とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧)   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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早いもので20話を超えました。
割とネタも尽きてきたのでたまに別の話でも書いてリフレッシュしようかな…と思ったりしますけど書けてないんですよねw
設定はあるので書きたさはあるのですが…

とまあ前書きはここまでして、本編をどうぞ!
今回もごゆっくり、見ていってください!


第21話

「うわぁぁ!こっち来たぁ!」

 

この訓練ももうすぐ終わりという所で、訓練場の近くの森から大量のE.L.I.D.が、フェンスを破壊してこちらへと走ってくるのを見つける。

慌てて銃を構え、E.L.I.Dの足へと足止めのために銃弾を放つ。

幸いにも低級のようで、私の放った12ゲージスラッグ弾は突き刺さり、走ってきていたE.L.I.Dは膝から崩れ落ちた。

 

「416、弾はあと何発ある!?」

 

「訓練だからいつもより少なく持ってきてて、あと30発マガジン2つ分しかないわ!」

 

「あたしは左右のスコーピオン分合わせて4マガジンかな…いずれも普通のじゃなくて拡張マガジンだから普通の装弾数よりは多いけれど」

 

「私はスラッグ弾があと8発に12ゲージが15発…かなぁ、銃の中にはあと7発スラッグ弾!」

 

「って事はあと30発…それって足りる?」

 

「うーん…無理かなぁ…とりあえず逃げるよ!」

 

そう言い、私はまだ倒れているELIDの頭に向かってもう1発撃ち、トドメを刺す。

 

「ジンさん、聞こえる!?大量のELIDが襲撃してきたんだけど!」

 

『知ってる!今援軍を申請したところだ!』

 

「わかった!それまで耐えとくね!」

 

そう短くやり取りを交わし、私たちは援軍が来るまでの防衛戦を開始した。

 

~~~

 

「クソッタレ!なんでこんなことに!」

 

そう言いながら、急いで装備を整え、イチとニコに連絡して一時帰投して貰うことにした。

 

「みんなの分の弾薬も持てるだけ持って…よし!」

 

そう持っていくものを確認し、俺は屋上のヘリポートへと向かった。

すると遠方から出せるだけの速度で飛んでくる1機のヘリを見つけることが出来た。

 

『お兄ちゃん、あと2分程度でつくから準備お願いね!』

 

「了解!」

 

そう飛んでくるヘリの機長であるイチと短く交信し、俺は荷物を持ったまま待機する。

しばらくすると、屋上のヘリポートにイチとニコが操縦するヘリが降りてきた。

急いでヘリのドアを開け、荷物を放り込み、飛び込むかのように乗り込む。

乗り込んでドアを閉めた瞬間、ヘリは上昇を開始し、みんなの待つ訓練場へと全速力で飛行を開始した。

しばらくすると、前方に同じく飛行する、1機のヘリを見つけた。

まだ点のようにしか見えないが、恐らく友軍だろう。

そう思っていると、ニコがグリフィンの公共回線へと無線をつなげ、

 

「こちらシグマ01、貴機のコールサインを求む、援軍の方ですか?」

 

と、通信を取った。

すると、

 

『こちらガンナーズ01、援軍です、指揮をお願いできますか?』

 

と無線が帰ってきたので、俺もインカムを公共回線へと合わせ、

 

「こちらシグマフォース隊長、叢雲です、我々は中央広場へと機を着陸させるよていです、こちらの到着までドアガンによるELIDの掃討を頼みます」

 

『了解、シグマ01の到着までドアガンによるELID掃討を行います』

 

そう無線から聞こえ、援軍が来てくれていることに内心ホッとしつつ、俺はまだ空を飛んでいる中降下準備を始めた。

ちなみに今回はいつものHK416ではなく、その口径拡大版のHK417を装備してきている。理由は5.56mmよりも7.62mmの方がマンストッピングパワーが大きいからだ。

それに相手は人間ではなくELIDだ。

少しでも威力のある方が何かといい。

 

『上空に到達、援護射撃開始』

 

そう無線から聞こえ、俺たちも急ぐ。

とにかく今は敵の多さがわからないが、この機銃掃射で少なくなることを願うまでだ。

…それはそうとみんなからの無線がさっきから届かないが大丈夫だろうか。

どこか安全なところまで移動できてるといいのだが…

そう思っていると、唐突に無線が入り、

 

『ジンさん!とりあえず援護射撃のお陰で退避できた!どこで落ち合えばいい?』

 

と、M500から無線が入った。

そのことに胸をなでおろしながら、落ち着いて、中央広場へと集まるように指示を出した。

 

「そうだ、それはそうと、みんな無事か?」

 

『うん、弾が尽きそうだけどみんな無事!じゃあ中央広場で落ち合おうね!』

 

「わかった!無理するなよ!」

 

そうやり取りを終え、外を見てみると、訓練場の姿がくっきりと見えてきた。

 

「目標まで3分前!もう着くよ!」

 

そうイチに言われ、直ぐに降りれるようにドアを開ける。

そして先行していた友軍に先に着陸して展開するように伝え、俺はGAU-19ガトリング砲のチャージングハンドルを引き、弾を薬室へと送る。

 

「イチ、ニコ、まずは援軍の展開が終わるまで上空から援護射撃をする、頼んだぞ!」

 

「了解!あたいとニコに任せて!」

 

「うん、ボクたちに任せてよ」

 

そう2人からの返事を聞き、俺は短く"頼んだ"と返し、いつでも撃てるように臨戦態勢に入る。

やがて機体は上空へと達し、沢山のELIDが練り歩いているのが見え、中央広場に1機のブラックホークが着陸し、中から6人出てくるのが見えた。

恐らく戦術人形の部隊だろう。

俺はその展開を援護するべく、上空からELIDに向かって射撃を開始する。

その12.7mmという巨大な弾丸は面を形作るかのように大量に飛翔し、人の形をした異形のモノ―――ELIDどもへと吸い込まれ、赤い花を咲かせた。

どうやら下級しかいないようで、次々に辺りを赤く染め、そのまま倒れていく。

やがて眼下に見える援軍部隊の射撃が始まったのを見ると、射撃をやめて上空を一周して敵の陣容を把握し、中央広場へと降下を始めた。

 

「タッチダウン!」

 

そう聞こえると同時に持ってきた弾薬を持ってヘリから降りる。するとみんなが手を振りながらこちらへと駆けてきて、みんなの無事を確認することが出来た。

 

そして各々の給弾済みマガジンやスピードローダー、マガジンローダーや今持ってる空のマガジンへと入れる弾薬などをアモ缶事渡していき、急いで給弾、臨戦態勢を整える。

その間俺はニコと共に警戒をし、臨戦態勢が整ったのを確認してから上空待機組のイチとニコと反撃組の俺たちに分かれ、現在応戦してくれている援軍の援護へと向かった。

 

前線へ着くと、そこには大量のELIDの死体―――そして、重機関銃や軽機関銃、SMGを持った少女達と、見覚えのある、腰のホルスターにコルトSAAを装備した少女が、アサルトライフルを構えて弾幕を張っていた。

 

「じゃーみんな、適当に進軍開始しよっか!」

 

そうリーダー格であろう、少し暖色系の色が混ざった金髪の女の子が言うと、伏せ撃ちしていた子は立ち上がり、立って射撃していた子はそのまま進軍を開始した。

それを見て、こちらは大丈夫だろうと思い、俺達は別ルートから側面を突くように進軍し、奇襲を試みることにした。

しばらく走っていると、再度隙がない程の銃声が聞こえ始めた。

定位置について射撃を始めたのだろう。

それにしても、弾薬消費量がすごそうだ。

これ程までに無計画とも思えるほどに弾幕を張っていると、弾切れも早そうだが、その辺はどうなのだろう。

そう思いつつ1度建物の影で止まり、建物の影から敵の様子を伺いつつ、突撃の配置に着く。

そして3カウント数えてから、ELIDどもの側面目掛けて射撃を開始した。

射撃音に気づいたELIDが数体突進してくるが、落ち着いて急所へと撃ち込み、無力化していく。

たまにそれでも突進し続けてきたり、急所から外れて何事もないように攻撃しようとしてくるが、お互いにフォローし合って攻撃される前に倒し続ける。

それを何度か繰り返し、やがて辺りから、木々が風に揺らされる音だけ聞こえるようになった。

しかし、それでも警戒を続け、イチとニコに上空からの偵察もして貰いつつ、確実にELIDへと生死問わずに急所へと一撃加え、確実に射殺していく。

こうでもしないとコイツらはまた生きていたら襲ってくる時があるのだ。

それを終え、中央広場へと戻ると、そこには援軍で来てくれていた女の子たちが加熱した銃身に苦戦しつつも、座り込んで銃の手入れを行っていた。

 

「ふぅ、ELIDの掃討完了!援軍ありがとうな!」

 

そう言いながら、みんなと一緒にその子達へと近寄っていく。

すると、俺に気づいたらしい2人が立ち上がり、こちらへと駆けてきた。

 

「きゃっほージンさーん!久しぶりぃ!」

 

「お久しぶりです、前回はSAAがお世話になりました」

 

そう二者二葉の言葉をかけられ、今回来てくれた援軍の正体がはっきりとわかった。

 

「久しぶり、元気そうでなによりだ…で、そこにいるのが例の"第25速射小隊"の仲間たちかい?」

 

「うん!通称、『マシン・ガンナーズ』のみんなだよ!」

 

そう言われ、改めてマシン・ガンナーズのメンバーの銃を見てみると、SAAともう一人の子を除いて、全員が重機関銃か軽機関銃という、なんとも火力マシマシなメンバーなので、そりゃあそんな通称がつくだろうなと納得する。

しかし、見てみるに全員の銃は…

 

「アメリカ製の銃の戦術人形たち…か?」

 

「おっ、よくわかったね!もしかしてジンさんって銃マニア?」

「いや、たまたまだよ、一人二人はアメリカ製かどうかわからん、たまたまアメリカ製の知ってる銃を持ってたから適当に言っただけだ」

 

そう会話をしていると、こちらに気づいたらしい金髪の女の子がこちらへと向かってきた。

 

「こんにちは!この前はSAAを案内して頂いてありがとうございました!私、ブローニングM1918って言います!一応適当にサブリーダーやってます!」

 

「よろしく、シグマフォース隊長をやってる叢雲 仁だ、今回はありがとう、助かったよ」

 

「いえいえ、たまたま待機してたら呼ばれただけなんで、当然のことをしたまでですよ!」

 

「ありがとう、そうだ、もし良ければケリーって呼んでもいいかな?」

 

「誰が"コマンドー・ケリー"ですが誰が!私そんなに凄い人じゃないですよぉ!」

 

「じゃあ…BAR…はさすがになぁ」

 

「当たり前ですよ!私そんなに歳取ってませんから!」

 

そんな会話をしていると、周りのみんなから笑いが起き、雰囲気が戦闘の後とは思えないほどに和み始めた。

みんなで色々と話し合っていると、近くに2機、減りが編隊を組んで着陸してきた。

片方は俺達の部隊章が描かれ、もう片方は複数の弾痕と機関銃というモチーフの部隊章が描かれていた。

やがてヘリのローターが止まり、操縦席からパイロットたちが降りてくる。

そしてマシン・ガンナーズのヘリパイロットの内の小さな女の子が、イチとニコを見るなり、抱きついていた。

 

気になって近づいてみると、どうやら話の内容的に知り合いのようだった。

なら邪魔しても悪いと思い、その場を離れようとすると、もう一人のパイロットの女の子から声をかけられた。

 

「どうしました?」

 

「いえ、ご挨拶をと思いまして、あたし雨宮 ナツ(アマミヤ ナツ)って言います、一応この子達の隊長やってるっす」

 

「へぇ、隊長自らがヘリの操縦を…凄いですね」

 

「いえいえ、あたしには戦闘ができませんから、空から指揮するくらいしかできないんすよ」

 

「現場型指揮官みたいな感じですか、いいじゃないですか、その方がみんなも安心できますし」

 

「だといいんすけどね…あと敬語やめてください、あたしの方が後輩なんで」

 

「そうか?ならやめるけど…」

 

そう会話をしていると、ポーチに入れていたケータイにメールが入った。

一言"すまん"と言ってから確認してみると、指揮官からの指示書がメールに添付されていた。

中身を確認してみると、『明後日より、"第25速射小隊"を"第62特殊小隊"の隷下部隊とし、基地を統合する』との趣旨が記載されていた。

つまりマシン・ガンナーズがシグマフォースの隷下部隊になり、規模がデカくなる…ということらしい。

 

「…マジで?」

 

「叢雲先輩どうしましたー?」

 

「…いや、雨宮さんとこに連絡来てない?」

 

そう言ってみると、雨宮はフライトジャケットのポケットからケータイを取り出し、メールを確認していた。

 

「…マジっすか!?」

 

「えーと…ガンナーズの今までの指揮官って誰?」

 

「ジョン・ベイクール指揮官っす」

 

「一緒だったかぁ…」

 

なら統合されるのも無理はない…のか?

そう思うが、下手したらただ管轄が面倒になっただけなのではないだろうか。

そう思っていると、雨宮が"あっ、なるほど"などと言いながら、メールを読んでいた。

 

「…どうした?」

 

「隷下部隊になっても、あたし達の任務は変わらないらしいっす、ただ基地が一緒になる程度ですかね」

 

「まあ今の基地は俺達だけだと広すぎたからなぁ…同じ指揮官の部隊なんだから隷下部隊にして基地同じにした方が色々と便利…ってことか」

 

「みたいっすね、じゃあ…これからもよろしくお願いするっす、叢雲さん」

 

「ジンとかでいいよ、こちこそよろしく、雨宮」

 

「じゃあジンさんで!あとあたしのことは気軽にナツって呼んで欲しいっす、みんなからはなっちゃんって呼ばれてるんで」

 

そうやり取りを交わしていると、どうやらイチとニコ達の会話が終わったらしく、笑顔を見せながらもう一人の子を連れて俺の方へと歩いてきた。

 

「ど、どうした?そんなに笑顔で…」

 

「じゃー紹介します!あたいたちの妹のミイです!」

 

「詳細に言うとボクの一個下の妹、つまり三女になるんだ、たまたまさっき会ってね、久々に姉妹談義に花が咲いたよ、ほら、ミイ、挨拶して」

 

そう言われ、ニコの後ろに隠れていた黒いショートボブの少女が恐る恐る出てきた。

 

「初めまして…お姉ちゃんたちがお世話になってます、わたし、ミイって言います、よろしくお願いします…」

 

そう言ってお辞儀してきたかと思うと、また逃げるかのようにニコの後ろへと隠れてしまった。

 

「ははは、ごめんねジンさん、ミイは人見知りな上に恥ずかしがり屋で…」

 

「いやいいよ、誰だって初めて会った相手は苦手なもんさ…俺も初見の相手と話すの超頑張ってるし」

 

そんなことを言っていると、後ろからM500が、

 

「ジンさん最初すっごいコミュ症抱えてたもんねー!」

 

と言いながら飛びついてきた。

 

「…今思うと精神病んでてコミュ症って救いようがねぇな、誰だそいつ」

 

「ジンさんですよー、過去から目を背けなーい」

 

「はいはい、わかったわかった」

 

そんな会話を交わした後、俺達は基地へと帰投した。




オリジナル戦術人形を出すか…最近日本版に追加されたジャッジを他の鉄血の子達と同じくPrototypeとして出すか…割と悩んでるんですよね…
なので近々21話を投稿(まだ書けてませんが)する時辺りにでも今思いついてるキャラ3人の設定を決めて、アンケートを取りたいと思います。
その結果で実装順を決める、もしくは1人だけ実装するなどを決定しようと思います。

もしかしたら"こういうシーンを!"というシーン募集もする…かもしれません。

ではまた次回、お会いしましょう!

新規キャラ実装アンケート

  • HK417
  • M4 SOPMOD block 1
  • ジャッジ
  • 誰でも良い(全員参加)

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