とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧) 作:ノア(マウントベアーの熊の方)
今年も視聴者の皆様、この作品をよろしくお願いします!
という訳で新年一発目!
どうぞごゆっくり、見ていってください!
2059/4/2
「以上、今日の予定はこんな感じだ、何か質問は?」
そう言いながら席に座ってこちらを見てきているみんなを見渡し、何も無いことを確認する。
そしてその後、訓練の時間まで解散して自由時間にし、俺はコーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
「たーいちょー、なーに見てるんですかー?」
そう後ろから唐突に声をかけられ見てみると、そこにはパッと見416と色違いの双子にしか見えない姿の417がソファにもたれかかりながら立っていた。
「ああ、417か、何か面白いことでもないかとテレビをな」
「へー、何かありました?」
「いんや、特には、な強いて言うならテロリストの活動が落ち着いてきてるところか」
そう言い、テレビに視線を向けると、417がトコトコ歩き、ちょこんとソファの隣に座ってきた。
「どうしたー?特に面白いテレビとかないぞー?」
そう言いながらチャンネルを変えていると、隣に座る417がこてんと言った感じでもたれかかり、そのまま眠ってしまった。
「懐かれたのか単にマイペースなのか……まあいいか…」
そう言いながら、コーヒーを啜っていると、後ろから叫び声が聞こえ、ドタバタと言った音と共に近づいてきた。
何かと思って振り向いてみると、そこにはリアルなゴキブリのラジコンを操作してゲラゲラ笑うドリーマーと、それに驚いて逃げ惑うジャッジの姿があった。
「……なんもできねぇ」
そうもたれかかって寝ている417とジャッジを交互に見つつため息をつき、どうしようか考えていると、ちょうど部屋に入ってきた416にもラジコンゴキブリの猛威が襲いかかり、416まで乙女な悲鳴を上げてしまっていた。
「うにゅ…?お姉ちゃんの声…?」
そう言いながら417がむくりと起き上がり、416の元へと歩いていくと、ラジコンゴキブリを見るなりスリッパを手に思いっきり豪快なスイングで叩き潰していた。
「はい、これで驚異はないです!」
そう無邪気な笑顔を見せ、そそくさとスリッパを元の位置に戻しながら、417はまた俺の肩にもたれかかって寝てしまった。
「ああ…わたしの最高傑作がスリッパで粉々に…!」
そう両手をついて落胆するドリーマーを冷たい目をしてジャッジと416が鼻で笑い、そのまま2人とも俺の隣に座ってゆっくりし始めた。
「…大変だったな、2人とも」
「ほんっ…と最悪よ、いくら完璧な私でも虫だけは論外だわ」
「全く…ドリーマーのやつ、あたしたちがここに来た理由を覚えているのか…?」
そう2人がため息をつき、やれやれとしているのを慰めつつ、少し気になったことを尋ねることにした。
「なあジャッジ、ここに来た理由ってなんなんだ?」
そう聞くと、ジャッジはやらかしたという顔を浮かべた後、頭を抑えながらため息をついて、その理由を話し始めた。
「あたしたち鉄血のハイエンドモデルの人形は、他のモデルよりもランクが上なんだ、それはわかっているだろう?…だからプロトタイプの域を脱していないあたしやドリーマー、デストロイヤーみたいなやつもいてな、本当はプロトタイプなんで火器管制システムやなんやらの戦闘システムは抜いて処分されるか鉄血の職員にいいように使われるか、もしくはあっち系な裏の店とかに売られるかの道しか本来ないんだ…でも、デストロイヤーがここにいるってなってここの指揮官が『引き取れるやつはうちで預かる、その方が戦闘におけるデータも取れていいはずだ』とか言って引き取られても大丈夫なやつは引き取ってもらえることになったんだ、だからあたしたちが来た理由は戦闘データの収集が表向きな仕事だ、デストロイヤーを除いてな」
「へぇ…それで鉄血の子達がこんなにうちに来てるのか」
そう納得していると、今度はさっきの落ち込みっぷりとは打って変わって何も無かったかのような態度のドリーマーが、俺の頭にわざと胸をあててきながら、
「まあそんな硬っ苦しいこと言ってるけど、悪くいうなら『見切りをつけて捨てられた』が正解よねぇ、だって今の世の中防衛戦闘向きの生体機器使った感情のある戦術人形なんてただのヤれる上に一応戦力に数えられるだけの可愛いお人形さんよ?」
と、ため息混じりに言ってきた。
「…まあそうなのかもしれないが、仮にも女の子がヤれるだのなんだの言ったり当ててきたりするなよ、変なのが寄ってきたらどうするんだ」
「えー?ジンさんはそんな目でわたしたちを見たりしないの?」
そうからかい気味に笑われ、少しムカッと来たが、それに対して言ったところでドリーマーの思うツボなので何も言うまいとスルーしていると、今度は何かを悟り、哀れんだようなため息をつき、
「みんなも大変ねぇ…」
と言って、部屋から出て行ってしまった。
「…?アレってどういう意味なんだ?」
「そのままの意味ですよ、ジンさん」
「あたしは来たてでまだよく隊長のことはわかってないが…まあ、何となく理解してしまった…大変なんだな、ここの戦術人形たちは」
そう416とジャッジに言われ、余計に意味がわからなくなりつつ、俺は首を傾げていた。
~~~
~~
〜
あの後、俺たちはマシン・ガンナーズのみんなも含め全員でいつもの訓練場へとやって来て、それぞれの部隊にわかれ、訓練を行っていた。
『本隊から2時の方向に敵2、狙撃するわ』
「了解、狙撃完了まで一時停止」
そうドリーマーからの通信を受けて返事をし、コミカルに2発、パァンと言った銃声を聞いた後、ドリーマーからの「排除完了」と言う通信を聞いて移動を開始していた。
「スコーピオン、スモークグレネード待機、ドアを開けたら投げ込んでくれ」
「了解、まっかせてー!」
そう元気よく言うスコーピオンを見て軽く頷きつつ、ドアノブに手をかけ、1つ深呼吸をする。
呼吸が整ったのを確認してから、全員に目配せして、カウントダウンを開始した。
「3…2…1…GO!」
そう言い、ドアを開けてスコーピオンにグレネードを投げさせる。
炸裂したのを確認してから、全員で突撃を開始した。
「エリアクリア、Move!」
そう言いながら、俺たちは着々と部屋をクリアリング、制圧した。
その後、休憩エリアへとイチとニコの2人の操縦で向かい、休憩エリアにある自販機で缶コーヒーを買い、壁にもたれてふぅと一息つきながら、今後のシグマフォースの運用方法について考えていた。
「前衛が俺含め5人…後衛も5人か、あと遊撃要因が4人…多いなぁ…」
そうブツブツ言いながら、俺はタブレットを弄り、全員の総合的な戦闘データをまとめた書類を見ていた。
「人数としては分隊単位が行動しやすいんだが…ちょうど7人づつにわけられるし…今までだと狙撃手とその補助で3人…んで行動に4人…やっぱりこれが一番だよな…」
そう悩んでいると、俺と同じく、飲み物を片手に、隣にゲパードがやってきた。
「お疲れ、ゲパード、何飲んでるんだ?」
「これ…?炭酸水だよ、ワタシの銃の故郷、ハンガリーの名産品…飲んでみる?」
そう言い、既に開けてある炭酸水の缶を渡してきた。
「ありがとう、貰うよ」
そう言って受け取り、1口飲んでみると、ほんの少し酸味が効いた、心地よいシュワシュワした液体が、口の中に流れ込んできた。
「うん、美味しいな、ありがとう」
そう言って缶を返すと、ゲパードはハッとした顔をしたあと、少し顔を赤らめながら、
「…うん、どういたしまして」
と言って、缶を受け取り、なにか恥ずかしそうにしながら、そそくさと去ってしまった。
「…?………あっ」
そうゲパードが恥ずかしそうにした理由に気づき、少し申し訳なくなりつつ、俺はまた分隊編成を考え始めることにした。
~~~
~~
~
「みんな、忘れ物はないかー?」
そう夕方になりつつある日を背に、俺たちはマシン・ガンナーズのみんなと合流し、ヘリに乗り込み、帰路につこうとしていた。
すると、夕焼けを背に、1機のOH-6が飛行してきた。
「ん?夜間訓練の俺たちと入れ替わる部隊かな?」
「いや、本部からのヘリの飛行予定を見た限りもう少し後だよ、だからその部隊じゃないとおもうよ」
そうニコに言われ、俺は少し警戒気味に、そのヘリの動きを目で追っていた。
すると、さも当たり前かのように豪快な機動をしながら、俺たちのオスプレイとガンナーズのブラックホークの間のちょうど空いていたヘリパッドに着陸してきた。
そしてヘリのパイロット席から、ヘルメットを脱いで、1人の見覚えのあるツルッパゲが降りてきた。
「…次の部隊やと思ったか!?俺やで!」
そう自分を両手の親指で指さし、ムカつくほどのドヤ顔をしてきたのは、他でもない俺たちの指揮官の姿だった。
「…ああ、違うのはニコから聞きましたんで知ってます……あ、それともウケ狙いで…?」
「やめろ、そんな可哀想なものを見る目で俺を見るな叢雲、お前の大切な仲間を運んできたんやぞ」
そう大袈裟にショックを受けたようなモーションをしながら、指揮官はそう言ってヘリのキャビンを開け、中から2つのスーツケースを運んで見せてきた。
「ほれ、開けてみい」
そう言われるがままにその1つを開けてみると、そこには、13本の、透明なレンズに、フレーム部分に少し何か機械のついたような見た目のした、ゴーグルが入っていた。
「ジンさん、こっちも同じのが13本入ってたよ!」
そうM500に言われ、これは何なのかと改めて考えていると、指揮官が、
「とりあえずかけてみぃ、それでわかるはずや」
と、言ってきたので、とりあえずかけてみることにした。
かけてみると、そこにはさっきまでと変わらない風景…そして―――
―――にっこりと微笑み、こちらに手を振ってくる、ソラの姿があった。
「ソラ!久しぶりだな!」
「ジンさん、久しぶり、また会えたね」
そう言いながら、ソラは俺に歩み寄り、そのまま抱きしめてきた。
…が、今まで感じることのできたソラの体温や、触れた時の柔らかさは、感じることができなかった。
「…そうか、仮想の身体だもんな」
「…うん、でも気にしないで!私は気にしてないし、近々それが何とかなるのを作ってくれるって、ミナトさんが約束してくれたから」
そう言って笑顔を見せてくるソラを懐かしく感じながら、俺は改めてみんなの方向に振り返って、みんなの反応を見ることにした。
すると…
「…なにやってるの?ジンさん?ソラはそこにはいないよ…?」
「うん…もしかしてバグっちゃった?だいじょーぶ?」
などと、俺の頭の方の心配をしてきていた。
「ゴーグルつければわかるって!なんでつけてねぇんだよ!」
「いや、だって…ねぇ?指揮官が持ってきたんですよ?そりゃあまずは怪しみますよ…」
そうM14に言われ、指揮官は面白いほどにショックを受けていたが、言われてみれば怪しいよなと俺も思ってしまっていた。
「…いやまあそうだけど!いいからみんなつけてみろって!」
そう俺が言うと、みんな渋々と言った感じで、ゴーグルをかけ始めた。
すると、みんながおぉー!と言ったふうに歓声を上げ、ソラを知っている面々は、走って近づいてきた。
「ソラ!久しぶり!わたしだよ!コックだよ!覚えてる!?」
そうコックがぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねながら、ソラと手を取っていた。
「久しぶりね、ソラ、また会えて嬉しいわ」
そう416が言い、こちらもさも当たり前かのように握手し、俺の頭には疑問符が浮かんでいた。
「…ちょっとまって、なんでみんな触れれるの?」
「わたしわかんなーい、幽霊だから?」
「ワタシたちは…多分…電脳に電波かなにかで…だと思う」
そう言われ、純粋な人間である俺だけが触れられないのだと悟り、落ち込んでいると、後ろからナツに肩を叩かれ、振り向いてみると、
「人間はなにもジンさんだけじゃないっすよ…あたしも触れられない仲間っす…」
と、慰め(?)られた。
「…それもそうだな、ところでソラ、このゴーグルの標準装備のAIってのはどこにいるんだ?」
「ああ、あの二人のこと?それなら…」
そうソラが言いかけた時、突如として空中にコードの羅列が現れ、その中から2人の女の子が出てきた。
「初めまして、私は作戦支援ARシステム、スアーラに内蔵されたサポートAIのスゥです、私はシグマフォースの皆さんをサポートさせていただきます」
「はじめまして〜、わたしはお姉ちゃんと同じく、スアーラに搭載されたサポートAIのルゥです〜、マシン・ガンナーズの皆さんを担当させていただきます〜」
と、水色のパーカーで水色の髪をしたスゥと名乗る少女と、黄緑色のパーカーでパーカーと同じ色の髪をしたルゥと名乗る少女は、挨拶をしてきた。
「よろしく、2人とも、俺はシグマフォースの隊長の叢雲だ、で、こっちが…」
「マシン・ガンナーズの隊長の雨宮っす、よろしくお願いするっす!」
「「隊長方、よろしくお願いします!」」
そう挨拶した後、俺たちは指揮官と別れ、基地へと帰投していった。
この作品を書いてて、最近気づいたことがあるんですよ
コイツら特殊部隊の癖してバラクラバとか一般兵がつけてたりするゴーグルとかつけてねぇなって…
戦術人形のみんながつけずに戦闘してたから思いっきり忘れてましたよ…ははは…
まあこれをネタに書けばいいだけなんですけどね…
過去振り返る回とか書いたくせして事件も起こし忘れてましたしちょうどいいや(悪い顔)
まあという訳で(?)また次回、お会いしましょう!
書きたいの増えてきすぎてまた滞るかもしれませんが許し亭許して!
新規キャラ実装アンケート
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ジャッジ
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誰でも良い(全員参加)