とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧) 作:ノア(マウントベアーの熊の方)
今回も戦闘はありません。
では今回もごゆっくり、見ていってください。
あの日から、新たに2人仲間が加わり、基地に賑やかさが増した。
みんな仲良くやってくれているようで、今も2人はみんなと一緒に休憩室で雑談しているようだ。
その事については良かったのだが、ある1つの事が気になっていた。
それは言うまでもない、ソラのことだ。
あの日から徐々に弱ってきてしまっているようで、初めて出会った時よりも、どこか元気が無くなってきていた。
俺もなんとかできないかと指揮官に相談したりしているが、今は何もいい結果が得れていない。
とにかく、早めになんとかしてやらないと、取り返しのつかないことになることは確かだった。
そう考え、昼飯を食べてから俺は自室のパソコンから業務提携先でもあるIOPのサーバーへとアクセスし、事前にソラへと聞いていたソラのお父さんの所在を調べることにした。
「『綾壁 キュウジ』…名簿検索っと」
そう言いながらエンターキーを叩き、IOP全体の名簿から検索をかける。
これならば離職者なども引っかかるはずだ。
「名簿検索結果…該当者なし…?」
確かにこの名前で合っているはずだが、何度検索してもその該当者は引っかからなかった。
「なんでだ…?改名…なんてわざわざする訳もないしな」
こうなれば面倒だが過去の研究履歴からも該当する名前を探すしかない、そう思い、キーワード検索機能を使い、同じ名前で検索をかける。
これならば引っかかる…そう思っていたのだが…
「該当者及び該当項目なし…どういうことだ?」
まるで、元から存在していなかったかのごとく、どんな方法を試して見ても検索結果に出てくることは無かった。
そこで、前にソラが言っていたことが脳裏に過った。
「『技術力の高さから恐れられていた』…か」
まさか、内部者による存在抹消でも食らったのだろうか。
まさかとは思うが、その可能性もある。
そう思い、ソラの言ってた『5年前の事故』とやらを調べることにした。
ソラが知っているということは様々な通信媒体から流れてくるほど大きな事故という事だ。
何か情報くらいはあるだろう。
そう思い、5年前にあった大きな事故を調べていくと、確かにこの周辺であった、死者数十名のトンネル火災事故があった。
それについて詳しく調べてみるが、死者のほとんどがIOP所属ということ以外、全くと言っていいほどわからなかった。
「うーん…めぼしい情報はなし…か」
そう呟いた時、自室のドアがノックされ、416が部屋へと入ってきた。
「416か、どうした?」
「いえ、そろそろご飯なので呼びに来ました」
そう言われ、ふと時計を見ると、既に19時になっていた。
体感時間よりも時間が経っていたので驚いたが、それほどまでに集中していたのだろう。
「わかった、今日の晩飯当番誰だっけ?」
「M14です、カレーだそうですよ」
「へぇ、そりゃ楽しみだ」
そんな会話を交わしながら休憩室へと向かうと、既にみんなが集まり、ワイワイと談笑していた。
近くに座り、完成まで待っていると、その会話に混ざるようにC96に言われ、仕方なく参加することになった。
「…で、何話してたんだ?」
「恋バナですよ!って言ってもみんな彼氏いたことないんで妄想が主ですけど」
「………それ俺いる?」
「男性視点からの恋バナも聞きたいんですぅ!」
「じゃあ参加する代わりにお前しっかり下もシャツとか着ろよ?」
「暑いから嫌ですぅ!」
「じゃあ俺も嫌だ」
そんな会話をしていると、唐突にソラが頭を抑えて苦しみ始めた。
「ソラ、大丈夫か?」
「うん…しばらくしたら治るよ、気にしないで」
「そうか…?無理はするなよ」
「うん、ありがとう」
そう言うと、ソラは平気そうな笑顔を向けてきた。
しかし、その顔は少しまだ苦痛の表情を浮かべていた。
「晩飯は食えるか?無理そうならやめとくか少量にした方がいい」
「うん、大丈夫だから…心配しないで」
「みんなお待たせー!カレーできたよ…ってどうしたの?」
「M14さん、なんでもないよ、気にしないで」
「そうなの?ならいいけど…じゃあカレーよそうね」
そうM14は言い、お皿に人数分のカレーをよそい始めた。
「何気にM14のしっかりとした手料理は初めてかもなぁ」
「まあ作る機会がなかったからね、今まで食堂とかだったし、作ったとしてもジンさんだったし」
「簡単なものしか作れてないけどな」
そんな会話をしつつ、M14がよそったのをみんなで運び、"いただきます"と言って食べ始めた。
「M14特製カレーはどうですかぁ?」
「うん、美味いな、流石M14だ」
「やったぁ!ありがとうございます♪」
この会話のあとは普通に黙々と食べ終わり、何度かおかわりしたりしていた。
そのあとはみんなで―――もちろん俺は除いてだが―――風呂に入り、あとは寝るだけとなった時だった。
唐突にソラが膝から糸の切れた人形のように崩れ落ち、そのまま倒れ込んでしまったのだ。
「ソラ、大丈夫か!?」
「うん…大丈夫だから…」
そうソラは言い、立とうとするが、体に力が入らないのか、少し身体を持ち上げたところで再度また崩れ落ちてしまった。
「あれ…?おかしいな、立てないや…」
「ベッドまで運んでやるから無理するな、今日はもう寝よう、な?」
「うん…ごめんね、迷惑かけちゃって…」
「いいんだよ、ほら、起こすぞ」
そう言って、ソラの身体を起こしてやり、そのままお姫様抱っこのように持ち上げてソラが今使っている部屋へと向かい、ベッドの上にそっと置いてやった。
「ごめんね、ジンさん、明日には良くなるはずだから…」
「ああ、無理するなよ、ここに無線を置いておくから、何かあったら呼んでくれ、操作は出来そうか?」
「うん、手は動くから…力入れにくいけど」
「わかった、じゃあまた明日な」
「うん、おやすみ、ジンさん」
「ああ、おやすみ」
そうやり取りをし、みんなの待つ休憩室へと向かう。
みんなやはり心配だったようで、ソラの容態を聞いてきた。
それに対して、"今は大丈夫だ"と返してやると、みんなほっとした表情を見せてくれた。
そして明日の予定をみんなで共有し、各々自室へと戻り、俺は指揮官からのメールを確認してから、眠りについた。
いかがでしたでしょうか?
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