(白)ウォズのヒーローアカデミア   作:ハッタリピエロ

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GO!Iアイランド!

期末試験で赤点を回避したおかげで一安心できた僕。

 

今は昼休みで皆で弁当を食べている。今日の弁当は、筑前煮にほうれん草の胡麻和えにブリの照り焼き、きのこご飯などの和食弁当だった。

 

「林間合宿何するんだろうねえ?」

 

吹出くんが僕も思っていたことを呟く。

 

最初は半分ぐらいだったが今じゃB組の皆で弁当を食べることがほとんどだ。

 

「雄英のことだからplus ultraって無茶ぶりするんじゃねえの?」

 

円場くんがそう言うと皆も苦笑いを浮かべた。

 

「なんかシンドそうだなあ……」

 

「アハハハハ……」

 

「どんな特訓だろうと受けてやるぜ!」

 

凡戸くんに角取さんのテンションが下がる中、逆に鉄哲くんのテンションは上がっていた。

 

でも僕も心の中では合宿は楽しみだ……!

 

「しっかしウォズの弁当は今日も上手いな~!」

 

「うんうん!ウォズ君ってホントにキノコ料理が得意だね!あっ!勿論他の料理も上手いけど!」

 

取陰さんに小森さんもご飯を食べながら笑顔を浮かべている。

 

『いいものだ……私は皆のこういう笑顔がみたかったんだ……』

 

ウォズ……だったらここは僕が……

 

「ねえねえ。ウォズも嬉しいってさ。心の中で黄昏ているよ」

 

『ちょ!?出久!?』

 

「へ~そうなんだ~」

 

取陰さんがニヤニヤとした笑みを浮かべる。皆、ウォズの性格を知っている。クールで感情をあまりださないことも。だからそんな彼の意外な一面を見た取陰さんにとっては格好のからかい対象だったのだろう。

 

『ハハハハハ!!』

 

教室中に笑いが零れた。

 

「取陰~!いいじゃないか!その調子でもっとウォズを弄んで「黙れ!」ぐふっ……」

 

物間くん……いくらあの訓練でウォズに恨みを持っているからって……一佳ちゃんがすぐに黙らせたけど……

 

「相変わらずだな~物間」

 

「でもみんなスマイルで楽しいデス!」

 

回原くんに角取さんもわらっている。楽しいなあ……

 

とその時

 

「緑谷少年緑谷少年……」

 

「お、オールマイト?」

 

僕の言葉に教室の皆が入口に注目する

 

「はい。私が来ました」

 

「普通だな」

 

「普通だね」

 

「もっとなかったのですか……?」

 

皆からの評価はいまいちだ。ハハハ……

 

「ちょっと緑谷少年借りていいかな?」

 

「え?ああ緑谷がいいなら……」

 

「僕はいいけど……何の用ですか?オールマイト」

 

「実はね。この度私はIアイランドのIエキスポに招待されたのだが……招待状には一名の同伴者が許可されるのだ。そこで」

 

「まさか……」

 

骨抜くんがなにかを察したように呟く

 

「そう!君を私の同伴者として招待しようというわけさ!」

 

『ええーっ!!?』

 

「ぼぼぼ僕が!?オールマイトと一緒に!?」

 

「すげえじゃねえか緑谷!」

 

「ああ!正直羨ましいぜ!」

 

皆が僕に詰め寄ってきた。

 

正直僕自身もあのIアイランドに行けるとは思ってなかった。

 

「あとこれは皆にも関係するのだが……」

 

「なんですか?」

 

庄田くんがオールマイトに聞く。

 

「体育祭の優勝者、すなわち緑谷少年にもすでに招待状が届いていたのだ」

 

「マジかよ!?」

 

「あれ?でも……」

 

「そうだ。私の同伴者として行くとなると余ってしまうのでな。緑谷少年がよければだが……あと二人Iエキスポに行くことができる」

 

「僕はいいですよ。オールマイトの同伴者として行けるなんて光栄です!」

 

「じゃあこの一枚は余ることになる。となれば……」

 

「俺たちに……譲ってくれるんですか!?」

 

円場くんが机から乗り出して食いついてきた。

 

「そういうことになるね!皆で話し合って決めてもらうか、緑谷少年に決めてもらうかはそちらに任せることにするよ!」

 

そう言ってオールマイトはスタコラサッサと出ていく。

 

この後あーだこーだと話し合った結果じゃんけんで決めることになった。

 

その結果

 

「やった!俺たちだ!」

 

「よっしゃあ!……」

 

鉄哲くんと回原くんになった。

 

でも……

 

「あーあ……出久さんと一緒に行くチャンスが……」

 

「ま……仕方ないか……」

 

「それでも悔しい……」

 

「ん……」

 

僕の彼女たちはどうやら諦めきれないようだった。

 

そして放課後才子さんたちを門前で待っていると

 

「Iエキスポか……」

 

楽しみだな~

 

「やあ緑谷君!」

 

「うわっ!?通形先輩!?」

 

背後からいきなり声をかけられて思わず腕を伸ばした状態になってしまった。

 

「ハハハ!ごめんごめん。でも君にプレゼントがあるんだ!」

 

そう言って差し出した二枚の紙は

 

「これは……Iエキスポの招待状!?」

 

「そう!サーも体調を考慮して断ったし、俺もインターンで忙しいからね!君にと思って」

 

そうか。一つはサー・ナイトアイのもう一つは体育祭で優勝した通形先輩のものか。

 

「でも僕は……」

 

「ミリオ……もっと詳しく言わないといけない……」

 

「よ・う・は!緑谷君の彼女たちを連れていけ!って感じだよね!」

 

さらに後ろから現れた天喰先輩と波動先輩。

 

「波動先輩!?いやっそれは……!」

 

「ねえねえ~彼女たちとは上手くやれてる~?」

 

波動先輩が興味津々な目をして聞いてきた。

 

「え、ええまあ……」

 

「こまったときはお姉さんに頼ってね!応援しちゃうぞ!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

こうしてビッグ3と別れた後才子さんたちに渡すと

 

「行きますわ!」

 

「行かせて!」

 

「行く……」

 

「ん……!」

 

「よかった……麗日さんは八百万さんからもらった招待状で行くみたいだし……これで皆で行けるね!」

 

こうして僕たちはIアイランドまでに準備を整えることにした。

 

そして終業式が過ぎて当日、飛行機内では

 

「うわあああ……!」

 

「すげえ!すげえな!」

 

「二人ともはじゃぎすぎです」

 

「まあでもこのスケールはな……」

 

「すごい大きい」

 

「ん……」

 

「オールマイト、起きてください」

 

「おおっ!?寝てしまっていたか。向こうに着いたら大変だ。なぜなら……マッスルフォームでいつづけないといけないからね!」

 

こうして僕たちの長い一日が……始まったのだった。

 

 

 


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