とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧)   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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第3話となります。
今回もごゆっくりと暖かい目で見てやってください。


第3話

任務も終わり、俺達は任務を終えてヘリにピックアップしてもらい、基地へと帰投していた。

いつも通り、こちらの損害はゼロだったが、今までしてきた任務の方が気分的に大変だったので、任務完了も正直あまり喜べないでいた。

 

「はぁ…別に俺達が出るような任務じゃなかったと思うんだけどなぁ…」

 

そう言って頬杖を着いて窓から外を眺めていると、

 

「まあまあジンさん、勝利には変わりないですよ!」

 

とM14が満面の笑みで言ってきた。

相変わらず、勝つことは好きなようで、先程からテンションが高いのだ。

 

「まあそうだけどさ…ま、肩慣らしに良かったと思っとくか…」

 

そう言うと、それを聞いたスコーピオンが、

 

「そーだねー、じゃあジンさん、帰ったら一緒に訓練しない?」

 

と、いい相手を見つけたと言わんばかりに、訓練に誘ってきた。

 

「スコーピオン、たまには休めよ…特に手応えのない任務の後でもな」

 

「えー?だって今回あまりあたし活躍できてないもん、仲間にだって、あたし勝ちたいからさー…」

 

「わかったよ、付き合うから早めに今日は休めよ?」

 

「はーい」

 

そんな会話をしつつ、基地が見えてきたので降りる準備をしながらそのまま雑談を続け、基地に着陸した瞬間にドアを開けて降り立つ。

特に理由はないが、瞬発力を鍛えるつもりで毎回やっている、簡単に言えばクセにドア開けはなってしまっている。

 

基地に降り立ち、自分たちの待機室へと戻って荷物を置いていると、部屋のドアが開いて1人の職員が入ってきた。

 

「ノックくらいしてくださいよ全く…どうしました?」

 

「すいません!指揮本部より連絡があって参りました!」

 

「本部から?」

 

「はい、『大規模なテロリストの動きを確認、直ちに出撃してこれを殲滅せよ』との事です!」

 

ほう、動きを確認という事は既にテロリスト達は出撃してて…

つまるところ今から行くと十中八九テロが始まって…

 

「…それ帰投中にメッセージで送れよあのクソ指揮官!帰投せずに再出撃するっての!…みんな行くぞ!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

そう言って、急いで箱に入った弾薬やスピードローダーを取り、脱ぎかけていた防弾チョッキなどの装備を再度着込み、急いでヘリポートへと向かう。

そこには、一度エンジンを止めてまた回し始めたのであろうヘリの姿があった。

 

エンジンが一定の回転数に上がるまでヘリの中で待機しつつ、マガジンに弾を込め直して待つ。

そのしばらく後にヘリが浮き上がり、やっと目標の場所へと飛行を開始した。

 

しばらく飛行を続けていると、目標の上空へと到達した。

地表を見ると、テロリストの姿しかなく、市民と思われる人々は全て息絶えていた。

それを見て、俺は腸が煮えくり返るような怒りの感情が湧き出てきていた。

 

「…ぶっ殺す」

 

そう言いながら、ドアを開き、機体へと装備されているドアガン―――GAU-19 12.7mmガトリング砲をテロリスト達へと向けて撃ち放ち始めた。

 

弾が切れるまで動いているテロリスト共に12.7mmの鉛玉を撃ち込むと、テロリスト達は見るも無残な肉塊へと成り果てていた。

 

「はぁ…はぁ…よし、残党狩りだ」

 

そう言い、肉塊だらけとなった中央広場へとヘリボーンして散策を始める。

しかし、街にはもう死体しかなく、少し外れの方まで探索範囲を広げて捜索していると、主犯格と思わしき複数の男達がテクニカルに乗って逃げようとしているところだった。

 

M14に運転手の狙撃、ゲパードに車体への狙撃を任せ、俺とM500、スコーピオンで急いで距離を詰めていく。

そしてそのリーダーと思われる男を見つけ、足を撃ち抜き、動きを止めた。

そして、その他の連中を射殺していき、リーダー格の男へと近づいていくと、その手の甲には、どこかで見た、ローブを纏った死神の刺繍があった。

 

「…あの刺繍は」

 

それを見た瞬間、一つの忌々しい思い出がフラッシュバックされる。

そう、あの日の―――両親がテロリストに目の前で殺されたあの日の事を。

そのテロリストの手の甲にも、同じ刺繍があったのだ。

 

「…ジンさん?どうしたの?早く捕らえようよ!」

 

そうM500が言ってきて、慌てて我に戻る。

 

「ああ…下手な真似はするな、お前の身柄を拘束する」

 

そう言って、その男へと銃を向けつつ、近づいていく。

 

「へっ、お前らに捕まるくらいなら、ここで死んでやるさ」

 

そう言って、男は懐から拳銃を取り出し、自分の頭へと、躊躇い無く銃弾を放った。

 

「クソっ、コイツに本拠地の話を聞き出せれば…」

 

「ジンさん、死んだものは仕方ないよ、生存者が居ないか探しに行こう?」

 

そうスコーピオンに言われ、渋々その場を離れ、生存者を探す。

幸いにも、数名隠れていた生き残りがいたので、被害者救援要請を出して、保護される生き残りの人々を見送ってから、俺達も帰投し始めた。

 

帰投中、やはりあの刺繍の男を前にして固まった事がみんな気になったらしく、その事を聞かれ、過去に、恐らく、アイツの仲間であろうヤツに両親が殺された事を教える。

 

「…そうですか、すみません、嫌な思い出を掘り起こさせちゃって」

 

そう、重くなった空気の中、416が謝罪してきた。

 

「いいんだよ416、そのうち言わないと行けなかったんだからな」

 

「でも、チーム結成当時よりジンさんが丸くなってくれてて…ワタシは嬉しいな」

 

そう、微笑みながらゲパードが言ってくる。

 

「確かに、あの頃と比べたら別人みたいですよね!」

 

「C96まで…そうか?そんなに変わったか?」

 

「うんうん、変わりましたよ!」

 

「だねー、あたし達とチーム結成した時はもうただ殺すための機械みたいだったもん」

 

「あの時は確かに、みんなそう思うよね…」

 

そう言って過去に浸っている中、M14がM500に対して、

 

「あ、M500、ハチいるよ」

 

と、誰でもわかるような悪い顔をしながら、M500に嘘をついていた。

 

「ええ!?うそうそ、取ってよM14!」

 

「あははっ、嘘だって」

 

そう言って、M14とM500のおかげで重い空気が明るく変わり、いい雰囲気になっていた。

 

「その辺にしておけよ、そろそろ基地だ」

 

そう言って、降りる準備をして降り立ったので、基地へと降り立つ。

降り立ったタイミングで、猛々しく、緊急即応小隊の出撃サイレンが鳴った。

すると、隣に止まっていたヘリが急いでエンジンをかけてプロペラを回し始め、その数分後に緊急即応小隊のメンバーが走ってヘリへと乗り込んで行った。

 

「今日は忙しいねぇ」

 

そう言ってみんなと一緒に部屋へと戻り、今度こそ休憩を始めた。

作戦報告書を軽く書いて待機室へと戻り、銃の整備を始める。

その後も整備やら次の出撃のための準備やらしていると、気がつけば夕方となっていた。

食堂にでも行こうと思い、椅子から立ち上がる。

その後はみんなで食堂へ向かい、つかの間の平和を味わっていた。




どうでしたでしょうか?
評価、コメントを頂けると幸いです。
次も早めに出しますので、それまでお待ちください。

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