とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧) 作:ノア(マウントベアーの熊の方)
16話目となりました…
早いものですね…
では今回もごゆっくり、見ていってください。
その日の夜、俺はみんなが自分の部屋に戻って行ったのを確認してから、俺は1人、自室の机に着いた引き出しからネックレスを探していた。
「おお、あったあった、ヘマタイトのネックレス…懐かしいな」
そう言いながら机の引き出しからネックレスを取り出し、コックが現れるのを待つ。
しばらくすると、瞬きの一瞬で目の前に見覚えのある黒髪に白いワンピースの少女の姿が現れた。
「…どうも、言われた通り来てみました」
「…って言っても俺の体から出ただけだったり?」
「えへへ…その通りです」
そんなやり取りを交わし、ヘマタイトのネックレスを部屋の机へと置き、それを囲むように2人で座った。
「ヘマタイトのネックレス…ですか」
「うん、部隊設立当初にさ、とある人から貰ったんだ、『勝負のお守りにもなるしジンの意志を強くする!ジンが本来のキミに戻れますように』って言ってな」
「『キミが本来のジンに戻れますように』…ってどういう意味ですか?」
そう言われ、当時の自分を思い浮かべる。
「あの時はなぁ…簡単に言うと、『ココロが壊れてた』んだろうなぁ…人を殺そうが何をしようが、何も思わないし感じなかった、ただ自律人形よりも昔のただ単調な動きだけをする機械みたいに活動してたしね」
「どうして…そんな事に?だって今のジンさんは優しい、いい人じゃないですか」
「テロリストに目の前で親を殺されたんだよ、見せしめのようにね、そこからヤツらに復讐するためかな…グリフィンに入ってただひたすらにテロリストを殺してた、そして気づいたらみんなと出会ってた、そこからかな、変われたのは」
「すみません…辛い過去を…」
そう言って、コックは申し訳なさそうに俯いた。
「いいんだよ、むしろあのことがなければ俺は今ここでみんなとわいわいしてないさ、それに…夢もできた」
「夢…?」
「うん、夢。叶うその時がきたら、コックにも教えてあげるよ、もう少しなんだ、叶うまで」
「わかりました、じゃあ、その時まで楽しみに待ってますね!」
「そうしてくれ」
そう言い、軽く笑い合ってから、脱線していた本来の目的へと話を戻した。
「さて…大丈夫そうかな?」
「…やってみます」
コックはそう言うと、短く深呼吸し、石の上に手をかざした。
その瞬間、軽くコックの身体が光ったかと思うと、その姿が跡形もなく消え、そこには俺とネックレスだけが残った。
ネックレスについたヘマタイトを見てみると、微かに色が変わっている…ように見えた。
「これはできた…のかな?」
そう呟くと、また瞬きの一瞬でコックの姿が先程と同じ場所に現れ、満面の笑みをこちらに向けてきた。
「大丈夫そうか?」
「はい!おかげさまでまだこの世にいれそうです!」
「そうか、よかった…なあコック、嫌なら答えなくてもいいんだけどさ、なんでそんなにこの世に残りたいんだ?…いや、別に嫌って訳じゃないんだけどさ、気になって」
「そう…ですね、どちらかと言うとこの世に未練はありません、でも、友達をまだこの世に残してて」
「…友達?」
そう聞くと、どこか嬉しそうに、
「はい、わたしの住んでた街の外れに1人住んでる女の子なんですけど、どこか放っておけなくて…つい」
「そうか…コックがもう死んじまってるのはその子は知ってるのか?」
「いえ、知らないと思います、いきなり襲撃されて死んじゃいましたし、なにより今もたまに顔見せに言ってますし」
「襲撃されて…?E.L.I.Dか?」
「いえ、テロリストです。この建物の近くの小さな街に住んでたんですけど…その時に襲撃に会っちゃって」
そう辛いであろう過去を無理して少し明るく言ってくれて、少し申し訳なくなる。
そして、その外れに住んでた女の子は外れに住んでいるということで難を逃れたのだろう。
なんにせよ、悲しい話なのには変わりない。
「そうか、すまない、辛い過去を…」
「ううん、いいんです、これが運命だって割り切れてますから」
「そうか…そういえばなんだが、その子は今、何をしてるんだ?」
「そうですね…私がその子を知った時からずっと、誰かを待ってる感じでした」
「誰かを待ってる…ずっと1人で?」
そう言うと、コックは軽く頷いてから、
「わたしがたまたま家を見つけただけで、周りの人通りはなさそうでしたし」
「そうか…年齢はいくつくらいなんだ?」
「わからないですけど…多分わたしと同じくらい…ですかね」
「18くらいの女の子が…1人で誰かを待ってる…か」
そう呟いた時、あるひとつの提案が浮かんだ。
「なぁ、1度俺もその子の家に行ってもいいか?」
「へ?なんでですか?」
「その待ち人の情報だけでも知って、少しでも協力できたらな…と思ってな」
「でも、ジンさんは仕事で忙しいんじゃ…」
「俺はグリフィン所属の傭兵だ、人探しをしてる部署があるって聞いたことあるし、そこに掛け合ってみるよ」
「でも、民間軍事会社がわざわざ個人を捜索してくれますかね?」
「知ってるか?この辺はコーラップス…崩壊液の汚染区域に近いんだぜ?そんな地域なら流石に動いてくれるさ」
「そう…ですかね?」
「根拠はない!…だが、賭けてみる価値はある」
「…わかりました、じゃあ今度のジンさんの休みの時に行きましょうか」
「じゃあ明日だな、じゃあ今日はもう寝ようか」
「ええ!?いきなり過ぎますよぉ!」
「善は急げって言うだろ?それに本当に明日は休みだしな」
「はぁ…わかりました、では明日案内しますね、でも皆さんにはなんて言うんですか?」
「近くの街に買い物行ってくる…とか?」
「はぁ…それで皆さん納得してくれますかね?」
「多分?それにみんな休暇は家でゆっくりするしな、買い物くらいなら着いてこないだろう、じゃ、おやすみ」
「わかりました、おやすみなさい」
そうやり取りを交わし、ヘマタイトのネックレスを首にかけてから、俺は布団に潜り、眠りについた。
次の日、なんとかみんなを上手く誤魔化して、車を出して走らせていると、いつの間にか助手席にコックが座っていた。
そのまま道案内を任せ、5分足らずで人知れず建つ、小さな一軒家へと着く事が出来た。
「…ここか?」
「うん、ここです、わたしが先に行ってきますね」
そうコックは言うと、家の方まで走り出し、インターホンを鳴らして、家の主が出てくるのを待ち始めた。
しばらくすると、ガチャとドアの開く音と共に、1人の黒い髪をポニーテールにした、ホットパンツに白いTシャツを来た女の子が出てきた。
「あっ、コックじゃん!元気だった?」
「うん!ソラも元気だった?」
そう元気に2人は挨拶を交わし、年頃の女の子のようにそのまま会話を続けた。
…あれ?忘れられてる?
そう思っていると、コックが思い出したかのようにこちらを向いて、俺の事を手招きで呼んだので、俺も近くへと行く。
「この人誰?コックの彼氏さん?」
そう女の子はこちらを見るなり言ってきたので、俺はいきなりの事に吹いてしまう。
コックは顔を真っ赤にして両手を使って否定していた。
「ち、違うよ!ちょっとした知り合いの先輩でね、たまたま話してたらソラの待ち人探しを手伝ってくれるって言うから連れてきたんだ」
「ああ…あのコックが信頼してるってことは言っても大丈夫…かなぁ…」
そう女の子は1人でボソッと言うと、こちらを向いて明るい笑顔をしながら、
「初めまして、私はソラって言います、よろしくお願いするね」
と、自己紹介してきた。
「初めまして、俺は叢雲 仁だ、好きに呼んでくれ…いきなり来てすまないね」
「ううん、全くって言っていいほど人来ないから別に気にしてないよ、そのお客さんがコックの彼氏さんなら尚更ね」
そうソラはいたずらっぽい笑みを浮かべ、俺の隣にいたコックへと視線を向けた。
「だーかーらー!ジンさんはわたしの彼氏じゃなーい!」
「顔真っ赤だから信ぴょう性ないよーだ!ささ、立ち話もなんだし、二人とも上がってよ!」
そう言われ、お邪魔しますといい、ソラの家へと上がる。
中は一人暮らしとは思えないほど整っていて、どこかしら何かの準備をしているようにも思えた。
「さて…と、コック、私の待ち人の話を2人だけでしたいからここで待っててね、えーと、ジンさん…だっけ?こっち来て」
そう手招きされるまま、地下へと繋がった暗い階段を降りて行く。
降り切った先に、1つの無機質な鉄のドアが現れ、その中へとソラは入っていった。
後を追うように中へと入り、暗闇からいきなり電気がつき、辺りが見回せるようになるとそこには―――
巨大なポッドや様々な機材が置かれていた。
どうでしたでしょうか?
良ければ感想などよろしくお願いします。
あ、あとしばらくもうひとつ投稿してる方を1話書く予定なので、こちらの次回は少し遅くなりそうです。
ご了承ください。
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