前の部屋番号は・・」
なぜか千冬さんが番号の書いてある書類を見たまま固まっている。
「柏木、言いにくいんだが・・」
「なんです? いつもの織斑先生らしくないですね
ズバッと言っちゃってください」
「・・寮の倉庫だ」
え?
「すいません、最近耳が遠くなったかも、
もう一回言っていただけないでしょうか」
「寮の倉庫だ」
「な・・なんだってぇぇぇっ!」
なにそのいじめ!
まぁ別に女の子と相部屋になるような妄想なんてしてなかったわけではなかったけどさ、
いくらなんでも倉庫はないだろSOUKOはっ!
「書類によると、生活に必要な道具はそろっているようだ
まぁ、流石につらいだろう、私の部屋と変えてやろうか?」
ち、千冬さんの部屋・・、
まさか織斑家の千冬さんの部屋みたいになってないだろうな・・、
正直、一夏の手が行き届いていない寮の部屋なんて想像したくないんだが、
それぐらいなら倉庫のほうが居心地がいいに決まっている。
「倉庫でいいです・・倉庫がいいです!」
「そ、そうか、ならこれが部屋の鍵だ」
そう言って渡されたのは、堂々とネームタグのところに倉庫と書かれた鍵だった。
・・泣いてなんかないやい・・・・。
「それじゃあ、鍵も貰ったことですし行きますね・・」
「柏木、言い忘れていたが、
男子生徒から推薦があってクラス代表候補の一人になってるからな
織斑とオルコットと戦うことになるだろう、死力を尽くすように」
一夏ェ・・やってくれたな、
ふっふっふっ、お前が俺を推薦したことを後悔させてやる・・ッ!
「以上だ、帰っていいぞ」とだけ言って自分のデスクに帰っていった。
「しつれーしました」
復讐に燃えながら職員室を出た。
倉庫
さて、これが倉庫か、
書類を見る限り、倉庫といっても元倉庫で、中には何も無いそうだ。
急遽作った簡易シャワーに洗面台、
寝床もちゃんと用意されているようだ。
さて、慣れれば都だ、いざっ、
鍵を使い扉を開けた。
「な・・何も・・無い」
ドアの向こうは何も無い部屋があった。
部屋の真ん中には、おれ自身が用意した物、
だが部屋の隅に何かある、
部屋に入り、隅にあるものを確認する。
「・・ダンボール?」
そこには逆さになり某蛇が入るぐらいのダンボールがあった。
そのダンボールを勢いよく持ち上げる。
「!」
中にあったのは、必要最低限の生活用品一式だった。
コップが一つ、小さな鍋が一つ、
ガスコンロが一つ、箸、フォーク、スプーンが一式、
そしてノートPCが一つ、
最後に、一番のでかぶつ、寝袋が一つ・・・・。
「キャンプかっ!」
寂しく一人でツッコんでいた。
まぁいいや、今日は早く寝たい・・。
「はぁ・・今日から寝袋生活か・・」
愚痴りながらも寝袋を広げる。
そして、もぞもぞと中に入りジッパーを閉じる。
懐かしいな・・、
自衛隊時代の頃を思い出しながら、
今日一日の疲れとともに、柏木は眠りについた。
早朝
0500
ピピピッピピピッピピピッ
「んー・・」
眠い目を擦りながらも、携帯の目覚ましを切る。
もぞもぞと寝袋から出て一伸び、
「んあぁぁ・・、いい朝だ」
シャワー室に置いてある水を簡易洗面台に溜め、
顔を洗う。
「ふぅ・・スッキリ」
顔も洗い、目も覚めた。
「さて、準備しますか」
俺の荷物からジャージと木刀を取り出し、
ジャージに着替え、木刀を竹刀袋に入れ外に出る。
寮周辺の広場
「29っ 30っ 31っ」
走り込みを終えたあとは素振り、
この木刀は練習用なため、芯に鉛が入っている。
最初は、腕が壊れるんじゃないかと思うほど辛かったが、
「67っ 68っ 69っ」
今では十分振れるほどに成長した。
「98っ 99っ 100っ はぁー・・」
今日も疲れた、シャワーを浴びてPX・・じゃなかった食堂に行くか。
寮 廊下
シャワーを浴びて、部屋を出た。
すると食堂に向かおうとしている一夏を発見、
普通に声をかけるのもつまらんし・・、
よし、あれでいこう。
ばれないように一夏に近づき、
「一夏」
「ん? うわっ」
無防備に振り返る一夏の肩をつかむと、足を掻け体を倒す。
自衛隊の頃の動きは意外と忘れてないようだ。
怪我をしないように手加減はしてあるから痛いだけだろ。
「いってて・・何するんだよ英雄!」
「見に覚えは無いか?
勝手に推薦しやがって」
「あ・・あははは、俺一人だとさびしいじゃん」
「そんな理由で・・まぁいいや
立てよ、そのまま寝てるつもりか?」
そう言って手を差し伸べる。
「悪かったよ」
一夏が俺の手を握り、
それを引っ張り立たせるが、少し勢いがよすぎたせいか、
一夏がそのままよろけてしまった。
「おおっと」
体を支えるため、一夏の肩を持つ。
「きゃぁぁぁっ 織斑君と柏木君が!」
「背景に薔薇が舞ったわ!」
「これで今年の夏は戦える!」
「これは脈ありね、どっちが受けかしら」
「もちろん織斑君が受けよ!」
「でも織斑君のへたれ攻めもありね」
「「「それ最高っ!」」」
廊下の先でなにやら女子四人が騒いでいるようだ。
朝でも女子は元気だな。
「何だろうな、あれ」
「さぁな、ろくでもないこと言われてる気がしてならんが
気にすることじゃないだろ」
気にしたら負けだ、
正直受けとか攻めとか聞こえたけどオレシラナイ。
「そう言えば、英雄は昨日どこ行ってたんだ?」
「あー、社長会いーの、IS乗りーの、テストパイロットになった」
「やるなら最後までやれよ!」
突っ込むとこそこ?
「でも、テストパイロットか
どんな形であれ夢が叶ったじゃん」
「そうだな、素直にうれしい反面
乗りこなせるか不安でもある」
そんな雑談をしながら二人は食堂に向かった。
食堂
さて、すぐにでも朝食を食べたいが・・、
思いの外混んでるな。
「一夏、お前の分俺が預かっておくから、テーブル確保しておいてくれ」
「おう、わかった」
そう言って一夏は席を確保するため先に行った。
「さーて、何を頼もうかね」
出来ればたんぱく質が取りたいし、
お、とんかつ定食あるじゃん、俺はこれにするか。
一夏は、和食が好きだった記憶があるし、さば味噌定食でいいか。
二つの食券を頼み、食堂のおばちゃんに渡す。
「あんたが噂の男の子かい
たくましい体つきしてるじゃないの」
そう言って、方をバシバシと叩く。
正直痛いです。
「あ、ありがとうございます、これでも鍛えてますから」
「はっはっはっ、ならご飯大盛りにしておくよ!」
「ありがとうございます!」
「いっぱい食べていっぱい動きな」
そう言ってもらったのが、
ご飯山盛りのとんかつ定食と、並盛りのさば味噌定食、
よし、一夏を探すか。
一夏捜索中・・・・
さて一夏君はどこかなぁ、
食堂を見渡すとすぐに見つけた、
あの女子群の中心部に一夏あり、だな。
「さーて、俺も飯食えないし、あのハイヴを攻略するか」
一夏に近づくと女子の山で前に進めない、
中々進めないな・・。
「あのーすいませーん、料理が通るので空けてくださーい」
少し声を上げて言うと、女子全員がこっちを向き、
無言で場所を譲った。
「・・俺って怖がられてる?」
やべぇ・・少し泣きそうだ。
「やっと来てくれたかぁ、質問攻めで疲れた・・」
「何を質問されてたんだ?」
「お前との関係?」
なん・・だと・・?
「やけに詳しく聞くもんだから、出会いから今まで話したぞ」
「・・その子達の反応は?」
「んー「やっぱりよ!」とか「夏のネタは決定ね!」とか言ってたぞ
どういう意味なんだ?」
「お前は知らなくていいよ・・」
やっぱりそうだったかぁ・・、
なんか耳を澄ますと・・、
「織斑君の朝食持ってたわ!」
「執事属性まで!?」
「眼鏡をかけると鬼畜になるのかしら・・」
なんていう耳にしたくない言葉が聞こえてくる。
「まぁ・・飯にしよう・・」
「どうしたんだ? 急にテンション下がったけど」
「なんでもない・・なんでもないんだ・・」
怖がられていないのを喜ぶべきか、ネタにされているのを悲しむべきか、
口にしたとんかつ定食は少ししょっぱかった気がした・・・・。
すいません、前にあんなこと書いたけど、家出る前に出したかった!