仕事+けいおん(アニメ)を見てたから。
やっぱ面白いわ。映画もみたよ。
けいおんを知らない読者?のために読み仮名をつけてみた。いらない?そんなー。
あ。感想と評価のエサありがとー。
各話の後書にアニメ名を追記しやした。タグも増やしました。
フリクリとかナディアは有名じゃないのん?
とある日の秀人は誘われた夏祭りに演奏で参加するため、約束の時間に遅れている
「あ、秀人だ。おぃーす!」
「ごめん! 遅れたっ!」
「おぃーす。連絡は貰ってるからあんま気にすんなよ。つかさ、りっちゃん隊員。エンジョイし過ぎじゃね?」
「いやあ、久しぶりの夏祭りだからワクワクしてきてな! お前にもなんかやろうか。あんま美味しくないたこ焼き、あんま甘くないたい焼き、微妙に半生のお好み焼きから選ばせてやろーじゃないか。どれがいい? 遠慮すんなよー? なんなら全部食うか?」
「ただの罰ゲームだろうが」
「律……。まずは秀人くんに謝ろうな」
道に迷ったはずの律は両手の食べ物を掲げて見せ、頭にはテレビで放映中の戦隊ものの怪人の仮面が付けられていた。横で呆れている澪の頭にも仮面があることと、左手に握られているワタアメに気付いた秀人は見なかったことにした。
「連絡は貰ったが時間は押してるから急ぐぞ。そ、れ、と。関係者に謝るさわちゃんの顔は見物だったなー。軽音部の後輩を連れてきたさわちゃんの気遣いがなー。大学でバラけた先輩や後輩が久しぶりに揃う手筈をさわちゃんがしてくれたってのに、今の誰かさんを見たら怒りそーだなー」
「うへぇ。マジかよぅ」
「律……。しっかり謝ろうな」
「りっちゃん? 諦めろん」
「うへぇい。なぁ、澪。秀人も。このまま遊ぶ選択肢なんて……」
「律。急ごう。絶対に怒ってるぞ」
「ないですよねー。ああ、唯。どうしてお前は肝心なときに居ないんだ。お前がいればさわちゃんの怒りが分散されるのに」
「目覚まし時計を一時間早くかけたからな。梓から電話貰っただろ。いい加減に覚悟を決めろッ」
「ムギもムギだぞ。妹分が気になるからって先に行きやがって、て痛ッ」
「いいから急ぐぞッ!」
澪から拳骨を貰った律がブツブツと文句を言いながらも先頭で案内をする秀人の背中をみて思い出した。
「そういやさ、澪。お前の服装ってさ」
「なにょいッ」
──秀人のロックなヤツに意識しちゃった? なんて訊いたら沸騰しそうだな。こいつ。
「オラァ。急ぐっ!」
『はいッ! すいませんでしたッ!』
▲▽
祭り会場の待機テントで仁王立ちをしている高校の教師である山中さわ子に対し、正座をして謝る律と澪の大学生二人に周囲は苦笑いだ。ギターのチューニングをしていた、いろいろと小さい高校三年生の
もはや説教ではなく、日頃の愚痴が出ているさわ子からヘッドロックをされてる二人に温かな笑みを向けるのは育ちの良さが隠れきれていない
同じ大学に進学した大学一年生の先輩たち四人と、軽音部の後輩である高校生たちの仲は良い。軽音部の先輩バンドの『放課後ティータイム』と後輩バンドの『わかばガールズ』の舞台が始まる前であっても怒りを沈めないあたり、顧問であるさわ子との関係も昔から変わらないようだ。
「秀人くんすまない。少しまずいことになった」
「湊のオッサンか。どした?」
「他の皆さんも落ち着いて聞いてください。予定していたバンドが来ていません。どうやら連絡もとれない状況みたいです」
湊社長に続くように口を出した
和の三歳も下である秀人が思考を明後日に飛ばして遊んでいると、欠片も心配していない湊社長の顔をみて我に返った。湊社長はトラブルを歓迎してはいないが、楽しんでいる雰囲気がある。驚きのまま固まっている周囲とは場数が違うのだ。
「まあいいか」
「秀人くん? なにかあるかい?」
「関係ない考え事してたわ。オッサン。そいつらのタイムテーブルは?」
「居ないバンドの時間は七十五分だね。もちろん、アンコールの時間をいれてだ」
「長ぇな」
「彼らもプロだからね? 違約金が痛いだろうけど彼らの出番は後回しになるだろうさ」
「ずらすしかないと。オッサンの見立ては?」
「厳しいね。あちらの状況が分からないのが痛い。事件か事故か。遅刻か欠席か。トラブルなのは間違いないだろうけど」
「ほーん。ファンの数は? 告知はしてんの?」
「それなり、かな。Webで告知はしていたようだよ。出演のね。まとまった集団が困惑していたからファンだと思う。百には届かないよ」
「百名以下のファンの不満ね。年齢層は?」
「さすがに若い。中心は二十代だよ。なかなか気合の入ったパンクな格好をしてるね」
「なるなる。穴埋め三曲やってMCいれてみっか。他の客層は?」
「そちらはバラバラだね。主なのは三十代家族連れ、十代後半から二十代前半の学生さんかな。一番高いのはお孫さんを連れたお婆さんだと思うよ。それで秀人くん。そろそろ考えは纏まったかい? 楽曲はどうする? あちらのファンを奪って恨みを抱えたくはないよ」
「パンクは外すさ。言い訳は機材トラブルな。誰かにまりなを呼びに走らせて、アコギと拡声器を用意させてくんない?」
「すでに持ってきたわよ。さわ子先輩まで固まってどうするんですか。それで秀人。どうするか決めたの?」
「さすがまりな。ありがとさん。オレがやることは決まってるさ」
──ライブジャックだ。
そこからの動きは澪の目からみれば信じられないほどに速い。動き回るスタッフに指示を出している湊社長は演奏でも裏方でも経験値のある大人だから素直に納得しているが、中心にいる秀人は生意気な雰囲気のある年下の少年なのだ。さわ子に紹介されたときにはその年齢でプロデビューをしていると聞いて驚いたものだが、現状をみればさわ子が自慢気な顔をしていた理由もわかった。
「これがプロのミュージシャン……」
「だな」
「律」
「見ろよ澪。あちこちから偉そうなオッサンが駆け込んで来てるしさ。初対面から話しやすいヤツだとは思ってたけど、あたしらとは違うわ。演奏も凄いけど顔がプロしてるもんな。偉そうなオッサンたちにタメ口だしよ」
「そうね。こういうトラブルにも慣れている雰囲気があるし、経験値が高い、そんな感じがするわね」
「ムギ」
「余裕を感じるから大丈夫なんだよ、きっと。私たちは私たちでスゴいのしないとね。ガンバるぞー」
「唯」
「あんたたちが秀人より凄いライブなんて無理だからね。あんたたちはあんたたち。自分たちらしい演奏をしなさい。あっちはプロなんだから」
「さわ子先生」
「もう先生じゃなくていいわよ? あんたたちは卒業したんだから」
「さわちゃんのバカー。もっと応援しろー。なんかこう、あるだろッ」
「してるじゃない。りっちゃんガンバ! あんたたちのライブはビール片手に応援するゾ」
「ぜってーバカにしてるゾ」
「はいはい。ちょっとまりな。彼女たちの出番はどうなるの?」
澪たちから離れたさわ子が秀人の側にいるまりなに近寄って会話に参加している。
「澪先輩……」
「凄いな梓。もう打ち合わせが始まってる。このトラブルも秀人くんには何でもないみたいだ。演出に利用するらしいぞ」
「そうですね。こういうのがプロの仕事なんでしょうか。秀人くんには驚かされてばかりです」
「さわ子先生がいきなりだもんな。昔のツテで凄いのとライブできるって引っ張ってきてさ」
「信じられない目でみた私たちに即興で弾き語りですからね。度肝を抜かれました」
「疑ってたのは皆じゃなくて梓だろ? 秀人くんの同い年だと思われたの、まだ気にしてたのか」
「してません! 澪先輩も準備しますよ?」
「まあまあ。さわ子先生を待とう。何か変更があるかもしれない」
「そうですか。分かりました」
「あずにゃーん! 一緒にチューニングしよー」
「唯先輩? はあ。分かりました」
▲▽
出番が繰り上げされた『放課後ティータイム』と『わかばガールズ』の演奏は無事に終わり、全力を出しきった達成感が抜けないまま、待機テントを抜け出した私たち軽音部は客席に走った。迫る時間に耐えているスタッフたちの顔を笑顔へと変えた秀人のライブが始まろうとしているのだ。
『うぃー。Hideどーす。機材トラブル? らしくてさー。マイクも死んでやんの。拡声器でごめんねー』
──えぇぇぇ──
『あ。オレを知ってるひとがいるな。笑い声が混じってたぞ。オレのことを知ってるひとー』
秀人が左手を上げると釣られるように上がる手がチラホラと客席にあった。
『年齢層バッラバラ。デビューして一年目の新人よ? ネットにはデビュー前から流れてるけどさ。ちなみに事務所も一年目ね。立ち上げたばっかりの会社だから社長も新人なのだよ。あ。所属アーティストはオレだけだから、検索しても意味あるかなー』
笑い声が観客から上がる。中にはネットでみた動画を叫んでいるひともいた。
『なんか喋って時間を使え。そんな指示を無視して歌っちゃおうかなー』
──歌えぇぇぇ──
『ノリがいいな。アカペラになるよ? アコギあるけど騒いだら聞こえないよ?』
──歌えぇぇぇ。アコギィィィ。静かにぃぃぃ──
『そんならアコギで一曲やって様子みるか訊こうと思ったら片手に拡声器持ってるよ。あ。マイクなおったの。なら『少年時代』と『自転車泥棒』を歌いたいんだけど。バックバンドのみんなイケる?』
それぞれの楽器が鳴らされて流れ始めるメロディに観客が酔いしれる。どこか切なく、どこか温かい二曲を続けた秀人は歌い終わったマイクを横に拡声器を持ち上げた。
『なんかさ。最後のバンドがトラブって来れないらしいぞ。スタッフが大騒ぎしてる』
彼らのファンらしき集団が叫んでいる。
『てぇ、こぉ、とぉ、はぁー』
拡声器を置いた秀人は走ってきたスタッフからエレキギターとアコースティックギターを交換してマイクを握った。
「こっからはオレの夏祭りだっ! 調子変わるよ? 盛り上がっちゃうよ? 真っ赤な二曲。始まりは『赤いタンバリン』だッ!」
音楽を聴かせていた秀人のライブの色が真っ赤に染まる。盛り上がる歓声に続けと『Red fraction』で赤く攻めた。最後になった『空色デイズ』で色の付いたライブは幕を閉じ、盛大なアンコールが始まった。五分は経過しただろう。
『きちゃった』
一度引っ込んだ秀人が拡声器を片手に月島まりなと腕を組みながら会場に戻ると悲鳴に似た歓声があがる。
『月島まりな、歌わせます。『創世のアクエリオン』です』
──これが後に語られるまりな伝説の序章『月島まりな強制されたデビュー』である。
顔を真っ赤にして歌いきった月島まりなは走って舞台袖に消え、私は全力で惜しみない拍手を送った。私がその立場にいれば、絶対に歌う前に逃げ出すからだ。
無理やり歌わされた月島まりなの可愛らしさと、繰り返された『愛してる』が頭に残る観客に秀人は『スターな男』と『ヒゲとボイン』で三十代の観客の心を掴み、『素晴らしい日々』と『ありがとう』でその場の全員の心をひとつにした。
このライブが秀人のバックでベースを弾くキッカケになるとは、当時の私はひと欠片も想像していなかった。ましてや、歌まで歌わされるとは。
──語り手、秋山澪。
『少年時代』井上陽水
『自転車泥棒』ユニコーン
『赤いタンバリン』BLANKEY JET CITY
『Red fraction』MELL(アニメ、BLACK LAGOON)
『空色デイズ』中川翔子(アニメ、天元突破グレンラガン)
『創世のアクエリオン』AKINO(アニメ、創聖のアクエリオン)
『スターな男』ユニコーン
『ヒゲとボイン』ユニコーン
『素晴らしい日々』ユニコーン
『ありがとう』井上陽水奥田民生
ヒロインレースの勝者は?
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今井リサ
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月島まりな
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湊友希那
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秋山澪
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その他