(白)ウォズのヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

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夜嵐の本音

印照たちが秘密の密会をしている中で爆豪対夜嵐の戦いは膠着状態が続いていた。

 

夜嵐は開始早々に上空へ飛び空中から爆豪を風で吹き飛ばそうとするも爆豪は爆破の逆噴射で場外負けを防いでいた。だが見るからに爆豪が不利だった。なぜなら夜嵐の攻撃は爆豪に少なからず体力消費の効果があるにも関わらず爆豪は未だに決定打を生み出せていないからだ。爆豪は爆破で夜嵐の元まで辿り着けるかもしれないと思われるが爆豪はわかっていた。下手に飛び出せば風の影響をモロに受けて場外へ飛ばされるからだ。

 

だがこのままではジリ貧だ。そう思った爆豪は

 

「スタングレネード!」

 

爆破による閃光で夜嵐の目くらましをはかる。夜嵐が爆豪の姿を見失った隙をついて爆豪は上空まで一気に飛ぶと回り始めて勢いをつけ始めた。

 

こうなると風の影響を受けにくくなったため五分五分となった。

 

「ハウザー……インパクト!」

 

「スピニングトルネード!」

 

人間爆弾と超回転の竜巻で二人は吹き飛ばされた。

 

そして勝ったのは……

 

『夜嵐くんが先に場外!爆豪くん!決勝戦進出!」

 

『最後の最後で爆豪が大逆転ー!!!夜嵐も見事だったぞー!!!』

 

勝利した爆豪にも健闘を称えた夜嵐にも惜しみない拍手がおくられた。

 

勝った爆豪だったがどこか浮かない顔をしていた。

 

『ってことでー!!!決勝戦は緑谷と爆豪の一騎打ちだああああ!!!』

 

・・・・

 

夜嵐くん負けちゃったか……かっちゃんも凄かったな……

 

そう思いながら僕が控え室に向かっていると途中で

 

「あっ……夜嵐くん、惜しかったね!」

 

「っす!ありがとうっす……!でも…悔しかったっす……」

 

まあ悔しいのはわかる。僕がここに来るまでに負けた人だって悔しかった人はいるだろう。

 

その人たちの思いも背負って僕は挑まねばなるまい

 

「じゃあ僕はもう行くね」

 

「あっ緑谷!」

 

「なに……?」

 

「俺……前の質問のこと答えてなかったっすよね……」

 

「前の質問……?」

 

「俺……ずっと嫌いだったものがあったっす……」

 

ああ!ウォズが言っていたあの質問か!

 

「俺……入試の時に轟にあって、アイツとダチになれると思ってたんだ……でもアイツの目はエンデヴァーと同じ遥か先を憎むような目で俺を見てなかった。それで俺アイツのこと嫌いになっちまったんだけどさ。アイツの身の上話をこっそり聞いちまって……アイツも誰かに救いを求めてたんだなあって、アイツのことをなんか放って置けなくなって……でもお前がアイツを救ってくれて……アイツが変わって……それでさっき話したんだ。そしてアイツは「すまねぇ……」って言ってくれたっす……だから俺、アイツともう一度友達になれると思うっす……だからこう……上手く言えないけど……お前に感謝してるんだ!緑谷!お前のおかげで俺もアイツももう一度前を向いていける!ありがとな!決勝戦頑張れよ!」

 

夜嵐くん……!

 

「うん!」

 

そして僕は決勝戦の舞台に立つ。

 

『さあああああ!!!いよいよ決勝戦だ!二つの力を使いこなす二人で一人のヒーロー!緑谷出久!バーサス!中学の時から話題!なんと緑谷とは幼馴染!爆豪勝己!』

 

「クソデク……例え個性を持っていようと……テメェは俺より下だぁ!!!」

 

「僕は負けない!ここまで来るために戦った皆の思いも背負って!」

 

『それでは決勝戦!レディィィィィィースタート!!!』

 

そして今決勝戦の火蓋が切られる。

 

 

 

 

 

 

 

 


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