「成る程……お前らが……雄英襲撃犯…その一団に俺も加われと」
「ああ、頼むよ。悪党の大先輩」
「……目的はなんだ」
「その答えはちょっと待ってくれないか。まだ同盟相手が来ていない」
「いいだろう……」
そしてその場に彼をここへ連れてきた黒い霧が再び現れると
「ここが……お前らのアジトか……」
「コイツが……成る程、敵連合はヤクザの大物までとコンタクトをとっていたと……」
「おいおい……なんでこんなところにヒーロー殺しがいるんだ?お前が連れてきたのか?死柄木弔」
「ああ、そうだよ。次の計画を達成させるためにも先生が必要だとか」
「先生だと……?誰だソイツは」
『僕だよ』
「っ!?」
『モニター越しで済まないね、ヒーロー殺し。僕の名はオールフォーワン。こんな体である以上自由に動けなくてね……無礼を許してほしい」
「なるほど……オールフォーワンか。とんでもないやつがバックにいたもんだ。無礼はいいが俺はコイツの答えをまだ聞けていない。お前らの目的はなんだ」
「前までなら……なにもかもぶっ壊したい……って思ってたが……今は違う。ヒーローが祭り上げられてる……個性によって全てが決まる……こんなクソみたいな社会をぶっ壊したいと思ってるよ」
「成る程……俺はこの社会を正したい……お前は全てを無に帰したいと……目的は違うようだがこの世界を変えたいという思いは同じようだな……お前がこの世界にどう出るのか……興味が湧いた。いいだろう。敵連合に入ってやる」
「感謝するぜ先輩」
「おいおい、俺を抜きに進めるな。まあそのヒーロー殺しが入ってくるのには文句はねえが……それで俺をここに呼んだ理由はなんだ?」
「……近々、ヒーローたちがお前のことを調べているそうだ」
「なに……?」
「それでお前の目的を成すためにも……先生はお前に協力したいそうだ」
「なるほど……わかった。協力には感謝する」
「ヒーロー殺し。アンタにも協力してもらう。別にアンタの邪魔をしようってわけじゃない。ただ」
「ただ?」
「協力して一緒に動いてもらいたいんだ。そうすることでお互いの目的を達成させるというわけだ」
「成る程……ヒーローの力を分断させるわけか……」
「そういうことだ。協力してくれるか?」
「……いいだろう」
「じゃた暫くは暴れないでくれ。それだけは約束してもらいたい」
「わかった……」
「じゃあ黒霧、計画の説明を頼む」
「わかりました」
・・・・
「よろしくお願いしまーす!」
「うむ!よく来てくれた!私がクラストだ!君のヒーローネームは?」
「はい!リアルスティールです!」
「本物の鉄……熱いじゃあないか!良いヒーローネームだな!」
「そう言ってもらえると嬉しいっす……!」
「うおおおおおっ!やはり君は熱い男だった!指名を入れて正解だったよ……!」
「クラストさん……!」
その場で熱く燃え上がるクラストたちを見たサイドキックたちは
(いつもより燃えてるなー……)
(いつまで続くんだろう……)
と近寄れずに外野から見守っていた。
・・・・
「轟……よろしく……」
「ああ、よろしく」
特に会話もないままその場を歩いていく轟と黒色。
が
「なあ……」
「なんだ?」
「緑谷たちって……どんな奴らなんだ?」
「…それはどういう意味だ?」
「思ったんだ。体育祭で緑谷たちと戦って、アイツらに助けられて……オールマイトに気にかけられるのも……わかる気がして……でもそれ以上に何か……アイツらにはあるんじゃないかって……なあ、教えてくれないか?アイツらと俺の違うところってのは」
「そうだな……俺はお前の境遇なんて知らないし、お前がどんな気持ちで育ってきてお前がそうなったかもわからない。だから本来他人がどうこう言うなんてもんじゃないが……アイツらは……それでも放っておけない奴らなんだ。そして俺に言えるのは、あの時のお前は……憎しみに囚われていて……目の前にあるものが見えないような顔をしていた。それだけはわかった。そして緑谷たちが気にかけて……お前をヒーローに戻した。だからお前と緑谷の違うところってのはヒーローがなんなんかを理解していた時期の違いなんじゃないか?」
「……」
「今のお前はあの時のお前じゃない。なにか吹っ切れたんだろ?ならお前と緑谷は全然違わない。お前もヒーローになれるさ」
「そうか……ありがとう」
「気にするな……俺も……緑谷のおかげで変われた仲間だからさ」
そしてエンデヴァー事務所に到着すると会話を辞めて中に入っていった。
「……よく来たな焦凍、それに黒色くん。君たちの活躍は体育祭を見てたよ。見事なものだった」
「……よろしく」
「……よろしくお願いします」
「……焦凍よ」
「……なんだ」
「ここはNo.2の事務所だ。お前にとって学べることもあるだろう…ここでの俺を……見ていてくれ」
「……わかった」
「…ああ、職場体験中は名前ではなくヒーローネームで呼ぶことになっている。君たちのヒーローネームは?」
「俺はショートだ」
「……ベンタブラックです」
「成る程……わかった。よし!俺がヒーローについてを教えてやる!まずはパトロールだ!ついてこい!二人とも!」
そう言って外へ出ていくエンデヴァーな目はあの時とは違うと思い始めた轟であった。
次回あたりでアンケートを終了させて印照さんのヒーローネームを発表させていただきます。