とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧)   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

29 / 37
友人に「よくこんなに続くな」と言われた29話になる今作です。
続きはよと言われる作家に、私はなりたい。(遠い目)
まあ本業にするつもりはないんですけど、趣味としてでも有名になってみたい…そんな願望はありますねぇありますあります。

まあそんな半ば世迷いごとに近い話はともかく29話です。
今回は実験として投稿を早めにしてみました。
今回もごゆっくり見ていってください。


第29話

それぞれの懐かしい服装に身を包み、俺たちは楽しく話をしたり、ゲームをしたりして遊んでいた。

すると、唐突に俺の持っている端末に見たことも無い番号から電話がかかってきた。

みんなから距離を取るために急いで屋上へ向かい、電話に出てみると、どうやらIOPの職員らしく、ちょうどユキの対処を担当する人との事だった。

 

「…との上層部からの決定です、なにかご質問はおありですか?」

 

「いえ、特には何も、ああ、でも1つ…ユキはこの場合誰所有の自律人形となるのですか?」

 

「それはユキさんの意思次第とだけお伝えしておきます、では私はこれで」

 

そう言い、電話が切られて、あとは静かな夕焼け空だけが残った。

俺はそのまま、とある人へと電話をかけ、今回のユキの対処を伝え、こちらからの対処を話し合う。

そして全てが決まり、俺はみんなの待つ場所へと戻った。

 

「どうしたんですか、ジンさん?」

 

「…ユキの対処が決まった、ユキはこれから誰所有でもなく、本人の自由に生きていいらしい、やったなユキ!民間への放出は取り消しだ!」

 

そう言うと、みんなしてお祝いムードになり、ユキへ抱きついたりし始めた。

 

「本当に…?あたし、生きててもいいんですか…?」

 

「ああ、もちろんだ…そこでだな、1つ提案がある」

 

そう言い、少し真剣な顔をして、ユキを見つめる。

 

「提案…ですか?」

 

「ああ、このまま俺たちの部隊に残って、ここでみんなと一緒に暮らさないか?」

 

そう言うと、ユキは嬉しそうな顔を見せた後、何故か、悲しそうな表情へと変わった。

 

「どうした?」

 

「いえ…あたし、戦術人形じゃなくて、自律人形ですし…きっと、みんなのお役には立てませんから…助けて貰ってまでして無能な人形をここに置いとくだなんて…そんな…」

 

そう言い、その綺麗なオッドアイに、涙を浮かべ始めた。

 

「大丈夫だよ、できないことは、これからやっていけばいいんだよ!わたしもまだまだできないこといっぱい、いっぱいあるし!」

 

「そうそう、ワタシもできないこと、いっぱいあるから…きっと、ユキはワタシよりも色々できるよ」

 

「そーそー、戦術人形なら戦うことが仕事だけど、自律人形のユキにはそのほかの仕事もできるんだよ?頑張ればなんでもできるよ!」

 

「…まあ、私は完璧だけど、それでもできないことは少しはあるわ、ほんの少しだけだけれどね」

 

「私もまだ料理とか上手くできないし、まだ嘘に騙されたりしちゃうし…そういうとこ含めてが人間、でしょ?…まあ、私たちは戦術人形や自律人形だけど」

 

「私だって、ジンさんに料理教えて貰えるまでできなかったんだよ?今は無理なことでも、M14やみんながついてるよ!」

 

「うん、あたしだって、ジンさんに拳銃射撃を教えてもらうまで、しっかり撃てなかったもん!」

 

「あたいも最初はヘリの操縦できなかったけど、今はしっかりできるようになってるからね、やっぱり頑張り次第で変えれるよ!」

 

「うん、ボクも最初は操縦無理だったなぁ、やっぱり頑張り次第でなんでも出来ると思うよ」

 

「わたしも、なんて言ったらいいかわかんないけど…ユキちゃんなら大丈夫ですよ!」

 

そうみんなして、マシンガンのように言い、元気づけてあげているあたり、この基地にいる子達はいい子なのだと痛感させられる。

そのみんなからの言葉を聞き、ユキは嬉しそうにして、

 

「あたし…本当にここにいてもいいんですか…?」

 

と、涙なからに聞いてきた。

 

「ああ、もちろんだ」

 

そう言って、ユキの頭を撫でてやる。

そしてその後、少しばかり晩御飯を豪華にして、ユキの歓迎会を開くことにした。

そこそこの量のご飯が食卓に並び、みんなで食べた後、女子チームはみんなでお風呂へと入りに行き、そのあと女子会を開いて親睦を深めていた。

 

そして次の日の朝、俺たちは早朝から、訓練のために準備をしていた。

まだ日の出ていない頃なので、訓練に関係の無いコックやユキを起こさないように、それぞれの自室で銃のクリーニングやマガジンへの弾込め、その他装備の点検などをしてから、ほかのメンバーの部屋へと行き、準備が出来たかどうかの確認を取りに行っていた。

 

その流れで、416へ渡したいものを持って部屋へと向かい、ノックして部屋へと入った時だった。

やはり普段の416からは想像もできないほどに可愛らしい部屋に、ピンクに白い水玉模様が入ったパジャマを着た状態で、いつも被っているベレー帽も被らないほぼ寝起きの格好で自分の半身とも言える銃…HK416を手入れしている416と目が合ってしまったのだ。

 

「…416?せめて着替えていつもの服装でだな……可愛いパジャマが汚れるぞ?」

 

そう言うと、途端に沸騰した水に入れられたカニかのように顔が真っ赤に染まり、そのまま大量の汗をかいて固まってしまった。

 

「416ー?おーい?」

 

そう言って部屋に入り、目の前で手を動かしていると、唐突に目に涙を浮かべて、両手で顔を隠してしまった。

 

「どうしたどうした、別にまだ準備なんだから服装はなんでもいいんだぞ?」

 

「は、恥ずかしいんです…着崩れちゃってますし…」

 

そう言われ、改めて服装を見てみると、確かに…決して少ないとは言えない豊満な胸が、かなり露出してしまっていることに気づいた。

 

「すまない、すぐに部屋から出て忘れるようにするから」

 

そう焦りながら急いで立ち去ろうとすると、416に唐突に腕を掴まれ、逃げれなくなってしまった。

 

「…どうした?416が着崩れた状態だったのは誰にも言わないし忘れるから…」

 

「…そうじゃないです」

 

「…え?」

 

「…前に、二人きりの時はあるがままの私でいていい、って、言ってくれましたよね?」

 

「…まあ、うん」

 

そう言うと、416は俺の腕を離し、目を閉じて深呼吸して、少し置いてから、もう一度目を開け、こちらをじっと見つめてきた。

 

「…私は、完璧な戦術人形だと思ってます、それに、同時に私は特別な人形であるとも自負してます…でも、そんな私の基礎人格を否定するかのように、この…『シグマフォースにいるHK416』という個体の戦術人形は、たまにドジをするし、物忘れや、テンパって何も考えれなくなったりする、全く完璧じゃない戦術人形なんです」

 

そう告げる416は、どこか不安そうで、泣きそうになっていた。

彼女も、彼女なりの葛藤があるのだろう。

 

「…でも、それがあるからこそ、俺たちシグマフォースの416だ、違うかい?」

 

そう、思っていることを伝えてみる。

すると、

 

「そう、ですね…でも、ほかのHK416の戦術人形より劣ってるんじゃないかなって、時々不安になるんです」

 

と、震えた声で言ってきた。

 

「劣ってるだなんてとんでもない!むしろ本当に完璧な戦術人形、いや、人間なんて存在しないよ、誰にだって劣ってるところはあるし、誰にだって優れているところがあるんだ、そうだろう?」

 

「…はい」

 

「ほかの416の戦術人形達だって、同じように劣ってるところはあると思うよ、だって、君たちの持つ銃にだって、一つ一つ個性があるだろう?それと同じさ、ベースは同じでも、一人一人、一つ一つの個性があるんだ、それは俺たち人間だって同じだし、自律人形である君たちも変わらないはずさ」

 

これは、俺の本心だった。

いくら機械で作られた人間…自律人形だって、見た目は同じでも、一人一人の個性があると、実際に感じることができる。

それは会話して感じるものであったり、共闘して感じるものでもある。

それこそ、十人十色と言わざるを得ないほどに、だ。

 

「…じゃあ、こんなポンコツなところがある私でも…愛してくれますか?」

 

「もちろん、俺の大切な家族だ」

 

そう言うと、416は目に涙を浮かべながらも笑顔を見せ、俺に抱きついてきた。

 

「…416は、本当は甘えたがりなんだな」

 

「…そうでもないです、ただ…嬉しいだけです」

 

そう互いに座りながら抱きしめ合い、軽く話し、416が落ち着いてから本題に入ることになった。

 

~~~

 

 

「…新しいマガジン…ですか?」

 

そう、キョトンとした顔で416が尋ねてくる。

 

「ああ、本来ならコストも高くてあまり導入されないマガジンなんだが…今回指揮官が安いところを見つけたらしくてな、ほら、俺のメインアームと416のメインアーム、両方HK416だろう?」

 

「そう…ですけど、なんで私に?ジンさんは使わないんですか?」

 

「今回入手できた数が少ないらしくてな、2人でわけるには少ないんだ」

 

「はぁ…でもなんで私なんですか?射撃を総じて見るならジンさんの方が弾があった方がいいんじゃ…戦術人形みたいに射撃精度がバツグン!って訳じゃないんですし」

 

「ははは、まあそうなんだけどな、前回のELID襲撃の時、416、弾切れが早かっただろう?」

 

そう言うと、416は恥ずかしそうな顔を浮かべ、毛先をクルクルとして誤魔化し始めた。

 

「図星、かな?」

 

「はい…あの時はちょっとテンパりすぎて撃ちすぎました…」

 

「まあELIDだから何発も撃たないと死なないから仕方ないけどな、ほら、コレだよ」

 

そう言って、ポケットに入れていた5.56×45mm弾が100発入る、surefire製のマガジンを取り出す。

 

「わぁ…太くて大きい……」

 

「そうだろう?しかもマガジンを2つ重ねたのと同じ太さだからダブルマガジンポーチに入るんだ…まあ、長いから装備の使い勝手は悪いかもしれないが」

 

「私のに入るかしら…長すぎるかも…」

 

「…それもそうか、まあ無理してマガジンポーチに入れなくても今回は一つだけ使ってみるのでもいいかもと思ってるから大丈夫さ」

 

そう言うと、何故か416ははっとした顔をうかべた後、少し赤い顔でぶっすーとした表情を浮かべ、こちらを見てきていた。

 

「…どうした?なにか気に入らないことでも?」

 

「いいえ?ただ、言い方気にならないんだなと思いまして」

 

「んん…?どういう事だ?」

 

「なんでもないです、さ、そろそろ着替えますのでまた後で会いましょう」

 

「了解、そのマガジンも忘れずにな、一応予備も持って行くが、足りないよりいいだろう?」

 

そう言いながら、俺は立ち上がり、軽く伸びをする。

 

「了解です、マガジンに装填して持っていきますね」

 

「ああ、じゃあまた後で」

 

そう言い、俺は416の部屋を後にし、自室へと戻った。




今作は記号とか少なめに書くつもりで書いてるので「///」とか書きたくても我慢してました。
いっその事「(このマガジン)おっきくて立派なのぉ……///」とか言わせた方が良かったかな(深夜テンション)
そんなあとがきを書きながら年上の友人と「416って多分むっつりスケベですよね」って会話した人間、それが私です。
きっと知らないフリして結構知ってるか知ってるフリしてかなり知らないかのどっちかだと思うんです。

でも書いてたら気づいたらM500がメインヒロインみたいになってて脳内メインヒロイン論争に終止符が打たれそうな気がしてます。
はい、あんな内容書いててメインヒロイン決まってません。(殴


とまああとがきはここまでにして、また次回、お会いしましょう!

新規キャラ実装アンケート

  • HK417
  • M4 SOPMOD block 1
  • ジャッジ
  • 誰でも良い(全員参加)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。