バンドリらしくない世界で紡ぐ逆襲劇【ヴェンデッタ】   作:熊影

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今更ですが、オリジナル要素を少し。


夕暮れと灰と星とーー13

 

「それを一時的とはいえ解消したのがジョーカーって訳だ、その耐振動性は参号に付与されてたんだろ?参号を装甲として纏ったことでお前もその恩恵を受けられたわけだ。」

 

「……だとしたらどうする?少なくとも今の君達には充分に対応出来ている。君達の能力は強力だが、対策出来ればそう怖いものではない……何か策があるとでも?」

 

挑発……いや、単に確認か。アントとしても俺たちが今の状況に手一杯とは考えていないようだ。

 

実際合っている、現にまだマキシマムブレイクだって使っていない。単に使わずとも星辰光で対応出来てきたからであり、それで対応が難しくなってきたならば別の手段を取るだけの話だ。

 

別段このままでも対応は出来るのだが、敢えてアントの考えに乗る為に、腰に巻いたベルトに備え付いていたものーー長方形のケースから見慣れた形のそれ、メモリを取り出し、スイッチを押した。

 

《ピリオド‼︎》

 

そのまま両腕にある内の右腕側にある、ベルトとは別のメモリ挿入口にメモリを入れれば、再度流れた機械音と共にデットしての姿に変化が生じる。

 

金属製の、途中で斬られたかのように中途半端な形の、青白い光が中央に走るバイザーが 右目側を覆うと同時に冷気が身体から溢れ出す。溢れた冷気は床の表面を直ぐに凍らせていく。

 

「名付けて、仮面ライダーデット・ピリオドフォームだな。」

 

何故使えるかは未だに不明な力だが、使えるものは使うだけだ。新たな姿でアントと対峙する。

 

その際カイの方を見れば、何やら集中し、真剣な顔を俺に向け、口を開いた。

 

「っ頼む、180秒時間を稼げるか!」

 

その言葉にサムズアップで返す、フォーゼの影響が少しはあることを自覚している。

 

何より仲間に頼られたのだ。答えなきゃ男じゃないと、尚冬としてライダーになって戦いながら何度も感じてきた、ゼファーであった時なら考えられない思考に胸が熱くなる。

 

そしてそのまま駆け出した、その速度は先程変わらないが動きは変則的となる。

 

「っ⁉︎これは……」

 

「おらぁ‼︎‼︎」

 

「クゥゥ⁉︎」

 

先程までは直進的な動きが多かった、が今の状態なら床を氷らせ滑ることで今までとは異る動きで敵を翻弄し、出来た隙をついていくのがピリオドフォームでの基本的な戦い方だ。

 

無論それだけじゃない、溢れていた冷気を四肢に集中させ連続で正面から打撃を繰り出すが、今度は脇差しを用いて容易く捌かれる。

 

しかし、それでいい。その理由は脇差しの凍結という形で現れる。

 

「ちぃ⁉︎」

 

凍結の勢いはあと少しでアントの腕まで及ぶところだったが、その直前で脇差しを破棄され至らない。破棄された脇差しは地面に落ちた際に粉々に砕け散る。

 

「金属すら凍らせる低温か……それでこそだ。」

 

感心した様子で告げるアントを尻目に、尚冬は静かに両手を二、三度握っては緩めていた。

 

(まだ動けるな……本当に使い勝手が悪い能力だぜ。)

 

ピリオド自体使うのは初めてではないのだが、相性は良いとは言えなかった。少なくとも長時間の戦闘には決して向かない程度には相性が悪い、ましてや出力は記憶にある本来の1割に届けば良いレベルだ。

 

しかし逆に言えば短時間の戦闘に限れば、相手の意表をつく意味で使えるのだ。そう言った使い道を考えるのは昔から得意だったからこうして使っている、まぁ、正確にはそうしなければならない環境だったからだが。

 

例えば今の目的は勝つことよりも時間稼ぎが優先、少なくとも今のままなら充分頼まれた時間は稼げる。

 

そう思った矢先、視界が夕焼けに覆われたー

 

時間は尚冬に時間稼ぎを頼んだ瞬間まで遡る。

 

何故カイは時間稼ぎを頼んだのか、それはあるものを少しでも早く知るためだ。

 

ほんの一瞬ではあったが確かに繋がった、かつての半身から受け取ったのが一体何なのかを。

 

少し調べればそれがどういうものかすぐに分かった、同時に渡した相手が相手だけに苦笑が溢れてしまう。

 

(全くあいつは……こういう展開になるのを予想してたのか?)

 

実際にそれが出来そうな相手なので苦笑で済ませている。流石は気合いと根性だけで星に勝った男(ウルトラトンチキ)だ。

納得したところでカイと唐突に、牢にいる5人に視線を向けた。

 

大切な幼なじみ達、アッシュとしての記憶を思い出してから一層強くなったのは、この繋がりを決して失わないという誓い。

 

前世では力の求め方を間違え、結果的に光の奴隷のモルモットにされ、当時の大切な幼なじみを泣かせてしまった。

 

それが結果的に今に繋がっているとはいえ、その記憶は戒めとして強く根付いている。

 

だからこそこの戦いは負けられない、海原灰翔としてみんなを守るために今はアントを倒さねばならない。

 

自分達の能力を対策した?それがどうした?

 

転生し、戦いから離れた生活を送っていたとはいえ、たかだかその程度対策した程度でやられる程に弱くなった覚えはなく、ましてや灰翔の本質はアッシュの頃と変わりはしない、だからーー

 

「そちらが切り札を切るのなら、相応の手でやらせて貰おう。終わったら全て話してほしいから、今持てる全力でいく。」

 

かつての半身から受け取ったそれを、躊躇なく解き放つ。

 

「かつて抱いた海王星の輝きよ、今一度力を貸してくれ。優しい夕焼けを見るために‼︎

超新星ーー海洋よ、想いを繋げ・夕焼之型‼︎(マークラインズ・アフターグロウ‼︎)」

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