とある特殊小隊の日常物語   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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どうも、18話(現19話)を書いていたら物語が変に繋がってるところを見つけてそこから19話(現20話)に切り替えるために19話(現20話)に移した文と合計全部の文字数見たら9000超えてたノアです。
びっくりしました。

とまあ雑談はそこまでにして、今回もごゆっくり見ていってください。


第19話

次の日になり、俺は昨日情報共有したとある訓練をする前にみんなの分の朝食を作っておこうと、いつもより少し早めに起きた。

そして休憩室にあるキッチンで朝ごはんを作っていると、ピンクに白い水玉模様のパジャマを着た、416が起きてきた。

 

「おはよう416、いつもなら着替えてからくるのに今日はパジャマかい?」

 

「ジンさん、おはよーございます…ふわぁぁぁ…」

 

そうあくびをして目を擦りながら416は椅子へと座り、そのまままた寝始めてしまった。

 

「…寝ぼけて来たんだろうな、いつもならまだ416起きてくる時間じゃないし」

 

そう思い、コンロの火を切ってから、ぐっすりと眠る416をおんぶして、少し罪悪感を感じながらも416の部屋へと入り、ベッドに寝かせてやる。

部屋の中は普段の416からは想像もつかないほどに乙女チックで、可愛らしい小物やぬいぐるみがたくさん置かれていた。

 

「…これは起きてきてから覚えてたら恥ずかしさで発狂しそうだな」

 

そうボソッと呟き、何も見なかったことにして416をベットに寝かせてからキッチンへと戻り、また火をつけて料理を再開した。

そのしばらく後、完成した頃になると、416が今度はいつもの黒いフライトスーツの制服姿で、ベレー帽を深くかぶって顔を隠しながら起きてきた。

 

「おはよう416、よく眠れたかな?」

 

「…はい、お陰様で、それとあの…」

 

「どうした?」

 

「…今朝のこと、みんなには言わないでください、お願いしますぅ!」

 

そう416は縋るようにこちらを掴んで半分涙目でこちらを見てきた。

流石に困惑したが、いつもと違う416が見れて謎の満足感ができていた。

 

「…わかってるよ、ちなみに理由は?聞いても?」

 

「…私のクールキャラが壊れちゃうので、お願いします、本当に」

 

「わかったよ、言わないでおく」

 

そう言うと、416は満面の笑みを浮かべ、"ありがとうございます"とお礼を言ってきた。

いつもこれくらい素直ならいいのだが、彼女にもプライドのようなものがあるのだろう。

…そうだ、いいことを思いついた。

 

「ただし一つだけ条件いいかな?」

 

そうニヤニヤしつつ416の方向を向いて言うと、何を言われるのかわからないからか、少し恐怖の表情を浮かべていた。

 

「わ、私にできることなら…」

 

「なに、そんなに難しいことじゃないよ、みんなといる時は今まで通りでもいいけど、俺とだけの時は今朝みたいなありのままの416を見せてくれないか?」

 

そう言うと、416はまたベレー帽を深く被り、俯きながら消え入りそうな声で"わかりました"と言ってくれた。

その後椅子に座った416を見ると、何があったのかと思うほどに顔が赤くなっていた。

…少し意地悪だっただろうか。

 

そんなことを思いながら食器を出したりして準備していると、他のみんなも揃い始めた。

…ソラを除いて。

 

「…ソラはどうした?」

 

「さあ…M14達が通った時は静かでしたけど」

 

そうM14が言ってくれたので、もしかしたらまだ寝ているのかもしれないと思い、みんなの朝食をよそってから、様子を見に行くことにした。

皆に先に食べておいてもらい、俺はソラの部屋へと向かった。

部屋へついてノックしても返事がなかったので、申し訳ないがそのまま入ることにした。

 

「ソラ?入るぞ?」

 

そう言い、部屋へと入ると、こちらを見て微笑むソラの姿があった。

 

「どうした?…やっぱり立てないのか?」

 

「…うん、上半身なら動くんだけど」

 

「そうか…朝食持ってこようか?」

 

「うん、でも…その前に話したいかな」

 

そう言い、ソラは今までとは違って、弱ったような笑顔へと変わった顔を、こちらへと向けてきた。

 

「…わかった、どうした?」

 

「私、もうそろそろダメかもしれないの、昨日倒れた時から、目も見えにくくなってきちゃった」

 

そう言われ、咄嗟に声が出なくなってしまう。

ついに、その時が近づいてきてしまったのだ。

 

「そうか…どうしたもんか」

 

そんな会話をしていると、ポケットに入れていたケータイに電話の着信が来て、淀んだ空気を変えるかのように鳴り響いた。

 

「悪い、指揮官からだ、すぐ戻ってくる」

 

そう言い、部屋から出て、1人静かなところへと向かう。

そして未だ鳴り続けている電話を取った。

 

「もしもし?」

 

『もしもし、今日の訓練は大丈夫そうか?』

 

「ええ、まあ今のところは、それだけです?」

 

『いや、本命はこっちや、ゆーてた自律人形の子、実体のボディは無理かもしれんがもうすぐお前らに配備するARデバイスなら大丈夫かも知れん』

 

「それって…昨日メールで言ってた汎用デバイスですか?」

 

『ああ、本来なら専用のAIがおるんやけどな、そのAIと一緒にインストールすれば大丈夫かもしれんとの事だ』

 

その言葉を聞き、ソラを別の形にはなるが生かしてやれるかもしれないと嬉しくなり、いてもたってもいれなくなってきた。

今すぐに伝えてやりたい、そう逸る気持ちを抑え、現在のソラの状態を伝える。

 

『なら早く伝えたり、一刻も争うやろ』

 

「了解です、ではまた、ありがとうございました」

 

『ええんやで、助けれそうなら助けれるとこまで助けたれや』

 

「はい、では」

 

そう言い、電話を切ってすぐに走り、ソラの部屋へと向かった。

 

「おかえり、なんだったの?」

 

「訓練の事と…あともう1つ、実体としては今は無理だが、ARやVR世界ならソラを生かせれると思うって言われたんだ」

 

「確かに、それなら存在は消えないね、でもその環境で生きてたとして、他に誰かと会えるの?」

 

「ああ、近々俺らに支給されるARデバイスだからな、俺らとは会えるし、その環境にいるAIとも会話できると思う」

 

「でも、それだと私が兵器としてジンさん達をサポートしないといけないんじゃ…」

 

「確かに、俺たちに配備されるという事はそうなるかもしれない、でも、そのためにもう1人AIがいるんだ、ソラにそんなことはさせないよ」

 

そう言うと、ソラはどこか悲しそうな顔をしながら俯き、何かを考え始めた。

 

「…どうせ、最初からそれが目的だったんでしょ?」

 

そう、ソラがポツリと涙を目に溜めながら呟いた。

 

「…え?」

 

「…どうせ、ジンさんも私の事を兵器や道具としてしか見てなかったんだ」

 

「そんな事は決してない、俺は大切な仲間だと思ってるよ」

 

そう言うが、ソラの涙は止まらなかった。

 

「あなた達人間はいつだってそうだ、私たちヒトじゃないモノに汚れ仕事をさせようとする」

 

「そんな事はないさ、世の中には大切な家族として迎え入れてる人もいる、少なくとも俺はそうだ、みんな大事な家族だよ」

 

そう言うと、ソラはキッと睨むようにこちらを向き、

 

「でもジンさんは戦術人形と一緒に戦場に出て人を殺してる、それは私たちヒトじゃないモノに汚れ仕事をさせてるのと変わらない!」

 

と、大声で言ってきた。

 

「それは…」

 

その言葉に、俺は何も言い返せなくなっていた。

そして、部屋にしばしの沈黙と、泣いている声が響き始めた。

 

「もういい、部屋から出ていって、私を1人にして…」

 

「…わかった」

 

そう言われ、俺は何も言えず、言われるがまま部屋から出た。

出てすぐみんなの待つ部屋の方を見ると、コックが悲しそうな顔をして俯いていた。

 

「…聞いてたのか?」

 

「…うん」

 

「…そうか」

 

そう短いやり取りを終え、辺りを沈黙が包んだ。

 

「薄々気づいてたんだ、ソラが人間じゃないってこと」

 

「…そうなのか?」

 

「うん、そして、ソラが死のうと…ううん、死んじゃいそうなのも、気づいてた」

 

「…そうだったのか」

 

そこで、また沈黙が包む。

しかし、コックが意を決したように俯いていた顔を上げ、

 

「…わたし、ソラに本当のこと、伝えてくる」

 

と言った。

 

「…わかった、行ってこい」

 

…俺には、それを送り出す事しかできなかった。

先程まで感じていた空腹も忘れ、俺は今までしてきたことが正しかったのか、自分に問い詰めていた。

本当に、今までしてきたことは正しかったのだろうか。

…本当に、今のままでいいのだろうか。

 

そう考えながら歩いていると、気がつけば屋上のヘリポート近くの広い休憩スペースまで来ていた。

俺は、そこにあった椅子に座り、青空の下雲を眺め始めた。

 

「俺達がやってきたことは、間違ってないよな…?」

 

そうポツリと呟き、俺はため息をついていた。

すると、誰かが階段を上がってくる音が聞こえ、ふと出入口の方向へと視線を向ける。

そこにはキョトンとした顔をした、M500の姿があった。

 

「ジンさん、こんな所でどうしたの?」

 

そう言われ、俺はまた、自分にしていた同じ質問を、今度はM500へと投げかけていた。

 

「どうしたのいきなり?…でも、そうだね…間違ってはないと思うよ?だって…ほら!」

 

そう言いながら、M500はポケットから自分の端末を取り出し、軽く操作してからこちらへと見せてきた。

見てみると、そこには色々な人々からのお礼の言葉が、メールで届いていた。

 

「これって…?」

 

「ほら、私たちは見た目も性格も女の子じゃん?だから親しみやすいのか撤収作業してる時に忙しいジンさんと違って、私たちは市民の人たちからメアド交換を頼まれることがあるんだよ、その人たちからのお礼の言葉!」

 

「お礼の…言葉…」

 

そう軽く呟く。

 

「うん!だから、私たちのしてることは間違ってないよ!」

 

…でも俺のしていることは、誰かから本当に感謝されてもいいことなのだろうか。

こんなにも優しい少女たちを、俺は戦場へと連れて行っているのだ。

 

「でも…俺たち人間は君たち自律人形の意志に関係なく汚れ仕事をさせてる…それこそ、道具を使うかのごとくだ」

 

「確かに、他の人達はそうかもね、でも、ジンさんは違うじゃん!私たち自律人形は死んでも次がある、でもジンさんはそうじゃないのに私たちの事を第1に、人間として接してくれてる。その事が、私たちは本当に嬉しいし、ジンさんのために色々してあげたいってなるんだよ!それに、本当に嫌ならセーフティのギリギリまで反抗するし…確かに、好きで人を殺してるわけではないよ?でも、これは必要なこと、そう思ってる」

 

そう言われ、どこか、少しだけでも救われたような気分になった。

 

「M500…ありがとう、いっつも君には助けて貰ってばっかりだな」

 

「ううん!困った時はお互い様、でしょ?」

 

「…そうだな、ありがとう」

 

そう言うと、M500は"どういたしまして"と言って、俺の隣に座って一緒に空を眺め始めた。

 

「…なあ、もしM500の好きな人が死んで、1人だけで残されて、それを周りに打ち明けれずに何年も過ごす…ってなったら、どうする?」

 

そう、少し気になったことをM500へと尋ねてみる。

すると、M500は少し悲しそうな顔を浮かべ、

 

「…私には無理かな、そんな生活、多分後を追いかけちゃうよ」

と、言ってきた。

そこで、もう1つ追加で質問をしてみることにした。

 

「もし、自分のことを考えてくれる友達がいたとしても?」

 

「そうなったら…その友達といれるときまでいる…かなぁ、でも、後を追って死にたくはなり続けてるかも」

 

「そうか…ってことはソラも…かなぁ」

 

そう言うと、M500はキョトンとした表情で、"え?どういうこと?"と聞いてきた。

 

「…誰にも言うなよ?…ソラは実は自律人形でな、作った親がもちろん居たんだが、何年か前に死んじまったらしい…そして、ソラの生命も尽きようとしてる」

 

「それって…つまり…」

 

「ああ、愛する人に先立たれ、自分のことを考えてくれる友達がいるから今まで無理して生きてきた…んだろうなぁ」

 

「そう…なんだろうね、で、もうそろそろ後を追える…ってこと?」

 

「…なんだろうな、あの時『生きろ』だなんて酷なこと言っちまったもんだよ…」

 

そう頬杖をつきながら言うと、M500は、

 

「でも、嬉しかったんじゃないかな?」

 

と言ってきた。

 

「…そういうもんなのか?」

 

「私にはよくわからないけど…他にも優しくしてくれる人に出会えたんだもん、私なら少しは嬉しいかな」

 

「そうか…?」

 

にしても、なぜあそこまで自律人形にそういう仕事をさせることを嫌いに思っているのだろう。

確かに、そういう汚れ仕事を自律人形にはさせて、我々人類はほとんどしなくはなってきている。

…もしかしたら、過去に何かあったのだろうか。

 

「はぁ…とりあえず朝飯食ってくるか」

 

「私は訓練の準備も終わってるからしばらくここにいるね」

 

「わかった、また後でな」

 

そう言い、休憩室まで向かい再度温め直して朝食を食べ、俺は気持ちを切り替えていた。




どうでしたでしょうか?
416ってクールな完全主義者で微ヤンデレみたいな印象ありますけど、乙女で可愛いもの好きなツンデレだと思うんです。
実際大陸版でロリ化した時ににゃんこを持ってましたし。

とまあ(?)今回はここまでです、コメント、評価等をお待ちしております!

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  • HK417
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