とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧) 作:ノア(マウントベアーの熊の方)
ネタが無いわ今まで書いたのを手直しして再投稿したわでかなり日にちが空いてしまいました…()
では今回もごゆっくり、見ていってください。
誰もいない廃墟街の姿をした訓練所に、銃声が鳴り響く。
時折グレネードによる爆発音もそれに混じり、音だけを聞くと、大人数による戦争が繰り広げられているかのようだった。
「撃ち方やめ!昼休憩だ!」
そう叫び、一斉に警戒を解く。
すると、先程までドンパチとうるさかった訓練所が、嵐の後のように静まり返った。
ここは、いつも使っている訓練所よりも遠い位置にある、元は小さな町だった跡地を改修して、グリフィンの訓練所にした、実戦さながらの訓練ができる大規模訓練所である。
いつもの訓練所では、射撃やブリーチング、ヘリボーンなどと言った基礎のことができるのに対し、ここの訓練所では、前回のドローンなどを使った大規模訓練ができるようになっているのだ。
ちなみに、前にELIDに攻められた訓練所でもある。
「はぁ…朝から訓練しっぱなしで疲れました…」
「そう言うなM14、今日の訓練が終われば2日ほど休暇だ、頑張ろうぜ」
「はーい…」
そんなやり取りを交わしながら、俺たちはヘリに乗り、少し離れた場所にあるセーフティエリアへと向かった。
「にしても…本当に広いよな、ここ。沖縄の北部訓練場くらいあるんじゃないか?」
そう言いながら、俺はヘリに揺られ、改めてこの訓練所の地図を見ていた。
北部訓練場に行ったことがあるわけではないので、実際に体感しての感想ではないのだが、本当に同じくらいはあるのではないだろうか。
「ジンさーん、オキナワって、どこにあるんですか?」
そう言われ、思わず絶句してしまう。
…しかし、すぐに、それも仕方ないことだと思い出した。
「…そうか、みんなは先祖が日本人とかじゃないからな…知らないか」
「あ、日本にあるんですか?行ってみたいなぁ、ジンさんの本当の故郷」
「ああ、俺も行ってみたいよ、どんな所なんだろうな、日本って」
そう、俺は日本人…いや、正確には"父親の代までが"日本人と言った方が正しいか。
俺たちの家族は、2030年に起きた『北蘭島事件』のせいで、先祖代々住んでいた日本から追い出され、ここ、欧州の地にたどり着いた。
言語はなんとか翻訳機などを使うことでなんとかなったものの、程なくして第三次世界大戦が勃発、おじいちゃんたちや親戚とも会えなくなってしまった。
仲の良かったいとこ達とも会えなくなってしまっているのだが、みんな元気にしてるだろうか。
そんな事を考えながら窓の外を眺めていると、やがてセーフティエリアのヘリパッドに向けて機体が降下し始めた。
そして、相変わらずの腕前で、ふわりと接地し、俺たちはそのまま休憩へと入った。
セーフティエリアに着くと、ユキとコックがみんなのお弁当を持って出迎えてくれ、俺たちはピクニックのように開けたところにシートを引き、ワイワイとしながらその作ってくれたおにぎりを食べ始めた。
「おお、これ、ユキが作ってくれたのか?いい塩加減じゃないか」
「えへへ、ありがとうございます、あたしにはこれくらいしかできませんから、お役に立てて嬉しいです」
そうユキは笑顔で言い、俺はユキの頭をありがとうと言って撫でてやる。
最初はびっくりしていたが、徐々に慣れてきたのか、嬉しそうにしてくれた。
「そうだ416、マガジンの調子はどうだ?使えそうか?」
そうユキの作ってくれたおにぎりを頬張りながら、416に尋ねる。
すると、416は慌てて口の中に入っていたものをお茶で流し、一息ついてから、
「少し使いづらさは残りますけど、かなりの間マガジンチェンジしなくていいのはいいですね」
と、微笑みながら言ってきた。
「そうか、なら良かった」
そう微笑み返し、俺はお茶をすすりながらゆっくりする。
すると、スコーピオンが、自分の持つミニミに、C96の持つHK416に装着するSTANAGマガジンを借りて、装着しては外してを繰り返していた。
「…どうしたんだスコーピオン?」
「いやさ?もしかしてそのマガジン、ミニミにも使えるのかなーって」
「使えるだろうが…伏せ撃ちができなくなるぞ?」
「だよねー、じゃあさじゃあさジンさん、C-mag買ってよ!あれなら弾帯より楽そうだし!」
「えぇ?多分マガジン分の重さがあるから普通に弾帯で200発持ってる方が楽だと思うぞ?」
「ちぇー…まあそうだよね…」
そんな会話をしていると、先程まで端末をいじっていたM500が、いきなりこちらに画面を向けて、ずいっと詰め寄ってきた。
「なんだ何だ急に?どうしたんだ?」
「ほら、画面見て!」
そう言われ、落ち着いて画面に表示されているのを見ると、そこには、グリフィンの人形向けインターネット酒保の、ショットガン人形向け装備の項目が表示されていた。
そこには、12ゲージのスピードローダーや、後付け式のチョーク、ダックビルバイダーなどが、一般市場より安く売られていた。
「…これがどうしたんだ?」
「ほら、私のM500ってさ、スピードローダーつけれないじゃん?」
「ああ、そのためのアタッチメントつけてないからな…もしかして買えと?」
そう聞くと、M500が目を輝かせながら頷き、ものすごく期待した表情でこちらを見てきた。
「はぁ…その代わり、インターネットでじゃなくてちゃんと店に行って取り付けてもらうからな」
「やったぁ!ジンさんおっとこまえー!」
「うるさいな…ったく…」
そう言いながら、少し照れくさくなり頭をかいていると、ユキとコックを除く他のみんなも端末で何かを選び始めた。
嫌な予感がしつつも見終わるのを待っていると、
「ジンさん!M14はこの新しいスコープをお願いします!」
「あたしはねー、このチェストリグ欲しいかな、他のスコーピオンの人形からのレビュー高いんだー!」
「わたしはですね…このお洋服が欲しいです!可愛いんで!」
「私はその…新しいホロサイトを…お願いできたらな…と」
「あたしもC96と一緒で服が欲しい!私服ほとんどないんだぁ」
「ワタシも…新しいスコープが欲しいな…2km先まで狙撃してみたいから」
「あたいもお洋服が欲しい!この可愛いやつ!」
「ボクは…そうだね、このウエストポーチかな、大容量らしいんだ」
そうマシンガンに蜂の巣にされるがの如く矢継ぎ早にみんな口々に言われ、少し戸惑ってしまう。
しばらくフリーズしてから、確かにM500だけ買ってあげるのも不平等だなと思い出し、今度の給料日に買ってあげることになった。
どちらにせよM500の持つ銃にスピードローダーをつける改造に行くことになるので、事前に有給を今のうちに申請し、ユキとコック、そしてソラの分を何か一つ買ってあげることなり、俺の財布が悲鳴をあげることが確定した。
全体の士気が上がるのはいい事なのだが、これは今月の小遣い分は給料から余分に下ろさないと行けないかもしれない。
…にしても、グリフィンの戦術人形向けの酒保のようなものがあるとは驚いた。
こんな世の中、商売相手は選んでいられないということだろう。
もしくは、ただ単に俺と同じく自律人形も人間として扱うお人好しみたいな人…なのだろうか。
まあ少なくとも俺はお人好しではなくただの変わり者だろう。
流石の戦術指揮官たちも誓約というものがあっても実際の結婚と同じ扱いにしている人は少ないだろう…よくわからないが。
「さて、そろそろ休憩も終わりだ、午後からも張り切っていくぞ!」
「「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」」
そう元気な声が訓練所に響き渡り、俺たちは訓練を再開した。
ちなみに私はゲームとはいえ結婚と同義として扱ってるので嫁は1人に絞る主義です。
だから嫁が決まらないんすよね()
次もまた空いちゃうかもしれませんが「ああ、ネタがなくて難産なんだな」とでも思っててください…
別の話書いてる可能性もありますが()
ではまた次回、お会いしましょう!
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