とある特殊小隊の日常前線(デイリーフロントライン)(旧)   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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お待たせしました、第8話となります。
今回もゆっくり、見ていってください。


第8話

2059/2/2

次の日になり、新しくなった基地の自室で目が覚める。

あの後は特にこれと言って何も起きず、ただ休暇を満喫しただけだった。

強いて言うならば浴場が大きかったことに驚いた程度か。

 

そんなことを考えながら、布団にそのまま入りたがっている体にムチを打ち、布団から出る。

そして部屋から出て洗面所へと向かい、顔を洗って休憩室へと向かい、パンを取ってそれをオーブンで人数分焼いていると、他のみんなも起きてきたので、それぞれが自分用のパンを取って椅子に座り、いただきますと言って食べ始める。

その後は今日の予定を打ち合わせして、一旦解散、10分後に訓練のため再集合という事にした。

 

10分後、俺はこの前に作った1周年記念のロケットペンダントを持ち、一足先に集合場所へと着いていた。

みんなが揃い、結成当時からいるメンバーを呼び集め、一人づつロケットを渡していく。

みんなそれぞれの反応だったが、喜んでくれていたようで何よりだった。

何よりだったのだが…

 

「お兄ちゃん!あたい達にはないの?」

 

そうイチが言い、イチとニコが物欲しそうな顔でこっちを見てきていたのだ。

 

「まさか人員が増えるとは思ってなくてな…すまない、また作りに行って渡すからそれで勘弁してくれ」

 

「仕方ないなぁ、じゃあそれで許したげる!」

 

「姉さん、一応ボクたちは部下になるんだからそんな上からの言い方は…まあボクも欲しいけど…」

 

「いや、言葉は気にしなくていいよ、そうだなぁ…今度一緒にみんなで写真でも撮ろうか、んでそれをロケットにでも入れよう」

 

「了解!待ってるからね!」

 

そう言い、ひとまず落ち着いたところで、今日の訓練内容の打ち合わせに入る。

内容はいつも通りランニングに各自の烙印システムでの銃火器による射撃、そしてその他の火器での射撃だ。

 

「…渡した紙に記載した以上の内容を今日の訓練メニューとする、何か質問はあるか?」

 

「はい!…あたし、拳銃使えないんだけど…」

 

「…マジか、悪い、鉄血のハイエンドモデルだから使えると勝手に思い込んでいた、そうだな…元からデストロイヤーは射撃の時は別メニューに元からする予定だったが俺が拳銃の使い方を教えてやろう」

 

「え?なんで元から別メニューの予定だったの?」

 

「…デストロイヤー、君の装備の弾薬が今グリフィンに予備がない、だから今研究員が必死にコピーして作ってくれてるんだ」

 

そう、今こちらにいるデストロイヤーの装備が使用している弾薬の予備どころか使用弾薬すらろくにない状態なのだ。

もしものためのマインドマップや予備ボディの製作は鉄血から渋々技術提供を受けれることになったらしく、そこは大丈夫だったのだが、試作兵装なので正式弾薬も作れていない状態だったらしい。

一応50mmグレネードの設計図は残ってたそうなので、それを使用して今グリフィンで製作しているそうだ。

 

「そう…それなら仕方ないわね」

 

「ああ、悪いな…よしみんな、基地の外周を今日は短めに30周!」

 

そう言うと、新入りの3人は嫌そうな顔をしていたが、そもそもそこまで基地が広い訳でもないので30周だと本当に短いと思うので、ただ単に走るのが嫌なのだろう。

まあ俺も嫌だしそれは仕方ないか。

……走る前に30周は長いって愚痴言われた。

感覚麻痺ってたかぁ…

 

結局、最初から30周はキツイだろうと思い、結局15周にして、地下射撃場へと行き、各自で射撃訓練を開始した。

 

「さーて、デストロイヤー、念の為訪ねるが拳銃での発砲経験は?」

 

「えーと…数回だけ…かな、その後は基本あたしのグレネードランチャーだったし」

 

「数回でもあるなら良かった、なら撃ち方くらいはわかるって感じだな?」

 

「うん、なかなか当てれなかったけど…」

 

グレネードランチャーは当てれて拳銃は当てれないということを聞き、軽く普通逆じゃね?と困惑してしまう。

もしかしたら通常の実弾火器自体Prototypeなのもあってしっかりとプログラミングされていないのかもしれない、そう思考を切り替えるが、流石にあの鉄血の事だからそれは無いだろうと結局思考を戻される。

もしかしたらこのデストロイヤーだけの固有体質かなにかなのかもしれない。

 

「まあしっかりと教えてもらうかプログラミングされるかしないと初心者なら当てれないさ…」

 

そう言いつつ、手招きしてデストロイヤーに着いてこさせつつ、とある部屋まで移動する。

そのとある部屋というのが…

 

「わぁ…銃がいっぱい…」

 

「凄いだろう?俺の愛銃達だ」

 

俺の愛銃コレクションを置いている部屋である。

ちょうどこの基地に来た時に銃火器置き場があったので、そこを俺持ちとしてこうして置かせてもらっているのだ。

…と言っても、壁一面という訳ではなく、十数丁の銃が壁やボックスケースに入っているだけなのだが。

それでもいっぱいと驚いてくれただけでもよしとしよう。

 

その中でも、拳銃を入れているボックスケースを引っ張り出し、デストロイヤーの前に置く。

理由はもちろん…

 

「ほら、好きな銃を1つ選べ、M1911にUSP、Five-seveNにベレッタ90-Two、その他少数だけどな」

 

「え?いいの?大事な銃なんじゃ…」

 

「そりゃあ大事だが銃なんて消耗品だ、使ってやらないと可哀想だろう?それに…」

 

「それに?」

 

「それに、デストロイヤーはもう俺達の大事な仲間だしな、守ってやるのは当たり前として、何かいい事でもしてらやないと俺が落ち着かない」

 

これは俺の本心だ。

出会って数日どころか1日経ったところだが、その気持ちに嘘偽りはない。

 

「もう、恥ずかしいじゃない、そんな面と向かって"大事な仲間"だなんて…でも、ありがと」

 

「どういたしまして、さて、どれにする?」

 

そう言うと、デストロイヤーは一つづつ銃を手に取り、まじまじと見始めた。

時々構えてみたりして、傍から見るとおもちゃを選ぶ子供のようだ。

…本人に言うと怒られるだろうけど。

 

そんなことを考えながら選び終わるのを待っていると、選び終わったらしく、ひとつの銃を持ってこちらを見つめてきた。

 

「それにするのか?」

 

「うん、カッコイイし!」

 

そう言い、デストロイヤーはその拳銃―――ベレッタ90-Twoを構えてみせてきた。

 

「了解、ちょっと待ってろ」

 

そう言ってから、同じ部屋に置いてあるアクセサリや何やらを置いてあるところから、90-Twoを入れることの出来るレッグホルスターを選び、デストロイヤーへと渡した。

 

その後、9mm弾を数マガジン分持ち、射撃場へと戻る。

そして利き目の確認方法や構え方、その他もろもろを教えて、マガジンに弾を込めて撃つことにした。

 

「どこに当ててもいいから、とりあえずマトに当てることを目指そうか」

 

「わかった!」

 

そう言ってから、銃を構え、10m先の人の方をしたマトへと射撃を開始した。

やはり50mmグレネードランチャーなんてものを使っているからか、弾道予測やリコイル制御が上手く、数発撃つとマトに的確に当て始めていた。

ひとつ言うとするならば、頭を狙おうと必死になって弾を外してしまっているところだろう。

 

「デストロイヤー、俺が手本を見せてやる、よく見とけ」

 

そう言い、自分のレッグホルスターからデストロイヤーのと同じ種類のベレッタ90-Twoを抜き、コッキングしてからマトの前に立った。

そこから基本となる立ち方をして、あえて"マトの胴体部分"へと数発射撃した。

 

「ちょっと、全部身体じゃん、それならしっかりと狙えれば当たるって」

 

「ああ、それが大事なんだ、大体みんなはゲームなどでもダメージの多い頭や動けないように足などを撃つことが多い。でも頭や足はどうだ?身体より小さいだろう?」

 

「そうね、でもダメージが大きいわよ?」

 

「ああ、確かにどんな時でも百発百中ならそこを狙えばいい、でも実際はどうだ?もしデストロイヤーが敵に襲われそうになっていて、敵が全力疾走でこちらへと向かってきているとしよう、足や頭に絶対に当てる自信はあるか?」

 

そう言うと、しばらく考えた後に、

 

「今はないけれど、それこそ練習すればいいんじゃないの?」

 

「ああ、まあ確かにそうなんだが…相手にも体格差があるだろう?もし相手が子供くらいの身長だったらどうだ?いつもの訓練時の高さより下になる、本当に上手いやつならそれでも難なく当てるだろうが俺達にはそれは無理だ、なら1番当たって急所となる場所があるのはどこになる?」

 

そう言うと、またしばらく考えた後に、

 

「…身体?」

 

と答えてきた。

 

「ああ、そうだ、俺たち人間や、君たち自律人形にもそこを破壊されれば死ぬ場所…つまり心臓がある、そこに当たらなくても内臓があるだろう?内臓にダメージが入って動いていれる自信があるか?」

 

そう言うと、痛みを想像してしまったのかデストロイヤーは少し顔を青ざめて首を横に振った。

 

「だろう?…まあ確かに相手が防弾チョッキなどの防弾装備をしている時は1発じゃ相手は止まらないだろう、だが弾は防げても衝撃は防げない、衝撃だけでも充分テロリストとかの一般的な敵なら足止めに充分だ、なら止まっているうちに逃げるか落ち着いて足などを撃てばいい、だろ?」

 

「確かにそうね、まずは当てることを頑張るわ」

 

「ああ、多分デストロイヤーならすぐに動いてる目標に的確に当てれるようになるよ、じゃ、続きしようか」

 

そう言い、マガジンを外してスライドを動かして弾を出してから、銃をレッグホルスターへと戻し、デストロイヤーの訓練を再開した。




いかがでしたでしょうか?
出てきた銃はもう作者の好みですw
ちなみにデストロイヤーの訓練内容はハンドガンドリルの本を参考に書かせていただきました。

評価、コメントを頂ければ幸いです。

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  • HK417
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