出久が八斎會に戻ってくる数分前。
サンイーターが窃野たちを相手にしていた頃、ナイトアイたちは地下道を進んでいたが
「ぐっ!」
突如壁が手の形に変化してイレイザーヘッドを隣の部屋に突き落とそうとしたが
「イレイザー!」
「ファット……!」
ファットガムがイレイザーヘッドを突き飛ばして代わりに部屋に突き落とされる。
そして移動させられた暗い部屋でファットガムが立ち上がろうとした時
「雛か!何しとん!」
鉄哲はファットと同時に飛び出してファットに沈んでしまっていたのだった。
そして暗闇から男の姿が見えると
(拳!砕けても知らねえぞ!)
鉄哲はアイアンメタリカになって構えるが男はとてつもない連打を放ってきて、鉄哲の身体はヒビ割れて吹き飛ばされた。
そしてファットガムが右ストレートを放とうとするが突如現れた壁に阻まれて攻撃が通らなかった。
「我々は矛と盾、対してあっちは盾と盾。もっとも……そっちの少年は……盾と呼ぶにも半端なようだが……」
そして攻撃を受けた鉄哲には激痛が走り
(痛え……!受けきれなかった……!もう一回連打来たら……受けられねえ……!強くなれた気でいた……!俺はー……!)
「アイアンメタリカ解くなや!心まで折れたら!ホンマの負けや!」
ファットガムの叫びによってアイアンメタリカの状態でいつづける鉄哲。
しかし痛みと恐怖のせいでその場から動けない鉄哲を置いて乱波はファットガムに連打を浴びせる。
だがファットガムは乱波の衝撃を蓄積していって放とうとするが攻撃のタメが作れなかった。そして乱波の連打がファットガムに襲いかかろうとした時、
「何!?」
鉄哲がファットガムの前で立ち塞がり連打を受け止める。
(耐えた!?さっきは軽く吹っ飛んだはず)
乱波はどこか嬉しそうな表情で連打を続ける。
(割れたそばから固めてけ!)
鉄哲はヒビ割れた身体の部分を硬化していき、攻撃に耐え続ける。
「お前!いいな!」
「ああああああああああ!!!!」
そして鉄哲の拳が乱波に当たる寸前で天蓋がバリアを発動させた。
「我が防壁の前に成すすべなく……倒れるだけだ」
天蓋がそう言い放つが
「無意味やないで。おおきに!ええ矛になったわ!」
そしてとてつもないエネルギーがファットガムの右腕にチャージされていき
「天蓋バリア解けえ!」
「無意味どころか……!このための特攻だったのか!」
(違えよ……俺はただ怖かったんだ……死ぬことも……敵も……でもそれ以上に誰かが死んで後悔する方が怖かった!失うことが怖かった!だから俺は悔いなく生きると決めたんだ!仮面ライダーみたいに……!)
「敗因一つや!甘く見とった!俺も!お前らも!」
「最大最硬防!」
「無駄だ……割られる」
「リアルスティールっちゅうヒーローの!漢気を!」
そして矛盾対決は鉄哲たちが制した。